この記事のポイント
- 申請方法はワンストップ特例と確定申告の2択で、寄附しただけでは控除されない
- ワンストップは確定申告をしない給与所得者・寄附先5自治体以内が対象
- ワンストップの申請書は寄附した翌年1月10日必着
- 医療費控除など他の理由で確定申告するとワンストップは無効になり全寄附分を確定申告
- 6自治体以上に寄附した人は確定申告で寄附金受領証明書か特定事業者の電子データを使う
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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ふるさと納税の申請方法は2つ|ワンストップ特例と確定申告
ふるさと納税の申請方法は、ワンストップ特例と確定申告の2つです。確定申告が不要な会社員で寄附先が5自治体以内ならワンストップ、それ以外は確定申告と考えると分かりやすいでしょう。
まずは全体像を表で確認します。自分がどちらに当てはまるか、対象者や期限を見比べてみてください。
比較表|ワンストップ特例と確定申告の違い
ワンストップ特例と確定申告は、対象者・寄附先数・期限・控除のされ方が異なります。控除される合計額は原則どちらでも同じです。
| 比較項目 | ワンストップ特例 | 確定申告 |
|---|---|---|
| 対象者 | 確定申告をしない給与所得者 | 個人事業主 他の理由で申告する会社員 |
| 寄附先の数 | 5自治体以内 | 6自治体以上でも可 |
| 申請するもの | 申告特例申請書 | 寄附金受領証明書 または特定事業者の電子データ |
| 期限 | 翌年1月10日必着 | 翌年2月16日〜3月15日ごろ |
| 控除のされ方 | 住民税から控除 | 所得税の還付+住民税の控除 |
| 向く人 | 寄附先が少ない会社員 | 寄附先が多い人・自営業の人 |
控除のされ方は違いますが、最終的に軽くなる税額の合計は原則として変わりません。ワンストップは翌年度の住民税がまとめて安くなり、確定申告では所得税が還付され残りが住民税から差し引かれます。
寄附しただけでは控除されない|どちらかの申請が必須
ふるさと納税は、寄附しただけでは税金は戻りません。ワンストップ特例か確定申告のどちらかを申請して、はじめて控除が受けられます(総務省)。
返礼品が届くと手続きが終わった気になりがちですが、申請を出さないと自己負担2,000円を除いた控除は受けられません。どちらの方法でも構わないので、寄附した年のうちに自分の進め方を決めておくと安心です。
ワンストップ特例と確定申告、どっちを選べばいい?
確定申告が不要な会社員で寄附先が5自治体以内ならワンストップ、それ以外は確定申告を選びます。自分がどちらに当てはまるかは、次の条件で判断できます。
ワンストップ特例を選べる3つの条件
ワンストップ特例を使えるのは、次の3つをすべて満たす人です(総務省、ふるさとチョイス)。
- 確定申告をしない給与所得者であること
- 1年間(1月1日〜12月31日)の寄附先が5自治体以内であること
- 寄附ごとに申告特例申請書を各自治体へ提出すること
寄附先の数は自治体単位で数えます。同じ自治体へ複数回寄附しても1自治体として扱うため、回数ではなく自治体の数で5つまでと覚えておくとよいでしょう。
確定申告が必要になる人
次のいずれかに当てはまる人は、確定申告でふるさと納税を申請します。
- 1年間の寄附先が6自治体以上になった人
- ワンストップ申請を出していない、または期限に間に合わなかった人
- 医療費控除や住宅ローン控除の初年度など、他の理由で確定申告する人
個人事業主やフリーランスはもともと確定申告をするため、ふるさと納税もその申告に含めます。会社員でも、医療費が多くかかった年などは確定申告ルートになる点に注意してください。
ワンストップ申請済みでも確定申告するとワンストップは無効になる
ワンストップを申請済みでも、他の理由で確定申告するとワンストップは無効になります。この場合はワンストップで申請した分も含め、その年の全寄附分を確定申告に含める必要があります(国税庁 No.1155)。
たとえば5自治体以内でワンストップを出した会社員が、あとから医療費控除のために確定申告するケースです。ワンストップの申請は自動では引き継がれないため、確定申告書に寄附金控除を書き忘れると控除が受けられなくなります。医療費控除などで申告する予定があるなら、はじめから確定申告でまとめるほうが確実です。
ワンストップ特例の申請方法と手順
ワンストップ特例は、各自治体へ申請書と本人確認書類を提出して申請します。期限は寄附した翌年1月10日必着です。
申請の流れ
ワンストップ特例の申請は、次の流れで進みます。
- 「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」を用意する
- 氏名・住所・マイナンバーなど必要事項を記入する
- マイナンバーカードなどの本人確認書類を添付する
- 寄附した自治体ごとに提出する
申請書は寄附先の自治体から送られてくるほか、各ポータルサイトや総務省のページからもダウンロードできます。寄附するたびに自治体ごとの提出が必要なので、複数の自治体へ寄附した場合はまとめて出し忘れないよう注意しましょう。
郵送とオンライン申請の違い
