【2026年最新】行政書士(開業・自宅事務所・副業)におすすめの確定申告アプリ(会計ソフト)4選|タックスナップ・freee・マネーフォワード・やよい

建設業許可の更新、外国人社員の在留資格、相続の遺産分割協議書、車庫証明。行政書士の報酬は、建設会社や外国人を雇う企業からも、個人の依頼主からも、原則として源泉徴収されずに満額で振り込まれます。そこに依頼主の代わりに払う印紙代や証紙代、毎月の行政書士会の会費が加わるので、口座の中の報酬と実費と生活費はすぐに混ざります。

確定申告アプリ(会計ソフト)選びは、源泉徴収されずに満額で入る報酬と、会費や事務所の支払いを、業務の合間に記録して申告まで終えられるかで決まります。この記事では、源泉徴収されない報酬と例外になる仕事、立て替えた手数料の受け取り方、登録費用や自宅事務所の扱いといった行政書士ならではの論点から、おすすめの4本を比較します。

この記事のポイント

  • 行政書士事務所や行政書士法人に雇われて年末調整を受けているなら、確定申告もアプリも原則不要で、自分の名前で登録して受任すると自分で申告する
  • 行政書士の報酬は所得税法の源泉徴収の対象に挙がっていないので、原則として満額で入る分、納める税金は自分で残しておく
  • 依頼主が本来納める申請手数料(収入印紙・証紙)や登録免許税などは、報酬と分けて受け取れば消費税の課税売上に入らない
  • 毎月の会費はその年の経費、行政書士会の入会金や登録免許税など開業前の準備の費用は開業費などとして分けて経費にする場合がある
  • 自宅の一室で開業するなら、登録のときに住まいと区切った事務所の広さが家賃を按分する根拠になる
  • 迷ったら、源泉徴収されない報酬と行政書士会の会費を、業務の合間にスワイプで分類したいならタックスナップ、補助者を雇って事務所を広げるならfreee、複数の口座をまとめて管理するならマネーフォワード、パソコンでじっくりならやよいの青色申告
目次

行政書士に確定申告アプリは必要?

行政書士事務所や行政書士法人に雇われて給与を受け取り、年末調整を受けているなら、確定申告もアプリも原則として必要ありません。一方、自分の名前で事務所を開いて受任している、会社員のまま行政書士として登録して週末に仕事を受けている、という場合は確定申告が必要になることがあります。

スクロールできます
働き方確定申告の目安
行政書士事務所・行政書士法人に勤め(使用人行政書士・補助者)、年末調整あり原則不要(年末調整で完結)
会社員のまま行政書士として登録し、週末や夜に受任している給与以外の所得が20万円を超えたら必要
自宅や借りた事務所で開業し、行政書士の仕事だけで働いている所得が基礎控除などの合計(令和8年分の基礎控除は合計所得489万円以下で104万円)を超えたら必要。報酬は源泉徴収されないことが多く、税金は申告でまとめて納める
登録した年で、売上より登録費用や会費のほうが多い青色申告なら赤字を翌年以後3年間繰り越せるので、申告しておく

ここでいう所得は、受け取った報酬の総額ではなく会費や事務所の家賃、交通費などの経費を引いた金額です。所得税の申告がいらない場合も、住民税の申告は別に必要になることがあります。行政書士の登録とは別に、経営改善の相談や研修の講師が仕事の中心になっている人は、こちらの記事も参考になります。

あわせて読みたい
【2026年最新】コンサルタントにおすすめの確定申告アプリ(会計ソフト)4選|タックスナップ・freee・... 客先と移動に追われるコンサルタントには、案件ごとの報酬と交際費の記録をスマホで片づけて、提出まで終わらせられる確定申告アプリ(会計ソフト)が最有力です。主要4...

