この記事のポイント
- 開業届とは、個人で事業を始めたことを税務署に知らせる書類
- 作成方法は手書きとオンライン開業届サービスの2通り
- 開業届の記入項目は大きく分けて13項目、番号順に埋めれば完成
- 質問に答えるだけで開業届が作成できるオンライン開業届サービスがおすすめ
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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開業届とは?
開業届とは、個人で事業を始めたことを税務署に知らせる書類です。継続的に稼ぐなら提出が必要で、正式名称は「個人事業の開業・廃業等届出書」といいます。
また、開業届の提出期限は、事業の開始等の事実があった日の属する年分の確定申告期限までです。例えば、2026年に開業した場合は、2026年分の所得税の確定申告期限である2027年3月15日までに提出します。
開業届の作成方法
開業届の作り方は、「自分で作成する方法」と「オンライン開業届サービスで自動作成する方法」の2種類があります。
自分で作成する場合
自分で作成する場合は、税務署の窓口や国税庁のWebサイトから開業届をダウンロードして、手書きまたはパソコンで記入します。
手書きで作成する場合は、提出する開業届と控えの2枚を作成し保管する必要があるので注意しましょう。また、e-Taxを利用すれば、オンラインでの作成・提出も可能です。
【おすすめ】オンライン開業届サービスを使用する場合
開業届のオンライン開業届サービスを利用すると、画面の案内に沿って必要事項を入力するだけで開業届を作成できます。スマートフォンやパソコンから手続きできるため、初めて開業届を提出する方でも比較的スムーズに進められます。
様々なオンライン開業届サービスがありますが、できるだけ手間をかけずに開業届を提出したい場合は、完全無料で利用できる「タックスナップ開業届」がおすすめです。
開業届の書き方
開業届の記入項目は全部で13個あります。まずは全体像を一覧で確認しましょう。

提出先・納税地・氏名など基本項目(①〜④)
①〜④は案内どおりに書けば迷いません。提出先は納税地を管轄する税務署名、提出日は実際に出す日を記入します。
納税地には自宅の住所・郵便番号・電話番号を書き、自宅以外に事業所がなければ③は空欄で問題ありません。④には氏名(フリガナ)・生年月日・マイナンバーを記入します。
迷いやすい「職業」欄の書き方(⑤)
職業欄には、仕事の内容が伝わる具体的な職業名を書きます。「飲食業」「小売業」「美容業」のようにシンプルでも、「Webデザイナー」「ライター」のように具体的でもかまいません。
任意で付けられる「屋号」(⑥)
個人事業主にとって屋号の登録は必須ではなく、付けるかどうかは自由です。屋号を付けない場合は、開業届の屋号欄を空欄のままでも問題ありません。
一方で、個人名ではなく屋号を用いて事業活動を行うことで、さまざまなメリットがあります。例えば、事業内容を取引先や顧客に伝えやすくなったり、屋号名義の銀行口座を開設できたりする点が挙げられます。
届出の区分・所得の種類・開業日(⑦⑧⑨)
新規開業なら、区分は「開業」、所得の種類は「事業所得」を選ぶのが基本です。
⑧の所得の種類は、不動産賃貸がメインなら「不動産所得」、それ以外の事業は「事業(農業)所得」を選びます。
⑨の開業日は、店舗のオープン日や事務所を構えた日など、自分が事業を始めたと考える日で問題ありません。
事業所等の新増設・届出書の提出の有無(⑩⑪)
⑩の「事業所等の新増設等」は、開業時には記入不要です。すでにある事業所を移転・増設したときに使う欄なので、これから開業する場合は空欄で問題ありません。
⑪では、青色申告承認申請書や課税事業者選択届出書を一緒に出すなら「有」にチェックを入れます。
「事業の概要」欄の書き方(⑫)
事業の概要には、職業欄の内容を一歩具体的にした説明を書きます。第三者が読んでも仕事内容がわかる程度で十分です。
| 職業欄 | 事業の概要の記入例 |
|---|---|
| 飲食業 | 居酒屋の経営 |
| Webデザイナー | Webサイトのデザイン制作、Web広告の作成 |
| システムエンジニア | システムの設計、プログラミング、保守対応 |
| 小売業 | 衣料品のネット販売 |
給与等の支払の状況(⑬)
従業員や家族を雇って給与を払う場合だけ、⑬を記入します。
家族が手伝うなら「専従者」、それ以外の従業員は「使用人」の欄に人数を書きます。給与の定め方(月給・日給など)と源泉徴収の要否を選べば完了です。給与が月8万8,000円以上だと源泉徴収が必要になり、「税額の有無」は「有」になります。
誰も雇わないなら、この欄は空欄のままで構いません。
自分で全部書くのが大変なら、オンライン開業届サービスがおすすめ
開業届の記入項目は13個と多く、用語を調べながらすべてを自分で書くのは、初めてだとそれなりに手間がかかります。記入の負担を減らしたいなら、質問に答えるだけで作れるオンライン開業届サービスを使うのがおすすめです。
ただ、オンライン開業届サービスはいくつもあり、どれを選べばいいか迷う方も多いと思います。料金や対応書類、スマホで完結できるかどうかなどを比べて選びたい場合は、主要なサービスを横並びで比較した次の記事が参考になります。

