個人事業主で年末調整が必要な場合とは？いつまでにすればいいのか、やり方を解説

2025年6月30日

「個人事業主だから年末調整は関係ない」と思われがちですが、実際には本業とは別に給与所得がある、あるいは従業員を雇っている場合など、年末調整が必要になるケースがあります。手続きを怠ると源泉所得税の過不足が発生し、追徴や還付の手間が増えるだけでなく、従業員への信頼にも影響します。ここでは年末調整が必要となる条件から、期限内に完了させるための実務ステップまでを確認していきましょう。

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そもそも年末調整とは？

年末調整は、給与や賞与から毎月天引きしてきた源泉所得税と、その年の確定税額との差額を１２月の給与計算で清算する手続きです。扶養控除や保険料控除、住宅ローン控除（初年度除く）などを反映させて正しい税額に調整します。

確定申告との違いとは？

確定申告は、事業所得・給与所得・不動産所得など年間すべての所得を合算して税額を確定させる自己申告手続きです。年末調整を済ませた給与所得については再計算の必要がなく、事業所得等と合算して最終的な所得税を確定させます。

個人事業主で年末調整が必要な場合とは？

給与所得がある場合

副業として個人事業を営みながら会社員として給与を受け取っている場合、原則として勤務先が年末調整を行います。ただし２か所以上から給与を得ているときは、いずれか一つの給与を「主たる給与」として年末調整し、残りは確定申告で精算します。

給与所得とは？

雇用契約に基づき会社から支払われる賃金や賞与が該当します。業務委託契約で受け取る報酬は事業所得や雑所得となり、年末調整の対象外です。

従業員を雇っている場合

個人事業主が従業員に給与を支払っている場合、事業主自身が「給与支払者」として従業員の年末調整を行う義務が生じます。正社員だけでなく、週の労働時間や契約期間に応じて源泉徴収義務があるパートやアルバイトも対象になるため注意が必要です。

年末調整のスケジュールは？

１０月～１１月に従業員へ扶養控除等申告書・保険料控除申告書などを配布し、必要事項を記入してもらいます。１２月の給与計算時点で各種控除額を反映し、納め過ぎた税金を還付または不足分を徴収します。調整が終わったら翌年１月３１日までに源泉徴収票を従業員へ交付し、同日までに給与支払報告書を市区町村へ提出します。

年末調整に必要な書類は

従業員が提出する「扶養控除等申告書」「保険料控除申告書」「基礎控除申告書」のほか、保険料の控除証明書や住宅ローン残高証明書などが必要です。

従業員に対してする年末調整の場合

提出された申告書の内容を給与計算ソフトまたは会計ソフトに反映し、１２月分給与で調整税額を確定させます。調整後の源泉所得税は翌年１月１０日までに税務署へ納付します（納期の特例を利用している場合は１月２０日）。

年末調整のやり方とは

まず、月次の給与データを確定させたうえで控除額を集計し、税額表または税額計算システムで年税額を計算します。その後、月ごとの天引き税額合計と差し引きし、還付または追徴額を算出。最終的に源泉徴収票を作成し、本人へ交付すれば完了です。複数の従業員がいる場合は、それぞれの申告内容を確認し、控除漏れや重複計上がないかをチェックすることが重要です。

よくある間違いと注意点

配偶者や扶養親族の所得見積りが甘く控除過大となるケース、保険料控除証明書の添付漏れ、複数の勤務先で二重に年末調整を行ってしまうケースが典型的なミスです。また、１２月中に退職した従業員の年末調整を忘れると源泉徴収票の発行義務にも抵触します。控除証明書や退職届が提出され次第、迅速にデータ反映する体制を整えましょう。

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まとめ

個人事業主でも給与所得がある、あるいは従業員に給与を支払う場合には年末調整の義務が発生します。１０月以降に必要書類を集め、１２月給与で清算し、翌年１月までに源泉徴収票と給与支払報告書を提出する流れを押さえておきましょう。タックスナップの自動仕訳と年末調整機能を活用すれば、控除計算や書類作成の手間を最小限に抑え、本業に集中できます。

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