銀行や不動産会社から頼まれる売買と抵当権の登記、会社の役員変更、相続人からの名義変更、家庭裁判所に選ばれて務める成年後見人。開業司法書士のお金は、依頼者が会社か個人かで、源泉徴収されて入るか満額で入るかが分かれます。そこに報酬より大きいことも多い登録免許税の預り金や立替金が乗り、成年後見の報酬は家庭裁判所の審判を経て本人の財産から入ります。
確定申告アプリ(会計ソフト)選びは、依頼者ごとの報酬と源泉徴収された税額、会費や書籍などの支払いを、決済や面談の合間に記録して申告まで終えられるかで決まります。この記事では、1万円を引いてから計算する源泉徴収、報酬と分けて受け取る登録免許税、成年後見の報酬の受け取り方といった司法書士ならではの論点から、おすすめの4本を比較します。
この記事のポイント
- 司法書士事務所や司法書士法人に雇われて年末調整を受けているなら確定申告もアプリも原則不要で、自分の名前で開業して受任すると自分で申告する
- 会社や従業員を雇う事業者からの報酬は1回の支払から1万円を引いた残りの10.21%が源泉徴収され、相続や自宅の売買など一般の個人からの報酬は通常は満額で入る
- 依頼者が納める登録免許税は報酬と分けて受け取れば消費税の課税売上にも源泉徴収の対象にも入らず、自分の交通費や郵送料の実費は原則として報酬に含まれる
- 成年後見人の報酬は家庭裁判所の審判で額が決まり、本人の財産から受け取る(税の扱いは税務署に確認)
- 個人事業税は司法書士業として税率5%(事業主控除290万円)、消費税の簡易課税は第五種
- 迷ったら、登記の報酬と源泉徴収を決済の合間に書き加えたいならタックスナップ、補助者を雇って法人化も考えるならfreee、複数の口座をまとめて管理するならマネーフォワード、パソコンでじっくりならやよいの青色申告
司法書士に確定申告アプリは必要?
司法書士事務所や司法書士法人に雇われて給与を受け取り、年末調整を受けているなら、確定申告もアプリも原則として必要ありません。一方、自分の名前で事務所を開いて登記や相続の仕事を受けている場合は、毎年の確定申告が必要になることがほとんどです。
| 働き方 | 確定申告の目安 |
|---|---|
| 司法書士事務所・司法書士法人に勤め(勤務司法書士・補助者)、年末調整あり | 原則不要(年末調整で完結) |
| 自宅や借りた事務所で開業し、登記・相続・成年後見の仕事を受けている | 所得が基礎控除などの合計(令和8年分の基礎控除は合計所得489万円以下で104万円)を超えたら必要。源泉徴収された税金は申告で精算する |
| 開業した年で、登録費用や事務所の準備の費用のほうが売上より多い | 青色申告なら赤字を翌年以後3年間繰り越せるので、申告しておく |
| 司法書士法人を設立して経営している | 法人の決算と法人税の申告が必要。個人の確定申告とは別の手続きになる |
ここでいう所得は、口座に入ったお金の総額ではなく、報酬から会費や事務所の家賃、交通費などの経費を引いた金額です。依頼者から預かった登録免許税は報酬とは別のお金なので、報酬の金額と混ぜずに記録しておきましょう。所得税の申告がいらない場合も、住民税の申告は別に必要になることがあります。
開業には登録と司法書士会への入会が必要
司法書士として仕事をするには、日本司法書士会連合会の名簿に登録を受け、同時に事務所のある地域の司法書士会に入会する必要があります(司法書士法 第8条・第57条)。登録のときには登録免許税が1件3万円かかり、簡裁訴訟代理等関係業務の認定を受けるときはさらに5千円かかります(登録免許税法 別表第一)。
これとは別に、日本司法書士会連合会に登録手数料25,000円を納めます(日本司法書士会連合会 司法書士登録手数料について)。入会金や毎月の会費の額は司法書士会ごとに違うので、入会する会の案内で確かめましょう。登録の時期と金額のわかる書類は、開業した年の確定申告で使うので保存しておきます。補助者を置いたときは、所属の司法書士会への届出も必要です。
青色申告65万円控除はアプリで取れる?
