【2026年最新版】年末調整の書き方は?令和7年分の申告書の記入例と確定申告が必要なケースを解説

この記事のポイント

  • 年末調整は会社(給与の支払者)が所得税を精算する給与所得者向けの手続き
  • 書くのは扶養控除等申告書・基礎控除申告書(統合様式)・保険料控除申告書の3枚が基本
  • 令和7年分から基礎控除は原則58万円・扶養の年収の壁は123万円へ変更
  • 19〜23歳の親族がいれば**特定親族特別控除(最高63万円)**が新設され申告書が1枚増えた
  • 医療費控除・ふるさと納税6団体超・副業所得20万円超などは年末調整では対応できず確定申告が必要
目次

年末調整とは?誰が対象になる手続き?

年末調整とは、会社が給与所得者に代わって1年分の所得税を精算する手続きです。毎月の給与から天引きされている所得税は概算のため、年末に正しい税額を計算し直し、過不足を還付または追加徴収します。

給与所得者の多くは、この年末調整だけで納税が完了します。自分で確定申告をしなくてよいのは、会社が代わりに税額の計算と納付をしてくれるからです。

年末調整の対象になる人

年末調整の対象は、同じ勤務先に「扶養控除等申告書」を提出している給与所得者です。1年を通じて勤務している人はもちろん、年の途中で入社して年末まで在籍している人も含まれます。

パートやアルバイトでも、扶養控除等申告書を出していれば対象になります。掛け持ちをしている場合は、主たる給与を受ける1か所でのみ年末調整を受けられます。

年末調整の対象にならない人

次に当てはまる人は、年末調整の対象外です。自分で確定申告をして精算します。

  • その年の給与収入が2,000万円を超える人
  • 2か所以上から給与を受けていて、主たる給与以外の勤務先で受ける人
  • 年の途中で退職し、その年に再就職していない人
  • 災害減免法の適用で所得税の徴収猶予や還付を受けた人

特に年の途中で退職した人は、年末調整が行われないまま源泉徴収税額が多すぎることがあります。その場合は確定申告をすると、払いすぎた税金が還付されます。

年末調整と確定申告の違い

年末調整と確定申告は、どちらも所得税を精算する手続きですが、誰がやるか・対象範囲が違います。

項目年末調整確定申告
手続きをする人会社(給与の支払者)本人
対象給与所得者個人事業主・給与2,000万円超・副業所得20万円超の人など
時期その年の年末(11〜12月)翌年2月16日〜3月15日
対応できる控除扶養・配偶者・保険料・基礎控除など医療費控除・寄附金控除・住宅ローン初年度なども対応

年末調整で対応できない控除があるため、給与所得者でも確定申告が必要になる場合があります。両方の関係を詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になります。

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年末調整で書く申告書は3枚|書類の全体像

令和7年分の年末調整で書く申告書は、基本の3枚です。住宅ローン控除2年目以降の人だけ、4枚目が加わります。

1枚ずつ記入例を見る前に、どの紙が何のための書類かを全体像でつかんでおくと迷いません。

申告書の名称目的書く人
給与所得者の扶養控除等(異動)申告書扶養親族・配偶者などを申告し扶養控除を受ける全員
基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書基礎控除・配偶者控除・特定親族特別控除などをまとめて申告全員
給与所得者の保険料控除申告書生命保険・地震保険・社会保険料などの控除を受ける保険料などを払った人
住宅借入金等特別控除申告書住宅ローン控除を受ける(2年目以降)住宅ローン控除2年目以降の人

提出先はいずれも勤務先です。会社が回収して税額を計算するため、記入して期限までに返せば手続きは完了します。

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給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の書き方【記入例】

扶養控除等申告書は、扶養している家族を申告して扶養控除を受けるための書類です。扶養家族がいない人も、氏名などの基本情報を記入して提出します。

氏名・住所・マイナンバーなど基本情報

用紙の上部に、勤務先名・自分の氏名・住所・生年月日・世帯主との続柄を記入します。マイナンバー欄は、勤務先の運用によっては記入不要な場合があるため、指示に従って埋めてください。

記入の起点になる欄なので、まずここを正確に埋めることが大切です。特に住所は、翌年1月1日時点の住所を書く点に注意します。

源泉控除対象配偶者・控除対象扶養親族の書き方

配偶者や扶養親族がいる場合、氏名・マイナンバー・続柄・生年月日・見積所得を記入します。令和7年分から、扶養親族として認められる合計所得金額の要件は58万円以下(給与年収でいう123万円以下)に引き上げられました。

いわゆる「年収の壁」が103万円から123万円に上がったため、これまで扶養から外れていた家族が対象になるケースがあります。パートで働く配偶者や学生の子どもの年収を、改めて確認しておくと安心です。

