開業届は税務署に行かなくても郵送で出せます。郵便で送った場合は消印の日が提出日になり、2025年からは控えを同封しない手順に変わりました。
この記事のポイント
- 郵便で送れば、税務署に届いた日ではなく消印(通信日付印)の日が提出日になります。
- 税務署に出す書類は「信書」なので、宅配便やメール便では送れません。
- 2025年1月から、国税庁は「正本(提出用)のみを送ってください」と案内しています。
- 返信用封筒を同封した人には、日付と税務署名を記載したリーフレットが返送されます。
- 控えは自分でコピーを取って保管し、マイナンバーの部分は隠しておきます。
- 提出期限は、2026年1月1日以後に開業したなら開業した年分の確定申告期限までです。
開業届の提出方法は3つ|郵送はどんな人向き?
開業届は窓口・郵送・オンラインの3つの方法で提出できます。郵送は、税務署に行く時間が取りにくく、紙で進めたい人に向いています。
| 提出方法 | 特徴 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 郵送 | 自宅から好きな時間に送れる。消印の日が提出日になる | 税務署に行く時間がなく、紙で提出したい人 |
| 窓口 | その場で職員に確認してもらえる(開庁時間は8時30分から17時まで) | 記入に不安があり、対面で確認したい人 |
| オンライン | 24時間送信でき、本人確認書類の提示・写しの添付が不要 | スマホやパソコンで早く済ませたい人(マイナンバーカードが必要) |
郵送が向いているのはどんな人?
税務署に行く時間は取りにくいけれど、オンライン手続きはあまり使いたくない人に向いています。書類をそろえて投函すれば手続きが進みます。
マイナンバーカードを持っていない人でも使える方法です。オンライン提出はマイナンバーカードが前提になるため、そこが理由で郵送を選ぶ人もいます。
e-Taxには事前の手続きがいる
もうひとつの理由です。e-Taxを使うには、先に利用者識別番号を取得するなどの利用開始手続きが必要です。
郵送なら、国税庁のサイトから用紙をダウンロードして記入すればそのまま出せます。「1回だけの手続きのために準備をしたくない」という人には郵送のほうが早いこともあります。
知っておきたい郵送のデメリット
便利な一方で、オンラインにはない手間があります。
①書類をそろえる手間がかかる
開業届の作成だけでは終わりません。本人確認書類のコピー、封筒、切手、返信用封筒などを用意する必要があります。
②不備があると郵便でのやり取りになる
窓口と違い、その場で直せません。記入もれや添付書類の不足があると、電話や郵便でのやり取りと再提出が必要になります。
③切手代がかかる
提出そのものは無料ですが、送料は自己負担です。返送用の封筒と切手も用意すると、その分の費用が増えます。
④入力の自動チェックがない
オンラインとの実質的な差です。e-Taxは必須項目が埋まっていなければ送信できませんが、紙は自分で確認するしかありません。
投函したあとに気づいても直せないので、封をする前にもう一度見直してください。
窓口が閉まっている時間でも出せる方法がある
郵送以外の選択肢も知っておいてください。土・日曜日・祝日等の閉庁日は受付を行っていませんが、税務署の時間外収受箱に投函することで提出できます(国税庁 A1-5)。
近くに税務署があるなら、切手代をかけずに済む方法です。
郵送なら「消印の日」が提出日になる
ここが郵送のいちばん大きな利点です。期限の直前でも、投函した日で判定されます。
原則は到達主義、郵便は例外
国税庁の説明はこうです。「税務手続に関する書類の提出日は、原則として税務官庁に書類が到達した日となります(到達主義)」とされています(国税庁 税務手続に関する書類の提出時期)。
そのうえで例外があります。「納税申告書や提出時期に具体的な制約がある書類については、その書類が郵便や信書便により提出された場合、その郵便物や信書便物の通信日付印により表示された日が提出日とみなされます(発信主義)」
根拠は国税通則法22条
条文にも書かれています。「郵便又は信書便により提出された場合には、その郵便物又は信書便物の通信日付印により表示された日にその提出がされたものとみなす」とされています(国税通則法)。
消印がない場合や不明瞭な場合は、通常要する送付日数を基準にした日が提出日として扱われます。
開業届も青色申告承認申請書も発信主義の対象
肝心なのはここです。国税庁が公表している一覧で、対象書類を確認できます。
| 書類 | 提出日の扱い |
|---|---|
| 個人事業の開廃業等届出書(開業届) | 発信主義(消印の日) |
| 所得税の青色申告承認申請書 | 発信主義(消印の日) |
| 青色事業専従者給与に関する届出書 | 発信主義(消印の日) |
| 青色事業専従者給与に関する変更届出書 | 到達主義(届いた日) |
