確定申告は、パソコンでもスマホでもできます。選ぶ基準は申告内容の複雑さではなく、どちらの作業環境が自分に合うかです。取引が多い人や青色申告決算書を作る人でも、スマホだけで完結できます。
この記事のポイント
- パソコンを選ぶ理由は「画面が大きい」「調べながら進められる」「慣れている」の3つ
- 取引が多くてもスマホだけで完結できる
- 事前準備はICカードリーダライタが不要なスマホのほうが軽い
- パソコンで作ってスマホで送る「ハイブリッド申告」もできる
- 青色申告特別控除65万円はe-Tax送信が要件の1つ
- 令和9年分から簡易簿記の10万円控除が使えなくなる人が出る
確定申告はパソコンとスマホのどちらがいい?
結論として、どちらでも同じ申告ができます。国税庁の確定申告書等作成コーナーは、令和7年1月から所得税のすべての画面がスマホでも操作しやすい形になり、事業所得や不動産所得もスマホ専用画面で申告できます。いまや確定申告をする人の約4人に3人がe-Taxを利用しています(政府広報オンライン)。
そのうえで、選び方は次の3つの質問で決まります。
- 大きな画面で全体を見ながら進めたいか:はい、ならパソコン
- 移動中やすきま時間に少しずつ進めたいか:はい、ならスマホ
- レシートをその場で撮って処理したいか:はい、ならスマホ

「早い」は入力速度ではなく合計時間で決まる
比較でつまずきやすいのがここです。確定申告にかかる時間は「事前準備」「入力」「送信」の合計で、入力速度だけを比べても答えは出ません。
事前準備はスマホのほうが軽く、入力はキーボードのほうが速い、という関係になります。だから「どちらが早いか」は、準備にかかる手間をどれだけ嫌うかで逆転します。
| 工程 | パソコン | スマホ |
|---|---|---|
| 事前準備 | 読み取り手段の用意と事前準備セットアップが必要 | 対応機種ならアプリを入れるだけ |
| 日々の記帳 | まとめて入力する前提になりやすい | 発生のたびに数十秒で処理できる |
| 申告書の入力 | キーボードと大きな画面で速い | 画面は狭いが、案内に沿って進む形なら差は出にくい |
| 電子署名・送信 | カードリーダーか、スマホと連携して署名 | カードをかざすだけ |
申告内容ごとの向き・不向き
申告内容で選ぶ必要はほとんどありません。下の表は、内容ごとにどちらを選んでも成立することを示したものです。
| 申告する内容 | パソコン | スマホ |
|---|---|---|
| 給与所得者の医療費控除・ふるさと納税 | できる | できる(マイナポータル連携で自動入力) |
| 白色申告(収支内訳書) | できる | できる |
| 青色申告(青色申告決算書・最大65万円控除) | できる | できる |
| 不動産所得 | できる | できる |
| 取引が多い事業 | できる | できる(むしろすきま時間で処理できる) |
ただし一部に例外が残ります。特定口座以外で持っている株式や投資信託の譲渡所得は、スマホ専用画面では申告できません。この申告が必要な人はパソコンの画面を使います。
事業所得と不動産所得をスマホ専用画面で申告できるのは、確定申告書等作成コーナーで青色申告決算書または収支内訳書を作成した場合です(国税庁 確定申告書等作成コーナー)。会計ソフトで決算書を作る場合は、そのソフトの対応範囲に従います。
パソコンが向いている人
パソコンを選ぶ理由は、作業環境の3点に絞られます。機能で選ぶ話ではありません。
画面が大きいほうが見やすい
入力欄と計算結果を一覧で見られるので、全体像をつかみながら進められます。数字の桁を見間違えたくない人、入力後に一覧で見直したい人はパソコンが向きます。
複数の画面を並べられるのも利点です。銀行の取引明細やPDFの証明書を横に置いて、見比べながら入力できます。
調べながら進めたい
分からない用語が出るたびに検索する進め方をするなら、タブを切り替えられるパソコンが快適です。申告書の入力画面を閉じずに調べ物ができるので、途中で手が止まりません。
パソコンでの作業に慣れている
仕事で毎日パソコンを使っている人は、単純にそのほうが速く終わります。慣れている道具を使う、という理由は十分な選択理由です。
「取引が多いとパソコンでないと無理」は誤解
ここは誤解が広まっている部分なので、はっきり書きます。取引の件数が多いことも、青色申告決算書を作ることも、パソコンを選ぶ理由にはなりません。
青色申告決算書はスマホでも作成・送信できる
国税庁の作成コーナーは、青色申告決算書と収支内訳書のスマホ作成に対応しています。最大65万円の青色申告特別控除を受けるためにパソコンが必要、という条件はどこにもありません。
65万円の控除の要件は、複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して期限内に申告すること、そのうえでe-Taxで送信すること(または優良な電子帳簿の保存と届出)です(国税庁 No.2072)。要件は「e-Taxで送ること」で、どの端末から送るかは問われません。
本当の問題は処理速度ではなく、溜めてしまうこと
まとめて仕訳する機能はどちらにもあります。取引が多い人がつまずく原因は入力の速さではなく、まとめて処理する時間を確保できずに溜めることです。
発生したその場で数十秒ずつ片づけられれば、年末に作業が残りません。レシートを撮る、口座と同期した明細を仕分ける、という作業は手元のスマホのほうが着手までが短く済みます。

