【2026年最新版】自営業・個人事業主のふるさと納税|限度額の考え方と確定申告のやり方

この記事のポイント

  • 自営業・個人事業主はワンストップ特例が使えず確定申告で寄附金控除として申告
  • 限度額は給与収入の目安表でなく事業所得(総所得金額等)をもとに計算
  • 青色申告特別控除を引いたあとの所得で決まるため年ごとの利益で限度額が変動
  • 控除は所得税の還付と住民税の控除に分かれ自己負担は原則2,000円
  • 赤字や所得が少ない年は限度額が小さく寄附のメリットが出にくい

目次

自営業・個人事業主はワンストップ特例が使えない

自営業・個人事業主は、ふるさと納税のワンストップ特例を原則使えません。寄附した分は確定申告で寄附金控除として申告することで、はじめて税金が軽くなります。

ワンストップ特例の対象は「確定申告をしない給与所得者等」に限られます。個人事業主は事業所得を毎年確定申告するため、この条件から外れます。寄附先を5団体以内にしても、確定申告をする以上はワンストップ特例を選べません。

注意したいのは、確定申告をするとワンストップ特例の申請そのものが無効になる点です。会社員から独立して確定申告をする年は、ワンストップ特例を申請済みの寄附分も含めて、確定申告で寄附金控除としてまとめて申告する必要があります。

なお、会社員が使えるワンストップ特例と確定申告の選び方や、寄附先を5団体以内にするルールは、別記事「ふるさと納税の申請方法」で詳しく整理しています。

限度額(控除上限)は「所得」で決まる

自己負担2,000円で収まるふるさと納税の限度額は、所得の大きさで決まります。そのため、会社員向けに用意されている「年収別の限度額の目安表」は、個人事業主にはそのまま当てはまりません。

給与所得者は収入から給与所得控除を引く仕組みが決まっているため、年収から限度額の目安を表で概算できます。一方で個人事業主は、売上から必要経費や各種控除を引いた事業所得(総所得金額等・課税所得)をもとに計算するため、同じ年収でも限度額は人によって変わります。

会社員と個人事業主で違うポイント

限度額の基準と申告方法が、会社員と個人事業主では次のように異なります。

項目会社員(給与所得者)自営業・個人事業主
申告方法ワンストップ特例 または 確定申告確定申告のみ
限度額の基準給与収入の目安表事業所得(総所得金額等・課税所得)
収入の見通し年収がほぼ固定年ごとの利益で変動
目安の立て方年収から表で概算事業所得を入れてシミュレーターで試算

青色申告特別控除を引いたあとの所得で決まる

限度額は、青色申告特別控除を差し引いたあとの事業所得をもとに計算します。控除で所得が下がると、その分だけふるさと納税の限度額も下がります。

たとえば最大65万円の青色申告特別控除を使うと、事業所得はその分小さくなります。節税効果は大きい一方で、限度額は白色申告のときより低くなる関係にあります。シミュレーターで試算するときは、控除後の所得を入力するのが正確です。

利益が固まる年末に寄附額を調整する

事業の利益は年によって上下するため、限度額も毎年変わります。利益の見通しが立つ年末近くに寄附額を決めると、上限を超える失敗を避けやすくなります。

各サイトのシミュレーターは、事業所得や課税所得を入力して限度額を試算する形が中心です。前年の実績ではなく、その年の見込み所得で計算するのが安全です。利益が伸びた年は限度額に余裕が生まれ、逆に落ち込んだ年は早めに寄附を抑える判断ができます。

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控除のされ方|所得税の還付と住民税の控除

確定申告で申告すると、控除は所得税からの還付と住民税からの控除に分かれます。自己負担は原則2,000円です。

内訳は次の3つに分かれて計算されます。特例分だけは上限が設けられている点に注意が必要です。

区分計算式備考
所得税からの控除(寄附額 − 2,000円)× 所得税率確定申告後に還付
住民税・基本分(寄附額 − 2,000円)× 10%翌年度の住民税から控除
住民税・特例分(寄附額 − 2,000円)×(90% − 所得税率)住民税所得割の20%が上限

