【2026年最新】画家(原画の販売・個展・画廊の委託・絵画教室)におすすめの確定申告アプリ(会計ソフト)4選|タックスナップ・freee・マネーフォワード・やよい

春は公募展に向けて大作を仕上げ、秋は画廊で個展、その合間に雑誌の挿絵を描き、週末は絵画教室で教える。画家のお金は、作品を売った代金、挿絵や装丁画の報酬、作品画像の使用料、教室の月謝と、種類によって入り方が違います。画廊の委託販売なら手数料を引かれて振り込まれ、挿絵の報酬は源泉徴収されて振り込まれます。

確定申告アプリ(会計ソフト)選びは、件数は少なくても種類の多い収入と、画材や額縁の支払いを、入金や購入のたびに記録して申告まで終えられるかで決まります。この記事では、収入の種類ごとの源泉徴収や個人事業税の違い、画廊の委託販売の売上の考え方、売れ残った作品の棚卸といった画家ならではの論点から、おすすめの4本を比較します。

この記事のポイント

  • 会社員や美術教員として年末調整を受けながら絵を売っているなら、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要
  • 挿絵や装丁画、作品画像の使用料は10.21%が源泉徴収され、原画の代金は通常は源泉徴収されない
  • 画廊の委託販売は画廊が作品を売った日の売上で、販売価格と手数料を分けて記録しておくと確実
  • 売れ残った作品と制作中の作品は年末に棚卸し、一点ものの作品は個別法の届出が実態に合う
  • 個人事業税は作品の制作・販売そのものは法定業種に名前がなく、教室や広告用の絵、グッズは別に判断される(最終判断は都道府県)
  • 迷ったら、原画の売上も挿絵料も教室の月謝も、入金のたびに書き分けたいならタックスナップ、アトリエや教室を構えて人を雇うならfreee、複数の口座をまとめて管理するならマネーフォワード、パソコンでじっくりならやよいの青色申告
目次

画家に確定申告アプリは必要?

作品を売って所得が出ているなら、専業でも副業でも確定申告が必要になることがあります。一方、絵画教室や美術予備校に雇われて給与で教え、勤め先で年末調整を受けていて、作品の販売などほかの収入がないなら、確定申告もアプリも原則として必要ありません。

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働き方確定申告の目安
絵画教室や美術予備校に雇われて給与で教え、年末調整あり(作品の販売はしていない)原則不要(年末調整で完結)
会社員や美術教員として働きながら、副業で作品を売っている給与以外の所得が20万円を超えたら必要
専業の画家として、個展・画廊の委託・ネットで作品を売っている所得が基礎控除などの合計(令和8年分の基礎控除は合計所得489万円以下で104万円)を超えたら必要
挿絵や装丁画、カルチャーセンターの講師料で源泉徴収されている所得が少なくても、申告すれば引かれた税金が戻ることがある

ここでいう所得は、受け取った売上の総額ではなく画材や額縁、画廊の手数料などの経費を引いた金額です。所得税の申告がいらない場合も、住民税の申告は別に必要になることがあります。依頼を受けて描くイラストの仕事が中心の人は、こちらの記事で解説しています。

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作品の販売は事業所得か雑所得か

作品の販売や挿絵の報酬は、事業といえる規模で行っていれば事業所得、そうでなければ業務に係る雑所得になります(国税庁 所得税基本通達35-2)。事業かどうかは、社会通念上、事業と称するに至る程度で行っているかで判定します。会社員や教員が副業で作品を売る場合は、雑所得になりやすいと考えておきましょう。

同じ通達には「300万円」という数字がありますが、これは取引を記録した帳簿を保存していない場合の取扱いです。帳簿を保存していないと、収入が300万円を超えて事業の実態がある場合を除き、雑所得になります。売上が300万円以下なら必ず雑所得になる、という意味ではありません。

青色申告65万円控除はアプリで取れる?

