平日は客先のプロジェクトで定例とレビューを回し、夜は別のスタートアップのプロダクト相談にチャットで答える。PM・PdMのお金は、エージェント経由の準委任の月額報酬、直接契約の顧問料、会社員なら本業の給与と、入り方がいくつもあります。しかも準委任の報酬は月の稼働時間で精算され、振り込まれるのは翌月や翌々月です。
確定申告アプリ(会計ソフト)選びは、クライアントごとの月額報酬を稼働した月の売上として記録し、会社の給与や複数の案件とあわせて申告まで終えられるかで決まります。この記事では、準委任の報酬を売上にする時期、PMとコンサルの境目で判断が分かれる個人事業税、単価が高いぶん早く来る消費税と予定納税といったPM・PdMならではの論点から、おすすめの4本を比較します。
この記事のポイント
- 会社に雇われてPMとして働き年末調整を受けているなら確定申告もアプリも原則不要で、業務委託でPM・PMO・PdMの仕事を受けると自分で申告する
- 準委任の月額報酬は、振り込まれた月ではなく稼働した月の売上(12月の稼働分が翌年に入金されても、その年の売上)
- PMの報酬は通常は源泉徴収されないが、経営の改善を指導するコンサル契約や研修の講師料・原稿料は引かれることがある
- 個人事業税は、進行管理が中心の準委任か、診断や助言が中心のコンサルかで判断が分かれ、最終的には都道府県が判断する
- 課税売上が1,000万円を超えると、原則としてその2年後の年は消費税の申告が必要になり、独立2年目には予定納税が来ることもある
- 迷ったら、準委任の月額報酬をクライアントごとに計上したいならタックスナップ、法人化を見据えて事業を広げるならfreee、複数の口座をまとめて管理するならマネーフォワード、パソコンでじっくりならやよいの青色申告
PM・PdMの仕事に確定申告アプリは必要?
会社に雇われてPM・PdMとして働き、年末調整を受けているなら、確定申告もアプリも原則として必要ありません。一方、業務委託でPMやPMOの案件を受けている、会社員のまま副業でPdMや顧問の仕事を受けている、という場合は確定申告が必要になることがあります。
| 働き方 | 確定申告の目安 |
|---|---|
| 会社に雇われてPM・PdMとして働き、年末調整あり | 原則不要(年末調整で完結) |
| 会社員のまま、副業でPM・PdMや顧問の仕事を受けている | 給与以外の所得が20万円を超えたら必要 |
| 業務委託(準委任)でPM・PMOの案件を受けるフリーランス | 所得が基礎控除などの合計(令和8年分の基礎控除は合計所得489万円以下で104万円)を超えたら必要 |
| エージェントや開発会社を通して案件を受けている | 業務委託契約なら自分で申告。派遣(雇用)なら派遣元で年末調整 |
ここでいう所得は、受け取った報酬の総額ではなく書籍やツール、交通費などの経費を引いた金額です。所得税の申告がいらない場合も、住民税の申告は別に必要になることがあります。
業務委託でも働き方が雇用に近いと給与になることがある
業務委託契約でも、勤務時間や場所を指示され、社員と変わらない働き方をしている場合は、報酬が給与と判断されることがあります。国税庁は、支払者の指揮命令に服し、一般の従業員と勤務形態に差がない場合は給与所得、事業としての独立性がある場合は報酬になると示しています(国税庁 源泉徴収のあらまし 令和8年版 第5章)。
判断の要素には、ほかの人が代わりに業務をしてよいか、仕事の進め方について指揮監督を受けるか、仕事に使う道具を支払う側から渡されているかなどがあります。消費税の通達でも、同じ要素で事業か雇用かを判断するとされています(国税庁 消費税法基本通達1-1-1)。客先に常駐し、貸与されたPCで働き、クライアントの勤怠システムに稼働時間を入力するPMは、こうした要素が雇用寄りに並びやすい働き方です。契約書と請求書、複数のクライアントとの取引の記録を残しておくと、事業として独立していることを説明しやすくなります。
青色申告65万円控除はアプリで取れる?