特例分は住民税所得割の20%が上限です。この枠を超えて寄附すると、超えた分は自己負担2,000円に収まらず持ち出しが増えます(出典:総務省)。また、寄附金控除の対象になる寄附額は総所得金額等の40%が上限とされています(出典:国税庁 No.1155)。

還付金がいくら戻るのか、いつ入金されるのかといった仕組みは、別記事「ふるさと納税の還付金」で詳しく解説しています。

赤字・所得が少ない年は限度額が小さくなる

赤字や所得が少ない年は、そもそも納める所得税・住民税が少なく、ふるさと納税のメリットが出にくくなります

限度額は所得に連動するため、利益が小さい年は限度額も小さくなります。とくに赤字で所得税・住民税がほとんど発生しない年は、控除する税金自体が少ないため、寄附しても実質的な自己負担が2,000円を超えやすくなります。

そのため、開業初年度や売上が落ち込んだ年は、無理に寄附せず様子を見るのがおすすめです。利益がしっかり乗った年に活用するほうが、自己負担2,000円のメリットを受けやすくなります。

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確定申告での寄附金控除の申告手順

手順はシンプルで、寄附金の受領証明書を用意し、確定申告書の第二表と第一表に記入するだけです。事業所得の申告に数行足すイメージで済みます。

  1. 自治体から届く受領証明書、または寄附金控除に関する証明書(電子データ)を準備する
  2. 確定申告書 第二表に、寄附先の自治体名と寄附金額を記入する
  3. 確定申告書 第一表に、寄附金控除額(寄附合計額 − 2,000円)を記入する
  4. e-Tax または書面で提出する

証明書は、寄附サイトからまとめて電子データで取得すると入力が楽になります。電子データでの取得手順は、楽天ふるさと納税やふるなびの解説記事で紹介しています。

事業所得の申告とふるさと納税の寄附金控除は、同じ確定申告のなかでまとめて処理できます。タックスナップのような確定申告アプリを使えば、日々の記帳から寄附金控除の入力、e-Tax提出までスマホひとつで完結できます。事業の申告のついでに、ふるさと納税分を数タップ足すだけで終わります。

まとめ

自営業・個人事業主のふるさと納税は、ワンストップ特例が使えないため確定申告で寄附金控除として申告します。限度額は会社員の年収目安表ではなく、青色申告特別控除を引いたあとの事業所得で決まり、年ごとの利益で変動します。

控除は所得税の還付と住民税の控除に分かれ、自己負担は原則2,000円です。赤字や所得が少ない年は限度額が小さく、メリットが出にくい点にも気をつけましょう。利益の見通しが立つ年末に寄附額を調整するのが、失敗しないコツです。

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よくある質問

Q. 個人事業主でもふるさと納税のワンストップ特例は使えますか?

原則として使えません。ワンストップ特例は確定申告をしない給与所得者等が対象で、事業所得を確定申告する個人事業主は対象外です。寄附金控除として確定申告で申告します。

Q. 個人事業主の限度額はどうやって調べればいいですか?

事業所得(または課税所得)を入力するタイプのシミュレーターで試算します。会社員向けの年収目安表は基準が異なるため、そのままでは使えません。

Q. 青色申告特別控除を使うと限度額は減りますか?

減ります。限度額は控除後の事業所得をもとに計算するため、最大65万円の青色申告特別控除で所得が下がると、その分ふるさと納税の限度額も下がります。

Q. 赤字の年にふるさと納税をしても意味はありますか?

メリットは出にくくなります。赤字で所得税・住民税がほとんど発生しない年は控除する税金自体が少なく、実質的な自己負担が2,000円を超えやすいためです。

Q. ふるさと納税は事業の経費になりますか?

なりません。ふるさと納税は事業の必要経費ではなく寄附金控除で扱います。事業用口座から支払った場合は「事業主貸」で仕訳します。

Q. 会社員時代の年収別の限度額目安表はそのまま使えますか?

使えません。給与所得と事業所得では所得の計算方法が違うため、独立後は事業所得をもとにシミュレーターで試算し直す必要があります。

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