この記事のポイント
- 基本の必要書類は確定申告書(第一表・第二表)+第三表〈分離課税用〉+譲渡所得の内訳書の3点セット
- あわせて売買契約書の写し(売却時・購入時)・取得費や譲渡費用の領収書・登記事項証明書・本人確認書類を用意
- 特例を使うと添付書類が増えるため、使う特例に応じて追加分を早めに準備
- 書類の入手先は内訳書・申告書が国税庁サイトや税務署、売買契約書が不動産会社、登記事項証明書が法務局
- 控除・還付の申告ならタックスナップでスマホ完結・無料
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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不動産売却の確定申告に必要な書類は?【基本セット】
不動産を売却して利益(譲渡所得)が出た場合の基本書類は、確定申告書(第一表・第二表)+第三表〈分離課税用〉+譲渡所得の内訳書に、売買契約書の写し・領収書・登記事項証明書・本人確認書類を加えたものです。まずは全体像を一覧で押さえておきましょう。
不動産の売却益は譲渡所得として、給与などとは分けて計算する分離課税の対象になります。そのため通常の申告書だけでなく、分離課税用の第三表と、売却の内容を記す内訳書がセットで必要です。
必要書類の一覧チェックリスト
基本の必要書類と、その内容・入手先を表にまとめました。売却したらまず、この一覧を上から順にそろえていくと迷いません。
| 書類名 | 内容 | 主な入手先 |
|---|---|---|
| 確定申告書 第一表・第二表 | 申告の基本となる様式 | 国税庁サイト・税務署 |
| 確定申告書 第三表〈分離課税用〉 | 譲渡所得を記入する分離課税用の様式 | 国税庁サイト・税務署 |
| 譲渡所得の内訳書(土地・建物用) | 売却額や取得費などの計算明細書 | 国税庁サイト・税務署 |
| 売買契約書の写し(売却時・購入時) | 譲渡価額と取得費を証明する書類 | 不動産会社(手元保管分) |
| 取得費・譲渡費用の領収書 | 仲介手数料・登記費用・測量費などの証拠 | 不動産会社・司法書士など |
| 登記事項証明書 | 売却した不動産の登記内容の証明 | 法務局(オンライン請求も可) |
| 本人確認書類 | マイナンバー確認書類+身元確認書類 | 市区町村など |
確定申告書 第一表・第二表
確定申告書の第一表・第二表は、すべての申告に共通する基本の様式です。国税庁サイトからダウンロードするか、税務署の窓口で入手できます。
第一表には所得金額や税額を、第二表には所得の内訳や控除の詳細を記入します。不動産売却の場合は、第三表と譲渡所得の内訳書で計算した金額を、この第一表・第二表に転記する流れになります。
確定申告書 第三表〈分離課税用〉
第三表〈分離課税用〉は、譲渡所得を申告するときに必ず必要になる様式です。不動産の売却益は分離課税なので、第三表なしでは申告できません。
第三表には、長期・短期の区分ごとに譲渡所得の金額や税額を記入します。使う特例がある場合は「特例適用条文」の欄にその条項を記載するため、どの特例を使うかを先に確認しておくと記入がスムーズです。
譲渡所得の内訳書(土地・建物用)
譲渡所得の内訳書(土地・建物用)は、売却額や取得費、譲渡費用を書き出して譲渡所得を計算する明細書です。申告書を作る前に、まずこの内訳書から手をつけるのが基本の順番になります。
譲渡所得は「譲渡価額−(取得費+譲渡費用)−特別控除」で計算します。取得費が分からない場合は概算取得費を使える仕組みもあるため、契約書が見つからないときも申告自体は可能です。内訳書も国税庁サイト・税務署で入手できます。
売買契約書の写し(売却時・購入時)
売買契約書は、いくらで売っていくらで買ったかを証明する重要な書類です。売却時と購入時の両方の契約書の写しを用意します。
売却時の契約書は譲渡価額の証明に、購入時の契約書は取得費の証明に使います。取得費が分かると税額を抑えられる場合があるため、購入時の契約書は特に大切に保管しておきましょう。
取得費・譲渡費用がわかる領収書