取れます。作品の販売を事業所得として申告する画家は、開業届と青色申告承認申請書を出しておけば、最大65万円の控除が受けられます(雑所得の場合は青色申告特別控除の対象外です)。65万円控除には複式簿記の帳簿が必要ですが、確定申告アプリなら取引を入力するだけで自動で出来上がります。e-Taxで提出すれば控除額は55万円ではなく65万円になります。令和9年分からは、紙で提出すると控除は10万円になり、e-Taxでの提出が65万円の条件になります(財務省 令和8年度税制改正の大綱)。

税理士に頼むのとどちらがいい?

個展や画廊、教室の収入を一人で回している程度なら、費用の面では確定申告アプリで十分です。収入の種類がいくつあっても、1件ずつの売上と経費を記録していけば申告書は作れます。相場を比べてみます。

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依頼方法費用の目安(年間)
税理士に記帳から丸ごと依頼10〜20万円
税理士に申告書作成だけスポット依頼5〜10万円
確定申告アプリ1〜3万円台

アプリなら年1〜3万円台で利用料は経費にできる

確定申告アプリの利用料は年間1〜3万円台で、作品の販売や教室の収入を申告する画家は全額をその年の経費にできます。画材や額縁と同じく、仕事を回すための費用です。

税理士に頼んだほうがいいのはこんな場合

売上が1,000万円に近づいてきた、簡易課税を選ぶかどうか迷っている、都道府県から個人事業税の内訳を聞かれた、教室の講師を雇うようになった、法人化を考えているという場合は、税理士に相談する価値があります。消費税の事業区分や個人事業税の判断など、専門家でも見方が分かれる論点が増えるためです。

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画家が確定申告アプリを選ぶ4つの基準

画家のアプリ選びは、①原画・挿絵・教室など収入の種類ごとに分けて記録できるか、②画材や額縁、展示にかかった費用のレシートをその場で撮って記録できるか、③個展の準備と申告期が重なっても、スマホだけで申告まで終わるか、④個人事業税や売れ残った作品の扱いを質問できる窓口があるか、の4つで決まります。どれも「件数は少ないが収入の種類が多く、作品が在庫として残る」というこの仕事の構造から来る基準です。

画家が確定申告アプリを選ぶ4つの基準を示した図解

原画・挿絵・教室など収入の種類ごとに分けて記録できるか

原画の代金は源泉徴収されずに入り、挿絵や作品画像の使用料は10.21%を引かれて入ります。教室の月謝は生徒から、画廊の委託販売は手数料を引かれてまとめて振り込まれます。どの種類の収入を、どの取引先から、いくら受け取ったかを分けて記録できるかが最初の基準です。個人事業税や消費税の判断も、この区分が土台になります。

画材や額縁、展示にかかった費用のレシートをその場で撮って記録できるか

絵の具やキャンバス、額縁、搬入の運送費、DMの印刷代と、画家の支出は種類が多く、作品ごとに結びつくものもあります。レシートを受け取ったその場で撮り、どの作品や展示のための支出かを記録できるかを確認しましょう。年末に売れ残った作品を棚卸すときも、額縁やキャンバスの代金がすぐに見つかります。

個展の準備と申告期が重なっても、スマホだけで申告まで終わるか

2月から3月は、春の公募展や個展の準備と確定申告の時期が重なります。制作で手が離せない時期に、帳簿のためにパソコンを開く時間はほとんどありません。記帳から申告書の作成、e-Taxでの提出までスマホだけで終わるかを確認しましょう。

個人事業税や売れ残った作品の扱いを質問できる窓口があるか

「作品の販売に個人事業税はかかる?」「売れ残った絵はいくらで棚卸すればいい?」。画家の申告には、専門家の間でも答えが分かれる点が少なくありません。チャットやLINEで質問できる窓口があると、申告の直前で手が止まることを防げます。

アプリ選びでよくある失敗

よくある失敗は次の3つです。どれも「収入の種類ごとの売上と源泉徴収、画材や額縁の支出を分けて記録できるか」を基準に選べば避けられます。

  • 画廊から手数料を引かれた入金額だけを売上にして、販売価格と手数料の記録が残らない
  • 売れ残った作品を棚卸せず、その作品の額縁やキャンバスの代金まで全部その年の経費にしてしまう
  • 挿絵の報酬で源泉徴収された税金を、申告で差し引き忘れる