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スマホが向いている人
スマホの強みは、着手までが短いことと、事前準備が軽いことです。
その場でレシートを撮れる
支払った直後に撮って処理すれば、レシートを財布に溜めずに済みます。あとで探す作業がなくなるだけで、確定申告の負担はかなり減ります。
すきま時間に進められる
電車での移動中や待ち時間に、数件ずつ片づけられます。机に向かう時間をわざわざ確保しなくてよいので、作業が後ろに溜まりません。
ICカードリーダライタを買わなくていい
マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホなら、それ自体が読み取り装置になります。パソコンだけで完結させる場合に必要なICカードリーダライタを、買わずに済みます。
生体認証でログインできる
スマホ用電子証明書を設定しておくと、e-Taxへのログインを顔認証や指紋認証で済ませられます。パスワードを思い出す手間がなくなり、カードを取り出す回数も減ります。
事前準備の違い|ここでいちばん差がつく
入力よりも先に、準備で止まる人が多いのが確定申告です。必要なものを並べます。
| パソコン | スマホ | |
|---|---|---|
| マイナンバーカード | 必要 | 必要 |
| 読み取り手段 | ICカードリーダライタ、または対応スマホと連携 | 本体のみ(対応機種) |
| 利用者識別番号 | 必要(半角16桁) | 必要(半角16桁) |
| ソフトの導入 | 事前準備セットアップが必要になる場合がある | アプリのインストール |

パソコンで用意するもの
読み取り手段を決めるところから始まります。ICカードリーダライタを買うか、手持ちのスマホを読み取り装置として連携させるかの二択です。
使えるパソコンとブラウザを先に確認する
古い環境だと入り口で止まります。作成コーナーの推奨環境は、WindowsならWindows 11でMicrosoft EdgeまたはGoogle Chrome、MacならmacOS 13以降でSafariです(国税庁 確定申告書等作成コーナーご利用ガイド(パソコン版))。
Macでも作成コーナーとe-Taxソフト(WEB版)は使えます。Windows専用なのは、パソコンにインストールして使うe-Taxソフトだけです。なおWindowsのFirefoxは、書面提出やID・パスワード方式では使えますが、マイナンバーカード方式のe-Tax送信には対応していません。推奨環境の外のブラウザでは正常に動作しないおそれがあります。
事前準備セットアップとは
パソコンでe-Taxを使うときに、環境を整えるために国税庁が配布しているプログラムです。推奨環境の確認を含めて、この作業でつまずくと入力に進めません。
対応しているOSとブラウザの組み合わせが決まっているので、古い環境のままだと途中で止まります。作業日の当日ではなく、前日までに済ませておくと安全です。
中身は2つあります。セットアップツールを入れ、あわせてブラウザの拡張機能「e-Tax AP」をインストールして、初めてカードの読み取りや署名が動きます。Microsoft Edgeで使う場合は、先に「他のストアからの拡張機能を許可する」の設定が必要です。インストールにはパソコンの管理者権限を使います。
スマホで用意するもの
マイナンバーカードの読み取りに対応した機種と、必要なアプリだけです。カードをかざす位置は機種によって違うので、最初の1回はケースを外して試してください。
e-Taxで使うパスワードは3種類ある
ここを知らずに始めると、送信の直前で止まります。マイナンバーカードには複数のパスワードがあり、e-Taxで使うのは次の3つです。
| パスワード | 形式 | 使う場面 |
|---|---|---|
| 利用者証明用 | 数字4桁 | e-Taxへのログイン(毎回) |
| 券面事項入力補助用 | 数字4桁 | カードから氏名や住所を読み取るとき |
| 署名用 | 英数字6〜16文字 | 送信時の電子署名 |
署名用パスワードは、数字とアルファベットの混在が必須で、アルファベットは大文字のみです(公的個人認証サービス ポータルサイト)。小文字で入力しても大文字に変換されます。
下2つが必要なのは初回だけ
はじめてマイナンバーカード方式で申告するときは、券面事項入力補助用と署名用も入力します。このとき、カードの読み取りが合計3回発生します。
2回目以降のログインで必要になるのは、利用者証明用パスワードだけです。初回だけ手数がかかる、という性質のものだと考えてください。
ロックまでの回数と、解除の方法
回数を超えると電子証明書自体が使えなくなります。署名用は5回連続、利用者証明用は3回連続で間違えるとロックがかかります。
解除の方法は2つあります。もう一方のパスワードが使えるなら、スマホアプリとコンビニのキオスク端末で初期化できます。使えない場合は、マイナンバーカードを持って住民票のある市区町村の窓口で再設定します。
スマホ用電子証明書ならカードを出さずに済む
2025年1月以降に使えるようになった仕組みです。マイナポータルで利用申請を済ませておけば、申告のときにマイナンバーカードを取り出さずにe-Taxを利用できます。
ただし対応している機種は限られます。申請にはマイナンバーカードの読み取りが必要なので、結局この登録だけは先に済ませておくことになります。
どちらにも必要な利用者識別番号
e-Taxで使う半角16桁の番号です(e-Tax ご利用の流れ)。持っていない場合は、手続きの中で取得できます。
番号とセットで、英数字8〜50桁のパスワード(暗証番号)も登録します。オンラインで取得すればその場で番号が発行されるため、取得に時間がかかるのはマイナンバーカードを新しく作る場合(申請から概ね1か月)のほうです。

