【2026年最新版】個人事業主の分割払いは経費にできる?金額別の仕訳と未払金の書き方

「仕事で使うパソコンを分割払いで購入したけど、経費にできるの?」「まだ支払っていない分も経費になる?」「未払金ってどう仕訳すればいいの?」と悩んでいませんか。

結論からいうと、事業に必要な支出であれば、分割払いでも経費にできます。ただし、経費になるタイミングと実際にお金を支払うタイミングは異なり、多くの場合は「未払金」を使って帳簿に記録します。また、10万円未満・10万円以上・30万円未満・30万円以上など、購入金額によって仕訳や経費計上の方法が変わるため注意が必要です。必要経費は、原則としてその年に債務が確定したものを計上するため、支払いが後日でも経費になるケースがあります。

この記事では、個人事業主が分割払いで購入した場合の経費の考え方をはじめ、金額別の仕訳例や「未払金」の書き方、クレジットカード払いとの違いまで、初心者にもわかりやすく解説します。正しく経理処理を行い、確定申告で困らないようにしましょう。

この記事のポイント

  • 分割払いでも計上するのは購入時に全額で支払時ではない
  • 未払いの分は未払金で処理し支払うたびに取り崩す
  • 10万円以上は減価償却が必要で青色申告なら30万円未満まで一括で落とせる
  • 分割手数料は本体と分けて支払手数料または支払利息で記帳する
  • リボ払いも仕組みは同じだが手数料の負担が重くなる

目次

個人事業主の分割払いは経費にできる

個人事業主が事業用に購入したものであれば、分割払いでも経費にできます。経費になるかどうかは支払い方法ではなく、「事業に必要な支出かどうか」と「購入したものの金額」によって判断されます。

ただし、分割払いだから毎月の支払額をその都度経費にするわけではありません。原則として、商品を購入して引き渡しを受けた時点で、本体価格をまとめて経費(または固定資産)として計上します。まだ支払っていない分は「未払金」として処理し、実際に支払うたびに未払金を減らしていきます。

また、購入金額によって経理方法も異なります。10万円未満は原則として一括で経費計上できますが、10万円以上は減価償却が必要になるケースがあります。青色申告なら、30万円未満の資産について「少額減価償却資産の特例」を利用できる場合もあります。

つまり、分割払いでも経費にできること自体は変わりませんが、「いつ経費になるか」「どのように処理するか」は金額や資産の種類によって異なるため、正しいルールを理解しておくことが大切です。

分割払いで買ったものはいつ経費になる?

購入して引き渡しを受けた時点で、代金の全額を計上します。お金を払ったタイミングではありません。

個人事業主の記帳は発生主義が原則で、「支払い義務が発生した日」で処理します。3月に15万円のパソコンを12回払いで買ったなら、3月の時点で15万円を計上し、まだ払っていない分は未払金として負債に残します。

年をまたいでも経費にする年は変わらない

12月に購入して支払いが翌年にずれ込んでも、経費になるのは購入した年です。支払った年に分けて計上することはできません。

年末に買った備品もその年の経費に入れられます。ただし10万円以上なら減価償却の対象になり、使い始めた月からの月割りになるので、12月購入だと初年度に落とせるのは1か月分だけです。

支払いが終わっていなくても経費にできる

完払していないことを理由に経費が否認されることはありません。対象物を引き渡されて事業に使っていれば、支払いの進捗と経費計上は別の話です。

逆に、前金で払っただけでまだ届いていないものはその年の経費になりません。基準はあくまで引き渡しを受けた日です。


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金額別の処理早見表

分割払いか一括払いかではなく、1つあたりの金額で処理が変わります。支払方法は判定に一切関係しません。

1つあたりの金額処理方法勘定科目の例青色申告の特例
10万円未満その年に全額を一括で経費にする消耗品費不要
10万円以上20万円未満減価償却、または一括償却資産として3年均等償却工具器具備品
(一括償却資産)
少額減価償却資産の特例で全額可
20万円以上30万円未満減価償却工具器具備品少額減価償却資産の特例で全額可
30万円以上耐用年数に応じて減価償却工具器具備品
車両運搬具
使えない

少額減価償却資産の特例は青色申告者向けで、1つあたり30万円未満、年間の合計300万円までが上限です。白色申告では使えないので、高額の備品を買う年は青色申告であることのメリットが大きくなります。

セット購入でも1つあたりで判定する

判定は支払い総額ではなく、通常1単位として取引されるものごとに行います。8万円のモニターを2台で買っても、それぞれ10万円未満なので消耗品費で全額落とせます。

ただしパソコン本体と、それなしでは機能しない周辺機器を同時に購入した場合は、一体として判定されることがあります。分けて安く見せる目的で伝票を分割するのは避けましょう。

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分割払いの仕訳例

購入時に全額を計上し、未払分を未払金で受けて、支払うたびに未払金を減らしていきます

銀行引落の分割払い

9万円の備品を3回払いで購入したケースです。

時期借方貸方
購入時消耗品費 90,000未払金 90,000
1回目の引落未払金 30,000普通預金 30,000
2回目の引落未払金 30,000普通預金 30,000
3回目の引落未払金 30,000普通預金 30,000

