フリーランスや一人親方など個人事業主として車を利用している場合、仕事で使う分は経費として計上することができます。ただし、プライベートと兼用する場合や車両の購入費用の扱いなど、押さえておくべきルールは意外と多いものです。特に白色申告は「青色申告に比べて制限が多い」と耳にしたことがあるかもしれませんが、正しい知識を持っていれば、必要以上に不利になることはありません。この記事を参考に、車の費用を正しく経費にして、上手に節税を図りましょう。
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【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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白色申告でも車は経費にできる?基本的な考え方
仕事に使用した分だけを経費計上~プライベートとの混在時は家事按分が必須
白色申告とは、開業届を出して個人事業主として活動している人が比較的手軽に利用できる申告形態です。車の維持費や購入費用も、「事業のために使った割合」に応じて経費に算入できます。たとえば、営業活動で車を使う、商品を配達する、といった明らかに業務目的の利用はもちろん経費になります。ただし、私用で使う割合がある場合は「家事按分(家事関連費の分割)」が必要となり、事業用に当たる比率だけを計上しなければなりません。
家事按分の基準としては、実際に業務で使用する距離や時間を合計し、それを車全体の走行距離や利用時間で割った割合を導く方法が一般的です。公私混同を避けるためにも、ガソリン代や保険料の領収書を保管し、走行距離などをメモしておくことが大切です。白色申告であっても、いい加減な数値ではなく、合理的な根拠を示すことで正しく経費化できる可能性が高まります。

白色申告における車関連費用の具体例
ガソリン代・保険料・修理費など~ただし名義や使用目的、家事按分に注意
白色申告の個人事業主が車を経費にできる費用としては、次のようなものが挙げられます。
- ガソリン代・ETC料金
仕事の外出や配達で車を使ったときの燃料費や高速道路料金などは、事業利用分のみ計上できます。 - 駐車場代
事務所兼自宅の駐車場や、出先でのコインパーキングなど、事業利用分があれば経費として計上可能です。 - 自動車保険料(任意保険・自賠責保険)
車の名義が本人(または生計を一にする親族)で、事業のために使っている場合は、保険料も家事按分の上、事業利用分を経費にできます。 - 車検代・修理代・洗車費用
業務で使用している車の整備費用や修理費用なども同様です。ただし、プライベートで使用している部分があれば、そこは除外して按分します。
名義が本人以外の場合や、公私混同が疑われるような場合は税務調査で否認されるリスクもあります。領収書や契約書の保管に加えて、具体的な使用状況の記録が重要です。

車の購入費用はどう計上する?減価償却の考え方
一括経費は不可!新車と中古車で耐用年数が変わり、初年度の償却額も異なる
車を購入した場合、その金額をすべて購入年に経費として計上することはできません。車は「固定資産」と見なされるため、数年(耐用年数)にわたって減価償却を行い、毎年少しずつ経費化するのが原則です。国税庁の定める「法定耐用年数」によると、新車の場合は基本的に6年、中古車は2年から4年程度となることが多いです。ただし、具体的な耐用年数は車種や使用状況によって異なるため、国税庁の表を確認しながら計算します。
減価償却の計算方法としては、同額を年ごとに配分する「定額法」と、初年度や前半に償却額が多くなる「定率法」の2種類があります。どちらを選ぶかは自分の事業や会計ソフトの対応状況などと照らし合わせて決定しますが、一度選択すると後で変更する際に手続きが必要となるため、じっくり検討することが大切です。また、青色申告と異なり、白色申告には30万円未満の少額減価償却資産に対する特例が適用されない場合が多い点に注意しましょう。
家事按分で経費にするときの注意点
合理的な割合を示し、公私混同とみなされないように領収書や記録を丁寧に保管
車の経費を家事按分で計上する場合、私用と事業用の割合を明確にする必要があります。例えば、1カ月で1,000km走行し、そのうち仕事で700kmを走ったなら70%を事業利用とする考え方も可能です。また、週5日間は仕事で使い、週末は私用にしか使わない場合には、日数比率で算出するといった方法もあります。
いずれにせよ、いい加減な推定や「ざっくり半分」といった計上方法はあとで疑われるリスクが高いです。走行距離の記録や、取引先への訪問ルート、日々のスケジュールなどを記帳したり、ガソリン代の領収書にメモを書いておくなど、根拠を示せる工夫を日頃から行いましょう。白色申告でも最低限の帳簿付けは義務化されており、家事按分の根拠を裏付けるデータは税務調査時の大きな助けになります。

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まとめ
白色申告の個人事業主が車を事業で使う場合、ガソリン代や保険料、修理費用などを経費に計上できます。ただし、プライベートと併用しているときは家事按分で使用割合を割り出す必要があり、根拠のない計上や曖昧な比率は税務調査で指摘を受けるリスクがあります。
車両を購入した場合は一括で経費化できないため、減価償却のルールを理解して数年かけて計上する形になります。青色申告ほどの特例はないものの、正しい手続きと記録管理を行えば、白色申告でもしっかりと車の経費を計上し、余計な税負担を減らせるはずです。帳簿付けや領収書の保存を習慣づけて、納税時のトラブルを回避しながら賢く節税を実現しましょう。
タックスナップは、簡単さと安心感を兼ね備え、フリーランスや個人事業主の経理・確定申告をサポートする強力な会計ツールです。スワイプで手軽に取引を仕分けし、自動仕分けで更に効率を追求。税務調査リスクチェックで安心感を高め、スマホ一台で提出まで完結できる便利さで、経理のストレスを大幅に軽減します。他会計ソフトからの乗り換えも簡単なので、今すぐ試してみる価値があります。
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よくある質問
Q1: 白色申告だと車の経費があまり認められないって本当?
白色申告でも、事業目的で使った分は適切に経費にできます。ただし、青色申告ほどの節税特典(例えば30万円未満の資産を一括経費化できる特例など)は受けにくいのは事実です。また、家事按分での計上が中心になるため、公私混同を避けるための記録管理がより重要になると言えるでしょう。
Q2: 家族名義の車でも経費にできますか?
車の名義が同一生計の家族であれば、実質的に本人が事業に使っている場合には経費計上が可能と考えられています。ただし、契約書や保険の契約形態、実際の利用実態などによっては否認されるケースもあります。できるだけ本人名義に変更するか、家族名義のままでも事業利用の根拠を明確に示せるように書類を整備しておくことが望ましいでしょう。
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