取れます。業務委託でPMの仕事を続けるなら、開業届と青色申告承認申請書を出しておけば、最大65万円の控除が受けられます。65万円控除には複式簿記の帳簿が必要ですが、確定申告アプリなら取引を入力するだけで自動で出来上がります。e-Taxで提出すれば控除額は55万円ではなく65万円になります。令和9年分からは、紙で提出すると控除は10万円になり、e-Taxでの提出が65万円の条件になります(財務省 令和8年度税制改正の大綱)。
あわせて令和9年分からは、前々年の事業所得の収入が1,000万円を超える人は、簡易な帳簿で受けられる10万円の控除も対象外になります。単価の高いPMほど、複式簿記の帳簿をつけてe-Taxで出す形が前提になります。
税理士に頼むのとどちらがいい?
業務委託でPMの案件を1〜2件受けている程度なら、費用の面では確定申告アプリで十分です。クライアントが複数あっても、毎月の報酬と経費を記録していけば申告書は作れます。相場を比べてみます。
| 依頼方法 | 費用の目安(年間) |
|---|---|
| 税理士に記帳から丸ごと依頼 | 10〜20万円 |
| 税理士に申告書作成だけスポット依頼 | 5〜15万円(年商が大きいほど高い) |
| 確定申告アプリ | 1〜3万円台 |
アプリなら年1〜3万円台で利用料は経費にできる
確定申告アプリの利用料は年間1〜3万円台で、業務委託のPMとして申告する人は全額をその年の経費にできます。タスク管理ツールや書籍と同じく、仕事を回すための費用です。
税理士に頼んだほうがいいのはこんな場合
売上が1,000万円を超えて消費税の申告が必要になった、法人化を考えている、ストックオプションを受け取った、人を雇うようになったという場合は、税理士に相談する価値があります。消費税の計算や法人の設立、株式の課税など、判断が一気に難しくなるためです。
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PM・PdMが確定申告アプリを選ぶ4つの基準
PM・PdMのアプリ選びは、①クライアントごとの月額報酬を稼働した月の売上として記録できるか、②会社の給与と複数の案件の報酬を1つの申告にまとめられるか、③定例やレビューの合間にスマホだけで申告まで終わるか、④個人事業税や消費税の判断を質問できる窓口があるか、の4つで決まります。どれも「月額の報酬が稼働で精算され、案件を掛け持ちし、単価が高い」というこの仕事の構造から来る基準です。

クライアントごとの月額報酬を稼働した月の売上として記録できるか
準委任のPMの報酬は、月の稼働時間で精算され、翌月や翌々月に振り込まれる案件が多くあります。入金日ではなく、稼働した月とクライアントごとに売上を記録できるかが最初の基準です。年をまたぐ12月分を入金の日で記録すると、売上が翌年にずれてしまいます。
会社の給与と複数の案件の報酬を1つの申告にまとめられるか
副業でPdMや顧問を受ける会社員は、本業の給与と副業の報酬を1つの申告書にまとめます。フリーランスでも、2〜3件の案件を掛け持ちすると、クライアントごとに請求日も入金日も違ってきます。給与の源泉徴収票と、クライアントごとの報酬をまとめて扱えるかを確認しましょう。
定例やレビューの合間にスマホだけで申告まで終わるか
PMの1日は、朝会やクライアントとの定例、仕様のレビューと会議で埋まりがちです。月末には稼働報告と請求書づくりも重なり、客先から貸与されたPCは自分の帳簿には使えません。記帳から申告書の作成、e-Taxでの提出までスマホだけで終わるかを確認しましょう。
個人事業税や消費税の判断を質問できる窓口があるか
「PMOの仕事は個人事業税のコンサルタント業に当たる?」「売上が1,000万円を超えたら、いつから消費税がかかる?」。PM・PdMの申告には、業務の中身と単価の高さから来る判断が多くあります。チャットやLINEで質問できる窓口があると、申告の直前で手が止まることを防げます。
アプリ選びでよくある失敗
よくある失敗は次の3つです。どれも、毎月の報酬と経費をクライアントごとに記録しておけば避けられます。
- 12月の稼働分を翌年の入金日で記録し、売上の年をずらしてしまう
- 報酬が満額で振り込まれるので納税の分を取り分けておかず、3月や予定納税の時期にあわてる
- クライアントが精算してくれた交通費まで、自分の経費に入れてしまう
PM・PdMにおすすめの確定申告アプリ4選
準委任の月額報酬をクライアントごとに計上したいならタックスナップ、法人化を見据えて事業を広げるならfreee、複数の口座やカードをまとめて管理するならマネーフォワード、パソコンでじっくり進めるならやよいの青色申告が有力です。まずは最安プラン同士の比較表で全体像をつかんでください。
