確定申告を行うことで還付金が受け取れるケースがあるのはご存知でしょうか?還付金は、所得税などの過剰に支払われた税額が返金されるもので、医療費控除や住宅ローン控除などを利用すると発生することが多いです。この記事では、確定申告による還付金の受け取り時期や手続き、計算方法を詳しく解説します。さらに、確定申告を簡単に行うための便利な方法も紹介します。
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【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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還付金とは
還付金とは、所得税などで過剰に支払われた税金が、税務署から納税者に返還されるお金です。年末調整によって税額が調整されない控除がある場合や、会社員以外で源泉徴収が多くされていた場合など、確定申告を行うと還付金が発生することがあります。以下、還付金の具体例とその申請方法について解説します。
還付金の申請方法
還付金を受け取るためには「還付申告」が必要です。還付申告は通常の確定申告と同様に、毎年2月16日から3月15日までに行います。ただし、還付申告に限っては申告期限が5年以内となっており、過去5年分の申告も可能です。たとえば、2024年分の還付申告ならば、2029年の3月15日までに申告すれば、還付金を受け取ることができます。
医療費控除:年間で支払った医療費が一定額を超える場合に申請可能。
寄付金控除:ふるさと納税や特定公益法人への寄付が対象。
住宅ローン控除:住宅購入時のローン控除を受けることで、初年度に還付金が発生する可能性。
還付金の受け取り時期
還付金は、還付申告を提出してから約1ヶ月から1ヶ月半で指定の銀行口座に振り込まれます。e-Tax(電子申告)で提出する場合は、処理が早くなり、通常よりも早く還付金が振り込まれることがあります。還付金の振込時期は税務署の処理速度や申告時期によって異なりますが、早期に申告すれば、それだけ還付も早まる傾向があります。

還付金の受け取り手続き
還付金を受け取るには、確定申告での還付申告や年末調整、源泉徴収などの手続きが必要です。以下に各手続きの詳細を解説します。
確定申告と還付申告
確定申告と還付申告は基本的に同じ手続きですが、還付申告は「払い過ぎた税金を取り戻すための申告」となります。通常の確定申告では申告期間が2月16日から3月15日までの1ヶ月ですが、還付申告は5年以内であればいつでも行えます。これにより、申告漏れや過去の医療費控除など、後から気付いた場合でも還付金を受け取ることが可能です。
会社による年末調整
会社員の場合、年末調整である程度の税額調整が行われています。年末調整は、給与所得に基づいた所得税の調整を会社が代行する手続きで、配偶者控除や生命保険料控除、基礎控除などは反映されます。しかし、医療費控除や寄付金控除、住宅ローン控除の初年度などは年末調整で反映されないため、これらの控除を適用する場合には別途確定申告を行い、還付申告を通じて還付金を受け取ります。
源泉徴収
源泉徴収は、会社が給与支払いの際に所得税を天引きし、税務署に代納する制度です。源泉徴収の額は概算で計算されるため、年末調整や確定申告を通じて最終的な税額を調整します。もし源泉徴収された税額が過剰であれば、還付金として差額が返還されます。特に副業をしている場合や、一時的に多額の支払いを受けた場合は、確定申告を通じて還付が発生することがあります。

還付金の計算方法
還付金は、年間の所得税額と、実際に源泉徴収された税額の差額により決定します。以下に具体的な計算方法を紹介します。
所得税の計算
所得税の計算は、総収入から各種控除を引いた課税所得に対して税率を適用することで求められます。日本の所得税は累進課税方式を採用しており、課税所得が高くなるほど税率も上がります。例えば、課税所得が195万円以下なら税率は5%ですが、195万円を超えると10%、330万円を超えると20%と段階的に税率が上がります。
- 総収入を集計し、給与所得控除や事業所得控除などの控除を適用して課税所得を算出。
- 課税所得に税率をかけ、基礎控除やその他の控除を差し引き、最終的な所得税額を求めます。
所得税額との差額を計算
実際に支払った源泉徴収額が確定した所得税額を上回っている場合、その差額が還付金となります。例えば、年間で源泉徴収された税額が30万円で、確定申告で最終的に所得税が25万円となった場合、その差額5万円が還付金として振り込まれます。
還付金が振り込まれない場合の対処法
確定申告を済ませたにもかかわらず、還付金が振り込まれないことがあります。その場合、以下の点を確認し、必要な対応を行いましょう。
e-Taxで確定申告を行った場合
e-Taxでの申告は、通常郵送よりも処理が早いですが、還付が遅れる場合には以下の点を確認します。
申告内容に不備がないか:記入漏れや誤記があると、還付金の手続きが遅延する可能性があります。特に控除項目の記入ミスが多いため、再度確認しましょう。
e-Taxのメッセージ確認:e-Taxでは税務署からの連絡がメッセージとして通知される場合があります。申告後はメッセージを定期的にチェックし、追加の提出書類が求められていないか確認します。
郵送や税務署に持参した場合
郵送や税務署に直接申告書を持参した場合、以下の点をチェックしましょう。
控除証明書の添付忘れ:医療費控除や寄付金控除など、控除証明書の添付が漏れていると、税務署からの連絡で修正対応が必要になる場合があります。
税務署への問い合わせ:申告後に還付金が振り込まれない場合、税務署に連絡して進捗状況を確認することが重要です。申告書の提出日時や内容について詳細を説明できるよう、申告書のコピーを手元に保管しておくと良いでしょう。

確定申告に必要な書類は?
確定申告で還付金を受け取るには、適切な書類の準備が必要です。以下に確定申告で必要となる主な書類を解説します。
確定申告書
確定申告書は、年間の収入や控除、税額を記載する基本的な書類です。収入の種類や控除の内容を正確に記入し、控除証明書を添付して提出します。
確定申告書の書き方を解説
収入や控除の種類ごとに、正確に金額を記入します。たとえば、給与所得の場合は源泉徴収票を参考にし、その他の所得についても詳細を記入します。特定の控除を申請する場合には、医療費や寄付金の総額を明記し、証明書類を添付します。
控除証明書
控除証明書は、控除の対象となる支出を証明する書類です。以下のような証明書が該当します。
医療費控除証明書:病院や薬局の領収書や明細書をもとに申請。
寄付金控除証明書:寄付先団体からの領収書や証明書。
生命保険料控除証明書:保険会社から発行される証明書。
所得を確認できるもの
源泉徴収票や事業収入の収入証明書が該当します。正確な収入を証明するために、これらの書類を確認し、確定申告書に反映させましょう。
銀行口座がわかるもの
還付金の振込先口座情報が必要です。通帳のコピーやネットバンキングの画面を印刷したものを添付し、口座名義が申告者と一致していることを確認します。
本人確認書類
本人確認のため、マイナンバーカードや運転免許証のコピーが必要です。確定申告書に添付する際には、最新で有効な書類を使用しましょう。
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まとめ
還付金は、過剰に支払われた税金を返還してもらえる制度です。医療費控除や住宅ローン控除を適用することで、払い過ぎた税額が戻ってきます。還付金をスムーズに受け取るためには、申告書の作成や控除証明書の添付、期限内の提出が重要です。会計ソフトやアプリを利用して手軽に申告を済ませ、確実に還付金を受け取りましょう。
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よくある質問
確定申告をしなかったらどうなるの?
還付申告を行わない場合、還付金を受け取れません。還付申告には5年の期限があり、それを過ぎると還付金の申請ができなくなるので注意が必要です。
確定申告の内容を間違えてしまった
確定申告後に内容に誤りがあった場合、修正申告を行うことで訂正できます。
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