準確定申告は、相続手続きの一環として行う、亡くなった方の税金に関する重要な手続きです。この申告には期限があるため、迅速かつ正確な対応が求められます。しかし、「準確定申告」という言葉に馴染みのない方も多く、何から手を付ければ良いのか分からない場合も少なくありません。本記事では、準確定申告の意義や具体的な流れ、必要書類、そして注意点を詳しく解説します。
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【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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準確定申告とは
準確定申告とは、亡くなった方の所得税と復興特別所得税を、相続人が代わりに申告する制度のことです。この制度は所得税法第125条に基づいており、相続人全員が共同で申告する必要があります。
申告の目的:亡くなった方が支払うべき所得税を確定し、未払いの税金を納付または還付申請を行うこと。
対象税目:所得税および復興特別所得税。
確定申告との違い
確定申告は、個人が自分の年間所得を申告するものですが、準確定申告は亡くなった方に代わり相続人が行う点で異なります。準確定申告では、以下の点が特に重要です:
申告期限:亡くなった日の翌日から4か月以内。
申告義務者:相続人全員が連署で申告する必要があります。

相続税申告との違い
相続税申告は、遺産にかかる税金を申告するもの。一方、準確定申告は亡くなった方の生前の所得に関する税金を対象とします。この二つは目的も内容も異なるため、同時期に両方を対応する必要がある場合、混同しないよう注意が必要です。
準確定申告が必要な方
亡くなった方が生前に確定申告をしていた場合
自営業、フリーランス、不動産収入を持つ方など、確定申告が義務付けられていた方が亡くなった場合、準確定申告が必要です。これには、以下のケースが含まれます:
不動産賃貸収入がある方
株式の配当所得がある方
個人事業主やフリーランスの方
その他
亡くなった方が退職所得を受け取った場合や、住宅ローン控除や医療費控除を申請する予定だった場合も、準確定申告が必要です。たとえば以下の状況があります:
退職所得:退職金が発生している場合、その税金計算も準確定申告に含まれます。
控除の申請:医療費控除や住宅ローン控除の還付申請が必要な場合も該当します。

準確定申告が不要な方
亡くなった方が会社員・パート・アルバイトの場合
給与所得者で、所得税が源泉徴収により清算済みの場合は、準確定申告が不要な場合があります。ただし、以下の条件に当てはまる場合は申告を検討してください:
還付申告を希望する場合
年末調整で控除を申請しなかった場合
その他
所得が一定額以下で、そもそも確定申告が不要だった方も準確定申告は不要です。たとえば
年間所得が所得税の課税最低限額以下だった場合。

準確定申告をすればお得な方
準確定申告を行うことで、税金の還付を受けられる可能性があります。以下の控除が適用される場合は特に注意が必要です:
医療費控除
生前に高額な医療費を支払っていた場合、その一部が控除されるため、還付金を受け取ることができます。
住宅ローン控除
被相続人が住宅ローン控除の対象者であった場合、控除を受けることで税金を軽減できます。
雑損控除
災害や盗難に遭った場合、その損害額を控除として計上できます。
準確定申告の申請方法
相続人全員に準確定申告の必要性を告知
準確定申告は、相続人全員が連署で行う必要があります。そのため、早期に全員で話し合い、申告手続きを誰が主導するかを決める必要があります。
必要書類を準備
準確定申告には多くの書類が必要です。以下を用意してください:
確定申告書B
被相続人の所得状況に応じて記入します。
亡くなった方の源泉徴収票
勤務先や金融機関から取得します。
控除証明書
生命保険料控除証明書や地震保険料控除証明書など。
所得税及び復興特別所得税の確定申告書付表
必要な付表を記入して添付します。
委任状
相続人の代表者が申告する場合、他の相続人の委任状が必要です。
本人確認書類
申告者のマイナンバーカード、運転免許証の写し。
その他
戸籍謄本や死亡届の写しなど、相続人であることを証明する書類。
税務署に申告
必要書類を整えたら、被相続人の住所地を管轄する税務署に提出します。郵送での申告も可能ですが、窓口で確認を受けると安心です。
よくある間違いと注意点
期限を過ぎる
準確定申告は亡くなった日の翌日から4か月以内に行う必要があります。期限を過ぎると延滞税が発生します。
控除漏れ
医療費控除や住宅ローン控除を忘れると還付金が減少します。
書類の不備
提出書類に不備がある場合、申告が受理されないことがあります。
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まとめ
準確定申告は、亡くなった方の未処理の税務手続きを引き継ぐ重要なプロセスです。申告期限や必要書類を正確に把握し、迅速に対応することでスムーズに進められます。控除の活用で還付金を受け取るチャンスもありますので、しっかり準備を進めましょう。
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よくある質問
準確定申告の期限は?
亡くなった日から4か月以内です。
還付金を受け取るには?
正確に書類を記入し、税務署に申告することで受け取れます。
確定申告の期限は?
通常の確定申告は翌年2月16日から3月15日までです。
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