| 所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書 | 到達主義(届いた日) |
同じ税務署への届出でも、書類によって扱いが違います。
期限の日に投函しても間に合う
実務での意味はこうなります。青色申告承認申請書の期限が今日で、まだ出していない場合でも、今日の消印で郵便を出せば期限内の提出として扱われます。
ただし集配時間を過ぎたポストへの投函は翌日の消印になることがあります。期限日に出すなら郵便局の窓口が確実です。
宅配便で送ると到達主義になる
送り方を間違えると、この利点が消えます。国税庁は「郵便又は信書便を利用し税務署に送付された場合、その通信日付印により表示された日を提出日とみなすこととなりますが、それ以外の場合には、税務署に到達した日が提出日となります」と案内しています(国税庁 申告書の税務署への送付について)。
期限ぎりぎりで宅配便を使うと、届いた日が提出日になって間に合わない可能性があります。
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税務署に送る書類は「信書」にあたる
そもそも宅配便で送ってはいけない書類です。ここは法律上の決まりです。
荷物扱いでは送れない
国税庁の案内は明確です。「税務上の申告書や申請書・届出書は『信書』に当たることから、税務署に送付する場合には、『郵便物』(第一種郵便物)又は『信書便物』として送付する必要があります。(郵便物・信書便物以外の荷物扱いで送付することはできません。)」
宅配便やメール便は荷物扱いなので使えません。
小包郵便物も郵便物ではない
紛らわしい点も案内されています。「郵政公社の民営化に伴う郵便法の改正により、平成19年10月1日以降、小包郵便物は郵便物に該当しません」とされています。
ゆうパックも荷物なので、開業届の送付には使えません。
郵便法に書かれている「信書」
条文まで見ておくと理解が早くなります。郵便法では、信書は「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と定義されています(郵便法4条2項)。
開業届はまさにこれに当たります。
運送業者は信書を送達できない
宅配便が使えない根拠です。「運送営業者、その代表者又はその代理人その他の従業者は、その運送方法により他人のために信書の送達をしてはならない」と定められています(同条3項)。
ただし例外もあります。「貨物に添付する無封の添え状又は送り状」はこの限りでないとされています。
送る側も委託してはならない
見落としやすい部分です。「何人も、(中略)信書の送達を委託してはならない」とされていて、頼む側も禁じられています(同条5項)。
「知らずに宅配便で出してしまった」では済まない話なので、送り方だけは確認してください。
使えるサービスと使えないサービス
整理するとこうなります。
| サービス | 開業届の送付 |
|---|---|
| 定形郵便物・定形外郵便物(第一種郵便物) | 使える |
| レターパックライト・レターパックプラス | 使える(信書も送れると案内されている) |
| スマートレター | 使える(信書も送れる。A5サイズ・1kgまで) |
| ゆうパック・ゆうメール・ゆうパケット・クリックポスト | 使えない(信書を送れないサービス) |
| 宅配便・メール便 | 使えない(荷物扱い) |
安いので選びたくなりますが、ゆうメール・ゆうパケット・クリックポストは信書を送れません。ここを間違えるケースが多いので、名前で覚えておいてください。
レターパックとスマートレターについては、日本郵便が「A4サイズ・4kgまで全国一律料金で、信書も送れるサービスです」(レターパック)と案内しています(日本郵便 第一種郵便物 手紙・封書)。

2025年から郵送の手順が変わりました
いちばん大きな変更はここです。以前の「控えを同封して受付印付きで返してもらう」という手順は、もう成り立ちません。
控えを同封しても受付印は押されない
2025年(令和7年)1月からの扱いです。国税庁は「令和7年1月から、申告書等の控えに収受日付印の押なつを行いません」と案内しています(国税庁 令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて)。
対象は開業届だけではありません。税務署に紙で出すすべての書類が対象です。
送るのは「正本(提出用)のみ」
多くの解説と食い違う部分です。国税庁は「書面申告等における申告書等の提出(送付)の際は、申告書等の正本(提出用)のみを提出(送付)していただきますよう、お願いいたします」と案内しています。
「控えも一緒に封筒に入れる」という手順は、押印があった時代のものです。控えは自分用にコピーを取って保管し、提出年月日も自分で記録・管理してくださいという案内に変わりました。
