開業届は審査がなく、提出した時点で受理されます。受理の確認は控えやe-Taxの受信通知で行いますが、2025年から紙の控えへの受付印は廃止されました。
この記事のポイント
- 開業届は審査がなく提出した時点で受理される仕組み
- 2025年(令和7年)1月から控えへの収受日付印(受付印)が廃止
- 提出の証明はe-Taxの受信通知がもっとも確実
- 紙提出で控えを失っても保有個人情報開示請求で写しを再取得(手数料300円)
- 受理の可否より控えの保管が口座開設や融資で重要
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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開業届は提出すれば受理される?
開業届に可否を審査する仕組みはなく、窓口・郵送・e-Taxのいずれも提出した時点で受理されます。許可を待つ期間はありません。
税務署は届け出の内容が正しいかを審査して受理・不受理を決めるわけではありません。開業届はあくまで「事業を始めました」と知らせる届け出です。そのため、受け取られた時点で手続きは完了します。「まだ受理されていないのでは」と不安になる必要はありません。
とはいえ、受理されたこと自体を後から証明したい場面はあります。次に、その確認方法を提出方法別に整理します。
開業届が受理されたか確認する方法は?
確認方法は主に3つです。手元の控え、e-Taxの受信通知、税務署への問い合わせで、提出方法によって残る記録が変わります。
まず、提出方法ごとに受理のタイミングと手元に残る証明を整理します。
| 提出方法 | 受理のタイミング | 手元に残る証明 |
|---|---|---|
| 窓口 | その場で受理 | 控え(2025年以降は受付印なし) |
| 郵送 | 控えの返送まで通常1〜2週間 | 返送された控え |
| e-Tax | 送信後すぐにデータ上で受理 | e-Taxの受信通知 |
提出用の控えで確認する
窓口や郵送で提出したときは、自分で用意した控えが受理の記録になります。控えは提出書類のコピーで、税務署に原本を渡す前に自分の分として残しておくものです。
ただし2025年以降は、この控えに日付入りの受付印が押されません。押印がなくても控え自体は有効ですが、いつ提出したかを示す公的な印は付かない点に注意が必要です。郵送の場合は、控えと返信用封筒(切手貼付)を同封しておくと、税務署から控えが返送されます。
e-Taxの受信通知で確認する(おすすめ)
e-Taxで提出すると、メッセージボックスに受信通知が届きます。送信日時が公的に記録されるため、証明力がもっとも高い確認方法です。
確認手順はシンプルです。e-Taxにログインし、メッセージボックスを開いて、該当する開業届の受信通知を確認します。受信通知は税務署がデータを受け取った記録なので、紙の受付印の代わりになります。データとして残るため、控えのように紛失する心配もありません。詳しくはe-Taxの受信通知に関する案内でも確認できます。
税務署への問い合わせ・申告書等閲覧サービスで確認する
控えも受信通知もないときは、税務署の申告書等閲覧サービスで提出済みの内容を確認できます。これは提出した書類を窓口で閲覧できるサービスです。
閲覧の際は本人確認書類が必要になります。内容を書き写したり、その場で撮影したりして記録を残せます。控えを再取得したい場合は、次に説明する開示請求のほうが写しとして手元に残せます。
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2025年から受付印(収受日付印)はどう変わった?
2025年(令和7年)1月から、紙提出の控えへの収受日付印の押印が廃止されました。手元に日付入りの公的な証明が原則として残らなくなっています。
これまでは受付印が押された控えが「いつ受理されたか」の証明として機能していました。押されなくなったため、提出の証明は別の方法で残す必要があります。当分の間は、希望者に日付と税務署名を記載したリーフレットを窓口で交付する対応がとられています。ただしこれは暫定的な措置で、将来的に取りやめる可能性もあります(国税庁 収受日付印の押なつについて)。
このように、紙の証明が残りにくくなった今は、送信記録が自動で残るe-Taxの受信通知が有力な選択肢になります。
控えがない・紛失したときはどうする?
控えをなくしても、開業届が無効になることはありません。保有個人情報開示請求で写しを取り直すか、同じ内容で再提出する方法があります。
保有個人情報開示請求で写しを再取得する
税務署に提出済みの開業届は、保有個人情報開示請求で写しを受け取れます。手数料は300円(オンライン申請は200円)で、原則30日以内に開示の決定が通知されます。
手続きは、開示請求書と本人確認書類を税務署へ提出する流れです。決定通知の後に開示の実施を申し出ると、窓口ならその場で、郵送なら後日に写しが交付されます(国税庁の開示請求手続きの案内)。写しが届くまでに日数がかかるため、急ぎでなければこの方法が確実です。具体的な流れは、こちらの記事でも解説しています。