画家におすすめの確定申告アプリ4選

原画の売上も挿絵料も教室の月謝も、入金のたびに書き分けたいならタックスナップ、アトリエや教室を構えて人を雇うならfreee、複数の口座やカードをまとめて管理するならマネーフォワード、パソコンでじっくり進めるならやよいの青色申告が有力です。まずは最安プラン同士の比較表で全体像をつかんでください。

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アプリ名スマホ完結度レシート撮影上限(最安プラン)カード・口座連携の自動仕訳月額(最安・年払い・税抜)
タックスナップ◎ 提出まで完結無制限◎ 連携明細をAIが自動仕訳・スワイプで確認するだけ980円・無料トライアルあり
freee○月5枚○ 自動で経理980円・無料お試しあり
マネーフォワード○月15件(超過は上位プランへ)◎ 連携できる金融サービスが豊富900円・無料トライアルあり
やよいの青色申告△ パソコン前提対応(上限の公表なし)○ スマート取引取込初年度無料あり

原画の売上も挿絵料も教室の月謝も、入金のたびに書き分けたいならタックスナップ

タックスナップはスマホ完結に特化した確定申告アプリで、個展や画廊の委託販売で作品を売る画家や、勤めながら副業で絵を売る人に向いています。原画の売上、挿絵料と源泉徴収された税額、画材や額縁の支払いを1つにまとめて、制作の合間にも申告まで進められます。

おすすめポイント

  • 連携した口座の入金から、作品の代金や出版社からの挿絵料、教室の月謝の振込をスワイプで事業の売上に仕分けでき、源泉徴収された税額も取引先ごとに記録して申告書にまとめられる
  • 連携したカードの明細は、特許を取得した「スワイプ仕分け」(右=経費・左=プライベート)で1件ずつ切り分け=画材の通販や額縁の注文、搬入の交通費も、制作の合間に片づく(出典)
  • 画材店や額縁店のレシートはカメラで撮るだけ(読み取り枚数無制限・カンタンプラン以上)。「これは経費になる?」と迷ったら「みんなはどうしてる」機能で同じ職種の判断を確認できる
  • スワイプと丸投げ仕分け(1,000件最短3秒・安心プラン以上)で、複式簿記の知識ゼロでも青色申告65万円控除に必要な帳簿と書類を作れる(白色申告の収支内訳書にも対応)
  • マイナンバーカードがあれば、申告書の作成からe-Taxでの提出(電子申告)まですべてスマホだけで完結=個展の搬入や在廊で手がふさがる日でも、待ち時間に申告を進められる
  • 職種に合わせた職種特化モードで、税理士監修のAIが9割以上の精度で勘定科目を自動判定(出典)
  • 消費税の申告にも最安のカンタンプランから対応=画廊や出版社に求められてインボイス登録をし、2割特例を使う場合も同じアプリで完結できる
  • 最安のカンタンプランは年払いで月980円(税抜・年額11,760円)。2026年確定申告期間の全29日間、App Storeランキング確定申告アプリ内1位(Sensor Tower)で、無料トライアルから始められる
  • 24時間のAIチャットに加え、LINEで専門スタッフに相談できる(カンタンプラン以上)=「モチーフに買った花は経費になる?」という迷いも、制作の後に聞ける
  • 登録者40万人超の税理士YouTuber・ヒロ税理士が監修した税務調査リスクチェックと、追徴課税時に利用料を全額返金する保証(安心プラン)

こんな人に向いている

  • 原画の販売に加えて、挿絵や教室など収入の種類が多い
  • 源泉徴収される収入とされない収入が混ざっている
  • 画材や額縁のレシートがたまりやすい
  • 申告期と個展の準備が重なり、スマホだけで申告を終えたい

アトリエや教室を構えて人を雇うならfreee

freeeは○×の質問に答える形式で申告書を作れる、初心者向けの設計が特徴の会計ソフトです。絵画教室の講師を雇う、アトリエを構えて仲間と運営する、企業に請求書を出す依頼制作が増えたなど、事業として広げたい人、将来は法人化も考えている人に向いています。

