この記事のポイント
- 仕入れて売る転売・せどりの利益は事業所得または雑所得で課税対象
- 専業は所得58万円超・副業は副業所得20万円超で確定申告が必要
- 所得は「売上−売上原価−経費」で計算し仕入れ総額をそのまま経費にしない
- 売れ残った在庫は棚卸資産で経費にできるのは売れた分の原価だけ
- プラットフォーム手数料や送料など固有の経費を科目ごとに正しく処理
田淵 宏明
【所属】
税理士法人Five Starパートナーズ 代表税理士
【経歴】
大阪府豊中市出身。関西学院大学経済学部卒業後、中原会計事務所に入所。2001年に税理士試験全科目合格。その後、新日本アーンスト・アンド・ヤング税理士法人で国際税務業務に従事。2005年にヒロ☆総合会計事務所を設立し、2022年に税理士法人Five Starパートナーズへ組織変更。また、YouTubeチャンネル「税理士YouTuberチャンネル!!」を運営し、税務や経営に関する情報を発信している。
保有資格: 税理士
※詳細やご自身の状況に応じた適切な対応については、税理士等の専門家にご相談ください。
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せどり・転売の確定申告は必要?所得区分から確認
継続的に仕入れて販売するせどり・転売は、事業所得または雑所得として課税対象です。趣味の延長ではなく「利益を得る目的で反復・継続して行う仕入れと販売」に該当するため、得た利益は申告が必要になります。
ここで最初につまずきやすいのが、自分の生活用動産(不要品)の売却との違いです。着なくなった服や使わなくなった家電など、自分が生活のために使っていた物を売る行為は原則として非課税です。一方で、最初から転売する目的で仕入れた物を売る行為は課税対象になります。同じフリマアプリでの出品でも、「不要品の処分」か「仕入れた商品の販売」かで税務上の扱いがまったく異なる点を、まず押さえてください。
| ケース | 課税の扱い |
|---|---|
| 自分が使っていた私物(服・家電など)の売却 | 原則非課税(生活用動産) |
| 転売目的で仕入れた商品の販売 | 課税対象(事業所得または雑所得) |
| 1個30万円を超える貴金属・美術品・骨董品などの売却 | 私物でも課税対象になる場合がある |
事業所得と雑所得のどちらになるかは、その活動の規模・継続性・営利性などで判断されます。安定した収入があり継続的・反復的に取り組んでいるなら事業所得、単発的・小規模なら雑所得と扱われるのが一般的な考え方です。事業所得に該当し、かつ所定の手続きを踏めば青色申告のメリットを受けられます。
せどり・転売の確定申告はいくらから?
確定申告が必要になるかどうかは、「所得」がいくらかで判断します。ここでいう所得は売上そのものではなく、次の式で計算した金額です。
所得=売上−売上原価−経費
売上原価は「その年に売れた商品の仕入れ値」を指します。仕入れた金額の合計ではない点が重要で、この考え方は棚卸の項目に直結します。
| 区分 | 確定申告が必要になる目安 |
|---|---|
| 専業(給与なし) | 所得が基礎控除額(令和7年分以後は58万円)を超える場合 |
| 副業(給与所得あり) | 給与以外の副業所得が年間20万円を超える場合 |
専業の場合は、所得が基礎控除額を超えると確定申告が必要です。基礎控除は令和7年分(2025年分)以後は58万円(合計所得2,350万円以下が対象)とされています。以前は48万円でしたが、現行の数字は58万円で考えてください。
副業でせどり・転売をしている給与所得者は、副業所得が年間20万円を超えると所得税の確定申告が必要です。ここも売上ではなく「売上−売上原価−経費」で見ます。なお、副業所得が20万円以下でも住民税の申告は別途必要な点に注意してください。所得税の確定申告が不要なケースでも、住民税は申告しなければならないため、「20万円以下だから何もしなくてよい」という理解は誤りです。
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せどり・転売で経費にできるもの・できないもの
せどり・転売の経費は、「販売のために直接かかった費用」かどうかが基準です。仕入れから発送までの一連のコストは幅広く経費になりますが、自分の生活のための支出は経費になりません。
| 経費にできる例 | できない例(私的支出) |
|---|---|
| 商品の仕入れ代金 | 自分用に買った私物・生活用品 |
| 発送時の送料 | 家族や自分の日用品の購入費 |
| 梱包材(段ボール・緩衝材・テープ・封筒) | 転売しない趣味のコレクション購入費 |
