【2026年最新版】損益通算のやり方|確定申告で赤字を相殺する手順を解説

この記事のポイント

  • 損益通算できるのは不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の4つの赤字
  • 雑所得の赤字や別荘など生活に通常必要でない資産の損失は損益通算できない
  • 上場株式等の損失は給与所得と通算できず、申告分離課税を選んだ配当等とだけ相殺できる別ルール
  • 相殺しきれない赤字は青色申告なら翌年以降3年間繰り越せる
  • 損益通算するには確定申告が必須で、提出はオンライン・郵送・窓口のいずれか

目次

損益通算とは?赤字を他の所得の黒字と相殺できる制度

損益通算とは、一定の所得で出た赤字(損失)を、他の所得の黒字と相殺できる制度です。相殺した分だけ課税対象の所得が減るため、結果として所得税と住民税を軽くできます

たとえば事業所得が100万円の黒字で、不動産所得が30万円の赤字だった場合、損益通算すると課税対象は70万円になります。赤字をそのまま放置すると税金は黒字100万円に対してかかるので、申告するかどうかで負担が変わります。

ただし、どの赤字でも自由に相殺できるわけではありません。損益通算の対象になる所得は法律で限定されています(国税庁 No.2250 損益通算)。

損益通算できる所得・できない所得【一覧表】

損益通算できる赤字は4種類だけです。それ以外の所得で赤字が出ても、原則として他の黒字とは相殺できません。

損益通算できる4つの所得

対象になるのは、不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の4つで生じた損失です。フリーランスや個人事業主の事業の赤字、賃貸経営の赤字などがここに含まれます。

所得の種類損益通算主な例
事業所得◎ できるフリーランス・個人事業の赤字
不動産所得◎ できる賃貸経営の赤字
譲渡所得○ できる(一部制限あり)資産を売って出た損失
山林所得○ できる山林の伐採・譲渡の損失
雑所得✕ できない副業・年金などの赤字
配当所得・給与所得・一時所得✕ できない

損益通算できない主なもの

雑所得の赤字は損益通算できません。副業を雑所得で申告している場合、その赤字を給与などから差し引くことはできない点に注意が必要です。

このほか、次のような損失も対象外です。

  • 生活に通常必要でない資産の譲渡損失(別荘や、1個または1組30万円を超える貴金属・宝石・書画骨董など)
  • 不動産所得の損失のうち、土地の取得にかかった借入金の利子に相当する部分
  • 別荘の貸付けなど、生活に通常必要でない資産から生じた損失

対象になるかどうかは細かい要件があるため、判断に迷う場合は国税庁の案内で確認してください。

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損益通算のやり方|確定申告での手順

損益通算は、確定申告書に各所得と損失を記載して相殺することで適用されます。源泉徴収だけで完結する会社員でも、損益通算を受けるには自分で確定申告する必要があります。

手順は次のとおりです。

  1. 必要書類をそろえる(収支内訳書や青色申告決算書、譲渡がある場合は取引の資料など)
  2. 各所得の金額を計算し、赤字と黒字を確定申告書に記載する
  3. 必要な明細書を添付する(株式等の譲渡なら「株式等に係る譲渡所得等の金額の計算明細書」など)
  4. 確定申告書を提出し、税額を精算する

黒字と赤字の相殺には所得税法で定められた順序があり、確定申告書や確定申告書等作成コーナー・確定申告アプリではこの計算が自動で処理されます。手書きで計算する場合は、第一表・第二表に加えて分離課税用の第三表が必要になるケースもあります。

提出方法はオンライン・郵送・窓口の3つから選べます。オンラインにはe-Tax、確定申告書等作成コーナー、スマホ用の確定申告アプリが含まれ、自宅から24時間提出できます。事業所得の赤字を損益通算するようなケースでも、タックスナップのようなスマホ完結の確定申告アプリを使えば、申告書の作成から提出までスマホひとつで進められます。

なお、不動産経営の赤字や事業の赤字を損益通算する具体的なケースは、不動産収入の確定申告や個人事業主の赤字申告について解説した記事もあわせて参考にすると流れをつかみやすくなります。

上場株式・配当の損益通算は別ルール(申告分離課税)

株式や投資信託の損失は、給与所得や事業所得とは損益通算できません。ここは誤解が多い部分です。上場株式等の譲渡損失は「申告分離課税」という別枠で扱われ、相殺できる相手が限られています。

上場株式等の譲渡損失と配当等の相殺

上場株式等を売って出た損失は、同じ年の他の上場株式等の譲渡益や、申告分離課税を選んだ上場株式等の配当等とだけ損益通算できます。複数の証券口座を使っている場合、A口座の損失とB口座の利益を確定申告でまとめて相殺することも可能です。

一方で、この損失を給与所得や事業所得から差し引くことはできません。株式の損益は株式の枠内で完結する、と理解しておくと混乱しにくくなります。

繰越控除で赤字を3年間持ち越す

損益通算しても引ききれなかった損失は、翌年以降3年間にわたって繰り越し、将来の利益と相殺できます。上場株式等の譲渡損失の繰越控除では、損失が出た年から連続して確定申告を続けることが条件です。

事業所得などの赤字も、青色申告をしていれば「純損失の繰越控除」で翌年以降3年間繰り越せます。今年の赤字を来年以降の黒字と相殺できるため、赤字の年こそ申告しておく価値があります。

まとめ

損益通算は、不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の赤字を他の黒字と相殺し、税負担を減らせる制度です。雑所得の赤字や、別荘など生活に通常必要でない資産の損失は対象外になる点に注意してください。

上場株式等の損失は給与などとは通算できず、申告分離課税の配当等とだけ相殺できる別ルールです。相殺しきれない赤字は、青色申告や上場株式等の繰越控除で3年間持ち越せます。いずれも適用には確定申告が欠かせません。

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よくある質問

Q. 損益通算できる所得は何ですか?

不動産所得・事業所得・譲渡所得・山林所得の4つで生じた損失です。この4つ以外の所得は、赤字が出ても原則として他の黒字とは相殺できません。

Q. 雑所得の赤字は損益通算できますか?

できません。副業などを雑所得で申告している場合、その赤字を給与所得や事業所得から差し引くことはできない点に注意してください。

Q. 株の損失を給与所得と相殺できますか?

できません。上場株式等の譲渡損失は申告分離課税の別枠で扱われ、同じ年の他の上場株式等の譲渡益や、申告分離課税を選んだ上場株式等の配当等とだけ損益通算できます。

Q. 損益通算するには確定申告が必要ですか?

必要です。損益通算は確定申告書に各所得と損失を記載して初めて適用されます。会社員でも、損益通算を受けるには自分で確定申告する必要があります。

Q. 相殺しきれなかった赤字はどうなりますか?

一定の要件を満たせば翌年以降3年間繰り越せます。青色申告なら事業などの純損失を、上場株式等なら譲渡損失を、それぞれ将来の利益と相殺できます。いずれも繰り越すには毎年連続して確定申告が必要です。

Q. 損益通算の申告はスマホだけでできますか?

できます。提出方法はオンライン・郵送・窓口から選べ、オンラインにはスマホ用の確定申告アプリも含まれます。タックスナップのようなアプリなら、申告書の作成から提出までスマホひとつで完結します。

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