おすすめポイント

  • ○×の質問に答えるだけで確定申告書を作成できる
  • 請求書の発行や給与計算までシリーズでそろう
  • 法人化したあとも法人向けfreee会計にデータを引き継げる

こんな人に向いている

  • 教室の講師を雇う、アトリエを構える予定がある
  • 請求書を出す取引が多い

複数の口座やカードをまとめて管理したいならマネーフォワード

マネーフォワード クラウド確定申告は、連携できる金融機関の多さが強みです。給与の振込口座、画廊や教室の入金口座、画材の購入に使うカードと、お金の出入り口が多い人に向いています。

おすすめポイント

  • 連携できる銀行・カード・電子マネーなど金融関連サービスが豊富
  • 家計簿アプリ「マネーフォワード ME」と組み合わせて家計と事業をまとめて把握できる
  • レポート機能で月ごとの収支を見える化できる

こんな人に向いている

  • 作品代金の受け取り口座やカードが複数ある
  • 生活費と絵の仕事の収支をまとめて管理したい

パソコンでじっくり進めたいならやよいの青色申告

やよいの青色申告 オンラインは、会計ソフトの老舗・弥生のクラウド版です。個展が終わったあとや制作の区切りにパソコンの前に座る時間があり、帳簿や決算書を大きな画面で確認しながら進めたい人に向いています。

おすすめポイント

  • セルフプランは初年度無料で始められる
  • 画面の大きいパソコンで決算書までじっくり作り込める
  • 老舗ならではのサポート体制(プランにより電話・チャット)

こんな人に向いている

  • 帳簿や決算書はパソコンでまとめて進めたい
  • まず無料で1年試したい

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画家の確定申告で注意したいポイント

画家の申告でつまずきやすいのは、収入の種類ごとの扱い・画廊の委託販売・売れ残った作品の棚卸・画材や額縁の経費・道具や美術品の金額・個人事業税と消費税・副業と扶養の7つです。順に整理します。

収入の種類ごとに源泉徴収と税金の扱いが違う

画家の収入は、原画の販売、挿絵や装丁画、作品画像の使用料、教室、依頼制作、グッズと種類が多く、種類ごとに源泉徴収・個人事業税・消費税の区分・平均課税の扱いが違います。源泉徴収は、さし絵やデザインの報酬、著作権の使用料、書籍の装丁、技芸の教授の報酬などが対象で、税率は10.21%(1回に100万円を超える部分は20.42%)です(国税庁 源泉徴収のあらまし 令和8年版 第5 報酬・料金等の源泉徴収事務)。

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収入の種類源泉徴収個人事業税消費税の簡易課税の区分平均課税
原画の販売(個展・画廊の委託・ネット)通常は引かれない法定業種に画家の名前はない(判断は都道府県)第三種か第五種かが分かれるので税務署に確認対象外
書籍・雑誌の挿絵、装丁画10.21%が引かれる東京都では、文章を補う挿絵は広告用でなければ課税しない扱い。装丁画(ブックカバー)はデザイン業とされうる第五種が目安対象かどうかはっきりしない
広告・パッケージ用の絵10.21%が引かれる(法人などからの依頼)デザイン業(税率5%)になりうる第五種が目安対象外
作品画像の使用料(画集・グッズ・カレンダーへの掲載の許諾)10.21%が引かれる都道府県が判断第五種が目安対象(著作権の使用料)
絵画教室の月謝・講座の講師料個人の生徒の月謝は引かれない。カルチャーセンターなどの講師料は10.21%諸芸師匠業(税率5%)になりうる第五種が目安対象外
肖像画・ペット画・壁画などの依頼制作個人の依頼主からは引かれない。法人からの依頼は内容によって分かれる都道府県が判断第三種か第五種かが分かれるので税務署に確認対象外
ポストカードやプリントなどのグッズ引かれない物品販売業(税率5%)になりうる完成品を仕入れて売るなら第一種か第二種、材料を自分で買って加工を頼むなら第三種になりうる対象外
収入の種類ごとの源泉徴収の扱いを示した図解