返信用封筒を入れた人にはリーフレットが返送される
郵送でも記録を受け取る方法はあります。切手を貼った返信用封筒を同封した方に対して、窓口での収受の場合と同様に、日付・税務署名(業務センター名)を記載したリーフレットを同封して返送してもらえます。
封筒を入れ忘れると何も返ってきません。日付の記録を残したいなら、返信用封筒は必須です。
あとから頼むと日付が入らない
見落とすと取り返しがつかない点です。リーフレットの後日交付依頼や、紛失した場合の再発行依頼があった場合は、日付・税務署名の記載されていないリーフレットが交付されます(国税庁 収受日付印の押なつの見直しに関するQ&A 問7)。
日付入りのリーフレットは、そのときにもらうしか方法がありません。
「当分の間の対応」とされている
前提として押さえておいてください。リーフレットの交付は「令和7年1月以降、当分の間の対応」とされているため、将来的に取りやめられる可能性があります。
リーフレットを前提にした運用を組まないほうが安全です。提出日は自分でも記録しておいてください。
メモ欄に書類名を書いておく
リーフレットには自由記入の欄があります。メモ欄は納税者が備忘等の観点から任意に記載する欄なので、提出書類の書類名を記載する等に利用してください(同Q&A 問8)。
開業届と青色申告承認申請書を一緒に送ったなら、両方の名前を書いておくと後から役に立ちます。
「提出されていない」と言われたときの扱い
万一のときの取り扱いも決まっています。税務署等から「提出されていないのではないか」といった問合せがあった場合、納付状況や他の証拠書類の確認、聴き取りを行った上で、リーフレットと控えなどを確認することで、原則として、その日に提出されたものとして取り扱われます(同Q&A 問3)。
リーフレットは単なる案内ではなく、提出日を裏づける材料として扱われます。控えとセットで保管してください。

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同封するものチェックリスト
送るのは3点が基本です。青色申告をするなら4点になります。
| 同封するもの | ポイント |
|---|---|
| 開業届(個人事業の開廃業等届出書) | 正本(提出用)のみ。控えは同封しない |
| 本人確認書類のコピー | マイナンバーカードなら両面のコピーで足りる |
| 返信用封筒(切手を貼り、自分の宛名を書く) | 入れないとリーフレットは返送されない |
| 所得税の青色申告承認申請書 | 青色申告をするなら同封する(期限が先に来る) |
| 青色事業専従者給与に関する届出書 | 家族に払う給与を経費にする場合 |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 開業届の「給与等の支払の状況」欄を書いていれば提出不要 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 源泉所得税の納付を年2回にまとめたい場合(従業員が常時10人未満) |
提出先が同じなので、必要なものは1つの封筒にまとめて送れます。
本人確認書類は2種類の役割がある
必要なのは番号の確認と身元の確認です。書面でマイナンバーを記載した申請書等を提出する際には、その都度、本人確認書類の提示または写しの添付が必要になります(国税庁 個人事業の開業・廃業等届出書 書き方)。
マイナンバーカードがあれば、その両面のコピーだけで番号確認と身元確認の両方を兼ねられます。カードがない場合は、通知カードやマイナンバー記載の住民票の写しと、運転免許証などの身元確認書類の両方が必要です。
「本人確認書類(写)添付台紙」を使う
国税庁が用紙を用意しています。郵送する場合は、本人確認書類の写しを「本人確認書類(写)添付台紙」に貼って同封する形が案内されています。
台紙を使うと貼る位置が決まっているので、写しだけをばらばらに入れるより確実です。
e-Taxなら本人確認書類はいらない
比較として知っておいてください。e-Taxにより提出する場合は、本人確認書類の提示または写しの添付は不要です。
郵送は、この分だけ準備が増える方法だということです。
控えを取るときはマイナンバーを隠す
国税庁自身が注意している点です。「届出書の控えを保管する場合においては、その控えには個人番号を記載しない(複写により控えを作成し保管する場合は、個人番号部分が複写されない措置を講ずる)など、個人番号の取扱いには十分ご注意ください」とされています。
控えは銀行や取引先に出すことがあります。マイナンバーの部分を隠してコピーするのが安全です。
青色申告承認申請書も一緒に送る
同封をおすすめする理由があります。青色申告承認申請書は、1月15日までに開業した場合はその年の3月15日、1月16日以降に開業した場合は事業を開始した日から2か月以内が期限です。
