この記事のポイント
- 本業の源泉徴収票は、給与収入と源泉徴収税額を確定申告書へ転記するための必須資料(2019年以降は添付不要)
- 副業がアルバイト・パートなら、副業先からも源泉徴収票が交付され、本業と合わせて2枚を合算して申告
- 副業が業務委託・フリーランス報酬なら、源泉徴収票は交付されない
- 業務委託の収入と源泉徴収税額は、支払調書や支払明細・自分の帳簿で把握
- なくした・もらえないときは、勤務先へ再発行を依頼し、応じなければ税務署へ届出
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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副業の確定申告で源泉徴収票はどう扱う?
副業の源泉徴収票の扱いは、副業が「給与」か「業務委託・報酬」かで大きく変わります。給与なら副業先からも源泉徴収票が交付されますが、業務委託では源泉徴収票そのものが発行されません。まずは自分の副業がどちらに当たるかを確認してください。
本業の源泉徴収票は、どちらのケースでも共通して使います。会社員として受け取る給与の金額と、すでに天引きされた所得税(源泉徴収税額)を、確定申告書に写すための資料になるからです。
副業の種類ごとの違いを整理すると、次のようになります。
| 副業の種類 | 交付される書類 | 確定申告での使い方 |
|---|---|---|
| 本業(会社の給与) | 源泉徴収票(勤務先が交付) | 給与収入・源泉徴収税額を確定申告書へ転記 |
| 副業がアルバイト・パート(給与) | 源泉徴収票(副業先が交付) | 本業の源泉徴収票と合算して転記 |
| 副業が業務委託・フリーランス報酬 | 源泉徴収票は交付されない(支払調書は任意) | 支払調書・支払明細・自分の帳簿で収入と源泉徴収税額を集計 |
なお、確定申告に必要な書類の全体像を知りたい場合は、書類を一覧でまとめた「副業の確定申告 必要書類」の記事を用意しているので、そちらも合わせて確認すると準備がスムーズです。

本業の源泉徴収票は確定申告でどう使う?
本業の源泉徴収票は、給与収入と源泉徴収税額を確定申告書に転記するために使います。副業分の所得を申告するときも、本業の給与とすでに納めた税額を含めて年間の税金を計算し直すため、手元に必ず必要です。
給与収入と源泉徴収税額を転記する
源泉徴収票のうち、確定申告で特に使うのは「支払金額」と「源泉徴収税額」です。支払金額は1年間の給与の総額、源泉徴収税額は勤務先がすでに天引きして納めた所得税を指します。この2つを確定申告書に写すことで、本業と副業を合わせた正しい税額を計算できます。
社会保険料控除や生命保険料控除など、年末調整で反映済みの控除額も源泉徴収票に載っています。転記漏れがあると税額がずれてしまうため、金額はそのまま正確に写してください。
2019年以降は添付が不要になった
2019年(平成31年)4月以降に提出する確定申告書では、給与所得の源泉徴収票を添付する必要がなくなりました。以前は原本を貼り付けて提出していましたが、現在は不要です。
ただし添付が不要になっただけで、金額の転記には引き続き使うため、源泉徴収票そのものは手元に保管しておく必要があります。スマホひとつで申告する場合も、源泉徴収票を見ながら金額を入力する流れは変わりません。
副業がアルバイト・パート(給与)の場合
副業がアルバイトやパートの給与なら、副業先からも源泉徴収票が交付され、本業と合わせて2枚を合算して確定申告します。給与を2か所以上から受け取る形になるため、原則として確定申告が必要です。
副業先からも源泉徴収票が交付される
給与を支払う勤務先には、源泉徴収票を交付する義務があります。そのため副業がアルバイト・パートなら、本業とは別に副業先からも源泉徴収票が届きます。時期はおおむね年末から翌年1月頃で、退職した場合は退職後1か月以内に交付されるのが原則です。
年末調整は主たる勤務先の1か所でしか受けられません。副業先の給与は年末調整に含まれないので、自分で確定申告して精算する必要があります。
本業と副業の2枚を合算して申告する
確定申告では、本業と副業、2枚の源泉徴収票の金額を合算して申告します。本業は「扶養控除等申告書」を提出しているため通常の税率(甲欄)で、副業は提出できないため高めの税率(乙欄)で源泉徴収されている点が特徴です。
2か所以上の給与を合算すると税額が変わり、追加で納税になることも、納めすぎた分が還付されることもあります。複数の給与がある場合の税金の計算や年末調整の詳しい扱いは、「ダブルワークの税金」の記事で具体的に解説しています。