事務所は住まいと区切ることが登録の条件

行政書士として登録するには事務所が必要で、自宅の一部を事務所にする場合は、居住スペースと事務所スペースを明確に区分するよう行政書士会が求めています(東京都行政書士会 事務所設置等に関する規程)。東京都行政書士会では、バーチャルオフィスやブース型のレンタルオフィスは事務所として認められず、鍵のかかる書類の保管庫なども求められます。細かい基準は都道府県の行政書士会ごとに違うので、登録先の会の手引で確認しましょう。

登録の申請では、事務所の配置図に事務所スペースのおおよその面積を書き添えます(東京都行政書士会 登録・入会のご案内)。登録のときに区切った事務所の広さは、自宅の家賃や光熱費を仕事の分と生活の分に分けるときの根拠の一つとして使えます。配置図の控えは、確定申告の資料と一緒に保存しておきましょう。

青色申告65万円控除はアプリで取れる?

取れます。行政書士として続けるなら、開業届と青色申告承認申請書を出しておけば、最大65万円の控除が受けられます。65万円控除には複式簿記の帳簿が必要ですが、確定申告アプリなら取引を入力するだけで自動で出来上がります。e-Taxで提出すれば控除額は55万円ではなく65万円になります。令和9年分からは、紙で提出すると控除は10万円になり、e-Taxでの提出が65万円の条件になります(財務省 令和8年度税制改正の大綱)。

税理士に頼むのとどちらがいい?

一人で事務所を回し、許認可や相続の書類を受任している程度なら、費用の面では確定申告アプリで十分です。依頼主がいくつあっても、1件ずつの報酬と経費を記録していけば申告書は作れます。相場を比べてみます。

スクロールできます
依頼方法費用の目安(年間)
税理士に記帳から丸ごと依頼10〜20万円
税理士に申告書作成だけスポット依頼5〜10万円
確定申告アプリ1〜3万円台

アプリなら年1〜3万円台で利用料は経費にできる

確定申告アプリの利用料は年間1〜3万円台で、行政書士として事業の申告をする人は全額をその年の経費にできます。行政書士会の会費や法令集と同じく、事務所を回すための費用です。

税理士に頼んだほうがいいのはこんな場合

補助者を雇って給与を払うようになった、売上が1,000万円に近づいてきた、行政書士法人の設立を考えているという場合は、税理士に相談する価値があります。給与を払い始めると源泉徴収義務者になり、税理士などに払う報酬からも源泉徴収が必要になるなど、手続きが一気に増えるためです(国税庁 No.2502 源泉徴収義務者とは)。

\ AppStoreの確定申告アプリで1位 /

行政書士が確定申告アプリを選ぶ4つの基準

行政書士のアプリ選びは、①依頼主ごとの報酬を、源泉徴収のある仕事とない仕事に分けて記録できるか、②会費や書籍、役所への交通費の支払いを、その場で記録できるか、③週末や業務の合間に、スマホだけで申告まで終わるか、④立て替えた手数料や登録費用、自宅事務所の扱いを質問できる窓口があるか、の4つで決まります。どれも「報酬が源泉徴収されずに満額で入り、依頼主のための実費や登録の費用が混ざる」というこの仕事の構造から来る基準です。

行政書士が確定申告アプリを選ぶ4つの基準を示した図解

依頼主ごとの報酬を、源泉徴収のある仕事とない仕事に分けて記録できるか

許認可の申請代理や契約書の作成の報酬は、法人の依頼主からも原則として源泉徴収されずに満額で振り込まれます。一方、企業の研修やセミナーの講師料は源泉徴収されて振り込まれます。どの依頼主から、いくら入り、源泉徴収された分があるかを分けて記録できるかが最初の基準です。源泉徴収されない報酬が多いほど、申告のときにまとめて納める税金が大きくなるので、1年分の売上を早めにつかんでおく必要があります。

会費や書籍、役所への交通費の支払いを、その場で記録できるか

行政書士会の会費、法令集や実務書、職印や名刺、役所や入管への電車代と、行政書士の支出は細かく何度も発生します。支払ったその場でレシートを撮り、仕事用として記録できるかを確認しましょう。依頼主のために払った印紙代や証紙代のレシートも、どの案件の分かを書き添えて残しておくと、請求のときに困りません。

週末や業務の合間に、スマホだけで申告まで終わるか

会社員のまま週末に受任する人は、平日の夜と土日しか作業の時間がありません。開業したばかりの人も、役所への申請や依頼主との面談で事務所を空けることが多く、書類作りの合間に帳簿をつける時間は限られます。記帳から申告書の作成、e-Taxでの提出までスマホだけで終わるかを確認しましょう。