ID・パスワード方式は新規発行が止まっている
マイナンバーカードを使わない方法として案内されてきたのがID・パスワード方式です。2025年10月1日に新規発行が停止され、令和9年分からは利用できなくなる予定です。
これから始める人は、マイナンバーカードを使う方式で準備してください。今この方式で申告している人も、いずれ切り替えが必要になります。
作成コーナーとe-Taxソフトの違い
「e-Taxで申告する」と言っても入口が複数あり、ここが混乱しやすい部分です。個人の確定申告で使うのは、原則として確定申告書等作成コーナーです。
4つの入口を使い分ける
| 入口 | 何をするもの | 向いている人 |
|---|---|---|
| 確定申告書等作成コーナー | 画面の案内に沿って金額を入力し、申告書と決算書を作って送信する | 個人で確定申告をする人 |
| e-Taxソフト(WEB版) | 各種の申請・届出をブラウザから提出する | 青色申告承認申請などの届出を出す人 |
| e-Taxソフト(ダウンロード版) | WEB版が対応していない手続きをパソコンで作成する | 開業届など対象外の届出を出す人 |
| 会計ソフト | 日々の記帳から決算書・申告書を作り、e-Taxへ送信する | 事業所得がある人 |
作成コーナーで作れるのは、申告書と決算書、一部の付表や計算明細書までです。日々の帳簿はここでは作れないので、事業所得がある人は会計ソフトかExcelで別に用意します。
会計ソフトを使っている場合は、作成コーナーを開かずにソフトから送信できます。同じ内容を2回入力しないよう、記帳に使っているソフトが申告まで対応しているかを先に確認してください。
会計ソフトで作った申告書はWEB版から送信できる
直接送信に対応していないソフトを使っている場合の送信ルートです。会計ソフトで作成した申告書のデータは、e-Taxソフト(WEB版)に読み込んでそのまま送信できます。
流れは、WEB版にログインしたら「確定申告を行う」ではなく「申請・納付手続を行う」を選ぶのがポイントです。そこから「作成済みデータの利用」でファイルを読み込み、送信する帳票を選んで電子署名を付け、送信します。


消費税の申告もパソコンで完結する
インボイス発行事業者として登録している人は、消費税の申告も必要です。消費税の申告書(納税額を売上税額の2割に抑える「2割特例」を含む)も、作成コーナーで作成してそのままe-Taxで送信できます。国税庁が消費税専用のパソコン申告マニュアルと操作動画も公開しています。