| プラットフォーム手数料(メルカリ・Amazon・ヤフオク等の販売手数料) | プライベートの飲食・娯楽費 |
| 仕入れの際の交通費・ガソリン代 | 通勤や私用の移動費 |
| 在庫の保管費・トランクルーム代 | 自宅の私生活スペースの家賃全額 |
| 販売用のPC・スマホ・通信費 | 私用100%のスマホ代・通信費 |
判断に迷ったら、「その支出が売上を生むために必要だったか」を基準にしてください。たとえば同じスマホでも、出品作業や顧客対応に使う分は経費になり得ますが、完全にプライベート用のものは対象外です。私的支出を経費に混ぜないことが、せどり・転売の申告で最も基本的な注意点です。
なお、10万円以上のPCやカメラなどの機材は、購入した年に全額を経費にできず、原則として減価償却の対象になります。
せどり・転売の経費と勘定科目の対応表
経費は、支出の内容に応じた勘定科目で記帳します。せどり・転売でよく使う科目を整理すると次のとおりです。
| 経費の内容 | 勘定科目 |
|---|---|
| 商品の仕入れ代金 | 仕入(売上原価) |
| 発送時の送料 | 荷造運賃 |
| 梱包材(段ボール・緩衝材・テープ等) | 消耗品費 |
| プラットフォームの販売手数料 | 支払手数料 |
| 仕入れの際の交通費・ガソリン代 | 旅費交通費 |
| 在庫の保管スペース・トランクルーム代 | 地代家賃 |
| PC・カメラ等(10万円以上) | 減価償却〔工具器具備品〕 |
| PC・周辺機器等(10万円未満) | 消耗品費 |
ここで押さえたいのが10万円のラインです。10万円未満の物品は購入した年に消耗品費として全額経費にできますが、10万円以上の資産は原則としてその年に全額を経費にできず、減価償却として耐用年数にわたって分割して費用計上します。高額なPCや撮影機材を買った年に「全部経費にした」と誤解すると、後で修正が必要になるため注意してください。
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せどり・転売で最重要の「棚卸」
せどり・転売の申告で最もつまずきやすいのが棚卸です。ポイントは一つ、その年の経費にできる仕入れは「売れた分の原価」だけという点です。
仕入れた総額をそのまま経費にすることはできません。期末(12月31日時点)に売れ残っている在庫は「棚卸資産」として資産に計上し、その分の仕入れ値は翌年以降、実際に売れたときに経費(売上原価)へ振り替えます。
売上原価は次の式で計算します。
売上原価=期首在庫(前年末の在庫)+その年の仕入れ−期末在庫(今年末の在庫)
具体例で見てみましょう。
| 項目 | 金額の例 |
|---|---|
| 年間の売上 | 100万円 |
| その年の仕入れ総額 | 80万円 |
| 期末に売れ残った在庫(棚卸資産) | 30万円 |
| 売上原価(80万円−30万円) | 50万円 |
| その他経費 | 10万円 |
| 所得(100万円−50万円−10万円) | 40万円 |
この例で「仕入れ80万円を全額経費にした」と処理すると、所得を実際より20万円低く申告することになり、税務調査で指摘されやすいポイントになります。期末に必ず在庫を数えて棚卸資産を計上すること、これがせどり・転売の申告の要です。仕入れをたくさんしていても、売れ残りが多い年は経費にできる原価が少なくなる、という点を理解しておいてください。
せどり・転売の家事按分の考え方
自宅や自家用車、スマホをプライベートと兼用している場合は、業務で使った割合に応じて按分した金額だけを経費にできます。せどり・転売で按分の対象になりやすいのは次のような支出です。
| 按分対象の支出 | 合理的な基準の例 |
|---|---|
| 自宅を在庫保管・作業に使う家賃・水道光熱費 | 業務に使う面積の割合 |
| プライベートと兼用のスマホ・通信費 | 業務での使用時間・使用量の割合 |
| 仕入れに使う自家用車・ガソリン代 | 業務での走行距離の割合 |
按分割合に決まった正解はありません。「これなら合理的に説明できる」という基準で、業務使用分を算出してください。たとえば自宅の一室を在庫置き場と作業スペースに充てているなら使用面積の割合で、車を仕入れの買い付けに使うなら走行距離の割合で按分する、といった考え方です。大切なのは、あとで根拠を説明できるように按分の基準と計算過程を記録しておくことです。
スマホで仕入れ管理から帳簿づけまで済ませたい場合は、タックスナップのように質問に答えるだけで確定申告書が完成するアプリを使うと、こうした経費や按分の入力もスマホだけで進められます。
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せどり・転売の確定申告のやり方(手順)