取れます。開業司法書士として続けるなら、開業届と青色申告承認申請書を出しておけば、最大65万円の控除が受けられます。65万円控除には複式簿記の帳簿が必要ですが、確定申告アプリなら取引を入力するだけで自動で出来上がります。e-Taxで提出すれば控除額は55万円ではなく65万円になります。令和9年分からは、紙で提出すると控除は10万円になり、e-Taxでの提出が65万円の条件になります(財務省 令和8年度税制改正の大綱)。
税理士に頼むのとどちらがいい?
一人で、または補助者1人ほどで事務所を回している程度なら、費用の面では確定申告アプリで十分です。依頼者が何十件あっても、1件ずつの報酬と源泉徴収、経費を記録していけば申告書は作れます。相場を比べてみます。
| 依頼方法 | 費用の目安(年間) |
|---|---|
| 税理士に記帳から丸ごと依頼 | 10〜20万円 |
| 税理士に申告書作成だけスポット依頼 | 5〜10万円 |
| 確定申告アプリ | 1〜3万円台 |
アプリなら年1〜3万円台で利用料は経費にできる
確定申告アプリの利用料は年間1〜3万円台で、開業司法書士として申告する人は全額をその年の経費にできます。登記の申請に使うソフトや実務書と同じく、事務所を回すための費用です。
税理士に頼んだほうがいいのはこんな場合
補助者を何人も雇うようになった、売上が1,000万円に近づいてきた、司法書士法人にすることを考えている、成年後見の報酬が増えて扱いに迷うという場合は、税理士に相談する価値があります。給与の源泉徴収や消費税の計算、法人の決算など、手続きが一気に増えるためです。
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司法書士が確定申告アプリを選ぶ4つの基準
司法書士のアプリ選びは、①会社と個人の依頼者ごとに、報酬と源泉徴収された税額を分けて記録できるか、②登録免許税の預り金や立替金を、報酬と分けて記録できるか、③決済や面談の合間に、スマホだけで申告まで終わるか、④源泉徴収の計算や成年後見の報酬の扱いを質問できる窓口があるか、の4つで決まります。どれも「依頼者によって入金の形が違い、報酬より大きなお金を預かることがある」というこの仕事の構造から来る基準です。

会社と個人の依頼者ごとに、報酬と源泉徴収された税額を分けて記録できるか
銀行や不動産会社、会社の登記の報酬は源泉徴収されて振り込まれ、相続や自宅の売買を頼んだ個人からの報酬は満額で振り込まれることがほとんどです。どの依頼者から、いくら源泉徴収されたかを分けて記録できるかが最初の基準です。引かれた税金を申告で正しく差し引けば、払いすぎた分が戻ってくることがあります。
登録免許税の預り金や立替金を、報酬と分けて記録できるか
売買の登記では、数万円の報酬に対して、数十万円の登録免許税を預かることも珍しくありません。決済の日に立て替えて、あとから依頼者に請求することもあります。報酬と預り金・立替金を分けて記録し、案件ごとに残高がゼロになったかを確かめられるかを確認しましょう。混ざると、売上を大きく計算してしまいます。
決済や面談の合間に、スマホだけで申告まで終わるか
午前は銀行での決済、午後は相続の面談、夕方に登記の申請と、1日に事務所の外へ出る用事が重なる日もあります。年度末の3月は不動産の決済や会社の登記が増えやすく、確定申告の期限と重なります。記帳から申告書の作成、e-Taxでの提出までスマホだけで終わるかを確認しましょう。
源泉徴収の計算や成年後見の報酬の扱いを質問できる窓口があるか
「入金額から逆算すると、源泉徴収の額が合わない」「家庭裁判所の審判で決まった報酬は、どう記録する?」。司法書士の申告には、判断に迷う点が少なくありません。チャットやLINEで質問できる窓口があると、申告の直前で手が止まることを防げます。
アプリ選びでよくある失敗
よくある失敗は次の3つです。どれも「依頼者ごとの報酬と源泉徴収、預かったお金を分けて記録できるか」を基準に選べば避けられます。
- 源泉徴収された後の振込額を売上にして、引かれた税金を申告で差し引き忘れる
- 預かった登録免許税まで報酬と一緒に売上にして、消費税を多く計算してしまう