障害者・寡婦・ひとり親・勤労学生の欄

本人や扶養親族が障害者に該当する場合、寡婦・ひとり親に該当する場合、勤労学生の場合は、それぞれの欄にチェックを入れます。該当すると追加の控除を受けられます。

勤労学生控除は、令和7年分から合計所得金額の要件が75万円以下から85万円以下に引き上げられました。働きながら学ぶ学生本人が申告する欄なので、対象になるか確認しておきましょう。

基礎控除申告書 兼 配偶者控除等申告書 兼 特定親族特別控除申告書 兼 所得金額調整控除申告書の書き方【記入例】

この用紙は、4つの申告書が1枚に統合されたものです。名前が長く複雑に見えますが、自分に関係する欄だけ埋めれば問題ありません。

令和7年分から特定親族特別控除の欄が加わり、記入項目が増えました。最も迷いやすい用紙なので、欄ごとに分けて見ていきます。

給与所得者の基礎控除申告書

基礎控除申告書の欄では、その年の合計所得金額の見積額を書き、区分に応じた控除額を記入します。給与だけの人は、年収から給与所得控除を引いた金額が所得の見積額です。

令和7年分の基礎控除は原則58万円です。ただし令和7年・8年分は所得が低い人への特例があり、合計所得金額132万円以下なら最大95万円まで増える場合があります(国税庁)。用紙の区分表に自分の所得を当てはめて控除額を確認してください。

給与所得者の配偶者控除等申告書

配偶者がいて一定の所得要件を満たす場合、配偶者控除または配偶者特別控除を受けられます。自分の合計所得金額と配偶者の合計所得金額の両方から、控除額が決まる仕組みです。

配偶者の所得欄には、パート収入などから見積もった金額を記入します。自分の所得が1,000万円を超える場合は配偶者控除の対象外になるため、所得欄の記入が特に重要になります。

給与所得者の特定親族特別控除申告書

特定親族特別控除は、令和7年分に新設された控除です。年齢19歳以上23歳未満で、合計所得金額が58万円超123万円以下の親族がいる場合に受けられます(国税庁)。

控除額は親族の所得に応じて3万円から最高63万円です。大学生の子どもがアルバイトで年収123万円を少し超えても、いきなり控除がゼロにならず段階的に減る点が特徴です。対象の親族がいれば、この欄に氏名・所得の見積額を記入します。

所得金額調整控除申告書

所得金額調整控除は、給与収入が850万円を超える人のうち、23歳未満の扶養親族がいる場合や、本人・同一生計配偶者・扶養親族が特別障害者に該当する場合に受けられます。

給与収入850万円以下の人は記入不要です。該当する人だけ、扶養親族や特別障害者の情報を記入します。

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給与所得者の保険料控除申告書の書き方【記入例】

保険料控除申告書は、1年間に払った保険料を申告して控除を受ける書類です。保険会社などから届く控除証明書を手元に用意してから記入します。

生命保険料控除

生命保険料控除は、一般生命保険料・介護医療保険料・個人年金保険料の3区分に分けて記入します。契約時期によって新制度と旧制度に分かれ、控除の上限額が異なる点に注意してください。

控除証明書に「新」「旧」の区分が書かれているので、それを見て転記します。区分ごとに証明書の金額を書き、用紙の計算式に沿って控除額を算出します。

地震保険料控除

地震保険料控除は、地震保険の保険料について受けられる控除です。控除証明書に記載された年間の保険料を記入します。

火災保険とセットで契約している場合でも、控除の対象は地震保険部分だけです。証明書で対象金額を確認して記入しましょう。

社会保険料控除・小規模企業共済等掛金控除

給与から天引きされている社会保険料は、会社が把握しているため記入不要です。自分で払った国民年金保険料などがある場合のみ、社会保険料控除の欄に記入します。

iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金は、小規模企業共済等掛金控除の欄に記入します。この控除も年末調整で受けられるため、掛金の払込証明書を用意しておくと安心です。

令和7年分の年末調整はここが変わった|改正点まとめ

令和7年分の年末調整は、基礎控除・給与所得控除・扶養の所得要件・特定親族特別控除の4点が変わりました。数値を旧→新で整理すると分かりやすいです。

改正項目改正前改正後(令和7年分)
基礎控除48万円原則58万円(令和7・8年分は特例で最大95万円)
給与所得控除の最低保障額55万円65万円
扶養親族等の所得要件合計所得48万円以下(年収103万円)合計所得58万円以下(年収123万円)
勤労学生の所得要件合計所得75万円以下合計所得85万円以下
特定親族特別控除なし新設(19〜23歳・最高63万円)

基礎控除の引き上げ

基礎控除は48万円から原則58万円に引き上げられました(国税庁)。銀行系の記事などで「最大95万円」と書かれることがありますが、これは令和7・8年分だけの特例で、合計所得132万円以下の人に適用される上乗せ額です。