立て替えた手数料や登録費用、自宅事務所の扱いを質問できる窓口があるか

「依頼主から受け取った印紙代は売上?」「行政書士会の入会金は一度に経費にできる?」「自宅の一室の家賃はどこまで経費?」。行政書士の申告には、判断に迷う点が少なくありません。チャットやLINEで質問できる窓口があると、申告の直前で手が止まることを防げます。

アプリ選びでよくある失敗

よくある失敗は次の3つです。どれも「依頼主ごとの報酬と、実費や会費の支出を分けて記録できるか」を基準に選べば避けられます。

  • 源泉徴収されない報酬を生活費と同じ口座で使ってしまい、納税の時期にお金が足りなくなる
  • 依頼主から受け取った印紙代や証紙代まで報酬に混ぜて記録し、消費税の課税売上を大きくしてしまう
  • 12月に申請を終えて翌年1月に入金された報酬を、翌年の売上にしてしまう

行政書士におすすめの確定申告アプリ4選

源泉徴収されない報酬と行政書士会の会費を、業務の合間にスワイプで分類したいならタックスナップ、補助者を雇って事務所を広げるならfreee、複数の口座やカードをまとめて管理するならマネーフォワード、パソコンでじっくり進めるならやよいの青色申告が有力です。まずは最安プラン同士の比較表で全体像をつかんでください。

スクロールできます
アプリ名スマホ完結度レシート撮影上限(最安プラン)カード・口座連携の自動仕訳月額(最安・年払い・税抜)
タックスナップ◎ 提出まで完結無制限◎ 連携明細をAIが自動仕訳・スワイプで確認するだけ980円・無料トライアルあり
freee○月5枚○ 自動で経理980円・無料お試しあり
マネーフォワード○月15件(超過は上位プランへ)◎ 連携できる金融サービスが豊富900円・無料トライアルあり
やよいの青色申告△ パソコン前提対応(上限の公表なし)○ スマート取引取込初年度無料あり

源泉徴収されない報酬と行政書士会の会費を、業務の合間にスワイプで分類したいならタックスナップ

タックスナップはスマホ完結に特化した確定申告アプリで、自宅の一室で開業した行政書士や、会社員のまま週末に受任する行政書士に向いています。依頼主ごとの報酬と、会費や書籍、交通費の支払いを1つにまとめて、業務の合間にも申告まで進められます。

おすすめポイント

  • 連携した口座の入金から、建設会社や外国人を雇う企業、相続の依頼主からの報酬をスワイプで事業の売上に仕分けでき、源泉徴収されずに満額で入った報酬と、講師料などで源泉徴収された税額を1つの申告書にまとめられる
  • 連携したカードの明細は、特許を取得した「スワイプ仕分け」(右=経費・左=プライベート)で1件ずつ切り分け=行政書士会の会費や法令集の通販も、役所の待ち時間に片づく(出典)
  • 職印や名刺、役所への交通費のレシートはカメラで撮るだけ(読み取り枚数無制限・カンタンプラン以上)。「これは経費になる?」と迷ったら「みんなはどうしてる」機能で同じ職種の判断を確認できる
  • スワイプと丸投げ仕分け(1,000件最短3秒・安心プラン以上)で、複式簿記の知識ゼロでも青色申告65万円控除に必要な帳簿と書類を作れる(白色申告の収支内訳書にも対応)
  • マイナンバーカードがあれば、申告書の作成からe-Taxでの提出(電子申告)まですべてスマホだけで完結=平日は会社に勤める週末の行政書士でも、通勤の電車で申告を進められる
  • 職種に合わせた職種特化モードで、税理士監修のAIが9割以上の精度で勘定科目を自動判定(出典)
  • 消費税の申告にも最安のカンタンプランから対応=建設会社など法人の依頼主に求められてインボイス登録をし、2割特例を使う場合も同じアプリで完結できる
  • 最安のカンタンプランは年払いで月980円(税抜・年額11,760円)。2026年確定申告期間の全29日間、App Storeランキング確定申告アプリ内1位(Sensor Tower)で、無料トライアルから始められる
  • 24時間のAIチャットに加え、LINEで専門スタッフに相談できる(カンタンプラン以上)=「自宅の一室の家賃はどこまで経費になる?」という迷いも、面談の後に聞ける
  • 登録者40万人超の税理士YouTuber・ヒロ税理士が監修した税務調査リスクチェックと、追徴課税時に利用料を全額返金する保証(安心プラン)