開業届を再提出して控えを取り直す
急ぎで控えが必要なら、同じ内容で開業届を再提出して新しい控えを受け取る方法もあります。このとき、開業日は当初のまま変えません。
再提出でも記載内容が同じなら、事業の実態には影響しません。書き方に迷ったら、こちらの記事を参考にすると記入もれを防げます。

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開業届が受理されないことはある?
審査による不受理はありませんが、書類に不備があると窓口でその場で差し戻されることがあります。主な原因は次の4つです。
- 必要書類が足りない(本人確認書類やマイナンバー確認書類の不足)
- 記載内容に不備がある(未記入や記入ミス)
- 提出先の税務署を間違えている(管轄外への提出)
- 記載内容が他の書類と矛盾している(開業日や事業内容の食い違い)
差し戻しは受理の拒否ではなく、内容を整えれば再提出できます。特に、郵送の場合は不備があると再送の手間が増えてしまうため、提出前に記載を見直しておくと安心です。
受理を確認できたら次にやることは?
受理を確認できたら、青色申告の承認申請と確定申告の準備に進みます。それぞれに期限があるため、早めに動くと安心です。
青色申告で最大65万円の控除を受けたいなら、青色申告承認申請書の提出期限に注意します。原則はその年の3月15日まで、1月16日以降に新規開業した場合は開業日から2か月以内です。詳しくは、こちらの記事で確認できます。

事業を始めた後は、最初の確定申告に向けた記帳も少しずつ進めておくと、年明けに慌てずに済みます。全体の流れは、こちらの記事にまとめています。

まだ提出前の方は、開業届をオンライン(e-Tax)で提出するやり方もあわせて参考にしてください。

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受付印が廃止された今は、提出の証明を自分で確保する必要があります。e-Taxの受信通知が自動で残る形で提出できると、控えの紛失や押印のない不安を避けられます。
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青色申告承認申請書も同時に出せる
開業届と同じ流れで、青色申告承認申請書も一緒に作成・提出できます。最大65万円の青色申告特別控除など、節税につながるメリットも大きいので、この機会に出しておくのがおすすめです。
開業届から確定申告まで、ひとつのアプリで完結
開業届の作成・提出から、日々の会計業務、確定申告書の作成・提出まで、全てひとつのアプリで完結できます。
開業のときに入力した情報は確定申告にもそのまま引き継がれるため、二度手間になることなくスムーズに進められます。
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まとめ
開業届の受理と確認について、要点は次の4つです。
- 開業届は審査がなく、提出した時点で受理される
- 2025年から控えへの受付印は廃止され、紙の証明が残りにくくなった
- 提出の証明はe-Taxの受信通知がもっとも確実
- 控えは口座開設や融資で必要になるため、なくさず保管する
受理そのものより、提出の証明をどう残すかが大切です。紙の控えとあわせて、データで残る受信通知を確保しておくと、後から証明を求められても落ち着いて対応できます。
よくある質問
Q. 開業届は提出してからどれくらいで受理されますか?
窓口ではその場で受理されます。e-Taxは送信後すぐにデータ上で受理され、郵送は控えが返送されるまで通常1〜2週間ほどかかります。いずれも審査を待つ期間はありません。
Q. 開業届の控えに受付印を押してもらえますか?
2025年(令和7年)1月から、控えへの収受日付印(受付印)の押印は廃止されました。当分の間は希望者に日付入りのリーフレットが交付されますが、暫定的な措置です。
Q. e-Taxで出した開業届の受理はどこで確認しますか?
e-Taxにログインし、メッセージボックスの受信通知で確認します。受信通知は税務署がデータを受け取った記録で、送信日時が残るため証明力が高い方法です。
Q. 控えをなくしたら開業届は無効になりますか?
無効にはなりません。控えは自分用の写しなので、なくしても提出の事実は税務署に残ります。保有個人情報開示請求で写しを取り直すか、同じ内容で再提出すれば控えを取り直せます。
Q. 開業届が受理されないことはありますか?
審査による不受理はありません。ただし必要書類の不足や記載の不備があると、窓口でその場で差し戻されることがあります。内容を整えれば再提出できます。
Q. 受理の証明はどんな場面で必要になりますか?
屋号での銀行口座開設、融資や補助金の申請、賃貸契約などで求められることがあります。こうした場面に備えて、控えやe-Taxの受信通知を保管しておくと安心です。
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