源泉徴収された収入は、引かれる前の金額を売上にし、引かれた税金は確定申告で差し引きます。出版社などから届く支払明細は、引かれた額を確かめる手がかりになるので保存しておきましょう。東京都の扱いは、都の個人事業税の事務提要を引いた答申によります(東京都行政不服審査会 答申)。平均課税は、作品画像の使用料のような著作権の使用料が多い年に税金を抑えられる制度で、原画の代金は対象になりません(所得税法施行令第7条の2)。使えるのは、その年の変動所得などが総所得金額の20%以上の年で、変動所得が前年・前々年の合計の半分以下の年は対象になりません(所得税法第90条)。

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画廊の委託販売は画廊が売った日の売上にする

画廊や百貨店の委託販売は、画廊が作品を売った日の年の売上になります(国税庁 所得税基本通達36-8)。売上計算書が1か月を超えない間隔で届き、継続して届いた日で計上しているなら、届いた日でもかまいません。12月中に買い手に引き渡した作品(委託販売なら画廊が12月中に売った作品)は、振込が翌年1月でも、原則としてその年の売上です。会期をまたいで年明けに引き渡した作品は、引き渡した年の売上になります。依頼制作は、完成して引き渡した日が基準です。

金額は、販売価格の総額を売上にし、画廊の手数料は経費として記録しておくのが確実です。消費税では、すべての委託販売で手数料を引いた後の金額を売上にそろえる処理も認められています(国税庁 消費税法基本通達10-1-12)。迷うときは総額で記録しておくと、消費税の申告が必要かどうかを判定する売上高もそのまま確かめられます。

売れ残った作品と制作中の作品は年末に棚卸する

年末に売れ残っている作品と制作中の作品は棚卸資産で、使った分は費用、残った分だけ資産として翌年に持ち越します。たとえばキャンバスを10枚買い、5枚が作品として売れ、2枚は失敗して処分し、3枚が売れ残りや未使用で残っていれば、その3枚分の費用は翌年に持ち越します。原価に入れるのは、キャンバスや額縁、絵の具など、その作品のために実際に払った費用です。

一点ものの作品は、1点ずつの取得価額で評価する個別法が実態に合います。個別法を使うには評価方法の届出が必要で、届出をしないと、その年の最後に取得したものの単価で評価する最終仕入原価法になります(所得税法施行令第99条・第100条・第102条)。届出の期限は、事業を始めた年の確定申告期限までです。青色申告なら、届出をして、時価が下がった作品に低価法を使うこともできます。

作品を美術館や病院、自治体に寄贈したときは、その作品の価額を収入に入れる必要がある場合があります(所得税法第40条)。棚卸資産を贈与したときの決まりで、取得価額以上で、かつ通常の販売価格のおおむね70%以上の金額を帳簿に記載して収入にしていれば認められます(国税庁 所得税基本通達39-2)。寄附金控除との関係も含め、寄贈の前に税務署に確認しておくと安心です。グッズや小物を作って売る人の棚卸は、こちらの記事でも解説しています。

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画材や額縁・展示の費用は経費、生活と兼ねる支出は分けられる分だけ

絵の具やキャンバス、額縁、画廊の販売手数料、搬入・搬出の運送費、DMの印刷代など、作品をつくって売るための支出は経費にできます。モチーフに買った花や、制作のための美術館の入館料、画集、取材の交通費も、作品とのつながりを説明できれば経費です。経費になるかどうかの線引きは、次のとおりです。

  • 経費にできる:絵の具や筆などの画材、キャンバスや額縁、画廊の販売手数料、搬入・搬出の運送費、DMの印刷代と郵送料、モチーフに買った花
  • 分けられる分だけ経費:自宅アトリエの家賃や光熱費、私用と兼ねる車やスマホ(仕事で使う分を分けられる場合)
  • 経費にならない:自分や家族の生活費、普段の服、仕事と関係のない旅行、自分の食事
画家の経費にできるもの・按分するもの・経費にならないものを示した図解