こんな人に向いている

  • 法人の依頼主と個人の依頼主が混ざっている
  • 自宅の一室を事務所にして登録した
  • 会社員のまま、週末に行政書士として受任している
  • 書類作りはパソコンでも、帳簿と申告はスマホで済ませたい

補助者を雇って事務所を広げるならfreee

freeeは○×の質問に答える形式で申告書を作れる、初心者向けの設計が特徴の会計ソフトです。補助者を雇う、依頼主に請求書を出す件数が増えた、行政書士法人の設立を考えているなど、事業として広げたい人、将来は法人化も考えている人に向いています。

おすすめポイント

  • ○×の質問に答えるだけで確定申告書を作成できる
  • 請求書の発行や給与計算までシリーズでそろう
  • 法人化したあとも法人向けfreee会計にデータを引き継げる

こんな人に向いている

  • 補助者を雇う、行政書士法人を設立する予定がある
  • 請求書を出す取引が多い

複数の口座やカードをまとめて管理したいならマネーフォワード

マネーフォワード クラウド確定申告は、連携できる金融機関の多さが強みです。勤め先の給与の振込口座、報酬の受け取り口座、会費や書籍の支払いに使うカードと、お金の出入り口が多い人に向いています。

おすすめポイント

  • 連携できる銀行・カード・電子マネーなど金融関連サービスが豊富
  • 家計簿アプリ「マネーフォワード ME」と組み合わせて家計と事業をまとめて把握できる
  • レポート機能で月ごとの収支を見える化できる

こんな人に向いている

  • 報酬の受け取り口座やカードが複数ある
  • 生活費と行政書士の仕事の収支をまとめて管理したい

パソコンでじっくり進めたいならやよいの青色申告

やよいの青色申告 オンラインは、会計ソフトの老舗・弥生のクラウド版です。書類作りでパソコンに向かう時間が長く、帳簿や決算書も大きな画面で確認しながら進めたい人に向いています。

おすすめポイント

  • セルフプランは初年度無料で始められる
  • 画面の大きいパソコンで決算書までじっくり作り込める
  • 老舗ならではのサポート体制(プランにより電話・チャット)

こんな人に向いている

  • 帳簿や決算書はパソコンでまとめて進めたい
  • まず無料で1年試したい

\ AppStoreの確定申告アプリで1位 /

行政書士の確定申告で注意したいポイント

行政書士の申告でつまずきやすいのは、源泉徴収されない報酬と例外・立て替えた手数料・登録費用と会費・自宅事務所の按分・売上にする時期・個人事業税と消費税・副業と扶養の7つです。順に整理します。

報酬は原則として源泉徴収されない・建築の申請や講師料は例外

行政書士の報酬は、所得税法で源泉徴収の対象として挙げられている士業(弁護士・司法書士・税理士・社会保険労務士など)に入っていないため、法人の依頼主からでも原則として満額で振り込まれます(e-Gov法令検索 所得税法204条)。所得税法施行令320条で対象に加えられている「これらに類する者」にも、行政書士の名前はありません(e-Gov法令検索 所得税法施行令320条)。

ただし、仕事の中身によっては源泉徴収されることがあります。建築に関する申請や届出の書類を作ったり、その手続を代理したりする仕事は「建築代理士」の業務に当たる場合があり、10.21%の源泉徴収の対象になりえます(国税庁 源泉徴収のあらまし 令和8年版 第5章)。企業のセミナーの講師料や原稿料も源泉徴収され、経営改善の指導の報酬も対象になることがあります。1回の支払いが100万円を超える場合、超えた部分は20.42%です。

