この記事のポイント
- 贈与税の申告は所得税の確定申告とは別の手続きで、正式名称は「贈与税の申告」
- 1年間に受けた贈与が110万円(基礎控除)以下なら暦年課税では申告不要
- 申告と納税の期限は贈与を受けた翌年の2月1日から3月15日
- 課税方法は暦年課税と相続時精算課税の2つから選択
- 申告書はe-Taxや確定申告書等作成コーナーでも作成可能
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
確定申告でカンタンと安心を両立した3つの魅力

贈与税の申告は所得税の「確定申告」とは別の手続き
「贈与税の確定申告」と呼ばれることもありますが、正しくは「贈与税の申告」という独立した手続きです。所得税や消費税の確定申告とは、税金の種類も申告書の様式も分かれています。
贈与税は、個人から贈与によって財産を取得した人にかかる税金です(国税庁 No.4402 贈与税がかかる場合/令和7年4月1日現在法令等)。財産をあげた側ではなく、もらった側が申告と納税を行う点が、事業所得などにかかる所得税の確定申告と大きく違います。
なお、法人から財産をもらった場合は贈与税ではなく所得税がかかります。同じ「財産をもらう」でも、相手が個人か法人かで税目が変わるため、まずは贈与税の対象になるかどうかを確認しておくと安心です。
贈与税の申告が必要なのはどんな人?110万円が基準
1年間(1月1日〜12月31日)に受けた贈与の合計額が、基礎控除110万円を超えた人が申告の対象です。逆にいえば、110万円以下なら暦年課税では贈与税はかからず、申告も不要です。
判定の基準になるのは、あげた人ごとの金額ではなく、もらった人が1年間に受け取った贈与の総額です。複数の人から少しずつもらった場合も合算して考えます。
暦年課税なら年110万円を超えたときに申告する
暦年課税は、1年間の贈与の合計から110万円を差し引いた残りに課税する、もっとも基本的な方法です。手続きをしなければ自動的に暦年課税が適用されます。
たとえば1年間に150万円の贈与を受けた場合、110万円を超える40万円分が課税対象になり、申告が必要です。110万円ちょうど、またはそれ以下であれば申告はいりません。
相続時精算課税を選ぶ場合は金額にかかわらず届出が必要
相続時精算課税は、原則60歳以上の父母・祖父母から、18歳以上の子・孫が贈与を受けるときに選べる制度です(国税庁 No.4103 相続時精算課税の選択/令和7年4月1日現在法令等)。特別控除2,500万円までは贈与税がかからず、超えた分に一律20%の税率がかかります。
令和6年(2024年)1月1日以後の贈与からは、年110万円の基礎控除が新たに設けられました。この基礎控除の範囲内なら申告は不要ですが、初めて選ぶ年には「相続時精算課税選択届出書」の提出が必要です。一度選ぶと同じ贈与者からの贈与は暦年課税に戻せないため、選択は慎重に判断してください。
贈与税の申告と納税の期限は翌年2月1日〜3月15日
贈与税の申告と納税の期限は、贈与を受けた年の翌年2月1日から3月15日までです(国税庁 No.4429 贈与税の申告と納税/令和7年4月1日現在法令等)。
所得税の確定申告の受付開始(例年2月16日ごろ)よりも半月ほど早く始まる点に注意が必要です。同じ年に所得税の確定申告も行う人は、開始日がずれることを頭に入れておきましょう。
期限を過ぎて申告すると、本来の税額に加えて加算税や延滞税がかかる場合があります。期限内の申告と納税を基本にして、早めに準備を進めるのがおすすめです。
贈与税の申告のやり方は4ステップ
贈与税の申告は、「財産の把握 → 課税方法の選択 → 申告書の作成 → 提出・納税」の流れで進めます。手順そのものはシンプルなので、順番に見ていきましょう。
STEP1|1年間に受けた贈与財産を把握する
まず、その年の1月1日から12月31日までに受け取った贈与をすべて洗い出します。現金だけでなく、不動産や有価証券、保険金なども贈与にあたる場合があります。
もらった財産の種類ごとに金額(評価額)を確認し、合計します。この合計額が110万円を超えていれば、次のステップへ進みます。
STEP2|課税方法(暦年課税・相続時精算課税)を選ぶ
次に、暦年課税と相続時精算課税のどちらで申告するかを決めます。特別な手続きをしなければ暦年課税になります。
相続時精算課税を使いたい場合は、この段階で「相続時精算課税選択届出書」を用意します。それぞれの違いは次の表のとおりです。
| 項目 | 暦年課税 | 相続時精算課税 |
|---|---|---|
| 基礎控除 | 年110万円 | 年110万円(令和6年分以降) |
| 特別控除 | なし | 累計2,500万円 |
| 税率 | 10〜55%(超過累進) | 一律20% |
| 主な対象 | 制限なし | 原則60歳以上→18歳以上の子・孫 |
| 届出 | 不要 | 選択届出書が必要 |
STEP3|贈与税の申告書を作成する
課税方法が決まったら、贈与税の申告書を作成します。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使えば、画面の案内に沿って金額を入力するだけで作成でき、e-Taxでの提出まで進められます(国税庁 No.4429)。