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パソコンで確定申告する手順
作成コーナーを使う場合の流れです。会計ソフトから送る場合は、ソフト側の案内に従います。
必要なもの
- マイナンバーカード(署名用電子証明書が有効なもの)
- 読み取り手段:ICカードリーダライタ、または対応スマホ
- 利用者識別番号
- 収入と経費の集計、控除証明書などの資料
手順
1.事前準備セットアップを済ませる
推奨環境を確認し、必要なプログラムを入れます。ここを飛ばすと、署名の直前でエラーになります。
2.作成コーナーで申告書を作る
画面の案内に沿って金額を入力します。事業所得や不動産所得がある場合は、先に青色申告決算書または収支内訳書を作ります。
入力の途中で画面の「戻る」を押すと、その画面で入力した内容は消えます。区切りごとに「ここまでの入力内容を保存」を押しながら進めてください。
3.マイナポータル連携で自動入力する
医療費や保険の控除証明書などを、連携で取り込めます。手入力が減るぶん、転記の間違いも減ります。
4.電子署名を付けて送信する
カードリーダーにカードを置くか、画面のQRコードをスマホで読み取って署名します。
5.受信通知と控えを保存する
送信後、メッセージボックスに受信通知が届きます。申告書のPDFと受信通知は、その場で保存してください。


スマホで確定申告する手順
必要なものはマイナンバーカードと対応スマホの2つです。利用者識別番号は手続きの中で取得できます。
手順
1.作成コーナーまたはアプリを開く
スマホ専用画面が用意されています。会計ソフトのアプリを使う場合は、そのアプリから進めます。
2.初回だけ出てくる選択肢に注意する
はじめての人がここで間違えます。「利用者識別番号・暗証番号をお持ちの方はこちら」はID・パスワード方式で申告したことがある人向けの入口で、マイナンバーカードのパスワードを持っているという意味ではありません。
はじめてe-Taxを使うなら「初めてe-Taxをご利用される方はこちら」を選びます。カードを読み取るときは背面に密着させ、動かさずに待つのがコツです。
3.収入と控除を入力する
給与所得者なら源泉徴収票の内容を、事業所得があるなら決算書の内容を入力します。源泉徴収票の入力には3つの方法があります。
- カメラで撮影して自動で読み取る(読み取り後の確認は必要)
- 手元の源泉徴収票を見ながら直接入力する
- マイナポータル連携でデータを読み込む(事前の登録が必要)
4.青色申告決算書または収支内訳書を作る
事業所得と不動産所得をスマホ専用画面で申告するには、この書類の作成が前提になります。
5.カードをかざして送信する
署名用パスワードを入力し、カードを読み取らせて送信します。5回連続で間違えるとロックされるので、思い出せないときは入力を繰り返さないでください。
6.控えを保存する
受信通知と申告書のデータを保存します。紙に印刷する必要はありませんが、データは必ず残してください。
途中でやめても、あとから再開できる
作成中のデータは保存できます。数十分の空き時間を使って数日に分けて進められるので、まとまった時間を確保する必要がありません。
保存したデータファイルを読み込めば、パソコンとスマホのどちらからでも続けられます。利用者識別番号を忘れていても、マイナンバーカードでログインすればそのまま申告できます。
保存したデータを翌年の申告で読み込むと、住所・氏名などの本人情報のほか、給与や年金の支払者、配偶者・扶養親族の情報、住宅ローン控除の内容、還付金の口座までが引き継がれます。


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ハイブリッド申告|パソコンで作ってスマホで送る
両方の利点を取る方法があります。入力はパソコン、署名と送信はスマホという分担です。
やり方
1.パソコンの作成コーナーで入力を終える
キーボードと大きな画面で、金額の入力と確認を済ませます。
2.「スマートフォンを使用して提出する」を選ぶ
送信の段階でこの方法を選ぶと、画面にQRコードが表示されます。
3.スマホでQRコードを読み取って送信する
スマホでカードを読み取り、電子署名を付けて送信します。ICカードリーダライタを買わずに、パソコンでの入力効率だけを取れます。
1つだけ注意があります。パソコンの画面に出るQRコードを読み取れるのはマイナアプリ(旧マイナポータルアプリ)だけで、スマホの標準カメラやQRコード読取アプリでは読み取れません。また入力を一時保存して再開した場合は、送信の直前にカードの読み取りをもう一度求められることがあります。

