【2026年最新版】売上ゼロの個人事業主も確定申告は必要?申告する4つのメリット

「売上がまったくない年でも確定申告は必要なの?」「赤字なら申告しなくてもいい?」「申告するメリットはある?」と疑問に思っていませんか。

結論からいうと、売上ゼロの個人事業主でも、状況によっては確定申告をすることでメリットがあります。事業のために使った経費があれば赤字として申告でき、青色申告の場合はその赤字を翌年以降に繰り越せる可能性があります。また、確定申告によって所得を証明できるため、融資や各種手続きで役立つケースもあります。

一方で、売上も経費もなく所得が発生していない場合は、必ずしも確定申告が必要とは限りません。ただし、住民税や国民健康保険への影響もあるため、「売上ゼロだから何もしなくていい」とは限らない点に注意が必要です。

この記事では、売上ゼロの個人事業主が確定申告すべきケース・不要なケースや、申告するメリット、赤字申告・青色申告の活用方法までわかりやすく解説します。

この記事のポイント

  • 売上ゼロなら確定申告の義務はない
  • 青色申告なら赤字を翌年以降3年間繰り越せる
  • 給与所得があれば損益通算で源泉徴収された税金が還付される
  • 繰越を使い続けるにはその後も連続して申告し続ける必要がある
  • 青色申告特別控除は赤字には使えない

目次

売上ゼロの個人事業主に確定申告の義務はある?

売上がゼロで所得税額が発生しないなら、確定申告の義務はありません。開業届を出していても、義務の有無は変わりません。

義務の有無は開業届でなく所得税額で決まる

確定申告が必要なのは、所得から控除を引いて計算した所得税額が残る人です。売上がゼロなら所得もゼロ以下なので、税額は発生しません

「開業届を出したから毎年申告しなければならない」と思われがちですが、開業届と確定申告の義務は連動していません。ただし帳簿の作成と保存の義務は、売上がない年でも残ります。

売上ゼロでも申告が必要になるケース

事業以外に収入がある場合は、そちらの事情で申告が必要になります

  • 会社員との兼業で、本業以外の給与がある
  • 消費税の課税事業者になっている(売上ゼロでも消費税の申告は必要)
  • 不動産の売却など事業以外の所得がある
  • 還付を受けたい

特に見落としやすいのが消費税です。インボイス登録をしている人は、売上がゼロでも消費税の申告が必要です。


売上ゼロでも確定申告する4つのメリット

義務がなくても、出しておいたほうが得になる理由が4つあります

1. 赤字を3年間繰り越せる

青色申告なら、その年の赤字を翌年以後3年間にわたって繰り越し、将来の利益と相殺できます(出典:国税庁 No.2070)。

初年に経費だけで100万円の赤字を出し、翌年に事業が軌道に乗ったケースで比べてみます。

初年に申告しない初年に申告する
初年の所得△100万円(繰越できない)△100万円(繰越する)
翌年の事業所得300万円300万円
繰越後の所得300万円200万円
翌年の所得税と住民税の差約20万円安くなる

課税所得が200万円前後の帯では、所得税10%と住民税10%で合計約20%。初年に申告を出しておくだけで、翌年の税金が20万円安くなる計算です。

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2. 給与所得と損益通算できる

会社員を続けながら事業を始めた場合、事業の赤字を給与所得から引けます。毎月天引きされていた所得税が戻ってきます。

給与所得400万円の人が事業で80万円の赤字を出したなら、差引後の所得は320万円。減った80万円分に対して、所得税と住民税をあわせて約16万円前後が戻る計算になります。

ただし損益通算が使えるのは事業所得として認められる場合です。雑所得になると損益通算は使えないので、帳簿をつけて事業としての実態を残しておくことが前提になります。

3. 事業の実態を示す資料になる

確定申告書の控えは、融資や補助金の申請で事業の存在を示す書類になります。日本政策金融公庫の融資や小規模事業者持続化補助金などで、直近の申告書の提出を求められることがあります。

保育園の就労証明や賃貸の入居審査でも使われます。売上がない年でも、申告を出していると事業を続けている証拠になります。

4. 繰越を途切れさせない ← 見落としやすい

純損失の繰越控除は、赤字が出た年だけでなく「その後において連続して確定申告書を提出している場合に限り」適用されます(所得税法第70條第4項)。

つまり、初年に赤字を申告しても、2年目が売上ゼロで申告を飛ばしてしまうと、3年目に利益が出ても初年の赤字を使えなくなります。売上がない年の申告を省くと、前年に積み上げたメリットが消えてしまうのです。