- 自分の交通費や郵送料の実費を立替金に入れ、報酬から外してしまう
司法書士におすすめの確定申告アプリ4選
登記の報酬と源泉徴収を決済の合間に書き加えたいならタックスナップ、補助者を雇って法人化も考えるならfreee、複数の口座やカードをまとめて管理するならマネーフォワード、パソコンでじっくり進めるならやよいの青色申告が有力です。まずは最安プラン同士の比較表で全体像をつかんでください。
| アプリ名 | スマホ完結度 | レシート撮影上限(最安プラン) | カード・口座連携の自動仕訳 | 月額(最安・年払い・税抜) |
|---|---|---|---|---|
| タックスナップ | ◎ 提出まで完結 | 無制限 | ◎ 連携明細をAIが自動仕訳・スワイプで確認するだけ | 980円・無料トライアルあり |
| freee | ○ | 月5枚 | ○ 自動で経理 | 980円・無料お試しあり |
| マネーフォワード | ○ | 月15件(超過は上位プランへ) | ◎ 連携できる金融サービスが豊富 | 900円・無料トライアルあり |
| やよいの青色申告 | △ パソコン前提 | 対応(上限の公表なし) | ○ スマート取引取込 | 初年度無料あり |
登記の報酬と源泉徴収を決済の合間に書き加えたいならタックスナップ
タックスナップはスマホ完結に特化した確定申告アプリで、自宅や小さな事務所で開業し、一人で登記や相続の仕事を回す司法書士に向いています。銀行や不動産会社、相続の依頼者からの報酬と源泉徴収された税額、会費や書籍の支払いを1つにまとめて、決済の合間にも申告まで進められます。
おすすめポイント
- 連携した口座の入金から、銀行や不動産会社、会社の登記、相続の依頼者からの報酬をスワイプで事業の売上に仕分けでき、源泉徴収された税額も取引先ごとに記録して申告書にまとめられる
- 連携したカードの明細は、特許を取得した「スワイプ仕分け」(右=経費・左=プライベート)で1件ずつ切り分け=実務書の通販や法務局への交通費も、決済の着金を待つ間に片づく(出典)
- 郵送料や文房具、名刺のレシートはカメラで撮るだけ(読み取り枚数無制限・カンタンプラン以上)。「これは経費になる?」と迷ったら「みんなはどうしてる」機能で同じ職種の判断を確認できる
- スワイプと丸投げ仕分け(1,000件最短3秒・安心プラン以上)で、複式簿記の知識ゼロでも青色申告65万円控除に必要な帳簿と書類を作れる(白色申告の収支内訳書にも対応)
- マイナンバーカードがあれば、申告書の作成からe-Taxでの提出(電子申告)まですべてスマホだけで完結=登記の繁忙期と重なる3月でも、移動の電車で申告を進められる
- 職種に合わせた職種特化モードで、税理士監修のAIが9割以上の精度で勘定科目を自動判定(出典)
- 消費税の申告にも最安のカンタンプランから対応=銀行や不動産会社に求められてインボイス登録をし、2割特例を使う場合も同じアプリで完結できる
- 最安のカンタンプランは年払いで月980円(税抜・年額11,760円)。2026年確定申告期間の全29日間、App Storeランキング確定申告アプリ内1位(Sensor Tower)で、無料トライアルから始められる
- 24時間のAIチャットに加え、LINEで専門スタッフに相談できる(カンタンプラン以上)=「司法書士会の会費は経費になる?」という迷いも、面談の後に聞ける
- 登録者40万人超の税理士YouTuber・ヒロ税理士が監修した税務調査リスクチェックと、追徴課税時に利用料を全額返金する保証(安心プラン)
こんな人に向いている
- 銀行や不動産会社、会社、個人と、依頼者がいくつもある
- 源泉徴収される報酬とされない報酬が混ざっている
- 決済や面談で事務所の外に出る日が多い
- パソコンは登記の申請に使い、申告はスマホで終えたい
補助者を雇って法人化も考えるならfreee
freeeは○×の質問に答える形式で申告書を作れる、初心者向けの設計が特徴の会計ソフトです。補助者を雇う、請求書を出す件数が増えた、いずれ司法書士法人にしたいなど、事務所を事業として広げたい人に向いています。
おすすめポイント
- ○×の質問に答えるだけで確定申告書を作成できる