スクロールできます
仕事の種類源泉徴収申告での扱い
許認可の申請代理、契約書や遺産分割協議書の作成などの行政書士の業務原則として引かれない受け取った報酬を売上にし、税金は確定申告でまとめて納める
建築確認など、建築に関する申請・届出の書類作成や代理建築代理士の業務に当たる場合は10.21%が引かれる引かれる前の金額を売上にし、引かれた税金は申告で精算する
企業などから受け取るセミナー・研修の講師料、原稿料10.21%が引かれる引かれる前の金額を売上にし、引かれた税金は申告で精算する
個人の依頼主(相続・遺言・車庫証明など)引かれない(行政書士の業務の報酬は対象外。講師料などでも、給与を払っていない個人は源泉徴収をしない)受け取った金額を売上にする
行政書士の報酬が仕事の種類ごとに源泉徴収されるかを示した図解

源泉徴収されない報酬は、1年分の所得税を確定申告のときにまとめて納めることになるので、入金のたびに納税の分を取り分けておきましょう。建設業や不動産の依頼主が多い人は、受ける仕事が建築に関する申請に当たらないかを、請求の前に依頼主と確かめておくと安心です。源泉徴収された報酬の記帳のしかたは、こちらの記事で解説しています。

あわせて読みたい
青色申告で源泉徴収された報酬を正しく処理する方法 ~個人事業主の会計処理と注意点を徹底解説~ フリーランスや個人事業主として青色申告を行う場合、取引先から支払われる報酬や広告料などに源泉徴収がかかることがあります。実際には受取額から所得税が差し引かれ...

印紙・証紙・登録免許税の立替は報酬と分けて受け取る

依頼主が本来納めるべき登録免許税や手数料を、それとわかる形で受け取った場合は、消費税の課税売上に含めないとされています(国税庁 消費税法基本通達10-1-4)。建設業許可や在留資格の申請手数料、車庫証明の証紙代、会社設立の登録免許税などを立て替えたら、請求書で報酬と分けて「実費」「立替金」と書いておきましょう。

一方、行政書士が自分で納めるべき印紙税や、事務所から役所までの自分の交通費を実費として請求した分は、報酬の一部として課税売上に入ります。実費という名前で請求しても、依頼主が本来納める税金や手数料でなければ扱いは変わりません。

所得税では、一般的な経理の方法として、立て替えた分を売上にも経費にも入れずに分けておく方法と、受け取った全額を売上にして払った手数料を経費にする方法があり、どちらでも所得の金額は同じです。報酬と実費を分けて受け取り、記録も分けておくと、消費税の免税の判定(課税売上1,000万円)や2割特例・3割特例の計算に実費が混ざりません。

登録費用と会費は中身ごとに扱いが変わる

登録のときに払う費用は、会費のようにその年の経費になるものと、入会金のように扱いを確かめてから記録したいものに分かれます。たとえば大阪府行政書士会では、登録審査手数料25,000円、入会金に充てる入会預かり金250,000円、登録免許税30,000円(収入印紙)、会費が月額5,500円です(大阪府行政書士会 行政書士新規登録の手引)。金額は都道府県の行政書士会によって違います。

毎月の会費は諸会費として経費になります。登録の申請のときに払う登録免許税や登録手数料、登録の前に買った名刺・職印や実務書などは、開業の準備のために特別に払った費用として「開業費」にでき、経費にする年と金額を自分で選べる場合があります(e-Gov法令検索 所得税法施行令7条・137条)。開業した後に払う登録免許税は租税公課として経費にします。

入会金は、開業費に含める考え方のほか、同業者団体への加入金として数年に分けて経費にする考え方もあります。数年に分ける費用でも20万円未満なら払った年に全額を経費にできますが、大阪府の25万円のように20万円以上になる入会金は、記録する前に税務署か税理士に扱いを確認しましょう。開業費の範囲と記帳のしかたは、こちらの記事で解説しています。

あわせて読みたい
【2026年最新版】開業費はどこまで経費にできる?開業前の支出と仕訳を解説 「開業前に使ったお金は経費にできるの?」「どこまで開業費として処理できる?」と疑問に感じている人もいるのではないでしょうか。 開業準備では、設備の購入費や広告...

