白色申告を行う個人事業主に確定申告時のメリットとデメリットや青色申告との違いを解説

そもそも確定申告とは？

確定申告とは、1年間の所得（収入−経費）を税務署に申告し、納める税金の額を確定させる手続きのことです。給与をもらう会社員は通常、勤務先が年末調整を行ってくれますが、個人事業主や副業で一定以上の所得がある人は、自ら確定申告を行う必要があります。

年末調整と確定申告の違いとは

年末調整は、会社員の所得税を会社がまとめて精算してくれる仕組みです。一方で確定申告は、会社に属していない人や、給与以外の収入がある人が、自分で所得や経費を計算し、税額を申告・納付する手続きです。

確定申告で申告する所得の考え方とは

確定申告においては、「所得＝収入−必要経費」で算出されます。この所得をもとに所得税が計算されるため、収入を得たら経費もしっかり記録しておくことが、納税額を適正に抑えるポイントになります。

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青色申告と白色申告の違いとは

確定申告には「青色申告」と「白色申告」の2種類があります。この2つの申告方法は、控除の有無や帳簿付けの難易度、提出までに必要な手続きなどに違いがあります。どちらを選ぶかによって、税金の負担や日々の記帳作業の手間が大きく変わるため、自分の事業スタイルや収入に合った申告方法を選ぶことが大切です。

まず、最大の違いは「税制上の優遇措置の有無」です。青色申告では、複式簿記による帳簿を作成し、電子申告など一定の条件を満たすことで、最大65万円の特別控除を受けることができます。さらに、赤字を翌年以降に繰り越して利益と相殺できる「損失の繰越控除」や、家族に支払った給与を経費として計上できる「専従者給与」など、税金を抑えるための制度が多く用意されています。

一方の白色申告は、これらの控除制度が使えないという制約があります。節税面では不利になりますが、帳簿の作成が比較的簡単で、複式簿記を学ぶ必要もありません。また、青色申告とは異なり、「青色申告承認申請書」の提出といった事前の手続きも不要なため、確定申告が初めての人や、副業などで収入がそこまで多くない人には取り組みやすい方法といえるでしょう。

白色申告のメリット

白色申告は、記帳や手続きのハードルが低いため、初めて確定申告を行う個人事業主にとって取り組みやすい選択肢です。複式簿記などの専門知識がなくても対応でき、帳簿も簡易的な形式で問題ありません。青色申告のように「事前の承認申請」も不要なので、開業届を出していればその年からすぐに申告が可能です。

白色申告のデメリット

一方で、白色申告には青色申告のような特別控除がないため、結果的に納税額が高くなる可能性があります。青色申告では最大65万円の控除が受けられることを考えると、白色申告のままでいることが不利に働くケースも。一定の収入が見込まれる場合や、今後事業規模を広げたいと考えている人には、将来的な青色申告への移行を検討する価値があります。

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白色申告のやり方とは

白色申告は手続きが比較的シンプルで、必要書類をそろえて税務署に提出するだけで完了します。

白色申告での必要書類

確定申告時には、以下の書類を準備します。

• 確定申告書B（所得税の申告に必要）
  
• 収支内訳書（白色申告用の売上・経費の内訳）
  
• マイナンバーカードまたは通知カード＋本人確認書類
  
• 必要に応じて、医療費控除や保険料控除などの証明書類
  

収支内訳書とは？

収支内訳書は、白色申告をする際に提出する帳簿の代わりとなる書類で、1年間の売上・経費・利益などを記載します。簡易的な形式ではありますが、きちんと記録しておかないと数字が合わなくなり、申告に支障をきたすため、日々の記帳は重要です。

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よくある間違いと注意点

白色申告では帳簿付けが簡単な分、「なんとなくの記録」で済ませてしまい、経費の漏れや記入ミスが発生しやすくなります。また、青色申告のように専従者給与や赤字繰越などの特典が使えないことに気づかず、節税チャンスを逃すケースも多く見られます。

もう一つ注意すべきなのは、「確定申告は売上がある人だけが対象」と誤解してしまうこと。実際は、所得が48万円を超える場合や、住民税の申告が必要な場合もあるため、所得の金額を正確に把握した上で判断することが大切です。

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まとめ

白色申告は、これから事業を始める人や、帳簿付けに慣れていない個人事業主にとって、取り組みやすい申告方法です。ただし、特別控除や各種優遇制度がない分、青色申告に比べて節税効果は限定的です。

今後の収入増加や事業拡大を見据えるなら、白色申告から青色申告への切り替えも視野に入れるべきです。タックスナップのような会計ツールを活用すれば、申告作業を効率化しつつ、青色申告への移行準備もスムーズに行えます。

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よくある質問

確定申告の期限はいつからいつまで？

例年、2月16日から3月15日までが提出期間です。休日の場合は翌平日になることもあります。

確定申告を忘れた場合どうなるの？

無申告加算税や延滞税などのペナルティが課される可能性があります。気づいた時点で早めに申告すれば、ペナルティを最小限に抑えられます。

白色申告が向いている個人事業主はどんな人？

開業したばかりの人、収入がそれほど多くない人、帳簿作成が不慣れな人には白色申告が向いています。一方で、節税メリットをしっかり活かしたい方は、将来的に青色申告に切り替えることをおすすめします。