自宅の一室をアトリエにしている場合は、仕事で使う部分が半分を超えるか、仕事の分をはっきり分けられる場合に、その分だけ経費になります(国税庁 所得税基本通達45-2)。アトリエとして使う床面積や使用時間の割合を決めて、家賃や光熱費を按分しましょう。絵の具や筆のように毎年おおむね同じ量を買って使う画材は、毎年続けて同じ処理をするなら、買った年の経費にする処理も認められます(国税庁 所得税基本通達37-30の3)。ただし作品の原価に当たる分は、売れ残った作品の棚卸に含めます。

イーゼルやパソコン、買った美術品は金額で経費にする年が変わる

イーゼルや作業台、パソコン、カメラなどは、10万円未満なら買った年の経費、10万円以上20万円未満なら3年に分けて経費にできます。青色申告で事業所得の人なら、2026年4月以後に買った40万円未満のものは、合計300万円まで一度に経費にできます(国税庁 No.2100 減価償却のあらまし)。ただしこの特例は事業所得などに限られ、副業の雑所得では使えません。それ以上のものは、パソコンなら4年に分けて経費にします。

他の作家の作品をアトリエや教室に飾るなど仕事に使う場合は、取得価額が1点100万円未満なら原則として減価償却できる資産になり(国税庁 所得税基本通達2-14)、室内装飾品に当たれば耐用年数は8年(主として金属製なら15年)です。自宅に飾るだけの作品は経費になりません。古美術品のように価値が減らないものや1点100万円以上のものは原則として減価償却できないので、高額な作品を買うときは、買う前に税務署や税理士に確認しましょう。

個人事業税は都道府県が判断し、消費税の区分は税務署に確認する

個人事業税は、作品の制作・販売そのものは法定業種に名前がない一方、教室や広告用の絵、グッズは別に判断され、最終的に決めるのは都道府県です。総務省の通知では、デザイン業のデザインに「芸術活動により創作される作品は含まれない」とされています(総務省 地方税法の施行に関する取扱いについて)。課税される場合は、青色申告特別控除を差し引く前の事業の所得から年290万円を差し引いた残りに税率5%がかかります(東京都主税局 個人事業税)。収入の種類ごとに売上を分けて記録しておくと、内訳を聞かれても答えられます。

消費税の申告が必要になるのは、原則として2年前の課税売上が1,000万円を超えた年か、インボイス登録をした場合です。画廊や出版社から登録を求められても、登録するかは任意です。免税事業者がインボイス登録した場合は、令和8年分までは2割特例、令和9年分・10年分は3割特例が使えます。簡易課税を選ぶ場合、原画の販売を第三種事業と第五種事業のどちらにするかは明示した国税庁の文書がないので、税務署に確認しましょう(国税庁 No.6509 簡易課税制度の事業区分)。

副業は「20万円」と住民税、扶養のラインを確認する

会社員や美術教員として働きながら作品を売っているなら、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要です。勤め先の就業規則や服務の決まりで、作品の販売や教室が認められているかも、事前に確かめておきましょう。

家族の扶養に入っている人は、税金の扶養は令和8年分は合計所得62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)が基準です(国税庁 No.1180 扶養控除、国税庁 No.1191 配偶者控除、財務省 令和8年度税制改正の大綱)。個展で急に作品が売れた年は、所得がこのラインを超えることがあります。社会保険の扶養は年収130万円未満が目安で、事業の収入をどう数えるかは加入している健康保険によって違います。

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制作の合間に確定申告を終わらせる方法

コツは、申告期にまとめてやろうとせず、入金があるたびに収入の種類と取引先を記録し、画材や額縁のレシートはその日のうちに撮っておくことです。個展が終わったら画廊から届く売上計算書を保存し、挿絵の報酬は支払明細で源泉徴収を確かめる。年末には、売れ残った作品と制作中の作品を一覧にしておく。これだけで、申告期には確認して提出するだけになり、春の公募展や個展の準備と重なっても慌てずに済みます。