自宅事務所は登録した事務所の広さで家賃を分ける

自宅の一部を事務所にしているなら、家賃や光熱費、インターネット代は、仕事で使う部分をはっきり分けられる範囲で経費にできます(国税庁 所得税基本通達45-2)。行政書士は登録の段階で居住スペースと事務所スペースを区切っているので、その床面積の割合が家賃を分ける根拠になります。たとえば60㎡の住まいのうち10㎡の部屋を事務所にしているなら、家賃の約17%が目安です。

行政書士の経費になるもの・分けて経費にするもの・ならないものを示した図解

事務所の机や鍵付きの書庫、パソコン、複合機、職印や名刺、法令集や実務書、研修費は経費にできます。10万円以上のものは原則として数年に分けて経費にしますが、青色申告なら2026年4月以後に買った40万円未満のものは、合計300万円まで一度に経費にできます(国税庁 No.2100 減価償却のあらまし)。一方、普段も着るスーツや私的な飲み会、住まいだけで使う部分の家賃は経費になりません。

売上にするのは申請や書類作りを終えた年

報酬は、入金された日ではなく、申請の代理や書類の作成などの仕事を終えた日の年の売上です(国税庁 所得税基本通達36-8)。たとえば12月に申請を終え、報酬が翌年1月に振り込まれても、申請を終えた年の売上になります。年末の時点でまだ入金されていない報酬も、その年の売上に入れます。

年をまたぐ許認可の案件で着手金を先に受け取った場合、受け取った年の売上にするか、仕事を終えた年まで前受金として持ち越すかは、契約の内容によって変わります。着手金と残金は、案件ごとに受け取った日と金額を記録しておきましょう。

個人事業税は行政書士業で5%・消費税は第五種

行政書士業は個人事業税の第三種事業に当たり、事業の所得から年290万円の事業主控除(年の途中で開業した年は月割)を差し引いた残りに税率5%がかかり、事務所のある都道府県に納めます(東京都主税局 個人事業税)。個人事業税の計算では所得税の青色申告特別控除を差し引けないので、所得税の申告書の所得をそのまま当てはめると少なく見積もってしまいます。

消費税の申告が必要になるのは、原則として2年前の課税売上が1,000万円を超えた年か、インボイス登録をした場合です。建設会社など法人の依頼主から登録を求められて登録した場合は、令和8年分までは2割特例、令和9年分・10年分は3割特例が使えます。簡易課税を選ぶと、行政書士の仕事は第五種事業(みなし仕入率50%)です(国税庁 No.6509 簡易課税制度の事業区分)。

副業は「20万円」と住民税・勤め先の規則を確認する

会社員のまま行政書士として登録し、週末に受任しているなら、給与以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。20万円以下でも住民税の申告は必要です。勤め先の就業規則で副業が認められているかを事前に確かめ、公務員の場合は兼業についての決まりを所属先に確認しましょう。

登録した年は、会費や登録費用で赤字になることもあります。副業の赤字を給与と差し引きできるのは、行政書士の仕事が事業所得と認められる場合だけです(国税庁 No.1500 雑所得)。家族の扶養に入っている人は、税金の扶養は令和8年分は合計所得62万円以下(給与だけなら年収136万円以下)が基準です(国税庁 No.1180 扶養控除・No.1191 配偶者控除・財務省 令和8年度税制改正の大綱)。

あわせて読みたい
副業が会社にバレる理由、バレた場合の処分や副業がバレにくい仕事も解説 「副業が会社にバレたらどうしよう…」と不安に思ったことはありませんか?副業を始めた多くの方が気にするのは、会社に知られるリスクです。この記事では、副業がバレる...

業務の合間に確定申告を終わらせる方法

コツは、申告期にまとめてやろうとせず、月に1回、依頼主ごとの請求と入金を突き合わせ、会費や交通費のレシートと一緒に整理しておくことです。報酬が振り込まれたら、どの案件の分か、印紙代などの実費が混ざっていないかを請求書の控えで確かめ、納税の分を取り分ける。行政書士会の会費や書籍の支払いはカード連携で自動で取り込む。12月の最後の週に、終わったのにまだ入金されていない案件を書き出しておく。これだけで、申告期には確認して提出するだけになります。

無料トライアルで口座とカードを連携してみて、報酬の入金や会費の支払いが自動で取り込まれるかを試してから決めるのが失敗しない選び方です。なお、自動連携やAIの仕訳結果をそのまま提出せず、最後にひととおり見直すのはどのアプリでも共通の基本です。

