この記事のポイント
- 控えをなくしても保有個人情報開示請求で正式な写しを取り直せる(手数料300円・約30日)
- 急ぎなら申告書等閲覧サービスが無料・当日その場で確認できて写真撮影も可能
- 2025年1月から収受日付印は廃止され、紙で出しても受付印は押されない
- 提出の証明はe-Taxの受信通知やリーフレットで残すのが確実
- 電子提出ならデータが手元に残り、そもそも再発行の手間がいらない
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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開業届の控えをなくしても再発行・取り直しはできる
開業届の控えをなくしても、取り直す方法は主に3つあります。税務署への保有個人情報開示請求、申告書等閲覧サービス、そして開業届の再提出です。正式な写しが必要か、内容の確認だけで足りるかによって、選ぶ手段が変わります。
まず押さえておきたいのは、控えそのものを「再発行」してくれる窓口はない点です。税務署は提出された開業届の原本を保管していますが、控えを紛失したからといって同じ控えを出し直してはくれません。そのため、下記のいずれかの方法で写しを取り直すか、内容を確認する形になります。
| 方法 | 手数料 | 受け取りまでの日数 | 内容 |
|---|---|---|---|
| 保有個人情報開示請求 | 窓口・郵送300円/オンライン200円 | 約30日 | 税務署が保管する正式な写しの交付 |
| 申告書等閲覧サービス | 無料 | 当日その場 | 閲覧と写真撮影のみ(写しの交付は不可) |
| 開業届の再提出 | 無料 | 当日 | 控えは受け取れるが日付は再提出日になる |
手数料は収入印紙で納めます。急いでいるのか、金融機関などに提出する正式な書類が要るのかで、最適な方法を選びましょう。
保有個人情報開示請求で正式な写しを取り直す
税務署に提出済みの開業届の写しがほしいときは、保有個人情報開示請求が確実です。税務署が保管している記録そのものの写しを受け取れるため、金融機関や自治体に提出する正式な書類として使えます。
手数料は窓口・郵送で1件300円、オンライン申請なら200円です。請求書と本人確認書類を提出し、収入印紙で手数料を納めます。開示するかどうかの決定は請求から30日以内に通知され、その後に写しを受け取る流れです。
急ぎの用途には向きませんが、内容の確認ではなく正式な書類が必要な場面では、この方法が基本になります。詳しい手続きは国税庁の開示請求等の手続で確認できます。
申告書等閲覧サービスでその場で確認する
内容を確認するだけでよいなら、申告書等閲覧サービスが最も早くて手軽です。手数料は無料で、管轄の税務署に行けばその場で開業届の内容を閲覧できます。スマホやデジタルカメラでの写真撮影も認められています。
ただし、このサービスは写しの交付ではありません。あくまで閲覧と撮影に限られ、コピーの交付には応じてもらえません。そのため、金融機関や自治体から正式な控えの提出を求められた場合には使えない点に注意が必要です。
屋号や事業内容など、自分で記載した内容をもう一度確認したいだけであれば、この方法で十分に足ります。詳細は国税庁の申告書等閲覧サービスの実施についてに定められています。
開業届を再提出して当日に控えをもらう
とにかく早く控えを手元に残したいなら、開業届をもう一度提出する方法もあります。同じ内容で出し直せば、その日のうちに提出用と控え用の2部を用意できます。
ただし注意点があります。再提出した開業届に記録される日付は、当初の開業日ではなく提出し直した日になります。開業日そのものが書き換わるわけではありませんが、書類上の受付日が最新の日付になるため、当初の提出を証明する用途には向きません。
開業した事実を過去にさかのぼって証明したい場面では、開示請求のほうが適しています。
2025年1月から収受日付印(受付印)は廃止された
2025年(令和7年)1月から、税務署に提出する開業届などの控えへ収受日付印を押す取り扱いが廃止されました。窓口に持参しても郵送しても、控えに受付印は押されません。
これまでは控えに押された受付印が提出した証拠として機能していました。押されなくなったため、提出の証明は別の方法で残す必要があります。開業届を紙で出す際は、控え用のコピーではなく正本(提出用)のみを提出する形に変わっています。
提出を証明するにはe-Taxの受信通知やリーフレットを使う
収受印が押されなくなった今、提出を証明する現実的な手段はe-Taxの受信通知と税務署が渡すリーフレットです。
