この記事のポイント
- 贈与税の申告は所得税の「確定申告」とは別の手続きで、正式には贈与税の申告
- 最低限そろえるのは贈与税の申告書と本人確認書類(マイナンバー)の2点
- 相続時精算課税を選ぶ場合は「相続時精算課税選択届出書」と戸籍謄本が追加で必要
- 配偶者控除や住宅取得等資金の非課税など、特例ごとに追加書類が変わる
- 提出方法はオンライン・郵送・窓口の3つで、オンラインなら本人確認書類の添付を省略できる
贈与税は「もらった財産」にかかる税金です。書類を課税方法別・特例別に整理したチェックリストとして、入手先までまとめました。1年間にもらった財産の合計が基礎控除を超えた人は、この記事の書類をそろえれば申告の準備が整います。
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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贈与税の申告は所得税の「確定申告」とは別の手続き
まず押さえたいのは、贈与税の申告は所得税の確定申告とは別物という点です。俗に「贈与税の確定申告」と呼ばれますが、正式には贈与税の申告という独立した手続きです。
所得税の確定申告が「1年間に自分で稼いだ所得」にかかるのに対し、贈与税は「他人からもらった財産」にかかります。書類の種類も提出のしかたも異なるため、確定申告の書類とは分けて準備すると混乱しません。
申告が必要になるのは、1年間(1月1日から12月31日まで)にもらった財産の合計が基礎控除額を超えた場合です。基礎控除の金額や課税の仕組み、申告のやり方そのものは、姉妹記事「贈与税の確定申告 やり方」で詳しく解説しています。この記事では必要書類のチェックリストに絞って整理します。

贈与税の申告に必要な書類【基本チェックリスト】
どの課税方法を選ぶ人でも共通して必要になるのは、「贈与税の申告書」と「本人確認書類」の2点です。まずはこの基本セットからそろえます。
| 書類 | 内容 | 入手先 |
|---|---|---|
| 贈与税の申告書 | 第一表など。もらった財産や税額を記入する本体 | 国税庁サイト・税務署・確定申告書等作成コーナー |
| マイナンバー確認書類 | マイナンバーカード、または通知カード・マイナンバー記載の住民票の写し | 手元の書類・市区町村 |
| 身元確認書類 | 運転免許証やパスポートなど(マイナンバーカードがあれば1枚で兼ねられる) | 手元の書類 |
贈与税の申告書は国税庁のサイトからダウンロードできるほか、税務署の窓口でも受け取れます。確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って作成し、そのままオンラインで提出することも可能です。
本人確認書類は、書面で提出する場合はコピー(写し)を申告書に添付します。マイナンバーカードがあれば1枚で番号確認と身元確認の両方を兼ねられるため、準備がシンプルになります。マイナンバーカードを持っていない人は、通知カードや番号入りの住民票と、運転免許証などの身元確認書類を組み合わせて用意します。
暦年課税を選び、特例を使わない場合は、この基本セットに加えて特別な添付書類は原則として不要です。追加書類が必要になるのは、相続時精算課税を選ぶときや各種の特例を使うときです。
課税方法別の追加書類(暦年課税・相続時精算課税)
贈与税の課税方法には暦年課税と相続時精算課税の2つがあり、選ぶ方法によって必要書類が変わります。結論から言うと、相続時精算課税を選ぶ場合は届出書と戸籍が追加で必要です。
| 課税方法 | 追加で必要な書類 | 入手先 |
|---|---|---|
| 暦年課税 | 特例を使わなければ基本チェックリストのみ | — |
| 相続時精算課税 | 相続時精算課税選択届出書、受贈者や贈与者の戸籍謄本など(続柄・年齢を確認できる一定の書類) | 届出書=国税庁・税務署/戸籍=市区町村 |
相続時精算課税は、60歳以上の父母や祖父母から、18歳以上の子や孫(直系卑属である推定相続人または孫)への贈与で選べる制度です。この制度を初めて使う年に、「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書と一緒に提出する必要があります。
届出書とあわせて、受贈者の戸籍の謄本など、贈与者との続柄や年齢の要件を満たすことを確認できる書類を添付します。年齢や続柄が要件に合っているかを税務署が確認するための書類です。相続時精算課税は一度選ぶと暦年課税に戻せないため、選択は慎重に判断すると安心です。
特例を使う場合の追加書類(配偶者控除・住宅取得等資金など)
非課税の特例を使う場合は、特例ごとに専用の添付書類が必要です。代表的な特例と書類の例を整理します。ただし特例は要件も書類も細かく、改正も入るため、適用前に必ず国税庁の該当ページで最新の要件を確認してください。
| 特例 | 追加で必要な書類の例 | 入手先 |
|---|---|---|
| 贈与税の配偶者控除(おしどり贈与) | 戸籍の謄本または抄本(贈与日から10日を経過した日以後に作成)、戸籍の附票の写し、居住用不動産の登記事項証明書など | 戸籍・附票=市区町村/登記事項証明書=法務局 |