申告書には、本人確認書類(マイナンバーの確認書類と身元確認書類)などの添付が必要です。申告に必要な書類は、課税方法や利用する特例によって変わります。書類の詳しい一覧は、贈与税の申告の必要書類をまとめた別記事で解説しているので、そちらで確認すると準備がスムーズです。
STEP4|申告書を提出して納税する
作成した申告書は、贈与を受けた人の住所を管轄する税務署に提出します(国税庁 No.4429)。提出方法は、オンライン(e-Taxを含む)のほか、郵便での送付、税務署の窓口への持参から選べます。
納税は現金で一度に納めるのが原則ですが、e-Taxのダイレクト納付、口座振替、インターネットバンキング、クレジットカード納付、コンビニ納付(QRコード)なども利用できます。贈与税額が10万円を超え、期限までに一括で納めるのが難しい場合は、申請により何年かに分けて納める延納制度もあります。
暦年課税の贈与税はいくら?税率と計算方法
暦年課税の贈与税は、「(1年間の贈与額 − 110万円)× 税率 − 控除額」で計算します(国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率/令和7年4月1日現在法令等)。税率には「一般税率」と「特例税率」の2種類があります。
18歳以上の人が父母や祖父母などの直系尊属から受けた贈与には、税負担が軽い特例税率を使います。それ以外(兄弟間・夫婦間・他人からの贈与など)は一般税率です。
一般税率(兄弟間・夫婦間・親から未成年の子への贈与など)
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | — |
| 300万円以下 | 15% | 10万円 |
| 400万円以下 | 20% | 25万円 |
| 600万円以下 | 30% | 65万円 |
| 1,000万円以下 | 40% | 125万円 |
| 1,500万円以下 | 45% | 175万円 |
| 3,000万円以下 | 50% | 250万円 |
| 3,000万円超 | 55% | 400万円 |
特例税率(18歳以上の人が父母・祖父母など直系尊属から受けた贈与)
| 基礎控除後の課税価格 | 税率 | 控除額 |
|---|---|---|
| 200万円以下 | 10% | — |
| 400万円以下 | 15% | 10万円 |
| 600万円以下 | 20% | 30万円 |
| 1,000万円以下 | 30% | 90万円 |
| 1,500万円以下 | 40% | 190万円 |
| 3,000万円以下 | 45% | 265万円 |
| 4,500万円以下 | 50% | 415万円 |
| 4,500万円超 | 55% | 640万円 |
たとえば18歳以上の子が親から500万円をもらった場合、特例税率で「(500万円 − 110万円)× 15% − 10万円 = 48.5万円」が贈与税額です。同じ500万円でも一般税率だと53万円になり、誰から受けた贈与かで税額が変わります。
贈与税が非課税になる主な特例
一定の条件を満たす贈与には、税負担を軽くする特例が用意されています。代表的なものは次のとおりです。
- 住宅取得等資金の非課税:直系尊属からマイホームの購入・新築資金を受けた場合の非課税枠
- 教育資金の一括贈与の非課税:直系尊属から教育資金をまとめて受けた場合の非課税枠
- 結婚・子育て資金の一括贈与の非課税:直系尊属から結婚・子育て資金を受けた場合の非課税枠
- 贈与税の配偶者控除(おしどり贈与):婚姻期間20年以上の夫婦間で居住用不動産などを贈与した場合の控除
注意したいのは、これらの特例の多くが「申告すること」を適用の条件にしている点です。特例を使って税額がゼロになる場合でも、申告を忘れると特例を受けられないことがあります。金額や要件は改正されることがあるため、利用前に国税庁の各特例のページで最新の内容を確認してください。
なお、暦年課税で贈与を受けた財産は、贈与した人が亡くなったときに相続税の計算へ一定期間分が加算されます。この加算期間は、令和6年(2024年)1月1日以後の贈与から3年→7年へ段階的に延長されます(相続税側の取り扱い。適用の詳細は年分により異なるため要確認)。
まとめ
贈与税の申告は、所得税の確定申告とは別の手続きで、1年間に110万円を超える贈与を受けた人が、翌年2月1日から3月15日までに行います。暦年課税か相続時精算課税かを選び、確定申告書等作成コーナーなどで申告書を作成して提出・納税する、という流れです。
金額や特例の要件は改正されることがあります。判断に迷うときは国税庁のページで最新の情報を確認し、必要書類は姉妹記事も参考にしながら、期限に余裕をもって準備を進めてください。
スマホで確定申告するならタックスナップ
贈与税の申告そのものにアプリは対応していませんが、贈与を受けた年に事業所得や副業所得があれば、それとは別に所得税の確定申告も必要になります。その所得税の確定申告を、できるだけ手間をかけずに終わらせたい人にはタックスナップという選択肢があります。レシート撮影から申告書の作成・提出までスマホひとつで完結し、パソコンは必要ありません。