経費になるのは購入時の9万円だけで、引落の仕訳は負債を減らしているだけなので経費にはなりません。ここを二重に経費計上してしまうミスが多いので注意してください。

クレジットカードの分割払い

カードの場合も考え方は同じで、引落日でなく利用日に未払金を立てます。事業用カードなら未払金を使い、プライベートのカードで払った場合は事業主借で受けます。

カードの明細は引落日ごとに並んでいるため、利用日とズレます。月をまたいでいる分は、明細と利用控を照らして日付を合わせる必要があります。

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分割手数料とリボ手数料の勘定科目

手数料は本体の代金と分けて記帳します。一緒にしてしまうと、1つあたりの金額判定がズレて減価償却の対象かどうかを間違えます。

支出の中身勘定科目消費税
分割払いの手数料支払手数料非課税
金利にあたる部分支払利息非課税
リボ払いの手数料支払手数料または支払利息非課税

いずれも事業用の買い物にかかったものなら経費になります。もしプライベートの買い物と同じカードで払っている場合は、手数料も使った割合で按分します。

リボ払いは手数料の重さに注意する

仕訳のやり方は分割払いと同じですが、リボ払いは元金の減りが遅いため手数料総額が膨らみます

手数料が経費になるとはいっても、戻ってくるのは税率分だけです。手数料が年3万円でも、軽くなる税金は数千円から1万円程度です。経費になるからという理由でリボを選ぶメリットはありません。


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分割払いで経費計上するときの注意点

プライベートと兼用なら家事按分する

仕事と私用の両方で使うものは、業務に使った割合の分だけが経費になります

15万円のパソコンを業務7割で使っているなら、経費にできるのは10万5,000円です。なお家事按分する場合も、減価償却が必要かどうかの判定は按分前の取得価額で行います。按分して十万円未満になったから一括で落とせる、ということにはなりません。

明細と領収書の残し方

分割回数・手数料額・本体価格が分かる書面を残します。カードの利用明細だけでは、何を買ったかと本体・手数料の内訳が説明できないことがあります。

購入時の領収書または契約書と、カード会社の分割払い明細をセットで保管するのが確実です。保存期間は青色申告なら原則7年で、分割払いは支払いが終わるまでの期間も合わせて考えておくと安心です。

未払金を残したままにしない

支払いが終わったのに未払金の残高が消えていないのは、記帳漏れのサインです。貸借対照表の未払金が膨らんだままになってしまいます。

年末の時点で未払金の残高と、実際の残存回数分の金額が一致するかを確認しておくと、申告の直前に洗い直す手間がなくなります。


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分割払いは、購入時の計上と毎月の取り崩しを何か月も追い続ける必要があり、手作業だと未払金が合わなくなりやすい部分です。カードと口座を連携しておけば、明細が自動で取り込まれて勘定科目まで候補が出るので、毎月の確認が数分で済みます。

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出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)

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まとめ

分割払いでも経費にできます。計上するのは購入した時点で全額、未払分は未払金で受けて支払うたびに取り崩すという流れを押さえておけば迷いません。

注意点は2つです。1つあたり10万円以上なら減価償却になることと、手数料を本体と混ぜないこと。この2つを分けておけば、金額判定を間違えることはほとんどなくなります。

支払いが何か月も続くと記帳の抜けが出やすいので、年末に未払金の残高を一度照合しておくと安心です。


よくある質問

Q. 分割払いは一括で経費にできますか?

1つあたり10万円未満なら、分割回数に関係なく購入した年に全額を一括で経費にできます。10万円以上は減価償却が必要で、青色申告なら30万円未満までは特例で一括計上できます。

Q. 支払いが翌年にまたがる場合はどちらの年の経費になりますか?

購入して引き渡しを受けた年です。支払いが翌年や翼々年にまたがっても、経費にする年は変わりません。

Q. 未払金と未払費用の違いは何ですか?

未払金は、備品などモノの購入代金で未払いのものに使います。未払費用は家賃や利息のように、時間の経過で発生するサービスの未払分に使う科目です。

Q. 分割手数料に消費税はかかりますか?

かかりません。分割払いやリボ払いの手数料は利息にあたるため非課税です。消費税の申告をする場合は、課税仕入に含めないよう区分します。

Q. プライベートのカードで事業用のものを分割払いしました。経費にできますか?

できます。購入時に「消耗品費/事業主借」と仕訳します。引落は個人の口座からなので、帳簿上の支払仕訳は不要です。

Q. 分割払いの途中で廃業したら残りの支払いはどうなりますか?

経費計上は購入した年に済んでいるので、廃業後の支払いを新たに経費にすることはありません。減価償却中の資産がある場合は、廃業する年分の手続きで未償却分を処理します。


メタディスクリプション

分割払いで買ったものは、購入した年に全額を経費計上します。未払金を使った仕訳例、金額別の減価償却の判定、分割手数料とリボ手数料の勘定科目まで解説します。

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