確定申告の経費はどう計上する?集計の流れと書き方・按分・保存のルールを解説【2026年最新版】

「確定申告で経費はどうやって計上するの?申告書のどこに書けばいいの?」と疑問に思っていませんか?

事業所得や副業の雑所得がある人は、1年分の経費を勘定科目ごとに集計し、収支内訳書か青色申告決算書に書いて、そこで出した所得を確定申告書に転記します。領収書は申告書に付けて出すのではなく、手元に保存しておきます。

この記事では、経費を計上する流れ、その年の経費になる時期、家事按分の計算、10万円以上の買い物の扱い、領収書の保存、間違えたときの対応を解説します。

この記事のポイント

  • 経費を差し引けるのは事業所得・不動産所得・雑所得で、給与所得は給与所得控除で代わりに差し引く
  • 経費は勘定科目ごとに1年分を集計し、白色は収支内訳書・青色は青色申告決算書に書く
  • その年の経費になるのは支払った日ではなく、12月31日までに支払う義務が確定したもの
  • 仕事と私用を兼ねる支出は、仕事の部分を明らかに区分できれば按分して経費にできる
  • 10万円以上の物は原則減価償却で、青色なら40万円未満(2026年4月以降の取得)を一括で経費にできる
  • 領収書は申告書に添付せず保存し、白色は5年・青色は原則7年残す
目次

確定申告で経費を差し引けるのはどんな人?

経費を差し引けるのは、事業や副業などで収入を得ている人です。会社員の給与のように経費を差し引けない所得もあるので、まず自分の所得の種類を確認しましょう。

経費を引けるのは事業所得・不動産所得・雑所得

確定申告で必要経費を差し引けるのは、事業所得・不動産所得・雑所得です(国税庁 No.2210)。個人事業主やフリーランスの売上は事業所得、家賃収入は不動産所得、副業の原稿料などは雑所得になることが多く、どれも「収入−必要経費」で所得を計算します。

税金は、この所得から基礎控除などの所得控除を引いた金額にかかります。経費を正しく計上すれば所得が減り、そのぶん所得税と住民税が少なくなる仕組みです。

一方、会社員やアルバイトの給与所得は、実際にかかった経費を差し引けません。その代わりに、収入に応じた給与所得控除を差し引きます。令和8年分は最低でも74万円です。

会社員でも、副業の収入が雑所得や事業所得にあたるなら、副業の経費は差し引けます。給与にかかわる経費を差し引く「特定支出控除」は別の制度で、こちらの記事で解説しています。

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経費を計上すると税金はどのくらい減る?

経費が10万円増えると、所得税と住民税を合わせて約1万5千円〜3万円ほど税金が減ります。減る額は、その人の所得税の税率で変わります。所得税の税率は課税される所得金額に応じて5%から45%の7段階で、令和8年分は所得税に2.1%の復興特別所得税が加わります(国税庁 No.2260)。住民税の所得割は一律10%です。

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課税される所得金額所得税の税率所得税の減少額(復興特別所得税込み)住民税の減少額合計
150万円5%約5,100円10,000円約1万5,100円
300万円10%約1万200円10,000円約2万200円
500万円20%約2万400円10,000円約3万400円

経費10万円を増やした場合の目安です。経費を引いたあとも同じ税率の区分に収まる前提で計算しています。個人事業税や国民健康保険料も所得で決まりますが、業種や自治体で変わるため表には含めていません。

表のとおり、10万円を使って戻ってくる税金は一部だけなので、税金を減らすために不要な物を買うと手元のお金はかえって減ります。税率ごとの試算は、こちらの記事でくわしく紹介しています。

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経費になるかは事業に必要な支出かで決まる

経費になるかどうかは、その支出が事業に必要だったかで決まります。国税庁は、必要経費を「総収入金額を得るために直接要した費用(売上原価など)」と「その年に生じた販売費・一般管理費その他業務上の費用」の2つとしています(国税庁 No.2210)。