| アプリ名 | スマホ完結度 | レシート撮影上限(最安プラン) | カード・口座連携の自動仕訳 | 月額(最安・年払い・税抜) |
|---|---|---|---|---|
| タックスナップ | ◎ 提出まで完結 | 無制限 | ◎ 連携明細をAIが自動仕訳・スワイプで確認するだけ | 980円・無料トライアルあり |
| freee | ○ | 月5枚 | ○ 自動で経理 | 980円・無料お試しあり |
| マネーフォワード | ○ | 月15件(超過は上位プランへ) | ◎ 連携できる金融サービスが豊富 | 900円・無料トライアルあり |
| やよいの青色申告 | △ パソコン前提 | 対応(上限の公表なし) | ○ スマート取引取込 | 初年度無料あり |
準委任の月額報酬をクライアントごとに計上したいならタックスナップ
タックスナップはスマホ完結に特化した確定申告アプリで、エージェント経由の準委任でPM・PMOの案件を受けるフリーランスや、会社員のまま副業でPdMや顧問の仕事を受ける人に向いています。クライアントごとの月額報酬を稼働した月の日付で記録し、会社の給与や書籍・ツールの支払いと1つにまとめて、定例の合間にも申告まで進められます。
おすすめポイント
- クライアントやエージェントからの月額報酬は、入力するときに日付を稼働した月に合わせて売上として登録でき、源泉徴収された税額があれば取引先ごとに記録して、会社の源泉徴収票とあわせて1つの申告書にまとめられる
- 連携したカードの明細は、特許を取得した「スワイプ仕分け」(右=経費・左=プライベート)で1件ずつ切り分け=PM関連の書籍やツールのサブスク、客先への交通費も、定例と定例の間に片づく(出典)
- 書籍やセミナーのレシートはカメラで撮るだけ(読み取り枚数無制限・カンタンプラン以上)。「これは経費になる?」と迷ったら「みんなはどうしてる」機能で同じ職種の判断を確認できる
- スワイプと丸投げ仕分け(1,000件最短3秒・安心プラン以上)で、複式簿記の知識ゼロでも青色申告65万円控除に必要な帳簿と書類を作れる(白色申告の収支内訳書にも対応)
- マイナンバーカードがあれば、申告書の作成からe-Taxでの提出(電子申告)まですべてスマホだけで完結=客先から貸与されたPCで1日働く日でも、移動の電車で自分の申告を進められる
- 職種に合わせた職種特化モードで、税理士監修のAIが9割以上の精度で勘定科目を自動判定(出典)
- 消費税の申告にも最安のカンタンプランから対応=クライアントやエージェントに求められてインボイス登録をし、2割特例を使う場合も同じアプリで完結できる
- 最安のカンタンプランは年払いで月980円(税抜・年額11,760円)。2026年確定申告期間の全29日間、App Storeランキング確定申告アプリ内1位(Sensor Tower)で、無料トライアルから始められる
- 24時間のAIチャットに加え、LINEで専門スタッフに相談できる(カンタンプラン以上)=「PMPの更新のセミナー代は経費になる?」という迷いも、定例の後に聞ける
- 登録者40万人超の税理士YouTuber・ヒロ税理士が監修した税務調査リスクチェックと、追徴課税時に利用料を全額返金する保証(安心プラン)
こんな人に向いている
- エージェント経由と直接契約など、クライアントが複数ある
- 会社員のまま、副業でPdMや顧問の仕事を受けている
- 毎月の稼働報告と請求に追われ、帳簿をつける時間がない
- 客先のPCとは別に、自分のスマホだけで申告を終えたい
法人化を見据えて事業を広げるならfreee
freeeは○×の質問に答える形式で申告書を作れる、初心者向けの設計が特徴の会計ソフトです。所得が増えて法人化を考えている、PMOのチームを組んで仲間に仕事を回す、請求書を出すクライアントが増えたなど、事業として広げたい人に向いています。
おすすめポイント
- ○×の質問に答えるだけで確定申告書を作成できる
- 請求書の発行や給与計算までシリーズでそろう
- 法人化したあとも法人向けfreee会計にデータを引き継げる
こんな人に向いている
- 法人化やチームでの受注を考えている
- 請求書を出す取引が多い
複数の口座やカードをまとめて管理したいならマネーフォワード
マネーフォワード クラウド確定申告は、連携できる金融機関の多さが強みです。給与の振込口座、報酬の受け取り口座、ツールのサブスクに使うカードと、お金の出入り口が多い人に向いています。
おすすめポイント
- 連携できる銀行・カード・電子マネーなど金融関連サービスが豊富
- 家計簿アプリ「マネーフォワード ME」と組み合わせて家計と事業をまとめて把握できる
- レポート機能で月ごとの収支を見える化できる
こんな人に向いている
- 報酬の受け取り口座やカードが複数ある
- 生活費とPMの仕事の収支をまとめて管理したい
