「医療費控除はいくらから受けられる?」「年収によって条件は変わる?」「実際にいくら戻ってくるの?」と悩んでいませんか。
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に受けられる所得控除です。一般的には医療費が10万円を超えると対象になりますが、総所得金額等が200万円未満の場合は基準が異なるため、年収によって利用できるケースもあります。
この記事では、医療費控除が受けられる条件や計算方法、年収別に戻ってくる金額の目安、確定申告の手続きまでわかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 年間の医療費が10万円を超えると医療費控除を受けられる
- 総所得金額等が200万円未満の人は10万円でなくその5%が基準
- 戻る金額は控除額に自分の税率を掛けた分で全額ではない
- 生計を一にする家族の分をまとめられる
- 5年さかのぼって申告できる
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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医療費控除はいくらから受けられる?
年間の医療費が10万円を超えたらです。超えた部分が控除の対象になります。
計算式
医療費控除額 =(実際に払った医療費 - 保険金などで補塡される金額)- 10万円
控除額の上限は200万円です(出典:国税庁 No.1120)。
医療費が20万円で保険金を受け取っていなければ、20万円-10万円=10万円が控除額です。
5%を使うのは総所得金額等が200万円未満の人だけ
引くのは基本的に10万円で、総所得金額等が200万円未満の人だけがその5%に置き換わります。
ここは逆に覚えている人が多い部分です。5%はハードルを下げるための仕組みで、所得が少ない人ほど少しの医療費でも控除を受けられるようになっています。
総所得金額等が150万円の人なら、引くのは7万5,000円。医療費が10万円でも2万5,000円の控除を受けられます。
年収と総所得金額等は違う
5%を掛けるのは年収ではなく総所得金額等です。会社員なら給与所得控除を引いたあとの金額、個人事業主なら売上から経費を引いたあとの金額です。
年収400万円の会社員なら、給与所得控除を引いて総所得金額等は約276万円。200万円以上なので、引くのは10万円です。年収に5%を掛けて「20万円を超えないと対象外」と計算するのは間違いです。
医療費控除でいくら戻る?年収別の早見表
戻ってくるのは控除額そのものではなく、控除額に自分の税率を掛けた分だけです。
医療費が20万円かかったケースで並べてみます。
| 年収 | 総所得金額等の目安 | 引く金額 | 控除額 | 実際に戻る額の目安 |
|---|---|---|---|---|
| 150万円 | 約85万円 | 約4万3,000円(5%) | 約15万7,000円 | 所得税が0なら戻らない |
| 400万円 | 約276万円 | 10万円 | 10万円 | 約1万5,000円 |
| 500万円 | 約356万円 | 10万円 | 10万円 | 約2万円 |
| 700万円 | 約520万円 | 10万円 | 10万円 | 約3万円 |
給与所得者・単身・社会保険料は年収の約15%・他の所得控除なしで計算した目安です。所得税に復興特別所得税2.1%と住民税10%を含めています。
所得税を納めていなければ戻らない
医療費控除は納めすぎた税金を返してもらう制度なので、そもそも所得税を納めていない人には戻りません。
上の表の年収150万円の行がそれです。控除額自体は一番大きいのに、所得税が発生していなければ還付はありません。
ただし翼年度の住民税は安くなるので、所得税がゼロでも申告する意味がないわけではありません。
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医療費控除は誰が申告すると得?
生計を一にする家族の医療費は、一人にまとめて申告できます。だれにまとめるかで戻る額が変わります。
基本は所得が高い人にまとめる
税率が高い人にまとめたほうが、同じ控除額でも戻る額が大きくなります。
医療費20万円で控除額10万円なら、年収400万円の人が申告すれば約1万5,000円、年収700万円の人なら約3万円。同じ領収書でも倍近く違います。
医療費が10万円以下なら逆のこともある
医療費が10万円に届かないときは、総所得金額等が200万円未満の家族にまとめたほうが控除を受けられることがあります。引く金額が10万円でなく5%になるからです。
医療費が8万円の場合、年収400万円の人が申告しても控除額はゼロです。一方で総所得金額等が100万円の家族なら引くのは5万円なので、3万円の控除が取れます。
ただしその人に所得税が発生していなければ還付はないので、控除を取れるかと戻るかは別として見てください。
生計を一にするとは
同居している必要はありません。別居していても、仕送りなどで生計を支えている関係なら対象になります。
学生の子どもや、仕送りをしている親の医療費もまとめられます。家族全員の領収書を一度集めてから判断すると、思っていたより10万円を超えていることがあります。
対象になる医療費とならない医療費
分け目は「治療のためか、予防や美容のためか」です。
| 支出 | 対象 | 備考 |
|---|---|---|
| 病院・歯科の診察料 | ○ | — |
| 処方薬・治療のための市販薬 | ○ | 予防のためのサプリメントは対象外 |
| 通院の交通費 | ○ | 電車・バスは対象。自家用車のガソリン代と駐車場代は対象外 |
| 入院時の食事代 | ○ | 病院が提供するものに限る。差額ベッド代は原則対象外 |
| 出産費用 | ○ | 出産育児一時金を差し引く |
| 歯列矯正 | △ | 子どもの成長上必要なものは対象。見た目目的は対象外 |
| 人間ドック・健康診断 | △ | 結果重大な疾病が見つかり治療につながった場合は対象 |
| 美容目的の施術 | ✕ | — |
| 予防接種 | ✕ | 予防のためのものは対象外 |
| メガネ・コンタクト | ✕ | 治療のために医師の指示で作ったものを除く |
通院の交通費は見落とされやすいので、専門記事にまとめています。