向いている人・向かない人
パソコンで入力したいが、カードリーダーは買いたくない人に向きます。逆に、記帳から申告まで同じアプリで完結させたい人には、切り替えの手間が増えるだけになります。
マイナポータル連携でどこまで自動入力できる?
入力の手間を減らす効果がいちばん大きいのが、この連携です。パソコンでもスマホでも使えます。
連携で取り込める証明書
対象になる証明書は12の区分に分かれており、医療費、生命保険料控除証明書、公的年金等の源泉徴収票などが含まれます。取り込んだ内容はそのまま申告書に反映されるので、金額を手で写す必要がありません。
家族の分もまとめて取り込める
代理人の登録をしておけば、家族の医療費などの情報も取得できます。家族分の医療費を合算して医療費控除を受ける場合、領収書を集めて足し算する作業が減ります。
連携には事前の登録が必要
その場で思いついて使える機能ではありません。マイナポータルとe-Taxをつなぐ設定と、保険会社などとの連携の登録を先に済ませておく必要があります。
申告の直前に設定を始めると、連携先の反映を待つ時間で間に合わなくなることがあります。年末までに済ませておくのが安全です。
納付までスマホで終わらせる
申告が終わっても、納める税金があるなら納付が残ります。ここまで含めて考えると、スマホで完結できる範囲は広いです。
| 納付方法 | スマホだけで完結 | 上限 |
|---|---|---|
| スマホアプリ納付 | できる | 30万円以下 |
| ダイレクト納付(口座引落) | できる(事前に届出が必要) | — |
| インターネットバンキング | できる | — |
| クレジットカード納付 | できる(決済手数料がかかる) | — |
| コンビニ納付(QRコード) | QRコードの作成まで | 30万円以下 |
| 窓口・金融機関で現金 | できない | — |
スマホアプリ納付とコンビニ納付のQRコードは、どちらも30万円以下という上限があります。納める税額が30万円を超える場合は、ダイレクト納付やインターネットバンキング、クレジットカード納付を選びます。
納付の期日をずらす方法もあります。納付方法を選ぶ画面では延納の届け出ができ、チェックを入れると延納できる金額の上限が画面に表示されます。条件は画面の案内で確認してください。
振替納税を選んでおくと後が楽になる
口座引落で自動的に納める方法もあります。一度手続きをしておけば、翌年以降も同じ口座から引き落とされます。納付を忘れて延滞税がかかる事故を防げます。
e-Taxで申告するメリット|端末に関係なく効く
パソコンでもスマホでも、e-Taxで送ると受けられる利点があります。紙で出す場合との差です。
添付書類はどこまで省略できる?
e-Taxで送る場合、多くの証明書は提出を省略できます。ただし省略は「出さなくてよい」という意味で、捨ててよいという意味ではありません。
| 書類 | e-Taxで送る場合 |
|---|---|
| 社会保険料控除の証明書(国民年金保険料など) | 提出を省略できる |
| 小規模企業共済等掛金控除の証明書 | 提出を省略できる |
| 生命保険料控除・地震保険料控除の証明書 | 提出を省略できる |
| 寄附金控除の証明書(ふるさと納税) | 提出を省略できる |
| 住宅ローン控除の年末残高証明書 | 2年目以降は省略できる(1年目は書類の提出が必要) |
| 勤労学生控除・雑損控除・外国税額控除の証明書 | 提出を省略できる |
| 医療費の領収書 | 提出は不要(明細書を作成し、領収書は5年間保管) |
| セルフメディケーション税制の取組を明らかにする書類 | 提出を省略できる |
| 確定申告書・貸借対照表・損益計算書 | 画像データでの送信はできない(入力が必要) |
省略できない書類もある
すべてが省略できるわけではありません。住宅ローン控除を受ける1年目の登記事項証明書や、住宅耐震改修特別控除の証明書などは、PDFの添付か郵送で別に提出します。
申告の内容によって必要な書類は変わるので、送信前に画面の案内を確認してください。
省略した書類は、税務署から求められたときに提示できるよう手元に残します。保存が必要な期間は、原則として法定申告期限から5年間です。捨ててよいという意味ではない点に注意してください。
省略できない書類はPDFで追加送信する
出し方にも仕組みがあります。添付書類は申告書と同時には送信できず、申告書を送ったあとにイメージデータ(PDF)を追加で送信します(国税庁 確定申告書等作成コーナーご利用ガイド(パソコン版))。
郵送が必要になるのは、送信後に表示される「申告書等送信票(兼送付書)」の別途提出欄に○が付いた書類だけです。○がなければ、送信票を含めて何も郵送する必要はありません。
帳簿の保存期間も確認しておく
書類とあわせて、帳簿の保存期間も決まっています。青色申告は原則7年(一部は5年)、白色申告は5年です。スマホで撮ったレシートの画像で保存する場合は、電子帳簿保存法の要件に沿った保存方法を選びます。
還付金を早く受け取れる
還付申告の場合、書面で出すより処理が早く進みます。国税庁は、e-Taxで提出した場合は3週間程度、書面で提出した場合は1か月から1か月半程度を目安として案内しています。
ただしこれは内容に不備がなかった場合の目安です。還付先の口座はネット銀行にも対応していますが、一部の銀行は指定できません。
振り込みを待つ間の処理状況は、e-Taxソフト(WEB版)のマイページにある「還付金処理状況を確認する」から確認できます。