仕事で使う道具や通信費、取引先への交通費などは経費になります。一方、仕事に関係がありそうでも、次の支出は経費になりません。

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経費にならない支出理由と扱い
所得税・住民税個人にかかる税金のため。事業税や業務用の固定資産税は経費になる
国民健康保険料・国民年金保険料経費ではなく、社会保険料控除として所得から差し引く
罰金・交通違反の反則金必要経費にならないと定められている
生計を一にする家族に払う家賃・給与原則として経費にならない(青色事業専従者給与などを除く)
借入金の元本の返済借りたお金を返しているだけなので経費にならない(利息は経費)
事業主本人の健康診断・ジムの会費個人の健康のための支出とされる

出典:国税庁 No.2210

勘定科目ごとに、どんな支出が経費になるかの具体例は、こちらの記事でまとめています。

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確定申告で経費を計上する流れは?

経費を計上する流れは、日々の記録から確定申告書の提出までの5つのステップです。確定申告の時期にまとめてやるのは集計から先で、記録は日々か月ごとに進めておくと、申告直前に慌てずに済みます。

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ステップやること使うもの
1. 記録する支払いを日付・支払先・金額・内容つきで帳簿に残す領収書・レシート・通帳・カード明細
2. 集計する勘定科目ごとに1年分を合計する帳簿・会計ソフト
3. 決算整理をする減価償却・家事按分・12月分の未払いなどを反映する帳簿・按分の根拠
4. 決算書に書く白色は収支内訳書、青色は青色申告決算書の経費の欄に書く収支内訳書・青色申告決算書
5. 申告書に転記する決算書で出した所得を確定申告書に書いて提出する確定申告書

日々の支払いを帳簿に記録する

経費は、支払った日・支払先・金額・内容の4つを帳簿に記録します。白色申告の人にも記帳と帳簿の保存が義務づけられていて、確定申告の必要がない人も対象です(国税庁 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について)。

白色申告では、簡易な方法による記帳が認められています。経費は「雇人費・外注工賃・減価償却費・貸倒金・地代家賃・利子割引料・その他の経費」に分けて、日付・内容・支払先・金額を書けば足ります。青色申告で最大65万円の控除を受けたい人は、複式簿記での記帳が必要です。

仕事用の銀行口座とクレジットカードを分けておくと、明細がそのまま経費の記録になります。私用の支払いと混ざらないので、あとで1件ずつ仕分ける手間も減らせます。

勘定科目ごとに1年分を集計する

1年分の経費は、収支内訳書や青色申告決算書の経費の欄にある勘定科目ごとに合計します。通信費・旅費交通費・消耗品費・地代家賃など、決算書にあらかじめ印刷された科目に合わせて分けると、そのまま転記できます。決算書にない科目は、空いている欄に自分で科目名を書き足して使えます。

勘定科目の選び方で迷う人は多いですが、科目の選び間違いで所得は変わらず、所得を変えるのは「経費かどうか」の判断のほうです。所得は収入から経費の合計を引いて求めるので、通信費と雑費のどちらに入れても合計は同じだからです。

ただし、同じ支出を年によって別の科目に入れたり、どの科目にも入れにくい支出を雑費にまとめすぎたりすると、内容が分かりにくい帳簿になります。一度決めた科目は毎年同じものを使い、雑費は少額でほかに当てはまらない支出にとどめましょう。

年末に決算整理をする

年末には、減価償却・家事按分・未払いの経費など、日々の記録だけでは入らない経費を整理します。この作業を決算整理といい、主に次の項目を見直します。

  • 減価償却費:10万円以上の物の、その年の経費になる分を計算する
  • 家事按分:家賃や通信費のうち、私用の分を経費から除く
  • 未払いの経費:12月分で、支払いが翌年1月になる経費を入れる
  • 前払いの経費:翌年分を年内に払った分を、その年の経費から除く
  • 売上原価:仕入れがある人は「年初の在庫+仕入れ−年末の在庫」で計算する