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セルフメディケーション税制との選択
市販薬をよく買う人向けに、医療費控除の特例としてセルフメディケーション税制があります。
| 医療費控除 | セルフメディケーション税制 | |
|---|---|---|
| 対象 | 治療のための医療費全般 | スイッチOTC医薬品など |
| 引く金額 | 10万円(または総所得金額等の5%) | 1万2,000円 |
| 控除の上限 | 200万円 | 8万8,000円 |
| 条件 | なし | 健康診断や予防接種などを受けていること |
両方を使うことはできず、どちらか一方を選びます。一度選んだあとは、更正の請求や修正申告で変更できません。
適用できるのは令和8年12月31日までに購入した分です(出典:国税庁 No.1129)。
医療費が10万円に届かなくても市販薬を年間1万2,000円以上買っているなら、こちらなら控除を受けられる可能性があります。
申告のやり方
医療費控除の明細書を作って、確定申告書と一緒に提出します。領収書の提出は不要ですが、5年間の保存が必要です。
健康保険の「医療費通知」を使えば、明細の記入を省略できます。マイナポータル連携をすれば医療費のデータを自動で取り寄せられます。
集計のやり方は専門記事にまとめています。

スマホだけで進めたい場合はこちらです。

e-Taxでの手順はこちらで解説しています。

過去の分も申告できる
還付を受けるための申告は、5年さかのぼって提出できます。年末調整をしている会社員でも、医療費控除だけは別に申告できます。

ふるさと納税と一緒に申告する場合の注意点はこちらです。

スマホで確定申告するなら「タックスナップ」
医療費控除で一番大変なのは、家族分の領収書を1年分集めて集計する作業です。もらったその場で撮っておけば、年末に探す必要がなくなります。
控除のみの申告なら、タックスナップは無料プランでスマホだけで完結できます。

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「個人事業主・スマホ完結」に特化した確定申告アプリ
タックスナップは、日々の経費処理から確定申告書の作成・提出まで、個人事業主・フリーランスに必要な会計機能がすべてスマホで完結できるアプリです。
今までの会計ソフトは「パソコン操作」や「機能の多さ」を前提としたサービスが多かった一方で、タックスナップは「個人事業主・スマホ完結」に特化し、会計知識が全くない方でも、スキマ時間だけで確定申告が終わるように設計しています。
「初めての確定申告でも迷わずに提出できた」 「他の会計ソフトから乗り換えて、圧倒的にラクになった」 といった嬉しいレビューもいただいています。

App Store確定申告アプリランキング1位を獲得
ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。
2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード
意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。
外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)
速さの秘訣は丸投げ仕分け
タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。
銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。
「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心
「本当にこの内容で提出して大丈夫?」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。
あなたのデータをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが診断します。
修正するべき内容も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

タックスナップは、確定申告をできるだけ簡単に、かつ安心して提出できるようにサポートするアプリです。 無料トライアルも行っているので、まずはその快適さを体験してみてください。
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まとめ
医療費控除は、年間の医療費が10万円を超えたら受けられます。総所得金額等が200万円未満の人だけ、基準がその5%に下がります。
間違えやすいのは、5%を掛けるのは年収ではなく総所得金額等だという点です。年収400万円の人が「5%で20万円だから対象外」と計算するのは誤りで、正しくは10万円を引いて控除を受けられます。
そして戻るのは控除額に税率を掛けた分だけです。医療費20万円で控除額10万円なら、年収400万円の人で約1万5,000円。家族分をまとめて、所得の高い人が申告すると戻る額が大きくなります。
よくある質問
Q. 医療費控除で10万円払ったらいくら戻ってきますか?
医療費が10万円ちょうどだと控除額はゼロなので、戻りません。10万円を超えた部分が控除の対象です。ただし総所得金額等が200万円未満なら基準が下がるので、控除を受けられます。
Q. 医療費控除はいくら以上ならやったほうがいいですか?
10万円を超えていれば金額に関係なく申告できます。ただし戻る額は控除額×税率なので、超過額が数千円なら戻りは数百円になります。家族分を合算してから判断してください。
Q. 医療費控除は誰が申告したほうが得ですか?
基本は所得が高い人です。税率が高い分だけ戻る額が大きくなります。ただし医療費が10万円に届かない場合は、総所得金額等が200万円未満の家族にまとめたほうが控除を取れることがあります。
Q. 年収400万円で医療費20万円なら対象外ですか?
対象です。年収400万円の総所得金額等は約276万円で200万円以上なので、引くのは10万円です。控除額は10万円になります。
Q. 領収書は提出する必要がありますか?
提出は不要で、医療費控除の明細書を出します。ただし領収書は5年間保存して、求められたときに示せるようにしておきます。
Q. 共働きで夫婦ともに所得がある場合は分けて申告できますか?
同じ医療費を分割して両方で申告することはできません。実際に支払った人が申告するのが原則で、生計を一にしていればどちらかにまとめられます。
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