パソコンでじっくり進めたいならやよいの青色申告
やよいの青色申告 オンラインは、会計ソフトの老舗・弥生のクラウド版です。普段からパソコンの作業に慣れていて、案件と案件の間や週末に、帳簿や決算書を大きな画面で確認しながら進めたい人に向いています。
おすすめポイント
- セルフプランは初年度無料で始められる
- 画面の大きいパソコンで決算書までじっくり作り込める
- 老舗ならではのサポート体制(プランにより電話・チャット)
こんな人に向いている
- 帳簿や決算書はパソコンでまとめて進めたい
- まず無料で1年試したい
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PM・PdMの確定申告で注意したいポイント
PM・PdMの申告でつまずきやすいのは、準委任の報酬を売上にする時期・源泉徴収の有無・経費の範囲・パソコンや資格の費用・個人事業税・消費税と予定納税・副業のルールの7つです。順に整理します。
準委任の月額報酬は入金の月ではなく稼働した月の売上
準委任の月額報酬は、振り込まれた月ではなく、稼働した月の売上にします。国税庁の通達は、人的役務の提供による報酬を、期間の経過や役務の提供の程度に応じて受け取る約束がある場合は、その期間に応じて収入にすると定めています(国税庁 所得税基本通達36-8)。月額単価と稼働時間で精算する準委任は、この形に当たります。
| 契約の形 | 売上にする時期 | 12月の仕事の例 |
|---|---|---|
| 準委任(月額・時間精算) | 稼働した月 | 12月の稼働分は、翌年1月に請求して2月に入金されても令和8年分の売上 |
| 請負(要件定義書などの成果物を納品) | 成果物を引き渡した日 | 12月に引き渡した分は、入金が翌年でも令和8年分の売上 |
| 顧問・アドバイザー(月額固定) | 契約の対象になっている月 | 12月分の顧問料は、翌年に振り込まれても令和8年分の売上 |

精算幅を超えた超過分や、下回った控除分がある月は、確定した精算額でその月の売上にします。12月分は年明けに請求することが多いので、年末に12月の稼働時間と精算額を書き出し、まだ入金されていない売上として記録しておきましょう。
源泉徴収は原則なし・コンサル契約や講師の報酬は引かれることがある
プロジェクトマネジメントの報酬は、所得税法で源泉徴収の対象とされている報酬の一覧に含まれないため、通常は源泉徴収されずに満額で振り込まれます。そのぶん、納める所得税と住民税は自分で取り分けておく必要があります。
ただし、企業の求めに応じて経営の改善や向上のための指導を行う人の報酬は、経営コンサルタントなどの「企業診断員」の報酬として10.21%(1回100万円超の部分は20.42%)が源泉徴収されます(国税庁 源泉徴収のあらまし 令和8年版 第5章)。業務改革やDX推進のPMOを「コンサルティング契約」で受けている場合は、契約の中身によって引かれることがあります。PM研修の講師料や、PMの本や記事の原稿料も源泉徴収の対象です。
入金額が請求額より約1割少ないときは、支払明細や支払調書で源泉徴収されているかを確認し、引かれた税金は確定申告で差し引きます。給与を払っていない個人の依頼主から受け取る報酬は、源泉徴収されません。
経費は少なめ・立替精算や会社負担の分は入れない
PCやモニター、会議用のヘッドセット、PM関連の書籍、ツールのサブスク、客先への交通費は経費にできます。PMは客先から貸与されたPCで働くことも多く、ほかの職種に比べて経費が少なくなりがちです。そのぶん1件ずつの取りこぼしが税額に響きます。
経費になるかどうかの線引きは、次のとおりです。
- 経費にできる:PCやモニター、会議用のヘッドセット、PM関連の書籍、ツールのサブスク、客先への交通費
- 分けられる分だけ経費:自宅の家賃や光熱費、私用と兼ねるスマホの通信費(仕事で使う分を区分できる場合)
- 経費にならない:クライアントが精算してくれた交通費、本業の会社が負担した研修費や支給されたPC、自分の食事代

クライアントが実費で精算してくれた交通費を、自分の経費として二重に差し引くことはできません。自宅で稼働している場合の家賃や光熱費は、仕事で使った部分を明らかに区分できる分だけ経費になります(国税庁 No.2210 必要経費の知識)。
パソコンや資格の費用は金額と時期で扱いが変わる
ノートPCやモニターは、10万円未満なら買った年の経費、10万円以上20万円未満なら3年に分けて経費にできます。青色申告なら、2026年4月以後に買った40万円未満のものは、合計300万円まで一度に経費にできます(国税庁 No.2100 減価償却のあらまし)。それより高いPCは、4年に分けて経費にします。