仕入れた商品が年末に売れ残っていれば、その分はまだ経費になりません。物販やハンドメイドの販売をしている人は、12月31日の在庫を数えて記録しておきます。

収支内訳書か青色申告決算書に書く

白色申告は収支内訳書、青色申告は青色申告決算書の経費の欄に、勘定科目ごとの1年分の合計を書きます。どちらも確定申告書と一緒に提出する書類です。

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申告の種類経費を書く書類主な記入場所
白色申告収支内訳書(一般用)1ページ目の経費の欄。2ページ目に減価償却費や地代家賃の内訳
青色申告青色申告決算書(一般用)1ページ目の損益計算書の経費の欄。3ページ目に減価償却費や地代家賃の内訳

家賃収入がある人は、不動産所得用の収支内訳書や青色申告決算書を使います。確定申告書等作成コーナーや会計ソフトを使えば、科目ごとの金額を入力するだけでこれらの書類が作られます。

所得を確定申告書に転記して提出する

確定申告書そのものには経費の内訳は書かず、収支内訳書や青色申告決算書で出した収入と所得を転記します。事業所得なら、確定申告書第一表の「事業(営業等)」の欄に収入金額と所得金額を書きます。副業の雑所得は、「雑(業務)」の欄に収入と、収入から経費を引いた所得を書きます。

経費の領収書やレシートは、e-Taxでも郵送でも申告書に添付する必要はありません。令和8年分の確定申告の期限は、2027年3月15日(月)です。

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その年の経費になるのはいつの支払い?

12月から1月にかけての支払いは、どちらの年の経費にするかで迷いやすいところです。判断の基準は、お金を払った日ではなく、支払う義務が確定した日です。

支払った日ではなく債務が確定した年の経費

その年の経費になるのは、12月31日までに支払う義務(債務)が確定した費用です(国税庁 No.2210)。国税庁は、債務が確定しているといえる条件として、12月31日までに次の3つをすべて満たすことを挙げています。

  • 債務が成立している(契約などで支払う義務がある)
  • 支払いの原因となる事実が発生している(商品を受け取った、サービスを受けたなど)
  • 金額を合理的に計算できる

そのため、その年に支払っていなくても、債務が確定していればその年の経費になります。反対に、その年に支払っていても、債務が確定していないものはその年の経費にはなりません。このルールは、白色申告でも青色申告でも同じです。

12月分を翌年1月に払う経費はその年の経費

12月に使ったサービスの料金は、支払いが翌年1月でも、その年の経費に入れます。12月分の電気代やスマホ代、12月に納品してもらった外注費の請求が1月払いになるケースが代表的です。

帳簿では、12月31日の日付で「未払金」として経費に入れ、1月に支払ったときに未払金を減らします。支払った1月の経費にしてしまうと、その年の経費が少なくなり、税金を多く納めることになります。

なお、青色申告で、前々年の所得が300万円以下の人が届出をして「現金主義」を選んでいる場合は、実際に支払った年の経費にします。年をまたぐ報酬や経費の具体的な処理は、こちらの記事で解説しています。

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翌年分の前払いや使っていない消耗品は今年の経費にならない

年末に翌年分の家賃やサービス料をまとめて払っても、その分はその年の経費にはなりません。翌年分は、まだサービスを受けていないからです。税金を減らすつもりで年末に前払いしても、その年の経費は増えません。

ただし、1年以内に受ける継続的なサービスの料金を、毎年同じやり方で前払いしている場合は、支払った年の経費にできる取り扱いがあります。毎年1年分を前払いしているサーバー代などが当てはまります。

消耗品も、年末に大量に買って使っていない分は、原則としてその年の経費になりません。ただし、事務用品のように毎年ほぼ同じ量を買って使うものは、買った年の経費にしてかまいません。

固定資産税などの税金は、原則として納税通知書を受け取った年の経費です。何回かに分けて納める税金は、実際に納めた年の経費にすることもできます。

家事按分した経費はどう計上する?