- 請求書の発行や給与計算までシリーズでそろう
- 法人化したあとも法人向けfreee会計にデータを引き継げる
こんな人に向いている
- 補助者を雇う、事務所を広げる予定がある
- 請求書を出す取引が多い
複数の口座やカードをまとめて管理したいならマネーフォワード
マネーフォワード クラウド確定申告は、連携できる金融機関の多さが強みです。報酬の受け取り口座、登録免許税を預かる口座、経費の支払いに使うカードと、お金の出入り口が多い人に向いています。
おすすめポイント
- 連携できる銀行・カード・電子マネーなど金融関連サービスが豊富
- 家計簿アプリ「マネーフォワード ME」と組み合わせて家計と事業をまとめて把握できる
- レポート機能で月ごとの収支を見える化できる
こんな人に向いている
- 報酬の受け取り口座と預り金の口座を分けている
- 生活費と事務所の収支をまとめて管理したい
パソコンでじっくり進めたいならやよいの青色申告
やよいの青色申告 オンラインは、会計ソフトの老舗・弥生のクラウド版です。登記の申請でもともとパソコンに向かう時間が長く、帳簿や決算書を大きな画面で確認しながら進めたい人に向いています。
おすすめポイント
- セルフプランは初年度無料で始められる
- 画面の大きいパソコンで決算書までじっくり作り込める
- 老舗ならではのサポート体制(プランにより電話・チャット)
こんな人に向いている
- 帳簿や決算書はパソコンでまとめて進めたい
- まず無料で1年試したい
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司法書士の確定申告で注意したいポイント
司法書士の申告でつまずきやすいのは、1万円を引く源泉徴収・登録免許税の預り金と立替金・成年後見の報酬・登録費用や会費・事務所の機器と自宅の家賃・個人事業税と消費税・補助者を雇ったときの7つです。順に整理します。
源泉徴収は1回の支払から1万円を引いて10.21%
司法書士の報酬は、1回の支払から1万円を引いた残りに10.21%をかけた額が源泉徴収されます(国税庁 No.2801 司法書士等に支払う報酬・料金、源泉徴収のあらまし 令和8年版 第5)。たとえば報酬5万円(消費税は別に表示)なら、(5万円−1万円)×10.21%=4,084円です。弁護士や税理士と違い、1回の報酬が100万円を超えても税率は10.21%のままで、報酬が1万円以下なら引かれません。
源泉徴収するのは、会社などの法人と、従業員に給与を払っている個人事業主です。会社員が自宅を売るときや、相続人が名義を変えるときのように、給与を払っていない個人からの報酬は源泉徴収されません(所得税法 第204条)。同じ個人の依頼者でも、従業員に給与を払っている個人事業主からの報酬は、会社と同じく源泉徴収されます。
| 入金の種類 | 源泉徴収 | 申告での扱い |
|---|---|---|
| 会社・銀行・不動産会社など、または従業員を雇う個人事業主からの報酬 | 1回の支払から1万円を引いた残りの10.21%が引かれる | 引かれる前の報酬を売上にし、引かれた税金は確定申告で精算する |
| 相続や自宅の売買など、一般の個人からの報酬 | 引かれない | 受け取った報酬を売上にする |
| 家庭裁判所の審判で決まる成年後見の報酬 | 扱いは税務署に確認する | 審判で決まった額を本人の財産から受け取る |
| 依頼者から預かった登録免許税(立て替えた分も) | 対象外 | 報酬と分けて受け取れば、消費税の課税売上に入れない |

源泉徴収された報酬は、引かれる前の金額を売上にし、引かれた税金は確定申告で差し引きます。1回の支払ごとに1万円が引かれているかで額が変わるので、入金額から源泉徴収の額を逆算して確かめておくと安心です。

登録免許税の預り金と立替金は報酬と分けて受け取る
依頼者が本来納める登録免許税や登記事項証明書の手数料は、報酬と区分して請求し、それとして受け取ったことが明らかなら、消費税の課税売上に含まれません(国税庁 消費税法基本通達10-1-4)。源泉徴収の対象からも外れます(国税庁 所得税基本通達204-11)。請求書では報酬と登録免許税の欄を分けて書きましょう。