確定申告は、売上と経費を集計し、棚卸を反映して所得を計算し、申告書を作って提出・納税するという流れです。せどり・転売では複数のプラットフォームを使うことが多いため、売上の集計漏れを防ぐことが特に重要になります。
- 各プラットフォームの売上を集計する:メルカリ・Amazon・ヤフオクなどの取引履歴・売上明細をすべて集め、年間売上を確定させる
- 仕入れと経費を集計する:仕入れ記録・領収書をもとに、仕入れ代金と経費を科目ごとにまとめる
- 棚卸をする:期末在庫を数えて棚卸資産を計上し、売上原価を確定させる
- 所得を計算する:売上−売上原価−経費で所得を算出する
- 申告書を作成する:所得と控除をもとに確定申告書を作成する
- 提出する:オンライン・郵送・窓口のいずれかで提出する
- 納税する:計算された税額を期限までに納付する
確定申告の期間は、原則として翌年の2月16日〜3月15日です(その年の所得を翌年に申告します)。複数のプラットフォームにまたがる売上を手作業で集計するのは手間がかかりますが、タックスナップなら質問に答えるだけで確定申告書が完成し、スマホからそのままオンライン提出まで完結できます。処理スピードは外部調査で他社比約4倍とされ、2026年の確定申告期間には確定申告アプリ内でApp Store No.1を獲得しています。
せどり・転売が税務調査で気をつけるポイント
税務調査で指摘を受けやすいのは、在庫・売上・私物との区別の3点です。脅すためではなく、日頃から意識しておきたい実務ポイントとして整理します。
| 意識したいポイント | 具体的な内容 |
|---|---|
| 在庫の棚卸計上 | 期末の売れ残り在庫を棚卸資産に計上しているか。仕入れ総額を全額経費にしていないか |
| 各プラットフォーム売上の計上漏れ | メルカリ・Amazon・ヤフオク等の売上をすべて計上したか。取引履歴と帳簿を突合できるか |
| 私物売却と事業仕入れの区別 | 非課税の私物売却と、課税対象の仕入れ販売を分けて管理しているか |
| 無申告リスク | 利益が出ているのに申告していない状態を放置していないか |
| 領収書・仕入記録の保存 | 仕入れの領収書・納品書、経費の証憑を保存しているか |
特にせどり・転売では、複数のアカウントやプラットフォームを横断するため売上の計上漏れが起きやすく、取引履歴という形で記録が残るため後から突合されやすい業種です。また、棚卸をせずに仕入れ総額を経費にしてしまうミスも頻出します。取引履歴・仕入記録・領収書を年間を通して整理・保存し、いつでも根拠を示せる状態にしておくことが、余計な指摘を避ける一番の近道です。
青色申告と白色申告の違い
節税効果が大きいのは青色申告です。せどり・転売が事業所得に該当し、規模が大きくなってきたなら青色申告を検討する価値があります。両者の主な違いは次のとおりです。
| 項目 | 白色申告 | 青色申告 |
|---|---|---|
| 特別控除 | なし | 最大65万円(複式簿記+e-Taxまたは電子帳簿保存)/55万円(複式簿記)/10万円(簡易簿記) |
| 事前の届出 | 不要 | 「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出が必要 |
| 記帳 | 簡易な記帳 | 複式簿記(10万円控除は簡易簿記も可) |
青色申告で最大65万円の特別控除を受けるには、複式簿記による記帳に加えて、e-Taxによる電子申告または電子帳簿保存の要件を満たす必要があります。複式簿記のみなら55万円、簡易簿記なら10万円の控除です。白色申告には特別控除はありません。青色申告を選ぶには事前の届出が必須なので、適用したい年の期限までに手続きを済ませておく必要があります。
無申告が税務署に把握される仕組みと加算税の考え方は、次の記事で解説しています。

スマホで確定申告するならタックスナップ
せどり・転売は、商品を仕入れて販売するという特性上、取引件数が多くなりやすい事業です。そのため、売上や経費を手作業で管理していると、確定申告の時期に膨大な仕分け作業が発生してしまいます。
タックスナップなら、取引データを自動で取得し、「丸投げ仕分け」を使えば大量の取引も短時間で自動仕分けできます。日々の経理の負担を減らしながら、スムーズに確定申告の準備を進められます。

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「個人事業主・スマホ完結」に特化した確定申告アプリ
タックスナップは、日々の経費処理から確定申告書の作成・提出まで、個人事業主・フリーランスに必要な会計機能がすべてスマホで完結できるアプリです。