PMPの更新に必要なPDUを取るためのセミナー代のように、今の仕事に直接必要な知識を身につけるための費用は、通常必要な範囲で経費にできます(所得税基本通達37-24)。PMPは3年ごとに60PDUの取得が求められます(PMI日本支部)。IPAのプロジェクトマネージャ試験の受験手数料など、今の業務に直接関係する資格の費用も、研修費として経費に入れるのが一般的です。一方、会社員として働いていた時期に取った資格の費用は、事業を始める前の支出なので、独立した年の経費にできない場合があります。
個人事業税は進行管理かコンサルかで判断が分かれる
個人事業税がかかる法定業種(70業種)の一覧に「プロジェクトマネージャー」の名称はありません(東京都主税局 個人事業税)。課税されるかどうかは、都道府県が決算書の記載や仕事の内容への照会をもとに判断します(神奈川県 個人事業税の請負業について)。判断の分かれ目になりやすいのは、請負業とコンサルタント業の2つです。
神奈川県は、仕事の完成を目的とした契約で収入を得ていることなど4つの要件をすべて満たす場合を請負業としています。稼働時間で精算する準委任の進行管理は、仕事の完成を約束する契約ではないため、この要件に当てはまりにくい働き方です。要件定義書などの成果物を納品する請負の契約なら、請負業になる可能性があります。
一方、福井県はコンサルタント業の例に「ITシステムコンサルタント」や「顧問」を挙げています(福井県 個人事業税 業種の認定基準)。業務改善の診断や助言が中心のPMOや、プロダクト顧問の仕事は、コンサルタント業(税率5%)と判断されることがあります。
課税される場合も、事業の所得から年290万円の事業主控除を差し引いた残りにかかり、青色申告特別控除は差し引けません。開業届や決算書の業種欄は実態どおり具体的に書き、都道府県から仕事の内容を尋ねる照会が届いたら、契約書をもとに答えましょう。

消費税と予定納税は単価が高いぶん早く来る
消費税の申告が必要になるのは、原則として2年前の課税売上が1,000万円を超えた年か、インボイス登録をした場合です(国税庁 No.6501 納税義務の免除)。月額85万円の案件を12か月続けると、売上は1,020万円です。免税事業者のときに消費税込みで受け取っていた報酬は、その全額で1,000万円を判定します(国税庁 消費税法基本通達1-4-5)。
2割特例(令和8年分まで)と3割特例(個人の令和9年分・10年分)は、どちらも、免税事業者がインボイス登録をしたことで課税事業者になった年にだけ使えます。2年前の課税売上が1,000万円を超えて、もともと課税事業者になる年は対象外なので、売上が1,000万円を超えた年の2年後は、2割特例も3割特例も使えません(国税庁 インボイス制度に関する令和8年度税制改正)。簡易課税を選ぶと、PMの仕事のようなサービス業は第五種事業(みなし仕入率50%)です(国税庁 No.6509 簡易課税制度の事業区分)。
独立1年目の所得が大きいと、2年目には予定納税も来ます。前年分の所得税額から源泉徴収された税額を引いた予定納税基準額が15万円以上なら、7月と11月にその3分の1ずつを前払いします(e-Gov 所得税法104条)。前払いした税金は翌年3月の確定申告で精算され、副業の雑所得は予定納税基準額の計算に入りません。

副業は「20万円」と住民税・競業のルールを確認する
会社員のまま副業でPM・PdMや顧問の仕事を受けているなら、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。20万円は報酬の額ではなく、経費を引いた所得で判定します(国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人)。20万円以下でも住民税の申告は必要です。
副業の所得が事業所得になるかは、社会通念上事業と呼べる程度かで総合的に判断されます。取引を記録した帳簿を保存していない場合は、収入が300万円を超えて事業と認められる事実があるときを除き、雑所得になります(国税庁 所得税基本通達35-2)。副業でも単価が高いPMは、帳簿をつけておく意味が大きくなります。
PMの副業は本業と同じ業界になりやすいので、勤め先の就業規則で、競業や秘密保持のルールに触れないかを先に確認しておきましょう。

定例の合間に確定申告を終わらせる方法
コツは、申告期にまとめてやろうとせず、毎月の稼働報告を出したタイミングで、クライアントごとの精算額を売上として記録しておくことです。請求書を出したら、どの案件の何月分かを書き添える。入金されたら、請求額と入金額に差がないかを確かめる。書籍やツールのサブスクはカード連携で自動で取り込む。年末には12月の稼働分を書き出しておく。これだけで、申告期には確認して提出するだけになります。