自宅で仕事をしていると、家賃や電気代、スマホ代が仕事と私用で混ざります。こうした支出は、仕事に使った割合だけを経費にする「家事按分」で計上します。

経費にできるのは仕事の部分を明らかに区分できる金額

家賃や通信費のように仕事と私用を兼ねる支出は、仕事に使った部分を明らかに区分できれば、その分を経費にできます。国税庁は、こうした家事関連費のうち経費になるのは「取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額」に限るとしています(国税庁 No.2210)。

白色申告では、仕事に必要な部分が50%を超えるかで判断するのが原則です。ただし、50%以下でも、仕事に必要な部分を明らかに区分できれば、その分を経費に入れてかまわないとされています(所得税基本通達45-2)。白色申告だから按分できないということはありません。

白色申告の50%の考え方は、こちらの記事でくわしく解説しています。

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家賃・光熱費・通信費・車の按分の計算例

按分の割合は、家賃なら面積、光熱費や通信費なら使用時間、車なら走行距離のように、費用ごとに説明しやすい基準で決めます。計算例は次のとおりです。

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費用按分の基準計算例
家賃仕事に使う部屋の面積の割合月10万円×(仕事部屋10㎡÷全体50㎡=20%)=月2万円(年24万円)
電気代仕事で使う時間の割合月1万2,000円×30%=月3,600円
スマホ代通話やデータ通信のうち仕事の割合月8,000円×60%=月4,800円
ガソリン代走行距離のうち仕事の割合年12万円×(仕事6,000km÷全体1万km=60%)=年7万2,000円

車を仕事と私用で使っている場合は、ガソリン代だけでなく、自動車税や保険料、車検代、減価償却費も同じ割合で按分します。高速道路代や駐車場代のように、仕事のためと分かる支払いは按分せず全額を経費にします。

家事按分の割合の決め方は、税理士が解説したタックスナップの動画でも紹介しています。

按分は年末にまとめて計算し根拠を残す

按分の割合は、面積・時間・走行距離など説明できる基準で決め、その根拠を残しておきます。税務調査で割合の理由を聞かれたときに、間取り図や作業時間の記録を見せられれば説明がつきます。

按分は、毎月の支払いごとに計算しても、年末にまとめて計算してもかまいません。年末にまとめる場合は、1年分の家賃や電気代をいったん全額経費として記録し、決算整理で私用の分を除きます。帳簿では、除く分を「事業主貸」で処理します。

一度決めた基準は、仕事の仕方が変わらないかぎり毎年同じものを使いましょう。年によって割合が大きく変わると、理由を説明しにくくなります。割合の決め方の目安は、こちらの記事でも解説しています。

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家族に払う家賃や給与は経費にならない

生計を一にする家族に払う家賃や給与は、原則として経費になりません(国税庁 No.2210)。親と同居して家計が同じなら、親の家で仕事をして家賃を払っても経費にはできず、受け取った親の所得にもなりません。

ただし、親が持っている建物を仕事に使っていて、その建物の固定資産税を負担している場合は、仕事に使う部分の固定資産税は経費にできます。

家族に給与を払う場合は、青色申告なら「青色事業専従者給与に関する届出書」を出しておけば、届け出た範囲で経費にできます。白色申告の場合は、事業専従者控除として配偶者は86万円、ほかの家族は1人50万円を上限に差し引けます。

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10万円以上の買い物はどう経費にする?

10万円以上のパソコンや車は、買った年に全額を経費にできるとは限りません。金額と申告の種類によって、次のように扱いが分かれます。

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取得価額経費にするやり方白色申告青色申告
10万円未満使い始めた年に全額を経費○○
10万円以上20万円未満一括償却資産として3年で3分の1ずつ経費○○
10万円以上40万円未満少額減価償却資産の特例で、使い始めた年に全額を経費(年300万円まで)✕○
上記以外法定耐用年数に応じて減価償却○○

出典:国税庁 No.2100。少額減価償却資産の特例の40万円未満は、2026年4月1日以後に取得した物(3月31日までの取得は30万円未満)