副業が業務委託・フリーランス報酬の場合
副業が業務委託やフリーランスの報酬なら、源泉徴収票は交付されません。源泉徴収票は給与に対して発行される書類のため、報酬には使われないからです。この場合は自分で収入と源泉徴収税額を集計します。
源泉徴収票は交付されない
原稿料やデザイン料、講演料などの報酬では、源泉徴収票の代わりに「支払調書」が使われることがあります。ただし支払調書には交付義務がなく、発行されないことも珍しくありません。届かないからといって申告しなくてよいわけではない点に注意してください。
報酬から所得税が源泉徴収されているかどうかは、支払われた金額を見れば分かります。報酬の一部が天引きされていれば、その分がすでに納めた所得税です。
支払調書や自分の帳簿で集計する
源泉徴収票が出ない業務委託では、支払調書・支払明細・自分の帳簿をもとに、年間の収入と源泉徴収税額を集計します。取引先ごとの支払明細や振込記録を残しておくと、金額の把握が正確になります。
源泉徴収された税額が本来の税額より多ければ、確定申告で払いすぎた分が還付されます。副業の報酬や支払明細をカメラで読み取って集計できるタックスナップのような確定申告アプリを使えば、手作業での転記や電卓計算を減らせます。
源泉徴収票をなくした・もらえないときは?
源泉徴収票が手元にないときは、まず勤務先へ再発行を依頼します。源泉徴収票がないと確定申告書の金額を転記できないため、早めに動くのが安心です。
勤務先が再発行に応じない場合や、会社が倒産して連絡が取れない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する方法があります(国税庁)。届出をきっかけに税務署から勤務先へ交付を促してもらえます。
再発行の具体的な進め方や届出の手順は、「年末調整に源泉徴収票がないときの対処法」の記事で詳しくまとめています。手続きの流れを確認したい場合はそちらを参照してください。

まとめ
副業の源泉徴収票は、副業が給与か業務委託かで扱いが分かれます。本業の源泉徴収票は給与収入と源泉徴収税額の転記に使い、副業がアルバイト・パートなら副業先の源泉徴収票と2枚を合算します。業務委託では源泉徴収票が交付されないため、支払調書や自分の帳簿で収入と源泉徴収税額を集計してください。
2019年以降は源泉徴収票の添付が不要になりましたが、金額の転記には引き続き使うため、手元での保管は必要です。なくしたときは勤務先へ再発行を依頼し、応じない場合は税務署へ届け出れば対応できます。
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よくある質問
Q. 副業の源泉徴収票は確定申告書に添付する必要がありますか?
2019年4月以降に提出する確定申告書では、給与所得の源泉徴収票の添付は不要です。ただし記載金額を確定申告書に転記するために使うので、源泉徴収票そのものは手元に保管しておいてください。
Q. 本業と副業、源泉徴収票は2枚とも必要ですか?
副業がアルバイト・パートの給与なら、本業と副業の2枚とも必要です。両方の給与収入と源泉徴収税額を合算して確定申告します。年末調整は本業の1か所でしか受けられないため、副業分は自分で申告します。
Q. 業務委託の副業でも源泉徴収票はもらえますか?
もらえません。源泉徴収票は給与に対して発行される書類のため、業務委託やフリーランスの報酬には交付されません。報酬の場合は支払調書や支払明細、自分の帳簿で収入と源泉徴収税額を把握します。
Q. 支払調書は必ずもらえますか?
必ずもらえるとは限りません。支払調書には交付義務がなく、取引先から発行されないこともあります。届かない場合でも、支払明細や振込記録、自分の帳簿をもとに収入と源泉徴収税額を集計して申告できます。
Q. 副業の所得が20万円以下でも源泉徴収票は必要ですか?
確定申告をする場合は必要です。副業の所得が20万円以下なら所得税の確定申告が不要になるケースもありますが、住民税の申告は別途必要です。申告が不要かどうかの詳しい基準は「副業の税金はいくらから」の記事で解説しています。
Q. 源泉徴収票を紛失したらどうすればいいですか?
まず勤務先へ再発行を依頼してください。勤務先が応じない場合や倒産などで交付されない場合は、税務署に「源泉徴収票不交付の届出書」を提出する方法があります。
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