一方、自分が使った交通費や郵送料を実費として請求した分は、原則として報酬に含まれ、消費税の対象になります。源泉徴収する依頼者なら、源泉徴収の計算にも入ります。決済の前に預かったお金は預り金、先に立て替えて後から受け取るお金は立替金として、案件ごとに出入りを記録し、登記が終わったら残高がゼロになったかを確かめます。立替は経費ではないので、回収が遅れるとそのまま手元の資金が減ります。

成年後見の報酬は家庭裁判所の審判で決まる
成年後見人や保佐人、補助人が報酬を受け取るには家庭裁判所の審判が必要で、認められた額を本人の財産から受け取ります(裁判所 報酬の付与)。申立てには収入印紙800円分と郵便料がかかり、後見の事務の報告書や財産目録を添えて出します。
登記の報酬のように仕事が終わるたびに入るお金ではなく、審判を経てまとまって入るため、入金した日と審判書の内容を一緒に記録しておくと整理しやすくなります。成年後見の報酬の所得の区分や源泉徴収、消費税の扱いは、登記の報酬と同じと決めつけず、税務署に確認しておくと安心です。
登録費用や会費は事務所を続けるための経費
司法書士会の会費や研修費、六法や実務書、登記の申請に使うソフトの利用料は、仕事のための支出として経費にできます。登録のときに払った登録免許税と日本司法書士会連合会の登録手数料も、仕事のための支出です。
分けて経費にするのは、開業の前に払った登録の費用(開業費として扱う場合がある)、自宅の家賃・光熱費の仕事で使う分です。経費にならないのは、源泉徴収された所得税(確定申告で精算する)、住民税、自分の食事代です。

事業に関係する支出かどうかを、払ったときにメモしておくと、申告のときに迷いません。登録費用のように開業の前後どちらで払ったかで扱いが変わるものは、払った日と中身を一緒に残しておきましょう。

事務所の機器は金額で、自宅の家賃は使う広さで経費にする
パソコンや複合機、スキャナは、10万円未満なら買った年の経費、10万円以上20万円未満なら3年に分けて経費にできます。青色申告なら、2026年4月以後に買った40万円未満のものは、合計300万円まで一度に経費にできます(国税庁 No.2100 減価償却のあらまし)。それ以上のものは、パソコンなら4年、複合機などの事務機器なら5年に分けて経費にします。
自宅の一室を事務所にしている場合は、家賃や光熱費、インターネット代のうち、仕事で使う広さや時間の割合の分を経費にできます。事務所として使う部屋の広さと、按分の割合の決め方をメモに残しておきましょう。
個人事業税は司法書士業で5%・消費税は第五種
個人事業税は、司法書士業は第三種事業で、事業の所得から年290万円の事業主控除を差し引いた残りに税率5%がかかります(東京都主税局 個人事業税)。個人事業税の計算では、青色申告特別控除は差し引けません。納める先は、事務所のある都道府県です。

消費税の申告が必要になるのは、原則として2年前の課税売上が1,000万円を超えた年か、インボイス登録をした場合です。免税事業者が銀行や不動産会社から求められて登録した場合は、令和8年分までは2割特例、令和9年分・10年分は3割特例が使えます。簡易課税を選ぶと、司法書士の仕事は第五種事業(みなし仕入率50%)です(国税庁 消費税法基本通達13-2-4)。
補助者を雇うと源泉徴収をする側にもなる
補助者に給与を払うようになると、自分が源泉徴収義務者になり、給与から所得税を差し引いて納める必要があります(国税庁 No.2502 源泉徴収義務者とは)。給与を払い始めるときは、給与支払事務所等の開設届出書を税務署に出します。
源泉徴収義務者になると、税理士や他の司法書士に報酬を払うときも源泉徴収が必要です。家族を補助者にして給与を払う場合は、青色事業専従者給与の届出を期限までに出しておくと、給与を経費にできます。
決済の合間に確定申告を終わらせる方法
コツは、申告期にまとめてやろうとせず、報酬が入るたびに依頼者と源泉徴収の有無を記録し、登録免許税の預り金と立替金は案件ごとに報酬と分けておくことです。入金があったら、どの案件の報酬か、源泉徴収されているかを明細で確かめる。実務書の通販や交通費はカード連携で自動で取り込む。年度末の決済が落ち着いた週に、1年分の支払明細をそろえておく。これだけで、申告期には確認して提出するだけになります。