ワンストップ申請には、紙の申請書を郵送する方法と、スマホで完結するオンライン申請があります。マイナンバーカードとスマホがあれば、紙・郵送なしでオンライン申請ができます。
オンラインワンストップ申請は、自治体マイページやふるまどなどのサービスで対応しています。申請書を印刷して本人確認書類のコピーを同封する手間がなくなるため、スマホひとつで完結させたい人に向いています。ただし対応するサービスは自治体によって異なるので、寄附先が対応しているかを事前に確認しておくと安心です。
申請期限は翌年1月10日必着
ワンストップ特例の申請書は、寄附した翌年の1月10日必着です(ふるさとチョイス)。消印ではなく到着日で判断されるため、年末に寄附した場合は早めの提出を心がけてください。
1月10日を過ぎてしまっても、控除をあきらめる必要はありません。ワンストップに間に合わなかった分は、確定申告で寄附金控除として申告すれば控除を受けられます。確定申告の期限(翌年2月16日〜3月15日ごろ)まで時間があるので、落ち着いて手続きに切り替えましょう。
確定申告での申請方法と手順
確定申告では、寄附金受領証明書か特定事業者の電子データを使って寄附金控除を申告します。期限は翌年2月16日〜3月15日ごろです。
用意するもの
確定申告でふるさと納税を申請するには、寄附を証明する書類が必要です(国税庁 No.1155)。
- 寄附金受領証明書(寄附した自治体ごとに届く)
- または特定事業者が発行する「寄附金控除に関する証明書」(年間の寄附をまとめた電子データ)
後者の電子データは、自治体ごとの受領証明書に代えて一度に添付できるため、寄附先が多い人ほど手間が減ります。楽天など特定のポータルサイトでの証明書の取得手順は、以下の記事でくわしく解説しています。

必要書類を集めても、「どこに入力すればいいの?」「ちゃんと申告できているかな?」と不安になる方も多いでしょう。そんな方には、確定申告アプリの活用がおすすめです。
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確定申告の期限と源泉徴収票の使い方
確定申告の期間は、寄附した翌年の2月16日〜3月15日ごろです(ふるなび)。会社員がふるさと納税だけのために申告する場合は、還付を受ける申告なので1月から提出できます。
申告書には、勤務先から受け取る源泉徴収票の数字を転記します。どの欄の金額を使うのかは、以下の記事でくわしく説明しています。数字の写し間違いは控除額の誤りにつながるので、手元に源泉徴収票を用意してから入力を始めるとスムーズです。

マイナポータル連携でスマホから自動入力
確定申告では、マイナポータル連携で寄附金控除のデータをスマホから自動入力できます。寄附先や金額を手打ちする必要がなくなり、入力ミスも防げます(国税庁)。
利用にはマイナンバーカードと読み取りに対応したスマホが必要です。マイナンバーカードを持っていない場合は、書面の寄附金受領証明書を使って申告する形になります。カードがあれば、寄附金控除データの取得から電子申告までスマホで進められるため、確定申告に不慣れな会社員ほど負担が軽くなります。
まとめ
ふるさと納税の申請方法は、ワンストップ特例と確定申告の2つです。確定申告をしない会社員で寄附先が5自治体以内ならワンストップ(申請書は翌年1月10日必着)、6自治体以上や他の理由で申告する人は確定申告になります。
どちらの場合も、寄附しただけでは控除されません。ワンストップに間に合わなくても確定申告で取り戻せるので、自分がどちらに当てはまるかを早めに確認して手続きを進めておきましょう。
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よくある質問
Q. ふるさと納税は寄附しただけで自動的に控除されますか?
いいえ。寄附しただけでは控除されません。ワンストップ特例か確定申告のどちらかを申請して、はじめて自己負担2,000円を除いた分の控除を受けられます。
Q. ワンストップ特例と確定申告はどちらを選べばいいですか?
確定申告をしない会社員で寄附先が5自治体以内ならワンストップ特例が使えます。6自治体以上に寄附した人や、医療費控除など他の理由で確定申告する人は確定申告を選びます。
Q. ワンストップ特例の申請期限はいつまでですか?
寄附した翌年の1月10日必着です。消印ではなく到着日で判断されるため、年末に寄附した場合は早めに提出してください。間に合わなくても確定申告で控除を受けられます。
Q. ワンストップ特例を申請済みでも確定申告は必要になりますか?
医療費控除など他の理由で確定申告すると、ワンストップは無効になります。この場合は、その年の全寄附分を確定申告に含めて申告する必要があります。
Q. 6自治体以上に寄附したらどうすればいいですか?
確定申告でふるさと納税を申請します。ワンストップ特例は5自治体以内が条件のため、6自治体以上に寄附した年は確定申告で寄附金控除を申告してください。
Q. ワンストップ特例の申請を忘れた・間に合わなかったらどうなりますか?
確定申告で寄附金控除を申告すれば、控除を受けられます。ワンストップの期限を過ぎても、確定申告の手続きに切り替えれば控除をあきらめる必要はありません。
Q. 確定申告のとき何を用意すればいいですか?
寄附金受領証明書、または特定事業者が発行する「寄附金控除に関する証明書」の電子データを用意します。あわせて源泉徴収票の数字を申告書に転記します。