無料トライアルで口座とカードを連携してみて、画廊からの入金や画材の支払いが自動で取り込まれるかを試してから決めるのが失敗しない選び方です。なお、自動連携やAIの仕訳結果をそのまま提出せず、最後にひととおり見直すのはどのアプリでも共通の基本です。

タックスナップは、原画の売上や挿絵料と源泉徴収、画材や額縁の支払いを1つにまとめ、申告までスマホで終えられる設計です。制作の合間や在廊中のスキマ時間だけで、申告の準備が回ります。

スマホで確定申告できるアプリ タックスナップ

「個人事業主・スマホ完結」に特化した確定申告アプリ

タックスナップは、日々の経費処理から確定申告書の作成・提出まで、個人事業主・フリーランスに必要な会計機能がすべてスマホで完結できるアプリです。

今までの会計ソフトは「パソコン操作」や「機能の多さ」を前提としたサービスが多かった一方で、タックスナップは「個人事業主・スマホ完結」に特化し、会計知識が全くない方でも、スキマ時間だけで確定申告が終わるように設計しています。

「初めての確定申告でも迷わずに提出できた」 「他の会計ソフトから乗り換えて、圧倒的にラクになった」 といった嬉しいレビューもいただいています。

特許取得!スワイプするだけで仕分け完了

App Store確定申告アプリランキング1位を獲得

ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。

2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード

意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。

外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

10分間あたりの平均経費処理件数は、他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピード

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)

速さの秘訣は丸投げ仕分け

タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。

銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。

「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

業界最速!税理士監修の丸投げ仕分けでは、1000件の経費処理が最短3秒

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心

「本当にこの内容で提出して大丈夫?」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。

あなたのデータをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが診断します。

修正するべき内容も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

登録者40万人YouTuber・ヒロ税理士が監修。ぜいもう調査リスクチェック

タックスナップは、確定申告をできるだけ簡単に、かつ安心して提出できるようにサポートするアプリです。 無料トライアルも行っているので、まずはその快適さを体験してみてください。

まとめ

画家の確定申告は、「収入の種類ごとに源泉徴収や個人事業税の扱いが違うので、分けて記録する」「画廊の委託販売は画廊が売った日の売上で、販売価格と手数料を分けて残す」「売れ残った作品と制作中の作品は年末に棚卸し、使った分だけを費用にする」の3点を押さえれば怖くありません。キャンバスに一筆ずつ色を重ねるように、入金と支出も1件ずつ記録していけば、申告はきちんと形になります。

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よくある質問

Q. 会社員や美術教員として働きながら絵を売っています。確定申告は必要ですか?

給与以外の所得が20万円を超えたら必要です。所得は、作品の売上から画材や額縁、画廊の手数料などを引いた金額です。20万円以下でも住民税の申告は必要です。

Q. 専業の画家は、いくらから申告が必要ですか?

令和8年分は、所得が基礎控除の104万円などの合計を超えたら必要です。挿絵料などで源泉徴収されている人は、所得が少なくても申告すれば税金が戻ることがあります。

Q. 趣味で描いた絵が1枚売れました。申告は必要ですか?

継続して作品を売っているなら、雑所得(規模によっては事業所得)として申告の対象になります。たまたま1枚売れただけの場合の扱いは状況によって変わるので、金額が大きいときは税務署に確認しましょう。

Q. 作品の販売は事業所得ですか、雑所得ですか?

社会通念上、事業といえる程度で行っているかどうかで決まります。帳簿を保存していないと、収入が300万円を超えて事業の実態がある場合を除き、雑所得になります。

Q. 画廊の委託販売で、手数料を引かれて入金されました。売上はいくらですか?

販売価格の総額を売上にし、手数料は経費として記録しておくのが確実です。消費税では、すべての委託販売で手数料を引いた後の金額にそろえる処理も認められています。

Q. 12月の個展で売れた作品の代金が、翌年に振り込まれます。いつの売上ですか?

作品を引き渡した日、委託販売なら画廊が売った日の年の売上です。入金日ではないので、年末に売れた作品は売上計算書で確かめておきましょう。

Q. 挿絵の報酬から税金が引かれています。戻ってきますか?

経費や控除を差し引いて計算した税額より多く引かれていれば、確定申告で戻ってきます。出版社ごとに引かれた額を記録し、支払明細を保存しておきましょう。

Q. 原画の代金や依頼制作の報酬から、税金が引かれないのはなぜですか?

完成した作品の売買代金は、源泉徴収の対象として挙げられていないためです。依頼制作は、個人の依頼主からなら源泉徴収されませんが、法人からの依頼は内容によって扱いが分かれます。