無料トライアルで口座とカードを連携してみて、報酬の入金やツールの支払いが自動で取り込まれるかを試してから決めるのが失敗しない選び方です。なお、自動連携やAIの仕訳結果をそのまま提出せず、最後にひととおり見直すのはどのアプリでも共通の基本です。
タックスナップは、クライアントごとの月額報酬や会社の給与、書籍やツールの支払いを1つにまとめ、申告までスマホで終えられる設計です。定例と定例の間や移動中のスキマ時間だけで、申告の準備が回ります。

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「個人事業主・スマホ完結」に特化した確定申告アプリ
タックスナップは、日々の経費処理から確定申告書の作成・提出まで、個人事業主・フリーランスに必要な会計機能がすべてスマホで完結できるアプリです。
今までの会計ソフトは「パソコン操作」や「機能の多さ」を前提としたサービスが多かった一方で、タックスナップは「個人事業主・スマホ完結」に特化し、会計知識が全くない方でも、スキマ時間だけで確定申告が終わるように設計しています。
「初めての確定申告でも迷わずに提出できた」 「他の会計ソフトから乗り換えて、圧倒的にラクになった」 といった嬉しいレビューもいただいています。

App Store確定申告アプリランキング1位を獲得
ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。
2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード
意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。
外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)
速さの秘訣は丸投げ仕分け
タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。
銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。
「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心
「本当にこの内容で提出して大丈夫?」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。
あなたのデータをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが診断します。
修正するべき内容も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

タックスナップは、確定申告をできるだけ簡単に、かつ安心して提出できるようにサポートするアプリです。 無料トライアルも行っているので、まずはその快適さを体験してみてください。
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まとめ
PM・PdMの確定申告は、「会社員で年末調整を受けているなら不要、業務委託で受けたら自分で申告」「準委任の月額報酬は稼働した月の売上」「個人事業税は業務の中身で判断が分かれ、消費税と予定納税は単価が高いぶん早く来る」の3点を押さえれば怖くありません。プロジェクトをタスクに分けて進めるように、報酬と経費も月ごとに記録していけば、申告はきちんと形になります。

よくある質問
Q. 会社員のPMも確定申告は必要ですか?
1か所に勤めて年末調整を受けているなら、原則不要です。副業でPMやPdMの仕事を受けて、給与以外の所得が20万円を超えた場合は申告が必要です。
Q. フリーランスのPMは、いくらから申告が必要ですか?
令和8年分は、所得が基礎控除の104万円などの合計を超えたら必要です。所得は、受け取った報酬から書籍やツール、交通費などの経費を引いた金額です。月額の報酬を受け取る専業のPMは、ほとんどがこの金額を超えます。
Q. 副業のPdMの報酬は事業所得になりますか?
帳簿をつけて継続して受けていれば、事業所得と認められる可能性があります。判断は社会通念上事業と呼べる程度かの総合判断で、帳簿を保存していない場合は、収入が300万円を超えて事業と認められる事実があるときを除き雑所得になります。
Q. 12月に稼働した分の報酬が翌年2月に振り込まれます。いつの売上ですか?
稼働した12月の売上なので、令和8年分に入れます。超過精算や控除精算がある月は、確定した精算額でその月の売上にします。なお、副業の報酬が業務に係る雑所得で、前々年のその収入が300万円以下なら、入金した年の収入にする方法を選ぶこともできます(e-Gov 所得税法67条2項・施行令196条の2)。