開業届より先に期限が来るため、別便で後から送ると、こちらだけ期限を過ぎてしまうことがあります。
一緒に出す書類の期限
期限は書類ごとに違います。
| 書類 | 期限 |
|---|---|
| 所得税の青色申告承認申請書 | 1月15日までに開業→その年の3月15日/1月16日以降に開業→事業を開始した日から2か月以内 |
| 青色事業専従者給与に関する届出書 | 3月15日、または開業・専従者が働き始めてから2か月以内 |
| 給与支払事務所等の開設届出書 | 事務所を開設した日から1か月以内 |
| 源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 | 期限なし(提出の翌月以降に適用) |
都道府県への届出は別にある
税務署だけで終わりません。都道府県税事務所へ「個人事業開始申告書」を提出する仕組みがあり、正式な名称も提出期限も自治体によって違います。
提出しなくても罰則はありませんが、こちらは開業届とは別の手続きです。住んでいる自治体のホームページで確認してください。

2026年9月に様式が新しくなります
紙で出す人にはもうひとつ確認事項があります。用紙そのものが変わっています。
開業届の新様式はすでに公開・受付開始済み
国税庁は2026年(令和8年)9月24日に国税システムの更改を予定しています。公表されている一覧では、「個人事業の開業・廃業等届出書」と「所得税の青色申告承認申請書」はどちらも様式公開済・受付開始済とされています(国税庁 国税システムの更改について)。
様式の変更に当たり、申告書の控用はなくなり、配色は原則として白黒になる予定とされています。
以前ダウンロードした用紙は使わない
いちばん実務的な注意です。国税庁は「過去に入手した申告書等については、様式の内容自体が変更されている場合がありますので、最新の申告書等であるかをご確認ください」と案内しています。
早めに印刷しておいた人は、**封筒に入れる前にもう一度ダウンロードし直してください。**なお、会計ソフトなどから最新の様式が出力されない場合は、その様式でも提出はできるとされています。
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用紙と印刷で失敗しないために
書いた内容は機械で読み取られます。郵送は窓口と違ってその場で直せないので、ここを外さないようにしてください。
用紙について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 用紙の種類 | 「普通紙」「再生紙」等の表示で市販されているものを使用する |
| 用紙のサイズ | 原則としてA4版 |
| 用紙の状態 | しわ、濡れ、変色、異物付着、めくれがないようにする。穴を開けたり、のりづけはしない |
| 複数枚に及ぶ場合 | クリップ等で留めて提出する |
出典は国税庁 書面提出に当たってです。ホチキスで留めたり、ファイルに綴じるために穴を開けたりしないでください。
印刷について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 白黒印刷 | 文字等の色は黒を使用する |
| 裏面への印字等 | 記載内容が透過するような場合は裏面への記載・印刷は控える。裏面の白紙にメモの記載や書類の貼付は行わない |
| 印刷方法 | にじみ、色の濃淡、裏写りが生じないように印刷する |
| 印刷後の状態 | 文字や枠線にかすれや傾きがないかを確認する |
コンビニでコピーを重ねた用紙は使わない
意外な注意点です。「国税庁ホームページ等から印刷した様式を原義として繰り返しコピーして使用した場合、印刷のかすれ、傾き、ズレ等が発生し、読み取りに影響するため、プリンタから直接印刷したものを使用してください」とされています。
「1枚印刷してコピーする」ではなく、必要な枚数をプリンタから直接印刷してください。
記載方法について
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 枠内への記載 | 記載内容は記載欄の枠内に、楷書で記載する等、丁寧に記載する。訂正する際も可能な限り枠内に収まるように |
| 金額の記載 | 数字のみ記載すべき項目には「¥」「円」は記載しない |
崩し字や欄をまたぐ書き方は避けてください。訂正は二重線で足りますが、訂正後の文字も枠内に収めます。
封筒の書き方
封筒は市販のもので問題ありません。書き方だけ押さえておいてください。
送り先は納税地を所轄する税務署
宛先を間違えると差し戻されます。納税地を所轄する税務署長に提出します(国税庁 A1-5)。
自宅で仕事をしているなら自宅の住所を所轄する税務署です。事務所や事業所の所在地が納税地と異なる場合でも、納税地を所轄する税務署長以外の税務署長への提出は不要です。