つまり多くの人にとっての基準は58万円で、95万円は所得が低い人向けの特例と切り分けて理解しておくと、控除額を間違えません。

給与所得控除の最低保障額

給与所得控除の最低保障額が、55万円から65万円に引き上げられました。給与収入が少ない人ほど、この改正で課税される所得が減ります。

扶養控除・配偶者控除等の所得要件

扶養親族や同一生計配偶者として認められる合計所得金額の要件が、48万円以下から58万円以下に緩和されました。給与収入でいう「年収の壁」は、103万円から123万円に上がっています。

この改正で、これまで扶養から外れていた家族が扶養に入れるようになるケースがあります。

特定親族特別控除の創設

令和7年分から特定親族特別控除が新設され、申告書が1枚増えました。19〜23歳の子どもがアルバイトで扶養の範囲を少し超えても、控除が段階的に受けられる仕組みです。

記入項目が増えて複雑に見えますが、対象の親族がいなければ記入は不要です。該当する人だけ、統合様式の特定親族特別控除の欄を埋めます。

年末調整で対応できない・確定申告が必要なケース

年末調整では対応できず、自分で確定申告が必要になる控除や状況があります。給与所得者でも、当てはまれば確定申告をして初めて還付を受けられます。

年末調整では申告できない控除

次の控除は、年末調整では受けられません。翌年の確定申告で申告します(国税庁)。

  • 医療費控除(1年間の医療費が一定額を超えた場合)
  • 寄附金控除(ふるさと納税で寄附先が6団体を超える場合や、ワンストップ特例を使わない場合)
  • 雑損控除(災害や盗難で資産に損害を受けた場合)
  • 住宅ローン控除の初年度(2年目以降は年末調整で対応可能)

ふるさと納税は、寄附先が5団体以内でワンストップ特例を申請していれば確定申告は不要です。詳しい条件はこちらの記事で解説しています。

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副業・兼業で所得20万円超がある場合

給与所得者に副業がある場合、給与以外の所得が年20万円を超えると確定申告が必要です。逆に20万円以下なら、所得税の確定申告は不要です(改正後も変わっていません)。

ただし所得税が不要でも、住民税の申告は別途必要になります。副業の収入がある人は、金額を集計して確認しておきましょう。

年末調整をし忘れた・間に合わなかった場合

年末調整で控除の申告を忘れても、確定申告でやり直せます。保険料控除や扶養控除の記入漏れがあっても、翌年の確定申告で申告すれば払いすぎた税金が還付されます。

還付を受けるための申告は、翌年1月1日から5年間さかのぼって行えます。控除証明書を後から見つけた場合でも、あきらめずに確定申告で取り戻せます。

まとめ

年末調整の書き方は、勤務先から配られる基本3枚の申告書(扶養控除等申告書・基礎控除申告書の統合様式・保険料控除申告書)に、氏名・控除の内容・所得の見積額を記入するだけです。令和7年分は基礎控除が原則58万円になり、特定親族特別控除の申告書が1枚増えた点を押さえれば難しくありません。

そして医療費控除・ふるさと納税6団体超・副業所得20万円超・住宅ローン初年度などは年末調整では対応できず、自分で確定申告が必要です。年末調整に間に合わなかった控除も、確定申告でやり直せます。

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よくある質問

Q. 年末調整の書類は何枚書く?

令和7年分は基本3枚です。扶養控除等申告書、基礎控除申告書の統合様式、保険料控除申告書を記入します。住宅ローン控除の2年目以降の人だけ、4枚目の住宅借入金等特別控除申告書が加わります。

Q. 令和7年分で変わったことは?

基礎控除が原則58万円に引き上げられ、給与所得控除の最低保障額が65万円になりました。扶養の年収の壁は103万円から123万円に上がり、19〜23歳の親族向けに特定親族特別控除(最高63万円)が新設されています。

Q. 基礎控除申告書の「所得の見積額」はどう計算する?

給与だけの人は、年収から給与所得控除を引いた金額が所得の見積額です。用紙の区分表にその金額を当てはめると、受けられる基礎控除額が分かります。令和7年分の基礎控除は原則58万円です。

Q. ふるさと納税は年末調整でできる?

できません。ふるさと納税は寄附金控除にあたるため、年末調整では対応できず確定申告が必要です。ただし寄附先が5団体以内でワンストップ特例を申請していれば、確定申告は不要になります。

Q. 医療費控除は年末調整でできる?

できません。医療費控除は年末調整の対象外なので、翌年の確定申告で申告します。1年間の医療費が一定額を超えた場合に、払いすぎた税金の還付を受けられます。

Q. 年末調整を忘れた・間に合わなかったらどうなる?

確定申告でやり直せます。保険料控除や扶養控除の記入漏れがあっても、翌年の確定申告で申告すれば還付を受けられます。還付申告は翌年1月1日から5年間さかのぼって行えます。

Q. 副業の収入がある場合も年末調整だけでいい?

給与以外の所得が年20万円を超える場合は、年末調整とは別に確定申告が必要です。20万円以下なら所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要になります。

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