取得費や譲渡費用として差し引ける支出は、領収書で裏づけます。仲介手数料・登記費用・測量費・印紙代などが代表例です。
これらの費用は譲渡所得から差し引けるため、集めるほど税負担を軽くできる可能性があります。購入時・売却時それぞれの領収書を、あらかじめまとめて保管しておくと計算が楽になります。
登記事項証明書
登記事項証明書は、売却した不動産の登記内容を証明する書類で、法務局で取得します。窓口のほか、オンライン請求にも対応しています。
売却物件の所在地や面積、所有者などを確認するために使います。取得には手数料がかかるので、必要になる時期を見越して早めに請求しておくと安心です。
本人確認書類
申告には、マイナンバーを確認する書類と、身元を確認する書類が必要です。マイナンバーカードがあれば1枚で両方の確認をまかなえます。
マイナンバーカードを持っていない場合は、通知カードや住民票(マイナンバー記載)などのマイナンバー確認書類に加えて、運転免許証などの身元確認書類を組み合わせて用意します。
特例を使うなら追加書類が必要|特例別チェックリスト
特例を使う場合は、基本書類に加えて特例ごとの添付書類が必要になります。どの特例を使うかによって追加する書類が変わるため、自分が使う特例を先に確認しておきましょう。
代表的な特例と主な追加書類を早見表にまとめました。細かい適用要件や様式は特例ごとに定められているため、実際に使う際は必ず国税庁の案内で最新の要件を確認してください。
特例別・追加書類の早見表
| 特例 | 主な追加書類 | 備考 |
|---|---|---|
| マイホームの3,000万円特別控除 | (住所が異なる場合)戸籍の附票の写しなど | 原則は基本書類でよい |
| 10年超所有のマイホーム軽減税率 | 登記事項証明書、(住所が異なる場合)戸籍の附票の写しなど | 要件あり・国税庁で確認 |
| 特定居住用財産の買換え特例 | 買換資産の登記事項証明書・売買契約書の写しなど | 要件が複雑・国税庁で確認 |
| 譲渡損失の損益通算・繰越控除 | 譲渡損失の金額の明細書、計算書、(残債型は)残高証明書など | 要件あり・国税庁で確認 |
マイホームの3,000万円特別控除(居住用財産)
マイホームを売ったときの3,000万円特別控除は、原則として基本書類だけで申告できます。売却した物件に住民票がない、または売却時と登記上の住所が異なる場合に、戸籍の附票の写しなどを追加します。
この特例には居住用財産であることなどの適用要件があり、金額や条件の詳細は定められています。適用できるかどうかは国税庁の案内で必ず確認してください。
10年超所有のマイホーム軽減税率
所有期間が10年を超えるマイホームを売った場合は、軽減税率の特例を使える可能性があります。追加書類として登記事項証明書、住所が異なる場合は戸籍の附票の写しなどを用意します。
所有期間の判定や3,000万円特別控除との併用可否など、細かい要件があります。適用の可否や併用の条件は国税庁で最終確認しましょう。
特定居住用財産の買換え特例
マイホームを買い換えたときの特例では、売った不動産だけでなく買い換えた不動産の書類も必要です。主な追加書類は買換資産の登記事項証明書・売買契約書の写しなどです。
この特例は要件が複雑で、対象となる資産や金額の条件が細かく定められています。適用を検討する場合は、早めに国税庁の案内で要件を確認しておくと安心です。
譲渡損失の損益通算・繰越控除(売却で損が出た場合)
マイホームの売却で損失が出た場合も、一定の要件を満たせば損益通算や繰越控除の特例を使えます。追加書類として居住用財産の譲渡損失の金額の明細書や損益通算・繰越控除の計算書、住宅ローン残債型では残高証明書などが必要です。
この特例には買換え型と住宅ローン残債型があり、それぞれ要件が異なります。明細書の正式名称や様式、適用要件は国税庁で最終確認してください。損が出た場合でも、申告することで税金が戻る場合があります。
必要書類はどこで手に入る?入手先まとめ
必要書類の入手先は、国税庁サイト・税務署、不動産会社、法務局、市区町村の4か所に分かれます。書類ごとに取り寄せ先が違うので、早めに準備を始めましょう。
