確定申告書は、第一表から第四表までの内容を正確に記載することで、所得や控除額、税額を計算し、適切な申告を行うための書類です。しかし、その書き方は多くの人にとって難解で、ミスが発生しやすい部分でもあります。本記事では、確定申告書の各表の役割と具体的な記載方法を詳しく解説し、よくある間違いとその対処法もご紹介します。この記事を読めば、確定申告書を正しく記入するためのポイントがすべて分かります。
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【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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確定申告書の種類は
確定申告書は、第一表から第四表までの書類で構成されています。それぞれの表には異なる役割があり、申告内容に応じて記載が求められます。
第一表とは
第一表は、申告者の収入や所得、控除額、税額などの全体的な概要を記載する書類です。確定申告書のメインとなる部分であり、所得税や住民税の計算に使用されます。
第二表とは
第二表は、申告者の詳細な情報を補足する書類です。具体的には、所得の内訳や控除の詳細、配偶者や親族に関する情報などを記載します。
第三表とは
第三表は、分離課税の対象となる所得(不動産所得や株式譲渡所得など)を申告するための書類です。この表は、分離課税の所得がある場合にのみ作成が必要です。
第四表とは
第四表は、損失の繰越控除を行う際に必要な書類です。過去の損失を翌年度以降に繰り越すための計算や、損益通算を行うために使用されます。

確定申告書の第一表の書き方
個人に関する情報
申告者の氏名、住所、生年月日、マイナンバーを記載します。また、職業や屋号がある場合はそれも記入してください。
収入金額等
給与所得、事業所得、不動産所得など、各収入源ごとの金額を記入します。これにより、総収入額が計算されます。
所得金額等
収入金額から必要経費を差し引いた所得金額を記載します。所得の種類ごとに計算し、合計を記載します。
所得から差し引かれる金額
生命保険料控除や医療費控除、寄附金控除など、控除対象となる金額を記入します。
税金の計算
所得金額から控除を差し引いた課税所得金額を計算し、それに基づいて税額を記載します。
その他
住宅借入金等特別控除や配偶者控除など、特例に該当する場合は、それを記入します。
確定申告書の第二表の書き方
住所・屋号・氏名
申告者の詳細情報として住所や屋号を記載します。屋号がない場合は空欄でも問題ありません。
所得の内訳
所得の種類ごとに、その内訳を具体的に記載します。例えば、給与所得の場合は支払者ごとの収入金額を記載します。
総合課税の譲渡所得、一時所得に関する事項
譲渡所得や一時所得がある場合、その詳細を記載します。支払金額や取得費などを正確に記入しましょう。
特例適用条文等
特例が適用される場合は、その条文や根拠を記載します。これにより、特例を受ける理由が明確になります。
保険料控除等に関する事項
生命保険料、地震保険料など、控除対象となる保険料の金額を記入します。
本人に関する事項
マイナンバーや職業、屋号などの情報を再確認し、記載します。
雑損控除に関する事項
災害や盗難などによる損失がある場合、その詳細を記載します。
寄附金控除に関する事項
ふるさと納税や特定寄附金がある場合、寄附先の自治体名や寄附金額を記入します。
配偶者や親族に関する事項
配偶者控除や扶養控除の対象となる家族の氏名や生年月日、所得金額を記載します。
事業専従者に関する事項
事業専従者がいる場合、その名前や報酬額を記入します。
住民税・事業税に関する事項
住民税や事業税に影響を与える事項を記載します。

確定申告書の第三表の書き方の手順
計算明細書の作成
まず、分離課税に該当する収入(例:株式の譲渡所得)の計算明細書を作成します。
第三表の収入金額を所得金額に記入
明細書に基づき、収入金額と所得金額を記入します。
確定申告書第一表の一部を記載
第一表に記載した課税所得金額や控除額を転記します。
確定申告書第一表から転記
第三表で計算した所得金額を第一表に反映させます。
課税される所得金額を記入
分離課税に該当する所得金額を合計し、課税対象となる所得金額を記入します。
税額を記入
課税所得金額に基づいて計算した税額を記載します。
確定申告書の第四表の書き方
損失額又は所得金額
損失額や所得金額を記入します。これには過去の損失繰越額も含まれます。
損益の通算
異なる所得間での損益通算を行い、その結果を記載します。
翌年以後に繰り越す損失額
翌年以降に繰り越す予定の損失額を計算し、記入します。
繰越損失を差し引く計算
損失を翌年度にどのように反映させるかを計算し、記載します。

よくある間違いと注意点
記載漏れ:特に控除額や所得金額の記載漏れが多いです。
計算ミス:税額計算や控除額計算での誤りが発生しやすいです。
書類の不備:必要書類の添付漏れや書類の紛失に注意してください。
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まとめ
確定申告書の各表には、それぞれ異なる役割があります。第一表と第二表は全員が記載すべき基本的な書類であり、第三表と第四表は特定の状況下で必要になります。本記事を参考に、正確かつ効率的に確定申告書を作成し、税務上のメリットを最大限活用してください。
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よくある質問
確定申告に関する質問の中で特に多いものを取り上げ、それぞれ詳しく解説します。
確定申告をしなかったらどうなるの?
確定申告を期限内に行わない場合、次のようなペナルティが発生する可能性があります:
無申告加算税
申告期限を過ぎてしまった場合、無申告加算税が課されます。これは納付すべき税額に対して一定の割合で加算される税金です。遅延期間が長いほど高額になるため、期限内に申告を行うことが重要です。
延滞税
期限内に税金を支払わなかった場合、延滞税が発生します。延滞税の割合は、遅延期間や法定利率に基づいて計算されます。
青色申告特別控除の取り消し
青色申告の申告期限を守らないと、特別控除が適用されなくなる場合があります。これにより、節税効果が大幅に減少します。
未申告の状態が長引くと税務調査の対象になる可能性が高まるため、早めに手続きを進めましょう。
確定申告の内容を間違えてしまった
申告内容に誤りがある場合、修正申告を行う必要があります。以下のケースごとに対処方法を説明します:
過少申告
所得や税額を少なく申告してしまった場合、修正申告を行います。この場合、過少申告加算税が発生する可能性があります。
過大申告
所得を多く申告してしまった場合や控除を少なく申告した場合、還付を受けるための更正の請求を行います。この請求は、申告期限から5年以内に税務署へ提出する必要があります。
軽微なミス
住所の誤記や記載漏れなど、税額に影響を与えない軽微なミスについては、税務署への連絡で対応できる場合もあります。
申告内容を修正する際は、税務署や税理士に相談するとスムーズに進められます。
確定申告の時期はいつ?
確定申告の時期は、毎年2月16日から3月15日までです。休日の場合は翌営業日が期限となります。この期間中に以下の手続きを行う必要があります:
所得税の確定申告:前年度の所得に基づき、納付すべき税額を申告します。
青色申告特別控除:青色申告の条件を満たす申告を行うと、最大65万円の控除が適用されます。
還付申告:払い過ぎた税金の還付を受ける申告です。この申告は、期間外でも5年間さかのぼって行うことが可能です。
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