\ AppStoreの確定申告アプリで1位 /
「個人事業主・スマホ完結」に特化した確定申告アプリ
タックスナップは、日々の経費処理から確定申告書の作成・提出まで、個人事業主・フリーランスに必要な会計機能がすべてスマホで完結できるアプリです。
今までの会計ソフトは「パソコン操作」や「機能の多さ」を前提としたサービスが多かった一方で、タックスナップは「個人事業主・スマホ完結」に特化し、会計知識が全くない方でも、スキマ時間だけで確定申告が終わるように設計しています。
「初めての確定申告でも迷わずに提出できた」 「他の会計ソフトから乗り換えて、圧倒的にラクになった」 といった嬉しいレビューもいただいています。

App Store確定申告アプリランキング1位を獲得
ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。
2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード
意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。
外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)
速さの秘訣は丸投げ仕分け
タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。
銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。
「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心
「本当にこの内容で提出して大丈夫?」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。
あなたのデータをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが診断します。
修正するべき内容も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

タックスナップは、確定申告をできるだけ簡単に、かつ安心して提出できるようにサポートするアプリです。 無料トライアルも行っているので、まずはその快適さを体験してみてください。
\ AppStoreの確定申告アプリで1位 /
よくある質問
Q. 贈与税の申告は所得税の確定申告と一緒にできますか?
いいえ、別々の手続きです。贈与税は「贈与税の申告書」、所得税は「確定申告書」と様式が分かれており、それぞれ作成して提出します。両方に該当する年は、申告期限の開始日も異なるため注意してください。
Q. 年間110万円以下でも贈与税の申告は必要ですか?
暦年課税で受けた贈与が110万円以下なら、贈与税はかからず申告も不要です。ただし住宅取得等資金などの非課税特例を使う場合や、相続時精算課税を初めて選ぶ場合は、金額にかかわらず手続きが必要になることがあります。
Q. 贈与税の申告を忘れるとどうなりますか?
期限までに申告しないと、本来の税額に加えて無申告加算税や延滞税がかかる場合があります。特例を使って非課税にするつもりだった場合は、申告漏れで特例を受けられなくなることもあるため、期限内の申告を基本にしてください。
Q. 贈与税はどうやって納付しますか?
現金で一度に納めるのが原則ですが、e-Taxのダイレクト納付、口座振替、クレジットカード納付、コンビニ納付(QRコード)なども利用できます。税額が10万円を超え一括での納付が難しい場合は、申請により延納できる制度もあります。
Q. 贈与税の申告はスマホでできますか?
国税庁の確定申告書等作成コーナーはスマホにも対応しており、贈与税の申告書もスマホで作成・提出できます。なお、確定申告アプリのタックスナップは所得税の確定申告向けで、贈与税の申告には対応していません。
Q. 親から住宅資金をもらった場合は申告が必要ですか?
住宅取得等資金の非課税特例を使う場合は、税額がゼロでも申告が必要です。申告することが特例を受けるための条件になっているため、金額や要件を国税庁のページで確認したうえで、期限内に手続きしてください。
確定申告でカンタンと安心を両立した3つの魅力

関連記事
-
【2026年最新版】消費税の計算と確定申告のやり方は?原則課税・簡易課税・2割特例をわかりやすく解説 -
【2026年最新版】年末調整に源泉徴収票がない・間に合わないときは?前職分の対処法と確定申告での精算を解説 -
【2026年最新版】住宅ローン控除の確定申告の書き方|1年目の記入例で第一表・第二表・計算明細書を解説 -
【2026年最新版】個人年金の確定申告|雑所得の計算・不要になるケース・やり方を解説 -
【2026年最新版】副業20万円以下でも確定申告・住民税申告が必要なケースは?20万円ルールの正しい判定 -
【2026年最新版】贈与税の申告に必要な書類は?課税方法別・特例別のチェックリストで解説 -
【2026年最新版】副業の源泉徴収票はどうする?本業・副業の扱いと確定申告での使い方 -
簿記が分からなくても使える確定申告アプリ(会計アプリ)は?会計知識ゼロの選び方【2026年】

