この記事のポイント
- 医療費控除はe-Taxでスマホひとつで確定申告が完結
- 対象は年間医療費が10万円超(総所得金額等200万円未満なら総所得等の5%超)
- 控除の上限は200万円で、対象は1月1日〜12月31日に支払った分
- マイナポータル連携で医療費通知情報を自動取得でき明細書の入力が省ける
- セルフメディケーション税制とは選択制でどちらか一方しか使えない
- 医療費控除だけならタックスナップの無料プランで申告できる
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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医療費控除はe-Taxで確定申告できる?結論と全体像
医療費控除はe-Taxを使えばスマホだけで確定申告でき、税務署へ出向く必要はありません。マイナンバーカードとスマホがあれば、自宅から24時間いつでも申告を送信できます。
提出のやり方は大きく3通りあります。国税庁の確定申告書等作成コーナーを使う方法、確定申告アプリを使う方法、そして書面で郵送・持参する方法です。どれを選んでも医療費控除は申告できるので、自分に合ったものを選びましょう。
e-Taxで医療費控除を申告する3つの方法
作成コーナー・確定申告アプリ・書面の3つが選択肢で、スマホで早く終わらせたいなら前の2つが向いています。それぞれの特徴を次の表にまとめました。
| 方法 | 費用 | スマホ完結 | 向いている人 |
|---|---|---|---|
| 確定申告書等作成コーナー(国税庁) | 無料 | ○ | 自分で入力を進められる人 |
| 確定申告アプリ | アプリによる(無料〜) | ◎ | 案内に沿って迷わず進めたい人 |
| 書面提出(郵送・窓口) | 無料 | ✕ | 紙で控えを残したい人 |
作成コーナーは無料で使えますが入力項目が多く、慣れていないと迷いやすい面があります。確定申告アプリは質問に答える形で進むため、はじめての人でも手を止めずに済みます。
そもそも医療費控除とは
医療費控除は、1年間に支払った医療費が一定額を超えたときに受けられる所得控除です。会社員でも、還付を受けるために自分で確定申告するケースが多くあります。
年末調整では医療費控除は処理されません。そのため、給与から所得税が天引きされている会社員も、医療費控除を使うには自分で確定申告して払いすぎた税金を取り戻す形になります。
医療費控除の対象・金額・期間は?
医療費控除は年間の医療費が10万円を超えた分が対象で、控除できる上限は200万円です。所得によって基準額が変わる点も押さえておきましょう。
対象になる要件
医療費控除の対象は、その年に支払った医療費が10万円を超える分です。ただし、総所得金額等が200万円未満の場合は総所得金額等の5%を超える分が対象になります(令和7年分。国税庁 No.1120)。
対象になるのは本人の医療費だけではありません。生計を一にする配偶者や親族のために支払った医療費も合算できるため、家族分をまとめて申告すると10万円を超えやすくなります。
控除額の計算と上限
控除額は「実際に支払った医療費 − 保険金などで補てんされる金額 − 基準額」で計算し、上限は200万円です(令和7年分。国税庁 No.1120)。
基準額は原則10万円ですが、総所得金額等が200万円未満なら総所得金額等の5%になります。入院給付金や高額療養費として受け取った金額は、対象の医療費から差し引く必要がある点に注意しましょう。
対象期間とセルフメディケーション税制との関係
対象になるのは、その年の1月1日から12月31日までに実際に支払った医療費です(令和7年分。国税庁 No.1120)。年をまたいだ未払い分は、実際に支払った年の対象になります。
なお、医療費控除とセルフメディケーション税制は選択制で、両方を同時には使えません。一度選ぶと後からの変更もできないため、どちらが有利かを確認してから申告しましょう(令和7年分。国税庁 医療費控除を受ける方へ)。
e-Taxで医療費控除を確定申告するための事前準備
e-Taxでスマホ申告するには、マイナンバーカードと対応スマホ、マイナポータルアプリの用意が必要です。申告をスムーズに進めるための準備を順に確認しましょう。
マイナンバーカードとスマホ・アプリの用意
まず用意するのは、マイナンバーカードとマイナンバーカードの読み取りに対応したスマホです。あわせて、本人確認に使うマイナポータルアプリをインストールしておきます。
マイナンバーカードの署名用電子証明書のパスワード(6〜16桁)と、利用者証明用のパスワード(数字4桁)も使います。忘れているとその場で止まってしまうため、申告前に確認しておくと安心です。
マイナポータル連携の登録
マイナポータル連携を登録しておくと、医療費通知情報や源泉徴収票などを自動で取得できるようになります。連携の設定はマイナポータルアプリから行い、事前に済ませておくと当日の入力が大きく減ります。
マイナポータル連携でつまずく人は少なくないため、申告直前ではなく余裕のあるうちに設定しておくのがおすすめです。詳しい仕組みはデジタル庁の解説でも紹介されています。
用意する書類とマイナンバーカードがない場合
申告前に手元にそろえておきたいものを、次の表にまとめました。
| 用意するもの | 用途 |
