【2026年最新版】工務店の開業に必要な手続き・資金・建設業許可は?個人事業主で始める流れを解説

工務店は、個人事業主なら税務署に開業届を出すだけで開業できます。請け負う工事が1件500万円未満(建築一式は1,500万円未満)に収まるあいだは、建設業許可も要りません。

この記事のポイント

  • 工務店の開業手続き自体は開業届1枚で完了し、資格も許可も開業の前提ではない
  • 建設業許可が必要になるのは1件500万円以上の工事(建築一式は1,500万円以上または木造住宅で延べ150㎡以上)から
  • 一般建設業許可には専任技術者と自己資本500万円が必要で、知事許可の申請手数料は9万円
  • 青色申告をするなら開業から2か月以内に承認申請書を出せば初年度から最大65万円の控除が使える
  • 材料費や外注費の立替が先に出るため、入金までの資金繰りが開業初期の一番の山場
目次

工務店の開業は何から始める?

工務店の開業でまず決めるのは、個人事業主で始めるか法人を作るかの一点です。個人なら費用ゼロ・手続き1日で始められ、法人なら設立費用と数週間の準備が必要になります。

大工や現場監督としての経験があれば、開業そのものに資格試験はありません。やることは次の5ステップです。

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順序やること目安の時期
1事業の形(個人/法人)と屋号を決める開業1〜2か月前
2請け負う工事の規模を決め
建設業許可の要否を判断する
開業1〜2か月前
3事務所・車両・工具・保険を用意する開業1か月前
4税務署に開業届と青色申告承認申請書を出す青色申告承認申請書の期限に合わせて開業後すぐ
5元請・協力会社へあいさつ回りをして初案件を取る開業直後

個人事業主と法人はどちらで始めるべき?

まず個人事業主で始め、売上が安定してから法人化するのが現実的です。個人開業なら開業届を出すだけで、設立費用も登記も発生しません。

一方で、元請の中には法人しか協力会社として登録できないところもあります。取引したい元請の登録要件を先に確認しておくと、あとから慌てずに済みます。

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比較項目個人事業主法人(株式会社)
開業手続き開業届のみ定款作成・登記が必要
開業時の費用0円登録免許税など数十万円
元請への信用案件により制限あり取引口座を開きやすい
経理・申告の手間確定申告法人決算(税理士依頼が一般的)
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開業前に用意しておきたいもの

工具や車両より先に、元請とのつながりと自分の見積り力を確認しておくと開業後が安定します。技術があっても、見積りと工程管理は前職では会社が担っていた部分だからです。

  • 現場車両(軽トラック・バンなど)と工具一式
  • 事務所または自宅の作業スペース、パソコンかスマホ
  • 一人親方の労災保険(特別加入)の加入手続き
  • 見積書・請求書のひな形と、経理を回す仕組み

一人親方として働く場合の位置づけや保険の扱いは、次の記事で詳しく整理しています。

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工務店の開業に建設業許可は必要?

1件の請負代金が500万円未満の工事だけなら、建設業許可は必要ありません。これは「軽微な建設工事」と呼ばれ、建設業法で許可の対象外とされています(国土交通省)。

ただし工務店として新築や大型リフォームを請け負うなら、金額はすぐ基準を超えます。開業時点では無許可で始め、案件規模が上がる前に許可を取るという段取りが定石です。

許可が要らない「軽微な建設工事」の線引き

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工事の種類許可が不要な範囲
建築一式工事1件の請負代金が1,500万円未満
または木造住宅で延べ面積150㎡未満
建築一式以外の工事
(内装・大工・屋根・電気など)
1件の請負代金が500万円未満

金額は消費税を含んだ額で判断し、注文者が材料を支給する場合はその材料費も含めて計算します。工事を分割して契約しても合算で判定されるので、金額を割って許可を回避することはできません。

一般建設業許可の5つの要件

個人事業主でも一般建設業許可は取れます。満たすべき要件は次の5つです。

  • 経営業務の管理を適正に行う能力(建設業の経営経験5年以上など。個人事業主は本人が該当)
  • 専任技術者を営業所に常勤で置くこと(1級・2級建築施工管理技士などの資格、指定学科卒+実務経験、または実務経験10年以上)
  • 請負契約に関する誠実性があること
  • 財産的基礎があること(自己資本500万円以上、または500万円以上の資金調達能力)
  • 欠格要件に該当しないこと