10万円未満はその年に全額を経費にする

取得価額が10万円未満の物や、使える期間が1年未満の物は、使い始めた年に全額を経費にします(国税庁 No.2100)。勘定科目は消耗品費などを使います。

10万円未満かどうかは、消費税の経理の仕方で判定します。税込で経理している人は税込の金額、税抜で経理している人は税抜の金額です。消費税の免税事業者は、税込の金額で判定します。

判定は原則として1個(1組)ごとです。パソコン本体とモニターを別々に使えるなら、それぞれの金額で判定します。

20万円未満なら3年で均等に経費にできる

10万円以上20万円未満の物は、一括償却資産として、取得価額の3分の1ずつを3年間で経費にできます(国税庁 No.2100)。この方法は、白色申告の人も使えます。

たとえば15万円のパソコンなら、使い始めた年から3年間、毎年5万円ずつ経費にします。耐用年数どおりに減価償却するより、早く経費にできるのが利点です。

青色申告なら40万円未満を一括で経費にできる

青色申告の人は、2026年4月1日以後に取得した40万円未満の物を、使い始めた年に全額経費にできます。少額減価償却資産の特例と呼ばれるもので、2026年3月31日までに取得した物は30万円未満が対象です(国税庁 No.2100)。

一括で経費にできるのは、1年間の取得価額の合計が300万円に達するまでです。この特例は、2029年3月31日までに取得した物が対象です。使うときは、青色申告決算書の減価償却費の計算の欄などに必要な事項を書きます。

一括償却資産と比べてどちらが有利かは、その年の所得によって変わります。特例の要件と仕訳は、こちらの記事でくわしく解説しています。

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それ以上は耐用年数に応じて減価償却する

上の3つに当てはまらない物は、法定耐用年数に応じて、何年かに分けて減価償却費として経費にします。耐用年数は財務省令で決まっていて、たとえばパソコンは4年、新車の普通自動車は6年です。

個人事業主の減価償却は、届出をしなければ毎年同じ額を経費にする定額法で計算します。年の途中から使い始めた物は、使った月数分だけを、その年の経費にします。

仕事と私用の両方で使う車などは、計算した減価償却費をさらに仕事の割合で按分します。減価償却費は、収支内訳書や青色申告決算書の減価償却費の計算の欄に、資産ごとに書きます。

経費の領収書はどう保存する?

経費の領収書やレシートは、確定申告書と一緒に出す書類ではありません。経費の根拠として、決められた期間、手元に保存しておく書類です。

領収書は提出せず手元に保存する

経費の領収書やレシートは、確定申告書に添付せず、手元に保存しておきます。e-Taxで送信する場合も、郵送や窓口で提出する場合も同じです。

保存した領収書は、税務調査で経費の中身を確認されたときに見せる根拠になります。レシートでも、日付・支払先・金額・品名が分かれば経費の証拠として使えます。保存方法の詳細は、こちらの記事で解説しています。

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保存期間は帳簿7年・領収書は白色5年で青色は原則7年

白色申告は帳簿を7年、領収書や請求書を5年、青色申告は帳簿と領収書などを原則7年保存します。白色申告の保存期間は、次のとおりです。

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保存するもの白色申告の保存期間
収入や経費を書いた帳簿7年
それ以外に任意で作った帳簿5年
決算に関して作った書類(棚卸表など)5年
請求書・納品書・領収書など5年

出典:国税庁 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について

保存期間は、確定申告の期限の翌日から数えます。紙の領収書は、月ごとに封筒やファイルにまとめておくと、あとから探しやすくなります。

領収書がない支払いは記録で補う

電車代や慶弔費のように領収書がない支払いも、日付・支払先・金額・内容を記録しておけば経費にできます。出金伝票やメモに書き残し、帳簿にも同じ内容を記録しましょう。

交通系ICカードを仕事と私用で使っている場合は、利用履歴を印刷して、仕事で乗った区間に印をつけておくと根拠になります。お祝いや香典は、招待状や会葬礼状も一緒に保存しておくと、支出があったことを示せます。領収書がないときの対処法は、こちらの記事で解説しています。

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データで受け取った領収書はデータのまま保存する

メールやWebサイトで受け取った領収書や請求書は、印刷した紙ではなく、データのまま保存するのが原則です。電子帳簿保存法で、電子取引のデータは電子のまま保存するよう決められているためです。

ネット通販の購入履歴やクラウドサービスの請求書などが当てはまります。日付・金額・取引先で探せるように、ファイル名をそろえて保存しておくと、税務調査のときにも出しやすくなります。

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経費の計上を間違えたらどうなる?