無料トライアルで口座とカードを連携してみて、報酬の入金や会費の支払いが自動で取り込まれるかを試してから決めるのが失敗しない選び方です。なお、自動連携やAIの仕訳結果をそのまま提出せず、最後にひととおり見直すのはどのアプリでも共通の基本です。
タックスナップは、依頼者ごとの報酬と源泉徴収、会費や書籍の支払いを1つにまとめ、申告までスマホで終えられる設計です。決済の待ち時間や移動中のスキマ時間だけで、申告の準備が回ります。

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「個人事業主・スマホ完結」に特化した確定申告アプリ
タックスナップは、日々の経費処理から確定申告書の作成・提出まで、個人事業主・フリーランスに必要な会計機能がすべてスマホで完結できるアプリです。
今までの会計ソフトは「パソコン操作」や「機能の多さ」を前提としたサービスが多かった一方で、タックスナップは「個人事業主・スマホ完結」に特化し、会計知識が全くない方でも、スキマ時間だけで確定申告が終わるように設計しています。
「初めての確定申告でも迷わずに提出できた」 「他の会計ソフトから乗り換えて、圧倒的にラクになった」 といった嬉しいレビューもいただいています。

App Store確定申告アプリランキング1位を獲得
ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。
2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード
意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。
外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)
速さの秘訣は丸投げ仕分け
タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。
銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。
「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心
「本当にこの内容で提出して大丈夫?」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。
あなたのデータをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが診断します。
修正するべき内容も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

タックスナップは、確定申告をできるだけ簡単に、かつ安心して提出できるようにサポートするアプリです。 無料トライアルも行っているので、まずはその快適さを体験してみてください。
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まとめ
司法書士の確定申告は、「雇われて年末調整を受けているなら不要、開業したら自分で申告」「会社や従業員を雇う事業者からの報酬は1万円を引いて10.21%が源泉徴収され、一般の個人からの報酬は満額で入る」「預かった登録免許税は報酬と分けて受け取る」の3点を押さえれば怖くありません。登記の申請書を1件ずつ確かめるように、報酬と預かったお金も1件ずつ分けて記録していけば、申告はきちんと形になります。

よくある質問
Q. 司法書士事務所に勤める司法書士も確定申告は必要ですか?
1か所に勤めて年末調整を受けているなら、原則不要です。給与以外の所得が20万円を超えた場合や、医療費控除などを受けたい場合は申告します。
Q. 開業した司法書士は、いくらから申告が必要ですか?
令和8年分は、所得が基礎控除の104万円などの合計を超えたら必要です。所得は、報酬から会費や家賃、交通費などの経費を引いた金額です。源泉徴収されている人は、所得が少なくても申告すれば税金が戻ることがあります。