税務署名と住所の調べ方
国税庁のサイトで調べられます。「税務署の所在地などを知りたい方」のページで、郵便番号や住所から所轄の税務署を検索できます。
似た名前の税務署があるので、封筒に書く前に住所まで確認してください。
あて名・「在中」・差出人
表面と裏面で書くことが分かれます。
- 表面:提出先の税務署の住所と「〇〇税務署 御中」を書きます
- 表面の左下:「個人事業の開業・廃業等届出書 在中」と赤字で書いておくと、担当部署に振り分けられやすくなります
- 裏面:自分の住所・氏名・電話番号を書いておくと、不備があったときに連絡を受け取れます
封筒のサイズ
送付用の封筒そのものにサイズの決まりはありません。用紙の折り方で選べば問題ありません。
- A4を折らずに送る:角形2号、または少し小さい角形3号
- 三つ折りにして送る:長形3号
折らずに送ると読み取りに影響が出にくいので、迷うなら角形2号か角形3号が安全です。
返信用封筒の作り方
リーフレットを受け取るための封筒です。自分の住所・氏名を宛名として書き、切手を貼って同封します。
長形3号を三つ折りにして入れる形が一般的です。
宛名は「様」ではなく「行」
自分に返してもらう封筒なので書き方が変わります。自分の氏名の下は「様」ではなく「行」と書くのが通例です。
「返信をお願いします」と一言添える
確実に返してもらうための工夫です。「同封の返信用封筒でリーフレットの返送をお願いします」と書いたメモを添えておくと、意図が伝わります。
税理士も、返送してもらいたいときは一言添える形をとることが多い部分です。
重さは50gを超えることがある
料金の分かれ目は50gです。A4のコピー用紙1枚は約4g、封筒は角形2号で約15g、長形3号で約5gが目安です。
| 入れるもの | おおよその重さ |
|---|---|
| 開業届(1枚) | 約4g |
| 青色申告承認申請書(1枚) | 約4g |
| 本人確認書類のコピーと台紙(1〜2枚) | 約4〜8g |
| 返信用封筒(長形3号・切手を貼った状態) | 約6g |
| 封筒(角形2号) | 約15g |
合計すると30g台に収まることが多く、定形外の規格内(50g以内・140円)で足りるのが一般的です。
ぴったりに近いときは郵便局の窓口で計量してもらってください。料金不足だと戻ってきてしまい、消印の日で提出したことにできません。
切手代と送り方の選び方
**送料は自己負担です。**記録を残すかどうかで選び方が変わります。
| 送り方 | 料金 | 特徴 |
|---|---|---|
| 定形郵便物(三つ折り・50g以内) | 110円 | いちばん安い。記録は残らない |
| 定形外郵便物 規格内(A4のまま・50g以内) | 140円 | 折らずに送れる。記録は残らない |
| 定形外郵便物 規格内(100g以内) | 180円 | 同封する書類が多いとこちらになる |
| スマートレター | 210円 | A5サイズ・1kgまで。信書も送れる |
| 特定記録(基本料金に加算) | +210円 | 引受けの記録が残り、追跡できる |
| 簡易書留(基本料金に加算) | +350円 | 引受けと配達の記録が残る |
| レターパックライト | 430円 | A4・4kgまで。追跡でき、郵便受けに配達される |
| レターパックプラス | 600円 | 対面で届けて受領印をもらう形なので、届いた記録が残る |
料金は日本郵便の第一種郵便物のページとオプションサービスのページで確認できます。
安く記録を残すなら特定記録
あまり知られていない選択肢です。特定記録は基本料金に210円を加えるだけで、引受けの記録が残り追跡できます。
定形外の140円と組み合わせれば350円です。簡易書留(140円+350円=490円)より安く済みます。
確実に届いたことを確認したいなら
配達まで記録が残る方法を選びます。簡易書留とレターパックプラスは、配達したことの記録が残ります。
レターパックライトは郵便受けに投函する形なので、配達の記録の残り方が違います。税務署に確かに渡ったことを確認したいなら、簡易書留かレターパックプラスが向いています。
レターパックが向いている理由
書類が多い人には使いやすい方法です。レターパックは全国一律料金で、A4サイズ・4kgまで、ライトなら厚さ3cm以内であれば中身を入れられます。
厚紙の専用封筒なので折れにくく、追跡番号でいつ税務署に届いたかを確認できます。封筒と切手を別に買う必要もありません。
普通郵便でも提出はできる
記録の残る方法は必須ではありません。急ぎでなければ定形郵便でも提出できます。
ただし期限が近いときや、紛失したら困る場合は記録が残る方法を選んでください。消印の日が提出日になるので、期限日に出すなら郵便局の窓口が確実です。

開業届はいつまでに出せばいい?