タックスナップは、依頼主ごとの報酬と、会費や書籍、交通費の支払いを1つにまとめ、申告までスマホで終えられる設計です。役所の待ち時間や通勤のスキマ時間だけで、申告の準備が回ります。

スマホで確定申告できるアプリ タックスナップ

「個人事業主・スマホ完結」に特化した確定申告アプリ

タックスナップは、日々の経費処理から確定申告書の作成・提出まで、個人事業主・フリーランスに必要な会計機能がすべてスマホで完結できるアプリです。

今までの会計ソフトは「パソコン操作」や「機能の多さ」を前提としたサービスが多かった一方で、タックスナップは「個人事業主・スマホ完結」に特化し、会計知識が全くない方でも、スキマ時間だけで確定申告が終わるように設計しています。

「初めての確定申告でも迷わずに提出できた」 「他の会計ソフトから乗り換えて、圧倒的にラクになった」 といった嬉しいレビューもいただいています。

特許取得!スワイプするだけで仕分け完了

App Store確定申告アプリランキング1位を獲得

ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。

2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード

意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。

外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

10分間あたりの平均経費処理件数は、他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピード

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)

速さの秘訣は丸投げ仕分け

タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。

銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。

「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

業界最速!税理士監修の丸投げ仕分けでは、1000件の経費処理が最短3秒

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心

「本当にこの内容で提出して大丈夫?」という不安を解消するために、税理士監修の「税務調査リスクチェック機能」があります。

あなたのデータをもとに、同じ職種の人の傾向と比べながら、税務調査が入りやすいかをアプリが診断します。

修正するべき内容も表示されるので、事前に修正し、安心して提出できます。

登録者40万人YouTuber・ヒロ税理士が監修。ぜいもう調査リスクチェック

タックスナップは、確定申告をできるだけ簡単に、かつ安心して提出できるようにサポートするアプリです。 無料トライアルも行っているので、まずはその快適さを体験してみてください。

まとめ

行政書士の確定申告は、「事務所に雇われて年末調整を受けているなら不要、自分の名前で受任したら自分で申告する」「報酬は原則として源泉徴収されないので、納める税金の分を自分で残しておく」「依頼主のための印紙代や証紙代は、報酬と分けて受け取り、分けて記録する」の3点を押さえれば怖くありません。申請書の添付書類を1つずつ確かめるように、報酬と経費も1件ずつ記録していけば、申告はきちんと形になります。

あわせて読みたい
【タイプ別】個人事業主におすすめの確定申告アプリ(会計ソフト)4選|タックスナップ・freee・マネー... 「確定申告アプリ・会計ソフトってたくさんあるけど、結局どれが一番良いの?」そう思って検索したものの、情報が多すぎて逆に混乱していませんか? 会計のことが詳しく...

よくある質問

Q. 行政書士事務所に勤めていても確定申告は必要ですか?

1か所に勤めて年末調整を受けているなら、原則不要です。自分の名前で受任した報酬があり、給与以外の所得が20万円を超えた場合は申告が必要です。

Q. 開業した行政書士は、いくらから申告が必要ですか?

令和8年分は、所得が基礎控除の104万円などの合計を超えたら必要です。所得は、受け取った報酬から会費や事務所の家賃、交通費などの経費を引いた金額です。

Q. 行政書士の報酬から源泉徴収しなくていいのですか?

行政書士の報酬は、原則として源泉徴収の対象ではありません。ただし、建築に関する申請や届出の書類作成・代理は建築代理士の業務に当たる場合があり、源泉徴収の対象になりえます。

Q. 建築確認の申請代理の報酬から税金が引かれていました。

建築代理士の業務に当たる場合は、10.21%が源泉徴収されます。引かれる前の金額を売上にし、引かれた税金は確定申告で差し引きます。支払明細を保存しておきましょう。

Q. セミナー講師の謝礼から税金が引かれていました。

企業などから受け取る講師料は、10.21%が源泉徴収されます。行政書士の業務の報酬と同じく売上に入れ、引かれた税金は確定申告で精算します。

Q. 依頼主から受け取った印紙代や証紙代は売上ですか?

依頼主が本来納める手数料などを報酬と分けて受け取れば、消費税の課税売上には入りません。所得税では、売上にも経費にも入れない方法と、売上にして払った分を経費にする方法があり、どちらでも所得は同じです。