Q. 司法書士の報酬の源泉徴収は、どう計算しますか?
1回の支払から1万円を引いた残りに10.21%をかけます。報酬5万円なら4,084円で、1回の報酬が100万円を超えても税率は変わりません。
Q. 個人の依頼者からの報酬は、源泉徴収されませんか?
給与を払っていない一般の個人からの報酬は、源泉徴収されません。ただし、従業員に給与を払っている個人事業主からの報酬は、会社と同じく源泉徴収されます。
Q. 源泉徴収された税金は戻ってきますか?
経費や控除を差し引いて計算した税額より多く引かれていれば、確定申告で戻ってきます。依頼者ごとに引かれた額を記録し、支払明細を保存しておきましょう。
Q. 預かった登録免許税は売上になりますか?
依頼者が納める登録免許税として報酬と分けて受け取れば、消費税の課税売上にも源泉徴収の対象にも入りません。帳簿でも預り金や立替金として報酬と分けて記録しておくと、消費税や源泉徴収の計算と合わせやすくなります。
Q. 交通費や郵送料を実費で請求した分も報酬ですか?
自分が使った交通費や郵送料を実費として請求した分は、原則として報酬に含まれます。消費税や源泉徴収の計算にも入るので、登録免許税の欄とは分けて請求しましょう。
Q. 登録免許税の立替で手元のお金が足りなくなります。
立て替えた登録免許税は経費ではなく、依頼者から回収するお金です。決済の前に預かる形にするか、立替の残高を案件ごとに確かめて、回収の遅れに早めに気づけるようにしておきましょう。
Q. 成年後見人の報酬はどう受け取りますか?
家庭裁判所に報酬付与の申立てをして、審判で認められた額を本人の財産から受け取ります。申立てには収入印紙800円分と郵便料(裁判所ごとに異なる)がかかります。
Q. 成年後見の報酬にも源泉徴収や消費税はかかりますか?
受け取り方が登記の報酬と違うので、所得の区分や源泉徴収、消費税の扱いは税務署に確認しておくと安心です。審判書と入金の記録はセットで保存しておきましょう。
Q. 12月に終えた登記の報酬が翌年に入金されました。いつの売上ですか?
原則として、依頼された仕事を終えた年の売上です。12月に登記を終えて翌年1月に入金された報酬は、終えた年の売上として記録します。
Q. 登録にかかった費用は経費になりますか?
登録免許税3万円と日本司法書士会連合会の登録手数料25,000円は、仕事のための支出です。開業の前に払った分は、開業費として分けて経費にする場合があります。
Q. 司法書士会の会費や研修費は経費になりますか?
仕事を続けるために払う会費や研修費は、経費にできます。入会金や会費の額は司法書士会ごとに違うので、領収書や案内を保存しておきましょう。
Q. 六法や実務書、申請用のソフトは経費になりますか?
仕事に使う六法や実務書、登記の申請に使うソフトの費用は経費にできます。毎年買い替える六法も、買った年の経費です。
Q. 自宅を事務所にしています。家賃は経費になりますか?
家賃や光熱費のうち、事務所として使う広さや時間の割合の分を経費にできます。按分の割合の決め方をメモに残しておきましょう。
Q. 個人事業税はかかりますか?
事業の所得が年290万円を超えると、かかることがあります。司法書士業は第三種事業で、税率5%です。
Q. インボイス登録は必要ですか?
登録は任意ですが、銀行や不動産会社など会社の依頼者から求められることがあります。免税事業者が登録すると消費税の申告が必要になりますが、令和8年分までは2割特例、令和9年分・10年分は3割特例が使えます。
Q. 補助者を雇ったら何が変わりますか?
給与から所得税を差し引いて納める源泉徴収義務者になります。給与支払事務所等の開設届出書を出し、他の士業に報酬を払うときも源泉徴収が必要になります。
Q. 司法書士法人の申告も、個人と同じですか?
司法書士法人は法人なので、法人の決算と法人税の申告が必要です。この記事で比べている個人向けの確定申告アプリとは別に、法人向けの会計ソフトや税理士への相談を考えましょう。
Q. 開業届は出すべきですか?
開業司法書士として仕事を続けるなら、開業届を出すのが原則です。青色申告承認申請書とセットで出せば、最大65万円の特別控除が使えるようになります。

Q. 今使っている会計ソフトからデータを移行できますか?
できます。たとえばタックスナップはfreee・マネーフォワード・弥生・PayPayからのデータ移行に対応しています。年初から新しいアプリで始めるか、申告前に前年分をまとめて移すのがスムーズです。