2026年1月1日以後に開業したなら、開業した年分の確定申告期限までです。開業した日がいつかでルールが変わります。
現在の条文は「確定申告期限まで」
根拠は所得税法です。229条では「その事実があつた日の属する年分の所得税に係る確定申告期限までに、税務署長に提出しなければならない」と定められています(所得税法)。
2026年に開業したなら、2027年3月15日が期限です。
2025年12月31日までの開業は従来どおり
見落としやすい点です。改正法の附則では、この規定は令和8年(2026年)1月1日以後に生ずる事実について適用し、同日前に生じた事実については「なお従前の例による」とされています。
| 開業した日 | 提出期限 |
|---|---|
| 2026年1月1日以後 | 開業した年分の確定申告期限まで |
| 2025年12月31日まで | 従来どおり(開業から1か月以内) |
どちらも期限を過ぎても罰則はありません。気づいた時点で出せば問題ありません。
青色申告承認申請書の期限のほうが早い
実務でいちばん効くのはここです。開業届の期限が後ろに延びたことで、開業届を待っているうちに青色申告の期限だけ過ぎる、という形になりやすくなりました。
どちらも消印の日が提出日になるので、同じ封筒で送れば期限の管理は1回で済みます。
送ったあとに確認すること
投函して終わりではありません。3つだけ確認しておいてください。
控えのコピーと提出日を記録する
提出の証明は自分で残します。送る前にコピーを取り、投函した日を書き添えて保管してください。
コピーを取り忘れたまま送ってしまった場合は、税務署の窓口で申告書等閲覧サービスを使って内容を確認できます。
リーフレットが届いたら控えと一緒に保管する
返信用封筒を入れた場合です。日付と税務署名が記載されたリーフレットが返送されます。
控えのコピーとセットにして保管してください。あとから日付入りで再発行してもらうことはできません。
不備の連絡が来ることがある
郵送の場合の流れです。記入もれや添付書類の不足があると、封筒の裏面に書いた連絡先に電話が来ることがあります。
税務署からの電話に出られるようにしておくと、やり取りが早く済みます。
控えのコピーを取り忘れたときは
開示請求で写しを取り直せます。郵送で請求することもできるので、税務署に行かずに済みます。
保有個人情報の開示請求とは
税務署が保有している自分の情報を出してもらう手続きです。提出した開業届の写しを受け取れます。
手数料は保有個人情報が記録されている行政文書1件につき300円で、オンライン申請の場合は200円です(国税庁 開示請求等の手続)。窓口・郵送の場合は、開示請求書に収入印紙を貼って納付します。
郵送で請求するときに必要なもの
郵送の場合だけ、用意するものが1つ増えます。本人確認書類の写しに併せて、住民票の写しを提出します。
条件が細かいので原文のまま書いておきます。住民票の写しは「開示請求をする日前30日以内に作成され、個人番号が記載されていないものに限ります。また、コピーは認められません」とされています。
マイナンバーカードの写しは表面のみ
こちらも決まりがあります。本人確認書類としてマイナンバーカードの写しを送る場合は、個人番号の記載がない表面のみの写しを提出します。
受け取るまでの流れ
すぐには届きません。**開示・不開示の決定は原則として30日以内に行われて通知されます。**事務処理上の困難など正当な理由があるときは、30日以内に限り期限が延長される場合があります。
そのあとの手続きも決まっています。開示決定の通知を受けたら、通知のあった日から30日以内に「保有個人情報の開示の実施方法等申出書」を提出して開示の実施を申し出ます。
なお、開示請求書で希望した方法から変更がない場合は、この申出書の提出は不要です。
急ぎなら向かない
日数の目安を持っておいてください。請求から写しを受け取るまでに1か月程度かかります。
急いで書類が必要なら、同じ内容で開業届を再提出して控えのコピーを取り直すほうが早い場合もあります。
「受付印のある控え」を求められたら
2025年以降にいちばん起きやすいトラブルです。制度が変わったことを知らない窓口が残っています。
国税庁は「求めないこと」を要請している
こちらから説明できる材料があります。国税当局は、金融機関や補助金・助成金などを担当する行政機関などに対して見直しの内容を事前に説明し、「令和7年1月以降は、各種の事務において収受日付印の押なつされた申告書等の控えを求めない」ことを徹底するよう要請しています(国税庁 令和7年1月からの申告書等の控えへの収受日付印の押なつについて)。
全国銀行協会、全国信用金庫協会及び全国信用組合中央協会等の金融団体に対しても、傘下の金融機関に周知するよう要請され、説明会や個別説明も実施されています。
それでも求められる場合
対応も示されています。令和7年1月以降に収受日付印の押なつされた控えの提出を求める機関を把握した場合には、国税当局から個別に説明を行う予定とされています(同Q&A 問4)。
事情を説明したうえで、控えのコピーとリーフレット、またはe-Taxの受信通知を代わりに出せないか相談してみてください。
補助金や給付金の申請では特に確認する
過去に困った人が多い場面です。補助金や給付金の申請では「収受印があるものに限る」と条件が書かれていることがあります。