青色申告特別控除が65万円になる
ここがいちばん金額に効きます。55万円の控除の要件を満たしたうえで、期限までにe-Taxで送信すると控除が65万円になります(国税庁 No.2072)。
55万円の要件は、複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を添付して、確定申告期限までに提出することです。e-Taxで送る代わりに、優良な電子帳簿の保存と届出でも65万円になります。
なお、現金主義による所得計算の特例を選んでいる場合は、55万円と65万円の控除は受けられません。
確定申告期間を待たずに送信できる
意外と知られていない利点です。e-Taxの受付は例年1月の初旬に始まり、確定申告期間(2月16日〜)を待たずに送信できます。早く出しても、還付の処理はその分早く進みます。
利用できる時間が決まっている
e-Taxはメンテナンス時間を除いて利用できます。確定申告期間中は土日祝を含めて24時間利用できますが、それ以外の時期は曜日によって利用できる時間帯が変わります。
期限の当日については、23時59分までに送信を終えれば期限内の申告として扱われます。ただし直前は利用が集中するため、余裕を持たせるのが安全です。
令和9年分から青色申告特別控除の要件が変わる
ここは知らずにいると控除額が下がる話です。令和9年分以後の所得税について、10万円控除の要件が変わります(国税庁 リーフレット(令和8年4月))。
| 記帳の方法 | 2年前の収入金額が1,000万円超 | 2年前の収入金額が1,000万円以下 |
|---|---|---|
| 簡易簿記 | 0円(控除の対象外) | 10万円 |
| 複式簿記+e-Tax送信 | 65万円 | 65万円 |
| 複式簿記+e-Tax送信+優良な電子帳簿 | 最大75万円 | 最大75万円 |

簡易簿記の10万円控除が使えなくなる人
対象は、不動産所得または事業所得を簡易な簿記で記録している人のうち、その年の前々年分の収入金額が1,000万円を超える人です。この場合、10万円の控除が適用できなくなります。
不動産所得については、収入金額が1,000万円を超えていても、対象外になるのは事業的規模の人だけで、業務的規模の人は改正前と同じく最大10万円の控除を受けられます。業務的規模の人は、複式簿記に移しても控除額は10万円のままです。
複式簿記とe-Tax送信で65万円になる
改正後の65万円控除の要件は、複式簿記による記帳とe-Taxでの送信です。この2つを満たせば、収入金額の条件に関係なく65万円の控除を受けられます。
複式簿記は手書きでは負担が大きいものですが、会計ソフトを使えば仕訳の入力から決算書の作成まで自動で進みます。スマホのアプリでも複式簿記の記帳はできるので、パソコンを買い足す必要はありません。
優良な電子帳簿で最大75万円になる
さらに上の枠があります。65万円控除の要件に加えて、請求書データとの自動連携や訂正削除履歴の記録といった優良な電子帳簿の要件を満たして保存している場合は、最大75万円の控除を受けられます。
要件は、その年分の事業に係る仕訳帳と総勘定元帳について、課税期間の最初から優良な電子帳簿の要件を満たして電子データで備え付けて保存し、確定申告期限までに届出書を提出することです。
令和9年分に間に合わせるには、その年の最初から要件を満たしている必要があります。年の途中で気づいても遡れないため、準備は前年のうちに済ませてください。