経費の計上は、入れすぎても入れ忘れても、あとから直す手続きがあります。ただし、入れすぎを税務調査で指摘されると、追加の税金がかかります。

経費を入れすぎたら修正申告と加算税が必要になる

経費を入れすぎて税金が少なくなっていたら、修正申告をして不足分の税金を納めます。税務調査で指摘されてから修正すると、過少申告加算税として、増えた税金の10%(期限内に申告した税額と50万円のいずれか多い額を超える部分は15%)がかかり、納付が遅れた分の延滞税もかかります。

事実を隠したり、架空の領収書で経費を水増ししたりした場合は、過少申告加算税の代わりに35%の重加算税がかかります。また、令和5年分以後の申告では、帳簿を保存していなかったり、売上の記載が不十分だったりすると、加算税がさらに5%か10%重くなります(国税庁 個人で事業を行っている方の記帳・帳簿等の保存について)。経費の水増しが見つかる仕組みは、こちらの記事で解説しています。

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経費を入れ忘れたら更正の請求で取り戻せる

経費を入れ忘れて税金を多く納めていたら、申告期限から5年以内に「更正の請求」をすれば、納めすぎた税金が戻ります。申告期限内に気づいた場合は、正しい内容で申告書を出し直せば、あとから出したものが有効になります。

更正の請求には、入れ忘れた経費の領収書など、金額の根拠を示す書類が必要です。経費の記録と領収書を残しておけば、入れ忘れに気づいたときにも取り戻せます。

経費が多いこと自体は問題にならない

経費が多いこと自体は問題ではなく、事業に必要だったと説明できるかが問われます。経費に上限はなく、売上より経費が多い赤字の年があっても、根拠があれば認められます。

ただし、前年から経費が急に増えた科目や、年末に集中した高額な支出は、税務調査で理由を確認されやすくなります。大きな支出があった年は、契約書や見積書など、その支出が必要だった理由が分かる資料を残しておきましょう。

経費の集計をスマホで済ませる方法

確定申告の経費は、1年分の支払いを科目ごとに集計し、按分や減価償却まで整理するところで手間取りがちです。通帳やレシートを見ながら表計算ソフトにまとめるのは、思った以上に時間がかかります。

タックスナップは、日々の経費の仕分けから確定申告書の作成・提出まで、スマホひとつで完結する確定申告アプリです。控除だけの申告や雑所得の申告は、機能制限付きで無料で使えます(無料で使える範囲)。副業や個人事業の収入もある人は、有料プランの次の機能で帳簿づけから申告までまとめて進められます。

丸投げ仕分け&スワイプ機能

タックスナップは、銀行口座やクレジットカードの明細を取り込み、経費は右、プライベートは左にスワイプするだけで仕訳できます。安心プランの丸投げ仕分けなら、1,000件の取引も最短3秒で自動仕分けできます。

税理士監修の税務調査リスクチェック

安心プランには、税理士が監修した税務調査リスクチェックが付いています。申告前にリスクのある項目を自動で検知するので、初めての確定申告でも落ち着いて提出できます。

他会計ソフトからのスムーズな乗り換え

freee、マネーフォワード、やよいの青色申告、PayPayのデータを取り込めます。最短5分で乗り換えられるので、今年の途中からでも帳簿を引き継げます。

スマホで提出まで完結

確定申告書の作成からe-Taxでの提出まで、パソコンを使わずに進められます。マイナンバーカードがあれば、アプリからそのまま申告書を提出できます。

レシート読み取り機能で経費管理が簡単

レシートはカメラで撮影するだけで読み取り、複数枚もまとめて処理できます。紙のレシートを1枚ずつ手入力する必要がないので、経費の記録をスキマ時間で済ませられます。

タックスナップのリンクはこちらから

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ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。