Q. エージェント経由の案件は、どの金額を売上にしますか?
エージェントと業務委託契約を結んでいるなら、エージェントから受け取る報酬の額が売上です。クライアントがエージェントに払う金額とは違うので、契約書と支払明細で確認しましょう。
Q. 業務委託の報酬から税金が引かれていません。問題ありますか?
PMやPMOの報酬は、通常は源泉徴収されないので問題ありません。そのぶん所得税と住民税は自分で納めるので、入金のたびに一部を取り分けておきましょう。
Q. 報酬が請求額より1割ほど少なく振り込まれました。
源泉徴収されている可能性があるので、支払明細や支払調書で確認しましょう。経営の改善を指導するコンサル契約や研修の講師料、原稿料は源泉徴収されることがあり、引かれた税金は確定申告で差し引きます。
Q. 業務委託なのに、勤務時間や作業の進め方を細かく指示されます。
社員と変わらない働き方をしていると、報酬が給与と判断されることがあります。契約書の業務内容と実際の働き方が合っているかを確認し、気になるときは税務署や労働基準監督署に相談しましょう。
Q. PMPの更新に必要なセミナー代は経費になりますか?
今のPMの仕事に直接必要な知識のための費用なら、経費にできます。PMPは3年ごとに60PDUの取得が求められるので、セミナー代や研修費の領収書を保存しておきましょう。
Q. 会社員時代に取ったPMPの費用は経費になりますか?
事業を始める前の支出なので、独立した年の経費にはできない場合があります。開業の準備のための費用として扱えるかは、税務署に確認しましょう。
Q. ノートパソコンやモニターは経費になりますか?
10万円未満なら買った年の経費にできます。青色申告なら、2026年4月以後に買った40万円未満のものも一度に経費にできます。
Q. 自宅でリモート稼働しています。家賃は経費になりますか?
仕事で使っている部分を明らかに区分できれば、その分だけ経費にできます。仕事部屋の面積や使う時間など、割合の根拠をメモしておきましょう。
Q. クライアントが交通費を精算してくれます。経費になりますか?
精算してもらった交通費を、自分の経費として二重に差し引くことはできません。請求書では報酬と交通費を分けて書き、帳簿でも区別しておきましょう。
Q. 個人事業税はかかりますか?
かかるかどうかは都道府県が仕事の中身で判断し、課税される場合は事業の所得から年290万円を差し引いた残りに税率5%です。進行管理が中心の準委任か、診断や助言が中心のコンサルかで判断が分かれます。
Q. エンジニアの友人は個人事業税がかからないと言っています。PMも同じですか?
同じとは限りません。PMOの業務改善の助言やプロダクト顧問の仕事は、コンサルタント業と判断されることがあります。業種は実態どおりに書き、都道府県から照会が来たら契約書をもとに答えましょう。
Q. インボイス登録は必要ですか?
登録は任意ですが、クライアントやエージェントから求められることがあります。登録すると消費税の申告が必要になります。2年前の課税売上が1,000万円以下で、免税事業者から登録した場合は、令和8年分まで2割特例、令和9年分・10年分は3割特例が使えます。
Q. 独立2年目に予定納税の通知が届きました。
前年分の所得税をもとに、7月と11月に3分の1ずつ前払いする仕組みです。前払いした税金は、翌年3月の確定申告で精算されます。

Q. 業務委託のPdMとしてストックオプションをもらいました。どう申告しますか?
ストックオプションの課税は、税制適格かどうかや、権利を使う時期・株を売る時期で変わります。月額の報酬とは扱いが違うので、契約の段階で税務署か税理士に確認しましょう。
Q. 副業がばれることはありますか?
確定申告をすると住民税の金額が変わるため、給与から住民税を天引きしている勤め先が気づく可能性はあります。まずは就業規則で副業が認められているか、競業に当たらないかを確認してください。
Q. 開業届は出すべきですか?
業務委託でPMの仕事を継続して受けるなら、開業届を出すのが原則です。青色申告承認申請書とセットで出せば、最大65万円の特別控除が使えるようになります。

Q. 今使っている会計ソフトからデータを移行できますか?
できます。たとえばタックスナップはfreee・マネーフォワード・弥生・PayPayからのデータ移行に対応しています。年初から新しいアプリで始めるか、申告前に前年分をまとめて移すのがスムーズです。



