【2026年最新版】経費は何割返ってくる?税率別の早見表と年間経費額別シミュレーション

「経費にすると何割返ってくるの?」「10万円を経費にしたら3万円戻るって本当?」「年間50万円や100万円の経費だと、実際どれくらい節税できるの?」と疑問に思っていませんか。

結論からいうと、経費で戻ってくる金額は一律ではありません。経費を計上すると課税対象となる所得が減るため、実際の節税額は所得税率や住民税率によって変わります。一般的には、税率が高い人ほど経費による節税効果も大きくなります。また、「経費にした金額がそのまま返ってくる」というわけではなく、税金が軽減される仕組みです。必要経費は、事業所得を計算する際に収入から差し引くことが認められた事業上の支出を指します。

この記事では、「経費は何割返ってくるのか」という疑問に答えるため、税率別の早見表をはじめ、年間10万円・30万円・50万円・100万円など経費額ごとの節税シミュレーションをわかりやすく紹介します。経費の仕組みを正しく理解し、無理なく節税につなげましょう。

この記事のポイント

  • 戻る割合は所得税率プラス住民税10%でおおよそ15%から44%
  • 国民健康保険料と個人事業税を含めると軽減幅はさらに広がる
  • 経費を増やすほど戻る割合は下がる(適用税率そのものが下がるため)
  • 経費に制度上の上限はないが売上に対して不自然なと調査対象になりやすい
  • 10万円以上の資産はその年に全額戻らない

目次

経費は何割返ってくる?税率別の早見表

戻る割合は自分の所得税率に住民税の10%を足した数字で決まります。全员一律の返金率は存在しません。

課税所得所得税率住民税戻る割合経費10万円あたり
195万円未満5%10%約15%約15,100円
195万〜330万円10%10%約20%約20,200円
330万〜695万円20%10%約30%約30,400円
695万〜900万円23%10%約33%約33,500円
900万〜1,800万円33%10%約44%約43,700円

税率は国税庁の所得税の速算表(令和7年分以降)にもとづき、復興特別所得税2.1%を含めて計算しています。課税所得は、売上から経費と各種控除を引いたあとの金額です。

経費で落としても無料にはならない

戻ってくるのは軽くなった税金の分だけで、支出そのものは消えていません

10万円の備品を買って税金が3万円軽くなったなら、実質の負担は7万円です。必要なものを買ったときに負担が軽くなる制度であって、買うほど得をする制度ではありません。

「ずるい」と言われる背景と会社員との制度の違いについては、専門記事にまとめています。

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年間の経費額別シミュレーション

経費を増やすほど軽減額の総額は増えますが、戻る割合は少しずつ下がっていきます。適用される所得税率そのものが下がるからです。

売上600万円のケースで並べてみます。

年間の経費所得税住民税個人事業税税額合計軽減額戻る割合
0円約41万円約42万円約16万円約98万円
100万円約22万円約32万円約11万円約64万円約34万円約34%
200万円約12万円約22万円約6万円約39万円約59万円約30%
300万円約6万円約12万円約0.5万円約18万円約80万円約27%

前提は、青色申告特別控除65万円、所得控除の合計120万円、住民税は所得割10%で概算、個人事業税は税率5%で事業主控除290万円を引いています。国民健康保険料は自治体差が大きいため含めていません。

経費を増やすと適用税率そのものが下がる

経費100万円のときは34%戻っていたのに、300万円まで増やすと戻る割合は27%に下がります

所得税は累進課税なので、課税所得が下がると上の税率区分から抜けていきます。だから「もう少し経費を使って税金を減らそう」と考えても、期待したほどの効果は出ないことが多いです。

国民健康保険料と個人事業税も下がる

所得が下がれば、国民健康保険料も一緒に下がります。所得割の料率は自治体ごとに違うため一律の金額は出せませんが、上の表よりも実際の軽減額は大きくなります。

個人事業税は業種ごとに3〜5%で、年間290万円の事業主控除を超えた部分にかかります。上の表で経費300万円の行だけ事業税がほぼゼロになっているのは、この控除の範囲に収まったからです。