2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード

意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。

外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

10分間あたりの平均経費処理件数は、他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピード

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)

速さの秘訣は丸投げ仕分け

タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。

銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。

「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

業界最速!税理士監修の丸投げ仕分けでは、1000件の経費処理が最短3秒

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心

「本当にこの内容で提出して大丈夫?」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。

あなたのデータをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが診断します。

修正するべき内容も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

登録者40万人YouTuber・ヒロ税理士が監修。ぜいもう調査リスクチェック

タックスナップは、確定申告をできるだけ簡単に、かつ安心して提出できるようにサポートするアプリです。 無料トライアルも行っているので、まずはその快適さを体験してみてください。

まとめ

確定申告の経費について、押さえておきたい点は次のとおりです。

  • 経費を差し引けるのは事業所得・不動産所得・雑所得で、給与所得は給与所得控除で代わりに差し引く
  • 経費は記録・集計・決算整理をしてから収支内訳書か青色申告決算書に書き、その所得を確定申告書に転記する
  • その年の経費になるのは、12月31日までに支払う義務が確定したもの
  • 仕事と私用を兼ねる支出は、面積や時間などの基準で按分し、根拠を残す
  • 10万円以上の物は金額と申告の種類で扱いが変わり、青色なら40万円未満を一括で経費にできる
  • 領収書は申告書に添付せず、白色は5年・青色は原則7年保存する

まずは今年の支払いを勘定科目ごとに集計し、12月分の未払い・按分・減価償却を整理してから、令和8年分は2027年3月15日(月)までに申告しましょう。

よくある質問

Q. 確定申告の経費はいくらまで計上できる?

経費に上限はなく、事業に必要だった支出なら全額を計上できます。売上より経費が多くなっても、事業に必要だったことを領収書や記録で説明できれば問題ありません。白色申告でも青色申告でも同じです。

Q. 経費が多いと税務調査に入られやすい?

経費が多いというだけで経費が認められなくなることはありません。ただし、前年から急に増えた科目や、年末に集中した高額な支出は、理由を確認されやすくなります。支出の目的が分かる記録を残しておけば、調査があっても説明できます。

Q. 会社員の副業でも経費は差し引ける?

副業の所得が雑所得や事業所得にあたるなら、副業の収入を得るためにかかった経費を差し引けます。会社からの給与には経費を差し引けず、代わりに給与所得控除が差し引かれます。副業の収入から経費を引いた所得が年20万円を超えると、原則として確定申告が必要です。

Q. 領収書は確定申告書に添付して提出する?

領収書は提出せず、手元に保存しておきます。e-Taxでも郵送でも同じです。保存期間は、白色申告なら5年、青色申告なら原則7年です。

Q. 領収書ではなくレシートでも経費にできる?

レシートでも経費にできます。日付・支払先・金額・品名が分かれば、支払いの証拠になります。品名が「お品代」だけの領収書より、内容が分かるレシートのほうが説明しやすい場合もあります。

Q. 国民健康保険料や国民年金保険料は経費になる?

国民健康保険料や国民年金保険料は経費にはならず、社会保険料控除として所得から差し引きます。差し引く場所が違うだけで、全額が控除の対象です。従業員を雇っている場合の事業主負担の社会保険料は、経費(法定福利費)になります。

Q. 白色申告と青色申告で経費にできる範囲は違う?

経費にできる支出の範囲は、白色申告も青色申告もほぼ同じです。違うのは、経費を書く書類(収支内訳書か青色申告決算書か)、40万円未満の物を一括で経費にできる特例、家族への給与の扱いなどです。青色申告なら、e-Taxで提出すると最大65万円の青色申告特別控除も受けられます。

Q. 去年の経費を入れ忘れていたらどうする?

申告期限から5年以内なら、更正の請求をすれば納めすぎた税金を取り戻せます。入れ忘れた経費の領収書など、金額を示す書類を用意して税務署に出します。

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