確定申告の期間・期限と、間違えたときの直し方
送信したあとでも直せます。期限内か期限後かで手続きの名前が変わります。
確定申告の期間はいつから?
確定申告の期間は原則として2月16日から3月15日までです。期限が土日祝に当たる年は翌平日にずれます。
還付申告なら期間前でも提出できる
納める税金がなく、還付を受ける申告であれば、確定申告期間の前でも提出できます。還付申告は対象の年の翌年1月1日から5年間提出できるため、混み合う時期を避けられます。
作成コーナーは年明けから使える
その年分の申告書を作る画面は、年が明けてから公開されます。前年のうちに数字を集めておけば、公開直後に入力を始めて早く終わらせられます。
期限直前は、e-Taxの利用が集中して画面の反応が遅くなることがあります。急ぐ理由がないなら、期限の1週間前までに送信を済ませておくのが安全です。
電子証明書が切れていたら書面に切り替える
期限間際の落とし穴です。マイナンバーカードの電子証明書が切れていて更新が間に合わない場合は、作成方法を書面に変えて、印刷して提出すれば期限に間に合わせられます。電子証明書の更新自体は市区町村の窓口ででき、手数料はかかりません。
紙で出しても受付印は押されない
2025年1月に運用が変わっています。申告書の控えへの収受日付印は廃止されたため、窓口に持ち込んでも郵送しても、受付印が押された控えは返ってきません。
控えは自分で保管する前提になります。e-Taxなら受信通知が提出の記録として残るので、この点でも電子申告のほうが手間が少なくなりました。
郵送する場合の宛先と時間外収受箱
紙で出す場合の注意です。所轄の税務署が業務センター化していると、郵送の宛先は税務署ではなく業務センターになります。送る前に確認してください。
閉庁時間でも、税務署の時間外収受箱に投函すれば提出できます。投函されたものは翌日に回収され、前日までに提出されたものとして扱われます。
期限内に気づいたとき
期限内であれば、正しい内容で作り直して送信します。同じ内容を送り直す形になるので、あとから送ったものが有効な申告として扱われます。
ただし出し直しには代償もあります。申告書を2回以上送信すると、還付金の支払いが通常より遅くなる場合があります。送信前の見直しがいちばんの時短です。
期限後に税額が多すぎたと気づいたとき
納める税金が多すぎた、還付が少なすぎた場合は更正の請求(更正の請求書の提出)を行います。原則として法定申告期限から5年以内です。
期限後に税額が少なすぎたと気づいたとき
納める税金が少なすぎた場合は修正申告をします。気づいた時点で早く出すほど、加算税や延滞税の負担が軽くなります。
期限を過ぎてから申告するとき
期限後でもe-Taxで送信できます。無申告のまま放置すると無申告加算税と延滞税がかかるので、遅れた場合ほど早く出してください。

スマホで確定申告するなら「タックスナップ」
パソコンとスマホのどちらでも申告はできます。そのうえで、記帳から申告までを1つのアプリで完結させたいなら、スマホに特化した確定申告アプリが向きます。

\ AppStoreの確定申告アプリで1位 /
「個人事業主・スマホ完結」に特化した確定申告アプリ
タックスナップは、日々の経費処理から確定申告書の作成・提出まで、個人事業主・フリーランスに必要な会計機能がすべてスマホで完結できるアプリです。
今までの会計ソフトは「パソコン操作」や「機能の多さ」を前提としたサービスが多かった一方で、タックスナップは「個人事業主・スマホ完結」に特化し、会計知識が全くない方でも、スキマ時間だけで確定申告が終わるように設計しています。
「初めての確定申告でも迷わずに提出できた」 「他の会計ソフトから乗り換えて、圧倒的にラクになった」 といった嬉しいレビューもいただいています。

App Store確定申告アプリランキング1位を獲得
ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。
2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード
意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。
外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)
速さの秘訣は丸投げ仕分け
タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。
銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。
「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心
「本当にこの内容で提出して大丈夫?」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。
あなたのデータをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが診断します。
修正するべき内容も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