申告書・第三表・譲渡所得の内訳書は国税庁サイトや税務署で、売買契約書は不動産会社(自分の手元保管分)で、登記事項証明書は法務局で、本人確認書類は市区町村で入手します。売買契約書や領収書が手元に見当たらない場合は、取り寄せに時間がかかることもあります。申告期限に間に合うよう、年内のうちに書類集めを始めておくと余裕を持って進められます。
書類がそろったら|確定申告の進め方(3ステップ)
書類がそろったら、譲渡所得の内訳書から作成して申告書へ転記し、提出・納税という流れで進めます。内訳書→申告書→提出の順で進めると迷いません。
手続きの具体的な記入方法や譲渡所得の計算・税率の詳細は、自分で申告する手順を解説した関連記事もあわせて確認すると分かりやすくなります。ここでは全体の流れを3ステップで押さえておきましょう。
①譲渡所得の内訳書を作成する
まず譲渡所得の内訳書に、売却額・取得費・譲渡費用を書き出して譲渡所得を計算します。この内訳書が申告書作成の土台になります。
②申告書(第一表・第二表・第三表)を作成する
内訳書で計算した金額をもとに、第三表〈分離課税用〉と第一表・第二表を作成します。第三表の特例適用条文欄には、使う特例の条項を記入します。
③e-Tax・郵送・窓口で提出し納税・還付を受ける
作成した書類は、e-Tax・郵送・税務署の窓口のいずれかで提出します。所得税の確定申告期間は原則として翌年の2月16日から3月15日までです。期間は年によって変わることがあるため、国税庁の案内で最終確認しておきましょう。
譲渡所得の申告は書類の種類が多く、長期・短期の区分や特例の判定でつまずきやすい手続きです。一方、医療費控除やふるさと納税などの控除・還付の申告だけなら、タックスナップのような確定申告アプリを使えばスマホだけで完結でき、無料で申告まで進められます。
まとめ
不動産売却の確定申告に必要な基本書類は、確定申告書(第一表・第二表)+第三表〈分離課税用〉+譲渡所得の内訳書に、売買契約書の写し・領収書・登記事項証明書・本人確認書類を加えたものです。譲渡所得は分離課税なので、第三表と内訳書が欠かせません。
3,000万円特別控除や軽減税率、買換え特例、譲渡損失の特例などを使う場合は、特例ごとに追加書類が必要になります。適用要件や様式は特例ごとに定められているため、国税庁の案内で最新の内容を確認しながら準備を進めましょう。書類集めには時間がかかることもあるので、年内のうちに動き始めておくと安心です。
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よくある質問
Q. 不動産売却の確定申告で最低限そろえる書類は?
確定申告書(第一表・第二表)、第三表〈分離課税用〉、譲渡所得の内訳書の3点が基本です。あわせて売買契約書の写し、取得費・譲渡費用の領収書、登記事項証明書、本人確認書類を用意します。
Q. 譲渡所得の内訳書はどこで入手できる?
国税庁のサイトからダウンロードするか、税務署の窓口で入手できます。確定申告書や第三表も同じく国税庁サイト・税務署で手に入ります。
Q. 3,000万円特別控除を使うと必要書類は増える?
原則は基本書類だけで申告できます。売却した物件に住民票がない場合や、売却時と登記上の住所が異なる場合には、戸籍の附票の写しなどの追加が必要になります。詳しい要件は国税庁で確認してください。
Q. 売買契約書を紛失した場合はどうする?
仲介した不動産会社に写しがないか確認してみましょう。取得費が分からない場合は概算取得費を使う方法もあるため、契約書が見つからなくても申告自体は可能です。
Q. 売却で損が出た場合も確定申告の書類は必要?
損失が出た場合でも、損益通算や繰越控除の特例を使うなら申告が必要です。譲渡損失の金額の明細書などの追加書類を用意します。申告することで税金が戻る場合があります。
Q. 必要書類の準備から申告までスマホだけでできる?
医療費控除やふるさと納税などの控除・還付の申告であれば、確定申告アプリのタックスナップを使えばスマホだけで無料で完結できます。譲渡所得の申告は書類が多いため、内容に応じて税務署や専門家にも相談すると安心です。
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