一人で開業する場合、経営業務の管理責任者と専任技術者を本人が兼ねられます。資格を持たないまま独立したなら、実務経験10年の証明資料をそろえられるかが分かれ目になります。

許可の手数料と有効期間

営業所が1つの都道府県だけなら都道府県知事許可で、新規申請の手数料は業種数にかかわらず9万円です(東京都都市整備局)。

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項目内容
申請先営業所が1都道府県内なら知事許可
2つ以上の都道府県なら大臣許可
新規手数料(知事許可)9万円
有効期間5年(満了30日前までに更新申請)
審査期間の目安おおむね1〜3か月

なお、下請に出す代金の合計が5,000万円以上(建築一式は8,000万円以上)になる元請工事を請け負うときは、一般ではなく特定建設業許可が必要です。この金額は2025年2月1日に引き上げられました(国土交通省)。開業初期の一人工務店ではまず該当しないので、一般建設業許可から検討すれば十分です。

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工務店の開業資金はいくら必要?

工務店の開業資金は「初期費用」より「立替資金」で決まります。工具や車両は中古で抑えられますが、材料費と外注費は入金より先に出ていくためです。

初期費用の内訳

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費目内容
車両・工具現場車両、電動工具、測定機器
事務所・通信賃料、複合機、パソコンやスマホ、通信費
保険一人親方の労災保険、請負業者賠償責任保険
許可関連建設業許可を取る場合の手数料9万円と証明資料の取得費
運転資金材料費・外注費の立替、生活費数か月分

建設業許可を取るなら、自己資本500万円以上か500万円以上の資金調達能力が要件になります。許可を見据えるなら、この500万円を資金計画の目標線に置いておくと二度手間になりません。

入金までのタイムラグに耐えられるか

工事は着工から引渡しまで数か月かかり、入金は完成後という契約が多いため、その間の材料費・職人への支払いは自分で立て替えます。

  • 着手金や中間金を契約に入れて、入金を前倒しする
  • 支払いサイトを元請と事前に確認する
  • 日本政策金融公庫などの創業融資を、資金が減る前に検討する

着手金や中間金を受け取ったときは未成工事受入金として処理し、売上に計上するのは引渡し時です。ここを間違えると利益が実態とずれます。

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工務店の開業時に出す届出と期限

税務署へ出すのは開業届と青色申告承認申請書の2枚です。従業員を雇うかどうかで、労働保険や社会保険の手続きが追加されます。

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提出先書類期限
税務署個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)事業を開始した年分の確定申告期限まで
税務署所得税の青色申告承認申請書その年の3月15日まで
1月16日以降の開業は開業から2か月以内
税務署給与支払事務所等の開設届出書従業員を雇ってから1か月以内
都道府県税事務所事業開始等申告書自治体の定める期限
労働基準監督署・ハローワーク労働保険(労災・雇用保険)の加入手続き従業員を雇った日から10日以内など

青色申告承認申請書は開業届と同時に出す

青色申告承認申請書を出しておくと、複式簿記と期限内申告で最大65万円の特別控除が使えます(e-Taxでの申告または電子帳簿保存が条件)。

期限は原則その年の3月15日ですが、1月16日以降に開業した場合は開業日から2か月以内です。開業届そのものの期限は事業を開始した年分の確定申告期限までですが(国税庁)、先に来るのは青色申告承認申請書の2か月のほうです。2枚まとめて開業後すぐに出しておくのが確実で、控除以外にも赤字を3年繰り越せる純損失の繰越控除が使えます。

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従業員や社会保険まわりの注意点

一人で始めるあいだは、健康保険と年金は国民健康保険と国民年金です。建設業界には建設国保という選択肢もあります。

従業員を常時5人以上雇うと、個人事業でも健康保険と厚生年金が強制適用になります。人を増やす前に、社会保険料の会社負担分まで含めて人件費を見積もっておくと安心です。

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開業届と青色申告の書類を最短で提出する方法

工務店の開業で手が止まりやすいのが、開業届と青色申告承認申請書の記入です。職業欄や事業の概要をどう書くかで迷い、現場が入ると税務署に行く時間も取りづらくなります。