Q. 売れ残った絵は、どう計算すればいいですか?

年末に残っている作品は、その作品のために払った画材や額縁などの費用で評価し、棚卸資産として翌年に持ち越します。一点ものの作品は、個別法の届出をしておくと実態に合います。

Q. 額縁は経費になりますか?

作品と一緒に売る額縁は、その作品の原価と考えるのが自然で、作品が売れた年の費用になります。売れ残った作品の額縁は棚卸に含め、展示で繰り返し使う額は金額に応じて消耗品や備品として扱います。

Q. 作品を美術館に寄贈しました。申告に影響しますか?

棚卸資産の贈与として、作品の価額を収入に入れる必要がある場合があります。寄附金控除との関係も含め、寄贈の前に税務署に確認しておきましょう。

Q. 公募展の賞金に税金はかかりますか?

業務と関係のない懸賞の賞金は一時所得で、50万円の特別控除があります。画家が仕事として応募した公募展の賞金は、事業所得や雑所得の収入になる場合もあるので、金額が大きいときは税務署に確認しましょう。

Q. モチーフに買った花や果物は経費になりますか?

作品のモチーフとして買ったものは、経費にできます。描いた作品と結びつけられるよう、写真やメモを残しておきましょう。

Q. 美術館の入館料や画集の代金は経費になりますか?

制作や作品づくりの研究のための支出なら、経費にできます。何のために見たか、何のために買ったかをメモしておくと説明しやすくなります。

Q. 他の作家の作品を買いました。経費になりますか?

アトリエや教室に飾るなど仕事に使う作品で、取得価額が1点100万円未満なら、原則として減価償却できる資産です。自宅に飾るだけなら経費にならず、古美術品や1点100万円以上の作品は原則として減価償却できないので、高額な作品は買う前に税務署に確認しましょう。

Q. 自宅の一室をアトリエにしています。家賃は経費になりますか?

アトリエとして使う床面積の割合などで、仕事の分を分けられれば経費にできます。光熱費も、使用時間などで按分します。

Q. 個人事業税はかかりますか?

作品の制作・販売は法定業種に名前がありませんが、教室や広告用の絵、グッズは別に判断されます。最終的には都道府県が判断し、課税される場合は青色申告特別控除を差し引く前の事業の所得から年290万円を差し引いた残りに税率5%がかかります。

Q. 画廊からインボイス登録を求められました。登録は必要ですか?

登録は任意ですが、登録すると消費税の申告が必要になります。免税事業者が登録した場合は、令和8年分までは2割特例、令和9年分・10年分は3割特例が使えます。

Q. 作品画像の使用料が多い年だけ、税金が高くなります。平均課税は使えますか?

画集やグッズへの掲載を許諾して受け取る著作権の使用料は、平均課税の対象になる変動所得です。ただし使えるのは、その年の変動所得などが総所得金額の20%以上の年に限られます。原画の代金は対象外で、挿絵の報酬が対象になるかははっきりしないので、税務署に確認しましょう。

Q. 開業届は出すべきですか?

画家の仕事を事業として続けるなら、開業届を出すのが原則です。副業で雑所得として申告する場合は、出す義務はありません。青色申告承認申請書とセットで出せば、最大65万円の特別控除が使えるようになります。

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Q. 今使っている会計ソフトからデータを移行できますか?

できます。たとえばタックスナップはfreee・マネーフォワード・弥生・PayPayからのデータ移行に対応しています。年初から新しいアプリで始めるか、申告前に前年分をまとめて移すのがスムーズです。

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