開業届の提出方法
開業届の提出方法は 窓口・郵送・オンライン の3つです。
| 方法 | 特徴 |
|---|---|
| 窓口 | 税務署で直接提出。職員に相談しながら手続きできる。 |
| 郵送 | 税務署へ行かずに提出できる。 |
| オンライン | 24時間提出可能。e-Taxやオンライン開業届サービスを利用する。 |
窓口で提出
- 税務署で直接提出する方法
- 書き方が不安な場合は職員に相談できる
- 受付時間は平日8:30~17:00
- 控えが必要な場合は自分でコピーを保管する
郵送で提出
- 税務署へ行く必要がない
- 控えは自分でコピーを取って保管する
オンラインで提出
- 24時間いつでも提出可能
- 方法は次の2つ
- e-Taxを利用する
- 公式システムなので登録は不要
- オンライン開業届サービスを利用する
- 質問に答えるだけで書類を作成できる
- 電子提出までできるサービスもある
- e-Taxを利用する
なお、2025年1月以降は、申告書等の控えに対する収受日付印(受付印)の押印が廃止されています。そのため、窓口や郵送で提出する場合は、自分で控えをコピーして保管し、提出日を記録しておきましょう。
一方、オンラインで提出した場合は、受信通知を控えとして保存できます。
詳しい開業届の提出方法については、こちらの記事をご覧ください。
まとめ
開業届は、個人で事業を始めたことを税務署へ届け出るための重要な書類です。提出自体は難しくありませんが、職業や事業の概要、開業日など迷いやすい項目もあるため、記入内容をよく確認しておくことが大切です。
作成方法は、国税庁の様式を使って自分で記入する方法と、オンライン開業届サービスを利用する方法があります。初めて開業する方や手続きをスムーズに進めたい方は、質問に答えるだけで作成できるツールがおすすめです。
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スマホだけ・最短5分で提出まで完了
質問に答えていくだけ、最短5分で開業届が完成します。あとはマイナンバーカードをかざすだけで電子提出まで完了。別アプリのインストールもいりません。

青色申告承認申請書も同時に出せる
開業届と同じ流れで、青色申告承認申請書も一緒に作成・提出できます。最大65万円の青色申告特別控除など、節税につながるメリットも大きいので、この機会に出しておくのがおすすめです。
開業届から確定申告まで、同じアプリで
開業のときに入力した情報は、その後の記帳や確定申告にそのまま引き継がれるため、開業後の会計処理もスムーズに進められます。 「スワイプ仕分け」など、スマホに特化した直感的な操作が特徴で、外部の調査では他会計ソフトの約4倍の速さで経費処理ができるという結果も出ています(参考)。
2026年の確定申告期間には、大手会計ソフトも含めた確定申告アプリのApp Storeランキングで全期間1位を獲得しました。(参考)

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開業届の作成・提出は完全無料です。確定申告に向けた機能を使う場合も無料トライアルから始められ、費用が発生する前にキャンセルすることもできます。
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よくある質問
Q. 開業届を出さないとどうなりますか?
提出しなくても罰則はありません。ただ、青色申告の控除や屋号付き口座の開設、補助金申請などで開業届の控えが必要になる場面があるため、事業を続けるなら出しておくのがおすすめです。
Q. 開業届はどこでもらえますか?
国税庁のWebサイトから無料でダウンロードするか、税務署の窓口で受け取れます。アプリ・ソフトで作成する場合は、様式を入手する手間そのものがいりません。
Q. 職業欄には何を書けばいいですか?
仕事の内容が伝わる具体的な職業名を書きます。「飲食業」「美容業」のような業種でも、「Webデザイナー」のような職種でもかまいません。
Q. 開業届を出せば青色申告できますか?
開業届だけでは青色申告はできません。別途「青色申告承認申請書」の提出が必要で、期限は原則その年の3月15日(1月16日以降の開業は開業日から2か月以内)です。開業届と同時に出しておくと確実です。
Q. 開業届の提出に費用はかかりますか?
かかりません。様式のダウンロードも提出も無料です。
Q. 収入がまだなくても開業届は必要ですか?
収入がなくても事業を開始した時点で開業届を提出する必要があります。提出しなくても罰則はありませんが、青色申告などの節税メリットを受けられなくなるほか、補助金・助成金の申請でも不利になることがあります。