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経費に上限はある?何割までが妙当か

金額での上限は制度上存在しません。事業に必要だと説明できる支出であれば、売上を超えて赤字になっても計上できます。

制度上の上限はないが同業比較で見られる

税務署は業種ごとの経費率のデータを持っているため、平均から大きく外れた状態が続くと確認の対象になりやすくなります

なお「何割までなら安全」という公式な基準は公表されていません。仕入のある小売や飲食は経費率が高く、コンサルティングやデザインのような業種は低くなるのが自然です。割合の数字を気にするより、一件ごとに事業との関連を説明できる状態を保つことが本質です

赤字になっても問題ないが戻る額には限度がある

経費を増やして課税所得がゼロになれば、それ以上税金は減りません。軽減できる上限は、その年に本来納めるはずだった税額までです。

青色申告なら赤字を翌年以降3年間繰り越せますが、赤字が続くと事業と見なされなくなるリスクも出てきます。


その年に全額戻らないケース

1つあたり10万円以上のものは減価償却になるため、買った年に全額を経費にできません

30万円の機器を耐用年数5年で償却するなら、初年に落とせるのは使い始めた月からの月割り分だけです。年末に駆け込みで買っても、その年の節税効果は小さいです。

青色申告なら30万円未満まで一括で落とせる

少額減価償却資産の特例を使えば、1つあたり30万円未満をその年に全額経費にできます。年間の合計300万円までが上限で、白色申告では使えません。

高額の備品を買う年は、この特例だけで青色申告にする価値があります。減価償却の計算方法は専門記事で解説しています。

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前払いした費用もその年には落とせない

翌年分の家賃や保険料を年内に前払いしても、サービスを受けるのが翌年ならその年の経費にはなりません

ただし短期前払費用の特例を使えば、1年分以内の前払いは払った年の経費にできます。毎年続けて同じ処理をすることが条件なので、その年だけ使うことはできません。


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戻る割合を気にするよりも、実際に使った経費を一件も漏らさず計上するほうが、手取りへの影響は大きくなります。特に、少額の交通費や消耗品は、その場で記録しないと忘れてしまい、経費にできるはずの支出を見逃してしまいがちです。

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(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

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10分間あたりの平均経費処理件数は、他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピード

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)

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まとめ

経費で戻る割合は、自分の所得税率に住民税10%を足した15%から44%の範囲です。国民健康保険料と個人事業税を含めればもう少し大きくなります。

注意したいのは、経費を増やすほど戻る割合自体は下がっていくという点です。売上600万円の例では、経費100万円のとき34%だった戻り率が、300万円では27%まで下がりました。

制度上の上限はなく、割合の目安も公表されていません。気にするべきなのは割合でなく、使った経費を漏らさずに記録できているかどうかです。


よくある質問

Q. 経費にしたらいくら返ってきますか?

所得税率に住民税10%を足した割合です。課税所得が300万円の人なら約20%で、経費10万円に対して約2万円の税金が軽くなります。現金が振り込まれるわけではなく、納める税金が減る形です。

Q. 経費は何割が妙当ですか?

公式な基準はありません。仕入のある小売や飲食は高く、コンサルティングなどは低くなるのが自然です。割合を揃えようとするより、一件ごとに事業との関連を説明できることが重要です。

Q. 経費を使い切らないと損ですか?

損ではありません。使わなければ手元には7割前後が残ります。不要なものを買って経費を増やすと、確実に現金が減ります。

Q. 経費を増やして赤字にしてもいいですか?

実際に事業のために使った支出であれば問題ありません。ただし課税所得がゼロになった後はそれ以上税金は減らないので、軽減目的で使う意味はなくなります。

Q. 医療費控除では何割戻ってきますか?

控除なので考え方は経費と同じで、控除額に所得税率と住民税10%を掛けた金額が軽減されます。支払った医療費の全額が戻る制度ではありません。

Q. 売上が少ない年は経費を翼年に回せますか?

回せません。経費にする年は、支払い義務が発生した年で固定されます。ただし青色申告なら、結果として生じた赤字を3年間繰り越して翼年以降の利益と相殺できます。


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