タックスナップ開業届なら、質問に答えるだけで開業届と青色申告承認申請書を最短5分で作成できます。マイナンバーカードをかざすだけで、税務署に行かずにスマホから提出まで完了し、無料で使えます。

開業届の作成から電子提出まで、ひとつのアプリ内ですべて完結できます。 (パソコン不要・完全無料・最短5分)

さらに今なら、タックスナップでの開業届を作成し、アプリ内から電子提出された方に対して、確定申告アプリ「タックスナップ」の安心プラン(税抜 ¥29,800)を1年間無料でご利用いただけます。

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スマホだけ・最短5分で提出まで完了

質問に答えていくだけ、最短5分で開業届が完成します。あとはマイナンバーカードをかざすだけで電子提出まで完了。別アプリのインストールもいりません。

青色申告承認申請書も同時に出せる

開業届と同じ流れで、青色申告承認申請書も一緒に作成・提出できます。最大65万円の青色申告特別控除など、節税につながるメリットも大きいので、この機会に出しておくのがおすすめです。

開業届から確定申告まで、ひとつのアプリで完結

開業届の作成・提出から、日々の会計業務、確定申告書の作成・提出まで、全てひとつのアプリで完結できます。

開業のときに入力した情報は確定申告にもそのまま引き継がれるため、二度手間になることなくスムーズに進められます。
会計業務の機能では、「スワイプ仕分け」などスマホに特化した直感的な操作が特徴で、外部の調査では他会計ソフトの約4倍の速さで経費処理ができるという結果も出ています(参考)。

2026年の確定申告期間には、大手会計ソフトも含めた確定申告アプリのApp Storeランキングで全期間1位を獲得しました。(参考

安心プランで使える機能

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今なら、タックスナップから開業届を提出するだけで、これらの機能を無料で使えます。確定申告までスムーズに終わらせるためにも、ぜひこの機会にタックスナップで開業届を提出してみてください。

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よくある質問

Q. 工務店の開業に資格は必要ですか?

開業自体に必要な資格はありません。ただし1件500万円以上(建築一式は1,500万円以上)の工事を請け負うには建設業許可が必要で、その要件として建築施工管理技士などの資格か実務経験10年以上を満たす専任技術者を置くことになります。

Q. 建設業許可なしでどこまで工事を受けられますか?

1件の請負代金が500万円未満の工事までです。建築一式工事は1,500万円未満、または木造住宅で延べ面積150㎡未満なら許可は不要です。金額は消費税込みで、注文者支給の材料費も含めて判定します。

Q. 開業届を出さないとどうなりますか?

罰則はありませんが、青色申告承認申請の前提になるため出していないと最大65万円の特別控除が受けられません。屋号名義の口座開設や補助金申請でも開業届の控えを求められることがあります。

Q. 一人親方と工務店の違いは何ですか?

一人親方は労災保険の特別加入が認められる働き方の区分で、多くは元請や工務店から仕事を受ける立場です。工務店は施主から直接工事を請け負い、職人や協力会社に発注する元請の役割を担う点が違います。

Q. 建設業許可の申請にはどれくらい時間がかかりますか?

書類がそろってから審査完了までおおむね1〜3か月が目安です。専任技術者の実務経験を証明する契約書や請求書の収集に時間がかかりやすいので、着手は早めが安心です。

Q. 開業初年度が赤字でも確定申告は必要ですか?

青色申告をしているなら申告しておくべきです。赤字を純損失として3年間繰り越し、翌年以降の黒字と相殺できます。申告しないとこの繰越が使えません。

まとめ

工務店の開業手続きは開業届1枚で終わり、500万円未満の工事に絞れば建設業許可も後回しにできます。開業のハードルは低い一方で、案件規模が上がるほど許可要件の自己資本500万円と専任技術者が壁になります。

  • 個人事業主で開業届を出して始め、売上が安定してから法人化を検討する
  • 青色申告承認申請書は開業から2か月以内に出し、初年度から65万円控除を取る
  • 材料費・外注費の立替に耐える運転資金を、許可要件の500万円を目安に確保する

開業手続きに時間をかけるより、初案件と資金繰りに頭を使ったほうが立ち上がりは早くなります。開業届の作成と提出はスマホで済ませて、現場に集中できる状態を作っておきましょう。

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