今までの会計ソフトは「パソコン操作」や「機能の多さ」を前提としたサービスが多かった一方で、タックスナップは「個人事業主・スマホ完結」に特化し、会計知識が全くない方でも、スキマ時間だけで確定申告が終わるように設計しています。
「初めての確定申告でも迷わずに提出できた」 「他の会計ソフトから乗り換えて、圧倒的にラクになった」 といった嬉しいレビューもいただいています。

App Store確定申告アプリランキング1位を獲得
ここ数年で、タックスナップの利用者は急拡大中。
2026年の確定申告期間(2026年2月16日〜3月16日)では、大手会計ソフトのアプリも含む確定申告アプリの中で、全期間にわたってApp Storeランキング1位を獲得しました。
(参照:Sensor TowerのApp Storeランキングデータ)

他会計ソフトの約4倍の経費処理スピード
意外に時間を取られてしまうのが、日々の経費処理です。 「気づいたら何十件も経費が溜まっていた」という時でも、タックスナップならあっという間に登録が完了します。
外部機関による比較調査では、タックスナップを使うと10分間で平均518件の経費を処理できることがわかっています。 他会計ソフトと比べて約4倍、手書きの約18倍、Excelの約40倍のスピードです。

出典:株式会社タックスナップ 「【比較調査】確定申告アプリ「タックスナップ」、同時間での経費処理件数が他会計ソフトと比較して約4倍を記録。」 (実査運営機関:株式会社アスマーク)
速さの秘訣は丸投げ仕分け
タックスナップの経費処理の速さの最大の理由は、「丸投げ仕分け」機能です。
銀行やカードの取引データが自動で反映されるだけでなく、それぞれの取引が経費かプライベートか、どの勘定科目が適しているのかをアプリが高精度で自動判定してくれます。
「丸投げ仕分け」機能を使えば1,000件の仕分けも最短3秒で完了するので、経費処理が驚くほど楽になります。

税理士監修の機能で、はじめての確定申告でも安心
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まとめ
継続的に仕入れて販売するせどり・転売の利益は、事業所得または雑所得として課税対象です。専業なら所得58万円超、副業なら副業所得20万円超が確定申告の目安で、所得は「売上−売上原価−経費」で計算します。せどり・転売で特に重要なのは、期末の売れ残り在庫を棚卸資産として計上し、経費にできるのは売れた分の原価だけという棚卸の考え方です。
プラットフォーム手数料や送料、梱包材といった固有の経費を正しい科目で処理し、私物売却と事業仕入れを区別し、各プラットフォームの売上を漏れなく計上することを意識すれば、税務調査でも慌てずに済みます。売上と経費の記録を日頃から整理し、必要な手続きを期限内に行いましょう。
よくある質問
Q. メルカリで不要品を売っただけでも確定申告は必要ですか?
自分が使っていた生活用動産(服・家電など)の売却は原則非課税のため、確定申告は不要です。ただし、転売目的で仕入れた商品を販売した場合は課税対象になります。同じフリマアプリでも「不要品の処分」か「仕入れた商品の販売」かで扱いが変わる点に注意してください。
Q. せどり・転売はいくらから確定申告が必要ですか?
専業なら所得が基礎控除額(令和7年分以後は58万円)を超える場合、副業なら副業所得が年間20万円を超える場合に確定申告が必要です。いずれも売上ではなく「売上−売上原価−経費」で計算した所得で判断します。
Q. 仕入れた金額は全部その年の経費にできますか?
できません。経費にできるのはその年に売れた商品の仕入れ値(売上原価)だけです。期末に売れ残った在庫は「棚卸資産」として計上し、その分は実際に売れた年に経費へ振り替えます。仕入れ総額をそのまま経費にしないよう注意してください。
Q. 副業の転売で所得が20万円以下なら何もしなくていいですか?
所得税の確定申告は不要ですが、住民税の申告は別途必要です。「20万円以下だから何もしなくてよい」は誤りなので、お住まいの自治体の手続きを確認してください。
Q. 自宅を在庫の保管に使っている家賃は経費になりますか?
業務に使っている割合に応じて按分した分を経費にできます。在庫保管や作業に使う面積の割合など、合理的に説明できる基準で計算してください。按分の基準と計算過程は記録として残しておくことが大切です。
Q. せどり・転売でも青色申告はできますか?
事業所得に該当すれば青色申告が可能で、最大65万円の特別控除などのメリットがあります。ただし事前に「開業届」と「青色申告承認申請書」の提出が必要です。適用したい年の期限までに手続きを済ませておきましょう。
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