要項が更新されていないこともあるため、申請の前に窓口へ、収受日付印が廃止された後は何を出せばよいかを確認しておくと手戻りがありません。
郵送の手間をなくすなら「タックスナップ開業届」
郵送には、書類をそろえて封筒を作り、切手を貼って、控えを自分で保管する手間があります。用紙が新しくなった時期でもあるため、どの様式が最新かを確かめる手間もかかります。
「タックスナップ開業届」なら、質問に答えるだけで開業届と青色申告承認申請書を作成し、そのままe-Taxで送信できます。用紙の印刷も封筒も切手もいりません。
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青色申告承認申請書も同時に出せる
開業届と同じ流れで、青色申告承認申請書も一緒に作成・提出できます。最大65万円の青色申告特別控除など、節税につながるメリットも大きいので、この機会に出しておくのがおすすめです。
開業届から確定申告まで、ひとつのアプリで完結
開業届の作成・提出から、日々の会計業務、確定申告書の作成・提出まで、全てひとつのアプリで完結できます。
開業のときに入力した情報は確定申告にもそのまま引き継がれるため、二度手間になることなくスムーズに進められます。
会計業務の機能では、「スワイプ仕分け」などスマホに特化した直感的な操作が特徴で、外部の調査では他会計ソフトの約4倍の速さで経費処理ができるという結果も出ています(参考)。
2026年の確定申告期間には、大手会計ソフトも含めた確定申告アプリのApp Storeランキングで全期間1位を獲得しました。(参考)

安心プランで使える機能
安心プランには、確定申告をもっとかんたんに進めるための機能がそろっています。
仕分けの手間をグッと減らす「丸投げ仕分け」
確定申告で特に時間がかかるのが、日々の取引を整理する仕分け作業です。
タックスナップの「丸投げ仕分け」なら、銀行口座やクレジットカードの取引データを自動で取り込み、経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているかまで自動で判定します。
1件ずつ確認しながら仕分ける必要がなく、1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほどラクになります。

申告前の不安を減らす税理士監修の「税務調査リスクチェック」
タックスナップにはラクな機能だけではなく、安心の機能もあります。
「本当にこの内容で提出して大丈夫かな」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。
入力内容や仕訳データをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが判定します。
税務調査リスクを減らすために修正するべき項目も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

今なら、タックスナップから開業届を提出するだけで、これらの機能を無料で使えます。確定申告までスムーズに終わらせるためにも、ぜひこの機会にタックスナップで開業届を提出してみてください。
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まとめ
開業届は郵送で提出できます。郵便または信書便で送れば、税務署に届いた日ではなく消印(通信日付印)の日が提出日になります。宅配便やメール便は荷物扱いなので使えません。
2025年1月から、国税庁は「正本(提出用)のみを送ってください」と案内しています。控えを同封しても受付印は押されないため、コピーは自分で取って保管し、提出日も自分で記録します。
返信用封筒を同封した人には、日付と税務署名を記載したリーフレットが返送されます。あとから頼むと日付が入らないので、必要なら最初から同封してください。
提出期限は、2026年1月1日以後に開業したなら開業した年分の確定申告期限までです。青色申告承認申請書のほうが先に期限が来るので、同じ封筒で送ってしまうのが確実です。
よくある質問
Q. 開業届は郵送でも受理されますか?
受理されます。ただし税務上の申告書や申請書・届出書は「信書」に当たるため、郵便物(第一種郵便物)または信書便物として送る必要があります。宅配便やメール便では送れません。
Q. 郵送した場合、提出日はいつになりますか?
郵便または信書便で送れば、その郵便物の通信日付印により表示された日(消印の日)が提出日とみなされます。国税庁の一覧では、開業届も青色申告承認申請書も発信主義の対象とされています。
Q. 宅配便で送ったらどうなりますか?
そもそも信書は荷物扱いで送れません。また国税庁は、郵便または信書便以外の場合は税務署に到達した日が提出日になると案内しています。期限が近いときは特に注意してください。
Q. 控えは同封したほうがいいですか?
国税庁は正本(提出用)のみを送るよう案内しています。2025年1月から控えに収受日付印は押されないため、控えは自分でコピーを取って保管し、提出日も自分で記録します。
Q. 2025年以降、提出した証明はどう残しますか?
切手を貼った返信用封筒を同封すると、日付と税務署名を記載したリーフレットが返送されます。これを控えのコピーとセットで保管してください。あとから依頼すると日付の入っていないリーフレットになります。
