「生活保護を受けていると確定申告は必要なの?」「アルバイト収入がある場合はどうなる?」「福祉事務所への収入申告と確定申告は同じもの?」と疑問に思っていませんか。
結論からいうと、生活保護を受給しているだけで確定申告が必要になるわけではありません。生活保護費は非課税のため、保護費だけを受給している場合は原則として確定申告は不要です。一方で、給与や事業所得などの課税対象となる収入がある場合は、収入額や状況によって確定申告が必要になることがあります。
また、福祉事務所へ行う「収入申告」は、税務署へ提出する「確定申告」とは目的も提出先も異なるため、両者を混同しないことが大切です。生活保護受給中は、就労収入などの状況を福祉事務所へ継続して申告する必要があります。
この記事では、生活保護受給者が確定申告をする必要があるケース・不要なケースをわかりやすく解説するとともに、福祉事務所への収入申告との違いや、アルバイト・年金・副業収入がある場合の判定基準まで、2026年の制度に基づいて詳しく紹介します。
この記事のポイント
- 生活保護費は非課税なので確定申告の対象にならない
- 確定申告が必要かは給与なら年収160万円超・給与以外の所得なら20万円超で判定
- 確定申告とは別に福祉事務所への収入申告が毎月必要で金額に関係なく義務
- 収入申告を怠ると不正受給として返還を求められる
- 働いた収入には勤労控除があり全額が保護費から引かれるわけではない
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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生活保護を受けていると確定申告は必要?
生活保護費だけで生活している場合、確定申告は不要です。他に収入がある場合だけ、金額によって必要かどうかが変わります。
生活保護費は非課税所得なので申告の対象外
生活保護の保護費には所得税がかかりません。生活保護法にもとづいて支給される金銭は非課税所得にあたるため、金額がいくらであっても申告書に書く必要はありません。
住民税も同じで、保護費を収入として計算することはありません。だから「保護費をもらっているから申告が必要なのでは」と心配する必要はありません。
確定申告が必要になる金額の判定
判定は収入の種類ごとに違います。自分がどれにあたるかを表で確認してください。
| 収入の種類 | 確定申告が必要になる目安 | 根拠 |
|---|---|---|
| パート・アルバイトなどの給与だけ | 年収160万円超 | 給与所得控除65万円+基礎控除95万円 |
| 給与とそれ以外の収入がある | 給与以外の所得が20万円超 | いわゆる20万円ルール |
| 業務委託・内職などの収入だけ | 経費を引いた所得が95万円超 | 基礎控除95万円 |
| 保険金・懸賞金などの一時所得 | 収入から経費を引いて50万円超 | 一時所得の特別控除50万円 |
| 公的年金を受け取っている | 年金の収入が400万円以下で他の所得が20万円以下なら不要 | 確定申告不要制度 |
基礎控除は令和7年分から引き上げられ、合計所得が132万円以下の人は95万円になりました(出典:国税庁 No.1199)。給与所得控除の最低保障額は65万円です(出典:国税庁 No.1410)。この2つを足して160万円で、かつての103万円はもう基準ではありません。
確定申告が不要でも住民税の申告は必要なことがある
給与以外の所得が20万円以下で確定申告をしない場合でも、住民税の申告は別に必要です〠20万円ルールは所得税だけの話です。
手続き先は住んでいる市区町村で、確定申告をした場合はその情報が自治体に回るので、住民税の申告は不要になります。
確定申告と収入申告はまったく別の手続き
税務署にする確定申告と、福祉事務所にする収入申告は別のもので、片方をしただけでは足りません。ここを混同していると、悪意がなくても不正受給になりうるので注意が必要です。
| 確定申告 | 収入申告 | |
|---|---|---|
| 提出先 | 税務署 | 福祉事務所(ケースワーカー) |
| 目的 | 所得税を計算して納める | 保護費の額を計算する |
| 頻度 | 年1回(2月16日〜3月15日) | 毎月 |
| 金額の下限 | ある(上の表の目安以下なら不要) | なし(金額に関係なく必要) |
| 怠った場合 | 無申告加算税と延滞税 | 不正受給として返還を求められる |
収入申告は金額に関係なく毎月必要
保護費以外の収入があったときは、金額の大小に関係なくすべて福祉事務所に届け出ます。確定申告が不要な金額でも、収入申告は必要です。
対象になるのは給与だけでなく、年金・保険金・親族からの援助・一時的な謝礼など、入ってきたお金のほぼすべてです。判断に迷うものがあれば、自分で判断せずにケースワーカーに先に相談するのが確実です。
申告を忘れると不正受給として扱われる
あとから収入が分かった場合、過去に受け取った保護費の返還を求められます。意図的に隠していたと判断されれば、徴収金が上乗せされることもあります。
逆に、自分から早めに届け出て訂正すれば、単なる保護費の調整として処理されます。申告を忘れていたと気づいた時点で連絡するほうが、結果的に負担は軽く済みます。
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働いた収入はどれくらい保護費から引かれる?
働いて得た収入の全額が保護費から引かれるわけではありません。勤労控除という仕組みがあるため、働いた分だけ手元に残る金額は増えます。
勤労控除があるので働いたほうが手元に残る
勤労控除は、働いて得た収入から一定額を差し引いてから収入として認定する仕組みです。就労にともなってかかる費用を考慮し、就労意欲を損なわないように設けられています(参考:厚生労働省「生活保護制度における勤労控除等について」)。
控除額は収入の額と地域の等級で変わるため、一律の金額は示せません。自分の場合の控除額は福祉事務所で確認できます。交通費や社会保険料などの実費も別に控除の対象になります。
収入が最低生活費を上回ると保護は停止される
収入認定額が最低生活費を超えると、保護は停止または廃止になります。このとき、一時的な収入増なら「停止」になることがあり、収入が下がれば再び受給できます。
保護が外れると国民健康保険料や住民税の負担が発生するので、収入が増えそうな時期は事前にケースワーカーと見通しを共有しておくと、手元の資金が急に苦しくなる事態を避けられます。
生活保護受給中に確定申告する手順
手続きは保護を受けていない人と全く同じで、特別な書類はありません。保護を受けていることを税務署に伝える必要もありません。
手元にあとで必要になるもの
- 源泉徴収票(パート・アルバイトの場合)
- 支払調書や報酬の明細(業務委託の場合)
- 経費の領収書・レシート
- マイナンバーカーまたは通知カードと本人確認書類
- 還付を受け取る口座の情報
提出方法はオンライン・郵送・窓口の3つ
オンラインなら自宅から完結でき、税務署に行く必要がありません。申告期間の税務署は混雑するため、体調や予定に左右されない方法を選べるのは安心です。
マイナンバーカーを持っていない場合でも、税務署でIDとパスワードを発行してもらう方式でオンライン申告ができます。郵送や窓口での提出も引き続き可能です。
申告が必要な金額のラインは専門記事にまとめています。