タックスナップは、確定申告をできるだけ簡単に、かつ安心して提出できるようにサポートするアプリです。 無料トライアルも行っているので、まずはその快適さを体験してみてください。
\ AppStoreの確定申告アプリで1位 /
まとめ
確定申告はパソコンでもスマホでもできます。選ぶ基準は申告内容ではなく、大きな画面で進めたいか、すきま時間で進めたいかという作業環境の好みです。
取引が多い人でも、青色申告決算書を作る人でも、スマホだけで完結できます。65万円の控除の要件は「e-Taxで送信すること」で、どの端末から送るかは問われません。
入力はパソコン、署名はスマホというハイブリッド申告も選べます。令和9年分からは簡易簿記の10万円控除が使えなくなる人が出るので、複式簿記に移す準備を今年のうちに始めておきましょう。
よくある質問
Q. 確定申告はパソコンとスマホのどちらでやるべきですか?
どちらでも同じ申告ができます。大きな画面で全体を見ながら進めたいならパソコン、すきま時間に少しずつ進めたいならスマホが向きます。
Q. 確定申告で一番楽なやり方は?
多くの人にとっては、作成コーナーで作ってe-Taxで送る方法が最短です。自動計算で、証明書の多くは提出を省略できます。事業所得がある人は記帳が別に必要なので、記帳から申告まで通しで終わらせたい人はスマホの確定申告アプリも選択肢になります。
Q. 取引が多い場合はパソコンのほうがいいですか?
そうとは限りません。まとめて仕訳する機能はどちらにもあり、取引が多い人がつまずく原因は入力の速さではなく作業を溜めることです。発生のたびに処理できるスマホのほうが向く場合もあります。
Q. 青色申告決算書もスマホで作れますか?
作れます。確定申告書等作成コーナーは青色申告決算書と収支内訳書のスマホ作成に対応しており、事業所得や不動産所得もスマホ専用画面で申告できます。
Q. パソコンで申告するにはICカードリーダライタが必要ですか?
マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホがあれば不要です。パソコンの画面に表示されるQRコードをスマホで読み取って連携させれば、スマホが読み取り装置の代わりになります。
Q. 途中でパソコンからスマホに切り替えられますか?
作成中のデータを保存して読み込めば続けられます。入力はパソコン、署名と送信はスマホという分担(ハイブリッド申告)は、送信の段階で「スマートフォンを使用して提出する」を選ぶ形で用意されています。
Q. マイナンバーカードがなくてもパソコンで申告できますか?
ID・パスワード方式が用意されてきましたが、2025年10月1日に新規発行が停止され、令和9年分からは利用できなくなる予定です。これから始めるならマイナンバーカードを用意してください。
Q. パソコンで作って紙で提出することもできますか?
できます。作成コーナーで作った申告書を印刷して、郵送または窓口で提出します。ただしこの方法では、青色申告特別控除は65万円ではなく55万円になります。
Q. Macのパソコンでも確定申告できますか?
できます。作成コーナーとe-Taxソフト(WEB版)は、macOS 13以降+Safariの組み合わせに対応しています。Windows専用なのは、インストールして使うe-Taxソフトだけです。
Q. スマホで確定申告するのに必要なものは何ですか?
マイナンバーカードと、その読み取りに対応したスマホの2つです。利用者識別番号は手続きの途中で取得できます。
Q. 利用者識別番号は何桁ですか?
半角16桁です。過去にe-Taxを使ったことがある人は、すでに取得している可能性があります。
Q. 確定申告書を写真で撮って送ることはできますか?
できません。確定申告書や貸借対照表、損益計算書を画像データで送信することは認められていないため、金額は入力する必要があります。
Q. 令和9年分から何が変わりますか?
簡易簿記で記帳している人のうち、2年前の収入金額が1,000万円を超える人は10万円の控除が使えなくなります。複式簿記とe-Tax送信で65万円、優良な電子帳簿の要件を満たせば最大75万円です。
Q. e-Taxで使うパスワードは何種類ありますか?
3種類です。ログインに使う利用者証明用(数字4桁)、カードから氏名や住所を読み取る券面事項入力補助用(数字4桁)、送信時の電子署名に使う署名用(英数字6〜16文字)です。下2つが必要なのは初回だけです。
Q. パスワードがロックされたらどうすればいいですか?
署名用は5回連続、利用者証明用は3回連続で間違えるとロックされます。もう一方のパスワードが使えるなら、スマホアプリとコンビニのキオスク端末で初期化できます。使えない場合は住民票のある市区町村の窓口で再設定します。
Q. 確定申告はいつから送信できますか?
e-Taxの受付は例年1月の初旬に始まります。確定申告期間(2月16日〜3月15日)を待つ必要はありません。期限当日は23時59分までに送信すれば期限内です。
Q. 還付金はどのくらいで振り込まれますか?
国税庁は、e-Taxで提出した場合は3週間程度、書面の場合は1か月から1か月半程度を目安として案内しています。内容に不備があるとこれより遅くなります。
Q. 途中でやめても続きから再開できますか?
できます。作成中のデータを保存して読み込めば、その時点から再開できます。保存したデータはパソコンとスマホのどちらからでも読み込めます。
Q. 申告した内容が間違っていたらどうすればいいですか?
期限内なら作り直して送信します。期限後は、税額が多すぎた場合は更正の請求(原則5年以内)、少なすぎた場合は修正申告です。
Q. 操作で詰まったらどこに聞けばいいですか?
操作やエラーの質問はe-Tax・作成コーナーヘルプデスク(0570-01-5901)、税金の内容の質問は国税相談専用ダイヤル(0570-00-5901)です。画面のヘルプアイコンとチャットボット「ふたば」でも、多くの疑問はその場で解決できます。




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