e-Taxで送信した場合は、メッセージボックスに届く受信通知で送信日時や提出先の税務署名を確認できます。これが控えの代わりになります。紙で提出する場合は、当分の間の対応として、日付と税務署名を記載したリーフレットを希望者に渡す運用が続いています。窓口で提出する際は受け取っておきましょう。
開業届の控えが必要になる場面
開業届の控えは、事業を始めた事実を証明する書類として、さまざまな場面で提出を求められます。代表的なのは次のような手続きです。
- 屋号名義の銀行口座を開設するとき
- 日本政策金融公庫などから融資を受けるとき
- 補助金・助成金を申請するとき
- 保育園の入園審査で就労状況を証明するとき
- 小規模企業共済やクレジットカードの審査を受けるとき
こうした場面で慌てないためにも、提出した時点で控えとその証明を確実に残しておくことが大切です。とくに紙で提出する場合は、受付印が押されなくなった分、証明を残す意識がこれまで以上に必要になります。
その点、開業届をe-Taxやアプリからスマホで電子提出しておけば、送信データと受信通知が手元に残るため、控えをなくす心配がありません。タックスナップのような開業届の作成サービスなら、無料で使えてスマホひとつで提出でき、提出したデータがアプリ内に残るため、あとから何度でも確認できます。
まとめ
開業届の控えをなくしても、保有個人情報開示請求(手数料300円・約30日)で正式な写しを取り直せます。急ぎで内容だけ確認したいなら、無料の申告書等閲覧サービスをその場で使えます。当日中に控えがほしいときは再提出という手段もありますが、日付が提出し直した日になる点に気をつけましょう。
あわせて覚えておきたいのが、2025年1月からの収受日付印の廃止です。紙で出しても受付印は押されないため、提出の証明はe-Taxの受信通知やリーフレットで残すのが確実です。控えをなくして困る前に、電子提出でデータを手元に残しておくのが、いちばん確実な備えになります。
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青色申告承認申請書も同時に出せる
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開業のときに入力した情報は確定申告にもそのまま引き継がれるため、二度手間になることなくスムーズに進められます。
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よくある質問
Q. 開業届の控えは即日で再発行できますか?
正式な写しの即日発行はできません。保有個人情報開示請求は決定まで約30日かかります。当日中に手元へ残したい場合は、開業届を再提出して控えをもらう方法がありますが、記録される日付は再提出した日になります。
Q. 開業届の控えをなくしたらどうすればいいですか?
用途によって方法を選びます。金融機関などに出す正式な書類が必要なら保有個人情報開示請求、内容を確認するだけなら無料の申告書等閲覧サービスが使えます。急ぎで控えそのものが必要なら再提出も選択肢です。
Q. 収受印が廃止された後、提出したことはどう証明しますか?
e-Taxで提出した場合は、メッセージボックスに届く受信通知が証明になります。紙で提出した場合は、税務署が渡す日付・税務署名入りのリーフレットを受け取って保管しておきましょう。
Q. e-Taxで提出した場合、控えはどこで確認できますか?
e-Taxのメッセージボックスに届く受信通知から、送信日時や提出先の税務署名を確認できます。申告データもダウンロードして保存できるため、紙の控えがなくても提出内容を残せます。
Q. 開業届の控えは何に使いますか?
屋号口座の開設、融資や補助金の申請、保育園の就労証明などで求められます。事業を始めた事実を示す書類として、開業後さまざまな手続きで必要になるため、大切に保管しておきましょう。
Q. 開業届を再提出すると開業日は変わりますか?
開業日そのものは変わりません。ただし、再提出した書類に記録される受付日は提出し直した日になります。当初の提出を過去にさかのぼって証明したい場合は、開示請求のほうが適しています。
メタディスクリプション(80〜120字):開業届の控えをなくしても再発行・取り直しは可能です。保有個人情報開示請求(300円・約30日)、無料の閲覧サービス、再提出の3つの方法と、2025年から始まった収受印廃止への対応を国税庁情報にもとづき解説します。
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