Q. 交通費を実費として請求した分はどう扱いますか?

事務所から役所までの自分の交通費は、実費として請求しても報酬の一部として売上になります。消費税の課税売上にも入り、実際に払った交通費は経費にします。

Q. 行政書士会の入会金は経費になりますか?

経費になりますが、一度に経費にできるかは扱い方によって変わります。開業費に含める考え方と、同業者団体への加入金として数年に分ける考え方があるので、20万円以上の入会金は税務署か税理士に確認しましょう。

Q. 毎月の行政書士会の会費は経費になりますか?

行政書士の仕事を続けるための会費なので、経費にできます。会費は数か月分をまとめて前払いすることが多いので、払った日と対象の期間を記録しておきましょう。

Q. 登録前に買った実務書や職印は経費になりますか?

開業の準備のために特別に買ったものなら、開業費として経費にできる場合があります。買った日と、開業の準備のためだったことがわかる記録を残しておきましょう。

Q. 自宅の一室を事務所にしています。家賃は経費になりますか?

事務所として使う部屋の広さの割合で分けた、仕事の分だけ経費にできます。登録の申請で書いた事務所スペースの面積が、割合を説明する根拠になります。

Q. バーチャルオフィスで登録できますか?

東京都行政書士会では、バーチャルオフィスは事務所として認められていません。基準は都道府県の行政書士会によって違うので、登録先の会に確認しましょう。

Q. 12月に終えた申請の報酬が翌年に入金されました。いつの売上ですか?

申請を終えた年の売上です。年末の時点で入金されていなくても、その年の売上に入れ、翌年の入金のときに受け取った記録をつけます。

Q. 着手金はいつの売上にしますか?

受け取った年の売上にするか、仕事を終えた年まで持ち越すかは、契約の内容によって変わります。返す決まりがあるかなど契約書の内容を確認し、迷ったら税務署に相談しましょう。

Q. 個人事業税はかかりますか?

事業の所得が年290万円を超えると、かかります。行政書士業は第三種事業で税率5%で、計算では青色申告特別控除を差し引けません。

Q. インボイス登録は必要ですか?

登録は任意ですが、建設会社など法人の依頼主から求められることがあります。相続や車庫証明など個人の依頼主が中心なら影響は小さめです。登録すると消費税の申告が必要になり、令和8年分までは2割特例、令和9年分・10年分は3割特例が使えます。

Q. 副業がばれることはありますか?

確定申告をすると住民税の金額が変わるため、給与から住民税を天引きしている勤め先が気づく可能性はあります。まずは就業規則で副業が認められているかを確認してください。

Q. 登録した年が赤字でも申告したほうがいいですか?

青色申告なら、事業の赤字を翌年以後3年間繰り越せるので、申告しておくのがおすすめです。会社員の副業の場合、赤字を給与と差し引きできるのは事業所得と認められる場合だけです。

Q. 補助者を雇ったら何が変わりますか?

給与を払うと源泉徴収義務者になり、給与と税理士などへの報酬から所得税を差し引いて納めることになります。税務署に給与支払事務所等の開設届出書を出し、家族を補助者にする場合は青色事業専従者給与の届出も確認しましょう。

Q. 開業届は出すべきですか?

自分の名前で行政書士の仕事を始めるなら、開業届を出すのが原則です。青色申告承認申請書とセットで出せば、最大65万円の特別控除が使えるようになります。登録の完了を待つ間に申請の期限を過ぎないよう、開業日を決めたら2枚まとめて出しましょう。

あわせて読みたい
【2026年版】個人事業主向け開業届の出し方|提出方法・提出先・期限を徹底解説 この記事のポイント 開業届の提出先は、納税地(自宅か事業所の住所)を所轄する税務署 出し方は窓口・郵送・オンラインの3つ 提出期限は開業した年分の確定申告期限(...

Q. 今使っている会計ソフトからデータを移行できますか?

できます。たとえばタックスナップはfreee・マネーフォワード・弥生・PayPayからのデータ移行に対応しています。年初から新しいアプリで始めるか、申告前に前年分をまとめて移すのがスムーズです。

目次