Q. 返信用封筒を入れ忘れました。あとからリーフレットをもらえますか?
もらえますが、日付と税務署名は記載されていないものになります。日付入りは提出時にしか受け取れません。
Q. 切手代はいくらですか?
三つ折りにして定形郵便で送るなら50g以内で110円、A4のまま定形外郵便物の規格内で送るなら50g以内で140円です。簡易書留は基本料金に350円、特定記録は210円が加算されます。レターパックライトは430円、プラスは600円です。
Q. 記録が残る送り方にすべきですか?
必須ではありませんが、期限が近いときや紛失が心配なときはおすすめです。安く済ませるなら特定記録(+210円)、配達まで記録を残すなら簡易書留かレターパックプラスが向いています。
Q. ゆうメールやクリックポストで送ってもいいですか?
送れません。ゆうパック、ゆうメール、ゆうパケット、クリックポストは信書を送れないサービスです。安く済ませたい場合は、定形外郵便物や特定記録を検討してください。
Q. 宅配便で送ってはいけないのは、どの法律の決まりですか?
郵便法4条です。信書は「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」と定義され、運送営業者はその運送方法により他人のために信書の送達をしてはならないとされています。「何人も、信書の送達を委託してはならない」ともあり、頼む側も禁じられています。
Q. レターパックで送ってもいいですか?
送れます。日本郵便はレターパックを「A4サイズ・4kgまで全国一律料金で、信書も送れるサービス」と案内しています。ゆうパックは荷物扱いなので使えません。
Q. 本人確認書類は何が必要ですか?
マイナンバーが確認できる書類と、身元が確認できる書類が必要です。マイナンバーカードがあれば、その両面のコピーで両方を兼ねられます。なおe-Taxで提出する場合は、本人確認書類の提示・写しの添付は不要です。
Q. 控えにマイナンバーを書いてもいいですか?
書かないよう案内されています。国税庁は、控えには個人番号を記載しない(複写で控えを作る場合は個人番号部分が複写されない措置を講ずる)よう求めています。
Q. 前にダウンロードした用紙を使ってもいいですか?
提出前に最新の様式かを確認してください。2026年9月の国税システム更改に向けて様式が新しくなっており、開業届はすでに新様式の受付が始まっています。控用はなくなり、配色は原則白黒になります。
Q. 用紙はコンビニでコピーしてもいいですか?
避けてください。国税庁ホームページから印刷した様式を繰り返しコピーすると、かすれや傾き、ズレが発生して読み取りに影響するため、プリンタから直接印刷したものを使うよう案内されています。
Q. 控えのコピーを取り忘れて送ってしまいました。どうすればいいですか?
保有個人情報の開示請求で写しを取り直せます。手数料は行政文書1件につき300円(オンライン申請は200円)で、決定は原則30日以内、受け取りまで1か月程度かかります。急ぎなら同じ内容で再提出してコピーを取るほうが早い場合もあります。
Q. 開示請求を郵送でするときは何が必要ですか?
本人確認書類の写しに併せて、住民票の写しが必要です。「開示請求をする日前30日以内に作成され、個人番号が記載されていないものに限る。コピーは認められません」とされています。マイナンバーカードの写しを送る場合は、個人番号の記載がない表面のみです。
Q. 銀行から「受付印のある控え」を求められました。どうすればいいですか?
国税当局から金融機関に対して、令和7年1月以降は収受日付印の押なつされた控えを求めないよう要請されています。事情を説明し、控えのコピーとリーフレット、またはe-Taxの受信通知で代替できないか相談してください。求める機関を把握した場合は、国税当局から個別に説明を行う予定とされています。
Q. 返信用封筒の宛名はどう書きますか?
自分の住所・氏名を書き、氏名の下は「様」ではなく「行」とするのが通例です。切手を貼って同封し、「返信をお願いします」と一言添えておくと意図が伝わります。
Q. 開業届のほかに都道府県への届出も必要ですか?
都道府県税事務所へ「個人事業開始申告書」を提出する仕組みがあります。正式な名称も提出期限も自治体によって違い、提出しなくても罰則はありませんが、開業届とは別の手続きです。
Q. 開業届の提出期限はいつですか?
2026年1月1日以後に開業したなら、開業した年分の確定申告期限までです。2025年12月31日までに開業した分は従来どおり1か月以内が期限でした。どちらも罰則はありません。
Q. 青色申告承認申請書も一緒に郵送できますか?
できます。むしろ一緒に送るのが確実です。1月15日までに開業した場合はその年の3月15日、1月16日以降に開業した場合は事業を開始した日から2か月以内が期限で、開業届より先に来ます。