赤字を繰り越している途中なら、売上がゼロの年でも忘れずに提出してください。


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売上ゼロのときの申告書の書き方

収入の欄に0円と書き、使った経費を計上して赤字を出します。売上がないことを理由に経費が否認されるわけではありません。

売上がない年でも経費は計上できる

家賃の按分、通信費、工具購入費、広告費、交通費など、事業を立ち上げるために使った支出は売上の有無に関係なく経費になります

ただし事業との関連を説明できることが前提です。売上がない年が何年も続くと、事業ではなく趣味と判断されて経費が認められなくなることがあります。営業の記録や問い合わせの履歴を残しておくと安心です。

青色申告特別控除は赤字には使えない

最大65万円の青色申告特別控除は、所得を超えて引くことができません。ここを誤解している人が多い部分です。

例えば所得が20万円しかない年の特別控除は20万円までで、さらに控除して赤字を増やすことはできません。繰り越せる赤字は、あくまで売上から経費を引いて生じたマイナス分だけです。

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損失申告には第四表を使う

赤字を繰り越す年は、確定申告書に加えて「損失申告用の第四表」を提出します。これを出し忘れると、赤字を申告しても繰越の手続きが完了しません。

翼年以降に繰越を使う年も、第四表で前年からの損失を引き継いで記入していきます。


開業したばかりで売上がない場合の手続き

青色申告をしたいなら、先に青色申告承認申請書を出しておく必要があります。この提出がないと、赤字の繰越も特別控除も使えません。

青色申告承認申請書の期限

青色申告をしたい年の3月15日までで、その年1月16日以後に事業を始めた場合は事業開始から2か月以内です。

開業届は開業した年分の確定申告の期限までに出せば受理されますが、青色申告承認申請書の期限は別で、こちらは遅れるとその年は白色申告になります。途中から差し換えることはできません。

開業前に払った費用は開業費にできる

開業の準備のために使った費用は、開業後に「開業費」として計上できます。市場調査、名刺やウェブサイトの制作費、研修参加費、開業前の家賃などが対象です。

開業費は繰延資産になるので、使いたい年を自分で選んで償却できます。売上がゼロの年に無理に落とす必要はなく、利益が出た年にまとめて経費にする選択もできます。領収書は開業前の分も捕てておかないでください。


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(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

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10分間あたりの平均経費処理件数は、他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピード

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)

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まとめ

売上ゼロなら確定申告の義務はありません。それでも出しておく価値があるのは、青色申告なら赤字を3年繰り越せ、給与所得があれば損益通算で税金が戻ってくるからです。

最も見落とされやすいのが繰越の継続要件です。赤字を繰り越している途中に申告を飛ばすと、その時点で繰越が使えなくなります。売上がない年でも申告を続けること自体が、将来の節税を守る手続きになっています。

開業直後なら、青色申告承認申請書の期限(事業開始から2か月以内)を先に押さえておくと安心です。


よくある質問

Q. 売上0円でも確定申告は必要ですか?

所得税額が発生しないので義務はありません。ただし赤字を繰り越したい場合や、消費税の課税事業者になっている場合は申告が必要です。

Q. 売上0円でも経費は計上できますか?

できます。事業のために使ったと説明できる支出なら、売上の有無に関係なく経費になります。結果として赤字になっても問題ありません。

Q. 開業届を出したのに申告しないと、青色申告は取り消されますか?

申告をしなかったことだけを理由に、自動で承認が取り消されるわけではありません。ただし帳簿を作っていない、税務調査で帳簿を提示しないといった場合は取消しの対象になります。

Q. 何年も売上ゼロが続いても大丈夫ですか?

売上がない年が続くと、事業としての実態がないと判断されて経費や損益通算が認められなくなることがあります。営業の記録を残して、事業として続けていることを示せる状態にしておきましょう。

Q. 売上ゼロでも廃業届を出さないといけませんか?

事業を続けるつもりなら廃業届は不要です。やめると決めた場合は、廃業の日から1か月以内に提出します。

Q. 売上ゼロの年は国民健康保険料も下がりますか?

下がります。国民健康保険料の所得割は前年の所得で計算されるため、申告を出して所得が低いことを示すと翼年度の保険料に反映されます。申告をしないと所得が不明の扱いになり、軽減を受けられないことがあります。

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