|---|---|
| 源泉徴収票 | 給与所得や源泉徴収税額の入力(会社員の場合) |
| 医療費の領収書・明細 | 連携で取得できない医療費の入力・集計 |
| 還付金の振込先口座 | 還付金の受け取り |
| マイナンバーカード | 本人確認・電子署名 |
マイナンバーカードがない場合は、税務署で発行するID・パスワード方式でもe-Taxを利用できます。ただし事前に税務署で本人確認の手続きが要るため、これから申告する人はマイナンバーカードを使う方法が手軽です。
e-Taxで医療費控除を申告するスマホでの手順
スマホでの申告は、本人確認・医療費の取り込み・送信の3ステップで完結します。作成コーナーを例に、実際の流れを順番に見ていきましょう。
①作成コーナーにアクセスして本人確認する
はじめに、スマホで確定申告書等作成コーナーにアクセスし、マイナンバーカードで本人確認します。案内に沿ってマイナポータルアプリを起動し、カードをスマホにかざして読み取ります。
このとき利用者証明用のパスワード(数字4桁)を入力します。読み取りが完了すると、申告書の作成画面へ進めます。
②マイナポータル連携で医療費通知情報を自動取得する
次に、マイナポータル連携で医療費通知情報を取得し、該当項目に自動入力します。医療費通知情報は毎月更新され、確定申告用の1年分は原則2月9日以降に一括で取得できます(令和7年分。国税庁 医療費控除を受ける方へ)。
ただし、連携で取得できない医療費もあります。自由診療や、通知に間に合わなかった分などは、医療費控除の明細書に自分で手入力する必要があります。連携分は自動、それ以外は手入力、と覚えておくとよいでしょう。
③収入・控除を入力して送信する
最後に、源泉徴収票などをもとに収入や他の控除を入力し、還付される金額を確認します。内容に問題がなければ電子署名を付け、e-Taxで送信して申告が完了します。
送信後、医療費の領収書は提出不要ですが、自宅で5年間保管する必要があります(令和7年分。国税庁 医療費控除を受ける方へ)。還付金は申告からおおむね1か月〜1か月半程度で、指定した口座に振り込まれます。
まとめ
医療費控除はe-Taxを使えばスマホだけで確定申告でき、税務署に行く必要はありません。対象は年間医療費が10万円超(総所得金額等200万円未満は総所得等の5%超)で、控除の上限は200万円です。
マイナポータル連携を設定しておけば医療費通知情報を自動で取り込めるため、明細書への入力を大きく減らせます。連携で取得できない医療費だけを手入力すれば、スマホひとつで申告を終えられます。
スマホで確定申告するならタックスナップ
国税庁の作成コーナーは無料で使える一方、入力項目が多く迷いやすい面があります。その点、確定申告アプリのタックスナップなら、スマホで案内に沿って進めるだけで医療費控除の申告が完結します。

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(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

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出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)
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よくある質問
Q. 医療費控除はスマホだけで確定申告できる?
はい。e-Taxはスマホに対応しているため、マイナンバーカードと対応スマホがあればスマホだけで完結します。PCは必須ではなく、確定申告書等作成コーナーもスマホから利用できます。
Q. 医療費控除はいくらから受けられる?
年間の医療費が10万円を超えた分から受けられます。ただし総所得金額等が200万円未満の場合は、総所得金額等の5%を超えた分が対象です。控除の上限は200万円です。
Q. マイナポータル連携をすると何が自動でできる?
医療費通知情報を自動で取得し、申告書の該当項目に自動入力できます。確定申告用の1年分は原則2月9日以降に一括取得できます。ただし連携で取得できない医療費は、明細書への手入力が必要です。
Q. 医療費の領収書は提出が必要?
提出は不要です。ただし申告後も自宅で5年間保管する必要があります。医療費控除の明細書は申告書に添付しますが、領収書そのものの提出は求められません。
Q. 会社員でも医療費控除の申告は必要?
医療費控除は年末調整では処理されないため、会社員でも申告が必要です。払いすぎた所得税の還付を受ける形になるので、10万円を超える医療費があった年は申告するとよいでしょう。
Q. マイナンバーカードがなくてもe-Taxで申告できる?
できます。税務署で発行するID・パスワード方式を使えば、マイナンバーカードなしでもe-Taxを利用できます。ただし事前に税務署での本人確認手続きが必要です。
Q. 過去の医療費控除はさかのぼって申告できる?
できます。還付を受けるための申告は、対象年の翌年1月1日から5年以内であればさかのぼって申告できます。申告し忘れた年の医療費控除も、期間内であれば受けられます。
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