| 住宅取得等資金の非課税 | 戸籍謄本、登記事項証明書、売買契約書や工事請負契約書の写しなど(要確認) | 戸籍=市区町村/登記=法務局/契約書=手元 |
| 教育資金・結婚子育て資金の一括贈与 | 金融機関を経由した非課税申告書などの手続き書類 | 取扱金融機関 |
贈与税の配偶者控除は、婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産などを贈与したときに最高2,000万円まで控除できる特例です。添付書類として、贈与を受けた日から10日を経過した日以後に作成された戸籍の謄本または抄本、戸籍の附票の写し、居住用不動産の登記事項証明書などが必要になります。登記事項証明書は、申告書に不動産番号を記載すれば添付を省略できます。
住宅取得等資金の非課税は、父母や祖父母から住宅の取得資金をもらったときに一定額まで非課税になる特例です。戸籍謄本や登記事項証明書、売買契約書・工事請負契約書の写しなどが求められますが、非課税限度額や必要書類は住宅の種類や契約時期で変わります。正確な書類名と要件は国税庁のタックスアンサーで確認してください。
教育資金や結婚・子育て資金の一括贈与の特例は、金融機関を通じて手続きするのが特徴です。金融機関の窓口で必要書類の案内を受けられます。
戸籍謄本は本籍地の市区町村、登記事項証明書は法務局で取得します。戸籍と登記事項証明書は取り寄せに日数がかかることがあるため、申告期限に間に合うよう早めに動くのがおすすめです。
書類の入手先と提出方法(e-Tax・郵送・窓口)
そろえた書類は、贈与を受けた人(受贈者)の住所地を所轄する税務署に提出します。提出期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです。
提出方法は次の3つから選べます。
- e-Tax(電子申告):スマホやパソコンからオンラインで提出する方法
- 郵送:申告書と添付書類を税務署へ郵送する方法
- 窓口:税務署の窓口に直接持参する方法
このうちe-Taxを使うと、マイナンバーカードで本人確認が完了するため、本人確認書類の写しの添付を省略できるのが利点です。書類のコピーを取る手間が減り、自宅から提出まで完結します。
なお、贈与税の申告そのものはスマホやe-Taxだけでも手続きできますが、初めての人にとっては画面の入力や書類の判断でつまずきやすい面もあります。ちなみに所得税の確定申告(贈与税とは別の手続き)については、タックスナップのような確定申告アプリを使えばスマホひとつで完結できます。贈与を受けた年に事業所得などで所得税の確定申告も必要な人は、あわせて準備を進めておくと安心です。
まとめ
贈与税の申告に必要な書類は、「贈与税の申告書」と「本人確認書類」の基本2点を土台に、課税方法と特例に応じて追加していく形です。相続時精算課税なら選択届出書と戸籍、配偶者控除なら戸籍と登記事項証明書というように、自分が使う制度に合わせてチェックリストで確認すれば漏れを防げます。
戸籍謄本は市区町村、登記事項証明書は法務局と入手先が分かれ、取り寄せに時間がかかることもあります。提出期限は翌年3月15日までなので、早めに書類集めを始めるのが確実です。特例を使う場合は要件が細かいため、国税庁の該当ページで最新情報を確認してから準備しましょう。
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よくある質問
Q. 贈与税の申告と所得税の確定申告は同じですか?
別の手続きです。所得税の確定申告は自分で稼いだ所得にかかり、贈与税の申告は他人からもらった財産にかかります。俗に「贈与税の確定申告」と呼ばれますが、正式には贈与税の申告という独立した申告です。
Q. 暦年課税で特例を使わない場合、添付書類は必要ですか?
原則として、贈与税の申告書と本人確認書類だけで足ります。相続時精算課税や各種特例を使わないなら、戸籍謄本などの追加書類は基本的に不要です。
Q. 相続時精算課税を選ぶときは何が必要ですか?
相続時精算課税選択届出書と、受贈者の戸籍謄本など続柄・年齢を確認できる書類が追加で必要です。初めて適用を受ける年に、贈与税の申告書と一緒に提出します。
Q. 戸籍謄本や登記事項証明書はどこで取得できますか?
戸籍謄本は本籍地の市区町村、登記事項証明書は法務局で取得します。取り寄せに日数がかかることがあるため、申告期限(翌年3月15日)に間に合うよう早めに準備すると安心です。
Q. e-Taxで提出すると書類を省略できますか?
e-Taxで提出する場合、マイナンバーカードで本人確認が完了するため、本人確認書類の写しの添付を省略できます。自宅からオンラインで提出まで完結します。
Q. 贈与税の申告書はどこで手に入りますか?
国税庁のサイトからダウンロードできるほか、税務署の窓口でも受け取れます。確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って作成し、そのままe-Taxで提出できます。
メタディスクリプション(80〜120字):贈与税の申告に必要な書類を、基本・課税方法別・特例別のチェックリストで解説。相続時精算課税や配偶者控除の追加書類、戸籍謄本など入手先、e-Tax・郵送・窓口の提出方法までまとめました。
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