一人親方のための退職金制度、建退共とは？条件や加入のメリットを解説

そもそも建退共（建設業退職金共済制度）とは？

一人親方のための退職金制度

建退共は、建設業で働く職人や作業員のために国が作った退職金共済制度です。本来は従業員を抱える建設会社が職人の退職金を積み立てる目的で始まりましたが、現在では一人親方でも一定条件のもと加入が可能になっています。

建退共の加入条件とは？

一人親方が建退共に加入するためには、次のような条件があります：

• 建設業に従事している（大工、電気工、設備工、塗装など）
  
• 労働組合や一人親方団体を通じて加入する（個人での直接申請は不可）
  
• 毎月または毎日、共済証紙という形で掛金を納める
  
• 継続して一定期間以上就業している（通常は3年以上で受給資格）
  

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一人親方が建退共に加入するメリットとは？

退職金をもらうことができる

最大のメリットは、自分で自分の退職金を積み立てることができるという点です。現場ごとに働く一人親方には会社からの退職金制度がなく、老後の資金に不安を抱えやすいですが、建退共を活用すれば日数に応じた退職金を国から受け取ることができます。

長期的な節税効果がある

建退共から受け取る退職金は「退職所得」として扱われ、通常の所得よりも税率が大幅に優遇されます。加えて、「退職所得控除」も使えるため、数百万円の受け取りでも課税されないことも。長い目で見れば、老後資金として非常に効率的な制度です。

転職しても継続できる

現場が変わったり、元請業者が変わったりしても、共済手帳を引き継ぐことで掛金の継続が可能です。複数の現場・事業主で働く一人親方にとっても、無駄なく積み立てを続けられる柔軟な仕組みです。

その他

元請業者から加入を求められることがある

証紙は日数単位で貼るため、働いた分だけ退職金になる

退職時の資金計画が立てやすくなる

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一人親方が建退共に加入するデメリットとは？

掛け金を負担する必要がある

一人親方の場合、掛金は全額自己負担となります。通常、事業主が従業員のために負担する制度ですが、一人親方は「自分が事業主で自分が労働者」という扱いになるため、毎月の掛金を自腹で支払う必要があります。

建退共における掛け金とは？

掛金は**「証紙」と呼ばれるスタンプ型の支払い方法**で、1日あたり数百円（例：1日あたり320円）を手帳に貼っていく仕組みです。月に20日働けば6,400円分の証紙を購入することになります。

受け取れる金額が少なめ

短期間だけ加入した場合は、退職金として受け取れる金額はさほど多くありません。たとえば3年間加入しても、受取額は数十万円程度。長期間コツコツと積み立てていくことで、本当のメリットが実感できます。

一人親方本人が自分のために払う場合は経費にはならない

注意すべきなのは、掛金が確定申告の経費にならない点です。自分自身のために払う建退共の掛金は、税務上は「個人の資産形成」とみなされるため、事業経費として認められません（※ただし、従業員のために支払う場合は経費計上可能）。

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一人親方が建退共に加入する方法とは

建退共には、個人では直接加入できません。以下の手順で加入します。

1. 地元の建設系労働組合や一人親方組合に加入（例：東京土建、大阪建労など）
   
2. 組合を通じて建退共の加入申請を行う
   
3. 共済手帳を受け取り、証紙を自分で購入し、就業日ごとに貼付
   
4. 一定期間加入後、退職時に本部へ申請して退職金を受け取る
   

※組合により年会費や加入条件が異なるため、事前に確認が必要です。

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よくある間違いと注意点

建退共は長く続けることで効果が出る制度です。短期間の加入では退職金はほとんど受け取れず、3年未満だと支給されないケースもあります。

また、一人親方が自分のために払う掛金は経費にできない点にも注意が必要です。確定申告で誤って計上しないようにしましょう。

さらに、証紙を手帳に貼り忘れるとその日数分は退職金の対象外になります。購入後は必ず貼り、記録をしっかり管理することが大切です。

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まとめ

建退共は、一人親方が老後の資金を準備するための有効な手段のひとつです。掛金の自己負担や経費にできない点などデメリットもありますが、それを上回る長期的な安心感や節税効果があります。確定申告と併せて計画的に導入することで、将来に備えた賢い働き方ができるでしょう。

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