スーツは仕事の場で必要不可欠なアイテムですが、その購入費用を経費に計上できるかどうかは意外と判断が難しいものです。業務に必要な支出として認められる場合もありますが、私用と兼用することが多いスーツは特に注意が必要です。本記事では、スーツ代を経費に計上する際の基準や具体的な計上方法、特別支出控除の適用範囲を詳しく解説します。税務調査で否認されないための注意点や、確定申告を簡単にするためのツールも紹介していますので、ぜひご活用ください。
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【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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スーツ代は経費に計上できる?
スーツ代が経費として認められるかどうかは、支出が業務専用であることを証明できるかが重要です。スーツはプライベートでも使用可能なため、経費に計上する際には明確な基準に従う必要があります。
経費に計上しやすい方
スーツ代が経費として計上しやすいのは、業務において特定の服装が求められる場合です。たとえば、以下のような状況では経費計上が認められる可能性が高まります:
業務用ユニフォームとしてのスーツ
特定のデザインや色、刺繍が施されており、業務以外で着用しづらいものは経費にしやすいです。例えば、接客業で会社が指定するユニフォームスーツや、銀行員が着用する制服など。
講演やテレビ出演などの公的な業務
特定のイベントや公の場で業務上必要とされるスーツも経費計上が可能です。この場合、業務専用であることを示す証拠(イベント写真や出演契約書)が有効です。
撮影や特別なビジネスシーン
モデルや俳優、広告撮影などで着用するスーツは、業務専用の性質が強いため経費として認められることが多いです。
経費に計上しにくい方
以下のようなケースでは、スーツ代の経費計上は認められない可能性が高いです:
日常的なスーツ
プライベートでも着用できる一般的なスーツは「個人の身だしなみを整えるための支出」とみなされ、経費にするのが難しいです。
業務専用である証拠がない
業務専用で使用したことを証明する記録や具体的な利用目的がない場合、税務署が経費として認めないことが多いです。
兼用している場合の全額計上
業務用とプライベート用を兼用している場合、全額を経費にすることはできません。事業用の割合を家事按分し、合理的に計算する必要があります。

スーツ代の計上方法
スーツ代を経費に計上する場合は、業務用と私用の割合を適切に分ける「家事按分」を行い、そのうえで適切な勘定科目に分類します。
営業日数に応じて家事按分
スーツを仕事とプライベートで兼用している場合は、業務で使用している割合を合理的に計算し、その割合分だけを経費に計上します。たとえば、1年間のうち200日を業務で使用している場合、スーツ代の55%を経費にできます。この際、以下のような記録を残しておくとよいでしょう:
スーツの購入日、購入理由、使用頻度。
業務で着用した日数の記録(スケジュール帳など)。
合理的な証明ができるように記録を残しておくことで、税務調査時にスムーズに説明が可能です。
雑費または消耗品費として計上
スーツ代は、少額であれば「雑費」または「消耗品費」として計上することが可能です。特に、クリーニング代や付随する小物(ネクタイ、ベルトなど)はスーツと一体の費用とみなされ、経費として認められやすいです。ただし、1着数十万円以上する高級スーツの場合は、消耗品費ではなく固定資産として計上し、減価償却を行う必要がある場合があります。
特別支出控除とは
スーツ代を経費に計上できない場合でも、「特別支出控除」を活用できる可能性があります。特に会社員の場合、この制度を活用することで一部の支出を節税につなげられます。
会社員のための控除
特別支出控除は、勤務先がユニフォームや制服を購入することを義務付けている場合に利用できる制度です。この控除の対象となるのは、会社指定の服装であり、一般的なスーツは対象外となる場合が多いです。ただし、業務の特殊性がある場合は例外的に認められることがあります。具体的な適用基準は勤務先や税務署に確認が必要です。

よくある間違いと注意点
スーツ代を経費に計上する際には、次のような間違いを避ける必要があります:
全額経費にしてしまう
プライベートでも着用できるスーツは業務用と兼用するため、家事按分を行い合理的な割合を計算する必要があります。
購入記録や証明書を保管していない
スーツ代を経費に計上する場合、購入証明書や領収書をしっかり保管し、使用目的を記録しておくことが重要です。
適切な勘定科目を選んでいない
高額なスーツを消耗品費として処理するのは誤りです。耐用年数に応じて減価償却を行う必要があります。

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まとめ
スーツ代を経費として計上するには、業務専用であることを明確にし、合理的に家事按分を行うことが重要です。特別支出控除や記録の徹底管理を活用し、税務署に対して適切な説明ができるよう準備を整えましょう。正確な申告を行うことで、節税効果を最大限に活用しつつ、トラブルを未然に防ぐことが可能です。
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よくある質問
確定申告をしなかったらどうなるの?
申告を怠ると無申告加算税や延滞税が課される可能性があります。期限内に申告を行いましょう。
確定申告の内容を間違えてしまった場合は?
修正申告や更正の請求を行うことで、訂正が可能です。
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毎年2月16日から3月15日までの間が申告期間です。期限を守り正確に手続きを進めましょう。
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