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申告の作業を負担なく終える方法
体調や事情で税務署に出向くのが難しい場合、手元のスマホだけで完結する方法があります。収入の種類を選んで金額を入れるだけで申告書ができるので、書式のどこに何を書くかで悩む必要がなくなります。
控除のみの申告や雑所得の申告なら、タックスナップは無料プランで対応できます。

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「個人事業主・スマホ完結」に特化した確定申告アプリ
タックスナップは、日々の経費処理から確定申告書の作成・提出まで、個人事業主・フリーランスに必要な会計機能がすべてスマホで完結できるアプリです。
今までの会計ソフトは「パソコン操作」や「機能の多さ」を前提としたサービスが多かった一方で、タックスナップは「個人事業主・スマホ完結」に特化し、会計知識が全くない方でも、スキマ時間だけで確定申告が終わるように設計しています。
「初めての確定申告でも迷わずに提出できた」 「他の会計ソフトから乗り換えて、圧倒的にラクになった」 といった嬉しいレビューもいただいています。

App Store確定申告アプリランキング1位を獲得
ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。
2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード
意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。
外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)
速さの秘訣は丸投げ仕分け
タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。
銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。
「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心
「本当にこの内容で提出して大丈夫?」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。
あなたのデータをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが診断します。
修正するべき内容も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

タックスナップは、確定申告をできるだけ簡単に、かつ安心して提出できるようにサポートするアプリです。 無料トライアルも行っているので、まずはその快適さを体験してみてください。
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まとめ
生活保護費そのものに確定申告はいりません。他に収入がある場合だけ、給与なら年収160万円超、給与以外の所得なら20万円超が判定の目安になります。
見落としやすいのは、税務署への確定申告と福祉事務所への収入申告が別の手続きだという点です。収入申告には金額の下限がなく、毎月届け出なければなりません。
そして働いた収入は全額が引かれるわけでなく、勤労控除の分は手元に残ります。制度の運用には自治体ごとの違いがあるので、具体的な金額はケースワーカーに確認してください。
よくある質問
Q. 生活保護費は確定申告書に書く必要がありますか?
ありません。生活保護の保護費は非課税所得なので、収入として記入する欄はありません。住民税の計算にも含まれません。
Q. 確定申告をしたことは福祉事務所に伝わりますか?
確定申告の内容は市区町村に回るため、収入の状況が福祉事務所に伝わることはあります。その前に自分から収入申告をしていれば問題にはなりません。
Q. 確定申告で戻ってきた還付金は収入になりますか?
収入認定の扱いは自治体の運用によって違います。還付金を受け取ったことを福祉事務所に届け出て、扱いを確認してください。届けずにいると、あとで不正受給として扱われるリスクがあります。
Q. 収入申告をすれば確定申告はしなくていいですか?
別の手続きなので、両方必要なケースがあります。収入申告は保護費を計算するため、確定申告は所得税を計算するためのものです。
Q. 働くと保護費が減るので働かないほうが得ですか?
損にはなりません。勤労控除があるため、働いた収入の全額が保護費から引かれるわけではなく、世帯の可処分所得は増えます。
Q. 過去の分の申告を忘れていたことに気づいたらどうすればいいですか?
気づいた時点でケースワーカーに相談してください。税金の申告も、調査の通知が来る前に自分から提出すれば加算税が軽く済みます。
メタディスクリプション
生活保護費に確定申告は不要ですが、働いて収入がある場合は年収160万円超などの基準で必要になります。福祉事務所への収入申告との違い、勤労控除の仕組みまで解説します。
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